悪役令嬢はBL作家「処刑覚悟で萌えますわ!」~婚約者の王子様ごめんなさい、あなたをネタに小説書いてます~

すえつむ はな

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第三章 BL小説の存在、世に知られる

111-2

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「メリーローズ様が当然受けてしかるべき敬意を、捧げているだけでございます」

「そうです、そうです」

 ヘザーの説明に、他の三人が今度は首を縦に振る。
 妙な空気が流れるのを見かねて、話題を少し変えようと、シルヴィアがメリーローズの話を継いだ。

「わたくしの先祖、特にわたくしに魔術を教えてくれた曾祖母の家系は、王家をはじめとする高位貴族の方々のご先祖がここにくる前からこの国に棲みついていた、土着の民と聞いております。その後長い時間を経て、高位貴族の方々のご先祖と、元からいた民の血が少しずつ混ざっていったように、大精霊がこの国にもたらした言語と、土着の人々の言語が混ざり合っただろうことも、当然推測され……」

 シルヴィアはそこまで話したところで、彼女たち四人が自分に対して、メリーローズに向けたのと同じか、負けないくらいキラキラした目で見つめていることに気がついた。

「あ、あ……あの……?」

「さすがはシルヴィア、深いご考察……」

 うっとりとしたエルシーの呟きに、相変わらず生徒会室の隅で勉強をしていたフィルバートも反応する。

「シルヴィア…………? 今、って言った?」

「あら、いいえ。オホホ。言い間違えました。ね、シルヴィア様……じゃなかった、シルヴィアさん」

(『シルヴィア』? だのだの、どうしちゃったの? この子たち……!)

 昨日の夜は、確かに普通に接してきていたはずなのに、今日のこのキラキラ攻撃はなんとしたことか?
 思い当たる節のまったくないシルヴィアは、ただタジタジと後退りたい気分である。

「でもまあ、シルヴィアは昨日大活躍だったからな。急に尊敬の念が強くなっても、当然だろう」

 メルヴィンの言葉に、また四人が大いに頷く。

「そうです、そうです」

「尊敬です!」



 キャッキャと大騒ぎしている生徒会メンバーを横目に、メルヴィンの使用人として控えているロナルドは、こっそり舌を打った。

(なんだよ、あんな高位貴族の令嬢や子息に囲まれて、楽しそうにしやがって……。姉貴のくせに、女のくせに……)

 父親からシルヴィアが王都のランズダウン家にメイドとして働きに行ったことは聞いていた。
 仮にも貴族の娘でありながら下働きなんて、と鼻で笑っていたら、そのうちランズダウン家のお嬢様と一緒に高等学院に入ることになったと聞き、嫉妬の炎が燃えだす。

(初等学院、中等学院、高等学院と、俺がことごとく落ちた学校に、なぜ姉貴が入れるんだ!)
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