悪役令嬢はBL作家「処刑覚悟で萌えますわ!」~婚約者の王子様ごめんなさい、あなたをネタに小説書いてます~

すえつむ はな

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第三章 BL小説の存在、世に知られる

081-2

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 メリーローズは休日明けに、生徒会室でそのことを提案してみた。

「それが出来ればなあ……」

 当のフィルバートが及び腰になっている。
 どうも彼は父親への苦手意識が強そうだ。

「そんなことを言っていたら、いつまで経ってもミュリエルとの仲を認めてもらえませんよ」

「そのうち、ミュリエルが王太子殿下の婚約者になっちゃったりして……」

 エルシーとヘザーが煽るが、フィルバートはグダグダと言い訳ばかり返してくる。

「もう、煮え切らないわね! ミュリエルのことが好きなのでしょう?」

 フィルバートの態度に業を煮やしたメリーローズが、ビシ! と指さした。

「それは、そうだけど……」

「なんだかメリーローズ様、かっこいいです! フィルバート先輩はかっこ悪いですー」

「何だと!」

 メリーローズに言い返せない分、アデレイドに怒って見せたフィルバートは、彼女の後ろに立っている人影に気付いて、ビクリと体を震わせた。

「ミ、ミュリエル……」

「……私が貴族じゃないばっかりに、ごめんなさい」

「何言ってるんだよ。お前は何も悪くない!」

「だったら、ちゃんとお父上と向き合って、ミュリエルを安心させてくださいよ!」

「その通りです!」

 またエルシーとヘザーのミュリエル応援隊から檄が飛ばされ、フィルバートは苦虫を噛み潰したような顔になる。

「エルシー、ヘザー、ありがとう。気持ちは嬉しいけど、私とフィルバート先輩の問題だから……」

「ミュリエル、あなたは我慢強いからつい自分さえ耐えていれば……と思ってしまうのでしょうけど、それは違います」

 俯いて悲し気な顔をするミュリエルの肩を、メリーローズがそっと叩く。

「この生徒会室の中で、不機嫌さを隠そうともしないフィルバート先輩に、皆うんざりしているのですわ!」

「うっ……」

 ビシィッ! と指をさされてフィルバートが怯む。

「あのー……」

 そこに能天気な顔でアデレイドが割り込んだ。

「フィルバート先輩のお父様ってー、フィルバート先輩が学年一位の成績を取って欲しいと思ってるんですよねー? だったら一位を取って、ミュリエルさんのおかげだって言えばいいんじゃないですか?」

「それだ!」

 メルヴィンが手を叩く。

「ウダウダしているより、お父上に認められるよう努力したらどうだ?」

「僕たちで役に立つなら、お手伝いするよ」

 アルフレッドも声を掛けたが、フィルバートは及び腰だ。

「でも、次の試験期間まで、あと一か月切っているんすよ」

「おい、フィルバート!」

 それまで黙っていたアーネストが強い口調で話しかける。
 彼は見せつけるように、ヘザーの肩を抱き寄せた。

「僕たちみたいに、親も認めるナイスカップルになりたくないのか?」

「親に認められてはいますが、ナイスカップルかどうかは明言しかねます」

 抱き寄せられながらも、ヘザーは冷静に突っ込む。

「いや、ナイスカップルだろう? 僕たちは」

「さあ……」
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