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初めての鞭打ち
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今日は、2回目のピアノ教室。
レッスン前には、響子先生と向かいあって座りながら、前回の復習や今日の流れを確認することになっている。
「さて、それじゃ今日は教本の最初の節をやってみましょう。教本、持ってきてるわね?」
「あ、はい」
椅子の横に置いたバッグの中を確認する。
……うそ! ない!
前回渡された教科書はあるけど、買うように言われて昨日買った教本は……入れ忘れたみたい。
「あの、すいません。持ってくるの忘れました」
……さっそくやってしまった
「仕方ないわね。次からはちゃんと持ってきなさい」
「はい」
「今日は、少し基本練習をやりましょう。でも、その前にお尻ね」
……お尻って、もちろん「あれ」よね
「沙織から聞いているでしょ、お尻たたきのこと」
「……はい」
響子先生は立ち上がると、鞭が掛けてある壁に歩き出す。
壁の鞭を取り、下にある棚から何かを取り出して戻ってきた。
「今日は最初だから、少しお尻たたきの練習もしないとね」
テーブルの上に置かれる鞭とヘアブラシ…と思ったらブラシになってない。これってパドルっていうものかしら?
……いや、それより練習?
「あの、練習、ですか?」
「そう。自分でお尻を出して逃げずに叩かれる練習」
……お尻を出す……下着も……ってことよね
「そういえば、この前沙織に叩かれたみたいだけど、もう大丈夫よね?」
「え……どうしてそれを」
「防音でもない部屋であれだけお尻を叩けば、聞こえるのは当たり前でしょう」
……確かに
「あの、あれは私が無理に」
「わかってるわ。沙織のお尻に聞いたから」
…そんな。私のせいで
「本当に、私の方から先輩に覆いかぶさったりして……先輩はその悪くないです」
「確かにあなたがきっかけを作ったとは言えるけど、かなりの数叩いたみたいだから嫌だったんじゃない?」
「いえ。お尻を叩かれるのは嫌というわけでも……どちらかというと嬉しかったです」
「そう。叩いた後、あなたのお尻をむき出しにしていたずらしたみたいだけど」
「あれは、痣にならないよう心配してクリームを……」
「本当にそう思う?」
……確かにあの時の先輩、ちょっと積極的というか、狙われている感じもなくはなかったかも……
「え、と。ちょっと大げさな感じはしたけど、私は嫌というより気持ちよかったので感謝しています」
少し考えこむ様子の響子先生。この微妙な間は……
……あれ? 私、さっきからとんでもないこと言ってる?
「また今度、話をしましょう」
……なんか、変な子というか問題児認定されたような
「とりあえず、お尻たたきの練習は必要なさそうね」
響子先生は鞭を手に立ち上がる。
「お尻を出して椅子に乗せなさい」
……そういえば、忘れ物でお尻をたたく、という話だったっけ
一瞬何でお尻を出すよう言われたのか分からず混乱したけど、もう変な子だと思われているだろうし隠す必要もないわね。
立ち上がって椅子を引いてみる。重くてしっかりした感じの椅子だから、特にどこかを押さえていないといけないということもなさそう。
響子先生に見られる(見せる?)ことも考えて穿いてきた白無地の木綿ショーツを一気に下ろす。
椅子に横たわると、スカートを腰のあたりにまくり上げてお尻の準備完了。
もう恥ずかしさみたいなものは感じなかった。
「もう少し前に行ってお尻上げて」
指示通り体の位置をずらす。
「これからは、ちゃんとしないとどうなるか、お尻に鞭の痛みを叩きこんであげる」
軽く平手でお尻を叩かれた後、かすかな風切り音。
そして
「いっ!」
お尻ではじける衝撃。
お尻のほぼ中央に当たった鞭に息をのむ。
……こ、これは無理!
詰まる息が少し緩まったところで、何とか許してもらおうと声を上げようとしたところに
「お尻、戻して」
響子先生のいつに増して冷たい感じの低い声が重なった。
「……はい」
思わず身をよじり横向きになっていたお尻を、慌てて戻す。
とても許してもらえる雰囲気ではなく、続けて2発目、3発目、4発目と必死に耐えた。
5発目。
お尻の右外側に少し巻き付くように叩きこまれた鞭に、詰めていた息を思わず吐き出す。
「……やっ!」
声にならない悲鳴。
思わずお尻を手で押さえてしまう。
「あ、あのごめんなさっ」
無言で手を掴まれ、お尻から引き離される。
「これは、練習が必要だったかしらね」
……練習してもこんなの無理!
響子先生の手で姿勢を直され、お尻を軽く平手打ちされた。
「今日はあと1回で許してあげる」
床に手をついて最後の1発を待つ。
先日の先輩の平手打ち、微かな期待感と昂ぶりに浸っていたあの時の感覚とは全く異なる恐怖に飲み込まれそう。
……来る!
鞭が振り下ろされる気配に続く風切り音。
お尻の左上に打ち込まれる最後の鞭。
ずり落ちそうになる体を、椅子に縛り付けるように抱え込んだ。
「お尻上げて」
「え?」
反射的にお尻を持ち上げると、響子先生の手でショーツを戻される。
「それじゃ、座って。レッスン始めるわよ」
響子先生は、鞭を置くと何事もなかったようにレッスンを始めた。
余韻に浸る間もなく、座りなおす。
お尻に少ししびれるような感じと痛みはあるけど、座り続けることが苦痛になるほどではなかった。
その後は、特にお尻たたきの話が持ち出されることもなく、レッスンが続く。
落ち着かないけど、気を抜くこともできない緊張感の中で淡々とレッスンが終了。
「今日はこのまま帰りなさい」
「はい」
さすがに今日は先輩とお話し、というわけにはいかなさそう。
「来週、沙織と一緒に話をしましょう。沙織から連絡させるわ」
「……わかりました。あの、でも先輩は」
「あなたと一緒に話をするまでは、沙織のお尻をどうするかは保留にしておく」
……これ、かなりまずいことになるんじゃ
レッスン前には、響子先生と向かいあって座りながら、前回の復習や今日の流れを確認することになっている。
「さて、それじゃ今日は教本の最初の節をやってみましょう。教本、持ってきてるわね?」
「あ、はい」
椅子の横に置いたバッグの中を確認する。
……うそ! ない!
前回渡された教科書はあるけど、買うように言われて昨日買った教本は……入れ忘れたみたい。
「あの、すいません。持ってくるの忘れました」
……さっそくやってしまった
「仕方ないわね。次からはちゃんと持ってきなさい」
「はい」
「今日は、少し基本練習をやりましょう。でも、その前にお尻ね」
……お尻って、もちろん「あれ」よね
「沙織から聞いているでしょ、お尻たたきのこと」
「……はい」
響子先生は立ち上がると、鞭が掛けてある壁に歩き出す。
壁の鞭を取り、下にある棚から何かを取り出して戻ってきた。
「今日は最初だから、少しお尻たたきの練習もしないとね」
テーブルの上に置かれる鞭とヘアブラシ…と思ったらブラシになってない。これってパドルっていうものかしら?
……いや、それより練習?
「あの、練習、ですか?」
「そう。自分でお尻を出して逃げずに叩かれる練習」
……お尻を出す……下着も……ってことよね
「そういえば、この前沙織に叩かれたみたいだけど、もう大丈夫よね?」
「え……どうしてそれを」
「防音でもない部屋であれだけお尻を叩けば、聞こえるのは当たり前でしょう」
……確かに
「あの、あれは私が無理に」
「わかってるわ。沙織のお尻に聞いたから」
…そんな。私のせいで
「本当に、私の方から先輩に覆いかぶさったりして……先輩はその悪くないです」
「確かにあなたがきっかけを作ったとは言えるけど、かなりの数叩いたみたいだから嫌だったんじゃない?」
「いえ。お尻を叩かれるのは嫌というわけでも……どちらかというと嬉しかったです」
「そう。叩いた後、あなたのお尻をむき出しにしていたずらしたみたいだけど」
「あれは、痣にならないよう心配してクリームを……」
「本当にそう思う?」
……確かにあの時の先輩、ちょっと積極的というか、狙われている感じもなくはなかったかも……
「え、と。ちょっと大げさな感じはしたけど、私は嫌というより気持ちよかったので感謝しています」
少し考えこむ様子の響子先生。この微妙な間は……
……あれ? 私、さっきからとんでもないこと言ってる?
「また今度、話をしましょう」
……なんか、変な子というか問題児認定されたような
「とりあえず、お尻たたきの練習は必要なさそうね」
響子先生は鞭を手に立ち上がる。
「お尻を出して椅子に乗せなさい」
……そういえば、忘れ物でお尻をたたく、という話だったっけ
一瞬何でお尻を出すよう言われたのか分からず混乱したけど、もう変な子だと思われているだろうし隠す必要もないわね。
立ち上がって椅子を引いてみる。重くてしっかりした感じの椅子だから、特にどこかを押さえていないといけないということもなさそう。
響子先生に見られる(見せる?)ことも考えて穿いてきた白無地の木綿ショーツを一気に下ろす。
椅子に横たわると、スカートを腰のあたりにまくり上げてお尻の準備完了。
もう恥ずかしさみたいなものは感じなかった。
「もう少し前に行ってお尻上げて」
指示通り体の位置をずらす。
「これからは、ちゃんとしないとどうなるか、お尻に鞭の痛みを叩きこんであげる」
軽く平手でお尻を叩かれた後、かすかな風切り音。
そして
「いっ!」
お尻ではじける衝撃。
お尻のほぼ中央に当たった鞭に息をのむ。
……こ、これは無理!
詰まる息が少し緩まったところで、何とか許してもらおうと声を上げようとしたところに
「お尻、戻して」
響子先生のいつに増して冷たい感じの低い声が重なった。
「……はい」
思わず身をよじり横向きになっていたお尻を、慌てて戻す。
とても許してもらえる雰囲気ではなく、続けて2発目、3発目、4発目と必死に耐えた。
5発目。
お尻の右外側に少し巻き付くように叩きこまれた鞭に、詰めていた息を思わず吐き出す。
「……やっ!」
声にならない悲鳴。
思わずお尻を手で押さえてしまう。
「あ、あのごめんなさっ」
無言で手を掴まれ、お尻から引き離される。
「これは、練習が必要だったかしらね」
……練習してもこんなの無理!
響子先生の手で姿勢を直され、お尻を軽く平手打ちされた。
「今日はあと1回で許してあげる」
床に手をついて最後の1発を待つ。
先日の先輩の平手打ち、微かな期待感と昂ぶりに浸っていたあの時の感覚とは全く異なる恐怖に飲み込まれそう。
……来る!
鞭が振り下ろされる気配に続く風切り音。
お尻の左上に打ち込まれる最後の鞭。
ずり落ちそうになる体を、椅子に縛り付けるように抱え込んだ。
「お尻上げて」
「え?」
反射的にお尻を持ち上げると、響子先生の手でショーツを戻される。
「それじゃ、座って。レッスン始めるわよ」
響子先生は、鞭を置くと何事もなかったようにレッスンを始めた。
余韻に浸る間もなく、座りなおす。
お尻に少ししびれるような感じと痛みはあるけど、座り続けることが苦痛になるほどではなかった。
その後は、特にお尻たたきの話が持ち出されることもなく、レッスンが続く。
落ち着かないけど、気を抜くこともできない緊張感の中で淡々とレッスンが終了。
「今日はこのまま帰りなさい」
「はい」
さすがに今日は先輩とお話し、というわけにはいかなさそう。
「来週、沙織と一緒に話をしましょう。沙織から連絡させるわ」
「……わかりました。あの、でも先輩は」
「あなたと一緒に話をするまでは、沙織のお尻をどうするかは保留にしておく」
……これ、かなりまずいことになるんじゃ
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