9 / 10
第1章
第8話
しおりを挟む
:アルフレートside
「ふむ、お主ら今回はたった2人の平民の新入生であっておるかの?」
「えぇ、あっておりますよ。」
移動したのは何やら高そうな家具が並ぶ部屋。おじいさんは大きな椅子にどっかり座る。
俺たちにもソファに座るよう促してきたので、言葉に甘えて座ることにした。
ミアも隣座る。
「ほうか…ふむ。わしはランドルフ・ヒーストと言う。この魔法学院で学院長を務めておる。」
「「え」」
まさか学園長だったとは…
「おい、ミア」
ミアは俺の方に体重をかけもたれかかって来た。
「よいよい、流石に疲れたじゃろう。休ませておやり」
俺はミアを膝に寝そべさせる。ミアは一瞬のうちに眠りについた。
さっきの実技テスト(?)での魔力消耗が激しかったみたいだ。コイツは途中でバカでかい水の龍を出してその上風魔法で蒸気を煽るものだから、一気に魔力を消耗し軽い貧血のような状態になっている。
仕方が無いので、俺の魔力を少し分けることにした。少量でいいので手を握り魔力を循環させる。
「お主らは…すまん、名前を聞かせてくれぬか」
「あ、はい。すいません、俺はアルフレート。コイツはミアです。ラルスの孤児院から来ました。」
「アルフレートとミアか。ラルス…また遠いところから来たのぉ。…お主ら、魔法は誰に習ってきたのじゃ?」
「…え、俺たちに師はいません。周りには魔力を持たない人ばかりで、村でも魔法を使えるのは俺とミアだけです。なので俺たちは独学で魔法を習得しました。」
「独学じゃと…?」
ランドルフ学院長は訝しげな目でこちらを見てきた。別に嘘ではないのでその目をただ見つめる。
「……それなら、様々な属性の魔法陣は?魔法陣を知らぬと魔力の操り方がわからず発動せぬ。どうやって知った?」
「魔法陣は魔術書に書いてあったので、それをそれぞれ覚えました。操り方…と言っても魔法陣を思い出し、自分の想像通りに魔法を練り上げれば具現化したのでそこまで細かく考えたことは…ないです。」
そう、俺たちは村の小さな図書館にあるボロボロの魔術書を2人で読み漁り色々と挑戦してきた。魔法陣は本でしか見たことがなかったけれど、頭で描き魔力を込めれば魔法は使えた。それをコツコツと練習してきて今があるのだ。それを疑われる言われはない。
「これは最早…天性の才能というやつか…それとも努力家だったのか……ふむ…。」
ランドルフ学院長が眉を寄せ考え込んでいると、俺の膝で寝ていたミアが目を覚ました。魔力も回復したらしい。
「ん~ちょっと寝た。話し終わってる?」
「終わってない」
「あー早く起きすぎた」
背筋をグイッと伸ばして隣に座り直したミアはランドルフ学院長に微笑む
「まだ何か質問がありますか?」
「ほっほっほっ!随分と肝が座ったお嬢さんのようじゃ。わしにおじいちゃんとな!よいよい。今日のところはここまでにしとこう。さっき言った通り実技テストは終了じゃ。わしがこの腕で確かめた。…そこでだ。2人に話がある。」
「さっきのお主らは、浮遊、転移、氷、そして風と水の大型魔法。どれも連発でやっておったな?」
「「う…ん?」」
大型魔法っていうのか?
ミアの水の龍は確かにでかかったけど。
「あれほどの魔法は今年の新入生いや、この学院の在校生でも無理じゃろう。
正直言って、お主らここで学ぶことがない。」
「「は?」」
「だからといって入学早々、学院を辞めるとはもったいない。…ここで提案じゃ。王宮魔術師団に研修生として派遣しながらたまに学院の授業を受けるというのはどうだろう?そうすれば寮にもおれるし、何より生活が充実するぞ。」
「また面倒臭い事に…」
ミアが隣で嘆いている。
もう、俺らは一体なんなんだろう。
どうしたら学院入学が王宮魔術師団に研修へと変わるのか。
俺らのどうしようもない顔を見て、ランドルフ学院長はいいことを教えてくれた。
「……王宮魔術師団は上下関係はあれど皆平等にしておる。この学院は身分が関係ないといっても生徒で問題のあるやつもおるから息苦しい生活になるだろう。
王宮魔術師団には国が誇る最強魔術師がわんさかおるし、何より気が楽だと思うがの…」
「……いいかも」
「…なら、了解しました。」
こうして、俺たちの学院入学と王宮魔術師団研修が決まった。
「ふむ、お主ら今回はたった2人の平民の新入生であっておるかの?」
「えぇ、あっておりますよ。」
移動したのは何やら高そうな家具が並ぶ部屋。おじいさんは大きな椅子にどっかり座る。
俺たちにもソファに座るよう促してきたので、言葉に甘えて座ることにした。
ミアも隣座る。
「ほうか…ふむ。わしはランドルフ・ヒーストと言う。この魔法学院で学院長を務めておる。」
「「え」」
まさか学園長だったとは…
「おい、ミア」
ミアは俺の方に体重をかけもたれかかって来た。
「よいよい、流石に疲れたじゃろう。休ませておやり」
俺はミアを膝に寝そべさせる。ミアは一瞬のうちに眠りについた。
さっきの実技テスト(?)での魔力消耗が激しかったみたいだ。コイツは途中でバカでかい水の龍を出してその上風魔法で蒸気を煽るものだから、一気に魔力を消耗し軽い貧血のような状態になっている。
仕方が無いので、俺の魔力を少し分けることにした。少量でいいので手を握り魔力を循環させる。
「お主らは…すまん、名前を聞かせてくれぬか」
「あ、はい。すいません、俺はアルフレート。コイツはミアです。ラルスの孤児院から来ました。」
「アルフレートとミアか。ラルス…また遠いところから来たのぉ。…お主ら、魔法は誰に習ってきたのじゃ?」
「…え、俺たちに師はいません。周りには魔力を持たない人ばかりで、村でも魔法を使えるのは俺とミアだけです。なので俺たちは独学で魔法を習得しました。」
「独学じゃと…?」
ランドルフ学院長は訝しげな目でこちらを見てきた。別に嘘ではないのでその目をただ見つめる。
「……それなら、様々な属性の魔法陣は?魔法陣を知らぬと魔力の操り方がわからず発動せぬ。どうやって知った?」
「魔法陣は魔術書に書いてあったので、それをそれぞれ覚えました。操り方…と言っても魔法陣を思い出し、自分の想像通りに魔法を練り上げれば具現化したのでそこまで細かく考えたことは…ないです。」
そう、俺たちは村の小さな図書館にあるボロボロの魔術書を2人で読み漁り色々と挑戦してきた。魔法陣は本でしか見たことがなかったけれど、頭で描き魔力を込めれば魔法は使えた。それをコツコツと練習してきて今があるのだ。それを疑われる言われはない。
「これは最早…天性の才能というやつか…それとも努力家だったのか……ふむ…。」
ランドルフ学院長が眉を寄せ考え込んでいると、俺の膝で寝ていたミアが目を覚ました。魔力も回復したらしい。
「ん~ちょっと寝た。話し終わってる?」
「終わってない」
「あー早く起きすぎた」
背筋をグイッと伸ばして隣に座り直したミアはランドルフ学院長に微笑む
「まだ何か質問がありますか?」
「ほっほっほっ!随分と肝が座ったお嬢さんのようじゃ。わしにおじいちゃんとな!よいよい。今日のところはここまでにしとこう。さっき言った通り実技テストは終了じゃ。わしがこの腕で確かめた。…そこでだ。2人に話がある。」
「さっきのお主らは、浮遊、転移、氷、そして風と水の大型魔法。どれも連発でやっておったな?」
「「う…ん?」」
大型魔法っていうのか?
ミアの水の龍は確かにでかかったけど。
「あれほどの魔法は今年の新入生いや、この学院の在校生でも無理じゃろう。
正直言って、お主らここで学ぶことがない。」
「「は?」」
「だからといって入学早々、学院を辞めるとはもったいない。…ここで提案じゃ。王宮魔術師団に研修生として派遣しながらたまに学院の授業を受けるというのはどうだろう?そうすれば寮にもおれるし、何より生活が充実するぞ。」
「また面倒臭い事に…」
ミアが隣で嘆いている。
もう、俺らは一体なんなんだろう。
どうしたら学院入学が王宮魔術師団に研修へと変わるのか。
俺らのどうしようもない顔を見て、ランドルフ学院長はいいことを教えてくれた。
「……王宮魔術師団は上下関係はあれど皆平等にしておる。この学院は身分が関係ないといっても生徒で問題のあるやつもおるから息苦しい生活になるだろう。
王宮魔術師団には国が誇る最強魔術師がわんさかおるし、何より気が楽だと思うがの…」
「……いいかも」
「…なら、了解しました。」
こうして、俺たちの学院入学と王宮魔術師団研修が決まった。
0
あなたにおすすめの小説
出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→
AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」
ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。
お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。
しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。
そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。
お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、
幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。
アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。
すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。
☆他投稿サイトにも掲載しています。
☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。
黒騎士団の娼婦
星森
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
モブ転生とはこんなもの
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。
乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。
今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。
いったいどうしたらいいのかしら……。
現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
他サイトでも公開しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる