ピアノ教室~先輩の家のお尻たたき~

鞭尻

文字の大きさ
1 / 5

先輩とお尻たたきの話

しおりを挟む
「ええ、ちゃんと帰るわ」

沙織先輩が、スマホで話している。

先輩と歩く下校途中の通学路。
今日は、私の家で先輩とクラブ活動の打ち合わせを行う予定で一緒に帰ることになった。

通話相手は、感じからするとお母さん?

今日は早く帰って来い、みたいな話だけど、普通ここまでしつこく言うかしら? さすがに先輩も、少し苛ついてきたみたい。

「わかってる。こないだみたいなことはしないわ」

クラブ活動で知り合ってから、いろいろお世話になっている先輩。
何でもできる人、って感じですぐに私の憧れの存在になった。

いつもの誰にでも明るく優しい感じとは少し違う、逃げ腰というか一刻も早く切り上げたそうな雰囲気。

隣に私がいるせいもあるかもしれないけど、先輩のいつもと違う雰囲気が少し新鮮。

「大丈夫。じゃあ」

先輩は逃げるように通話を終えると、ため息混じりにぼやいた。

「うちの親、厳しくて嫌になっちゃう」
「そうなんですか?」
「まあ私が悪い面もあるけど、少しうるさすぎね。それに」

先輩は少し言い淀んだ後、つぶやくように言った。

「すぐに、その、お尻をたたくの」
「!」

先輩の言葉を聞いて、思わず立ち止まる。

え、それはつまり先輩のお母さんが先輩のその、お尻をっていうこと?

思わず、半歩先を歩く先輩のお尻に目がとまる。
ふわりとしたスカートに包まれた豊かな丸み。

けっこう大きいのよね

ふと体育祭の時に見た短パン姿の先輩の後ろ姿を思い出す。
立ち止まっていけない空想に浸る私。

数歩先を歩く形になった先輩が、不思議そうに振り返る。
いけない、変に思われちゃう。

私は、慌てて歩き出す。

しばらくすると、少し前を行く先輩が振り返って聞いてきた。

「そういえば、理沙のうちはどう? 門限とか厳しいの?」
「あまり遅くならないように、とは言われるけど特に門限はないです」

もちろん夕食までに帰って来なさい、と言われることはあるけど、遅れたからどう、というわけでもないかしらね。一応、遅くなる時は連絡入れるくらい。

「いいわね。うちは7時までに帰らないと、お仕置きよ」

苦笑する先輩。
お仕置きって……

「ねえ、変なこと聞くようだけど、理沙は家でお尻たたかれることある?」

え、私?
あったら良いとは思うけど……少なくとも、家ではないわね。

でも、話をあわせてみても良いかしら。
お尻たたきの話ができる機会なんて、めったにないし。

「……はい。たまに」
「そう、理沙も」

先輩は、少し考え込むようにうつむいていた。

「どの位、たたかれるの?」

先輩の問にどう答えるべきか、今度は私が考え込む。
ここは、適当にごまかすしかないわね。

「10回位、です」
「そんなもんなの? うちなんて、50回とか100回は当たり前よ」

え?
現実というか本当にあるお尻たたきって、手や定規で数回たたかれる、ってイメージだったんだけど……

「下は、みんな脱がされるしね」
「え、あの脱がされるって……」

まさか

「お尻丸出し、ってわけね」

そんなこと本当にあるんだ、って感じだけど、先輩は冗談を言っているようには見えなかった。

「お尻丸出しで100たたき。マンガみたいでしょ?」
「そう、ですね」

そう、最近は減ったみたいだけど少し昔のマンガとかアニメには、そういうシーンが結構ある。
私の秘密コレクション……あの「名シーン」が、現実にあるなんて!

しかも、先輩がお尻を……っていけない。何考えてるのよ!

「理沙の家ではどんな感じ?」
「たいていは、その…下着の上からで、たまに……脱がされたりも」

適当にごまかすにしても、先輩の話がすごすぎてどこまで作り話をすればよいのか、わからない。

「そう。私が前通っていた塾も、そんな感じだったかしらね」

……もう完全に別世界の話みたい。
先輩、うらやましいです。

それから、先輩とお尻たたきの話をしながら歩いた。

嘘をついていることに少しの罪悪感を感じながらも話に引き込まれ、私の家に着いてもしばらくその話に興じていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ナースコール

wawabubu
大衆娯楽
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...