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第2章 生活
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「エレナ、見てみろ。もうすぐフィルスの地区に入るぞ」
アルフレッドさんに声をかけられ外を見てみる。前には大きな門が2つあり、片方はモービルや荷車が通る門。もう片方は人が通る門のようだ。通る前に身分証明書や通行手形を門番さんに見せるみたいだ。
今はオートモービルに乗ってフィルス地区に向かっている。イヴァンさんが運転するモービルに私とアルフレッドさんが。そして、後ろのもう1台のモービルにリックさんとクラウスさんとアランさんが乗っている。
アランさん…初めて会う人かと思いきや朝、廊下であった人だった。
どうしよう…嫌われているみたいだし、機嫌を損ねないように気をつけないと。
門の下に来てイヴァンさんが通行手形をみせる。門番さんが確認を取り通ることが出来た。
だが、隣の門で何か騒ぎが起こっているようだ。
アルフレッドさんが身を乗り出し門番さんに聞く。
「おい、どーした?」
「ア、アルフレッドさん!実は、小さい子供が門を通りたがっているようなのですが身分証明書を持ってないようでして…それに、言葉も他国の言葉みたいで話が通じないのです。それで先程から私どもも困り果ててまして…」
「はぁ?」
アルフレッドさんがモービルが降りる。
私も気になったので後ろについて行く。
「ーーーー!!ーーーー!!」
そこには銀髪の知っている顔の子がいた。
いつしか、広場で出会ったニール君だ。
泣きながら叫んでいて門番さんが2人がかりで留めている。
「おいおい、本当に小さい子供だな」
アルフレッドさんもどうしたもんかと眉を下げる。
ニール君は急に近づいてきたアルフレッドさんにびっくりしてこちらに気づく。すると、私のことも目に入ったようでものすごい勢いで駆け寄って抱きついてきた。
「ーーーっ!!エレナ!!」
「っはぁ!?」
突然抱きついてきたニール君を見てアルフレッドさんや門番さん達も驚く。
「エレナ!!助けて!!お母さんが!お母さんが!!」
「ニール君、落ち着いてください。」
宥めるように彼の背中をさする。しばらくしてから深呼吸を繰り返してニール君は落ち着いた。
「お母さんが病気なんだ!薬を買いに行こうとしたら薬屋さんがお休みで!!だから、隣の地区の薬屋さんに行きたいけどここを通して貰えないんだ!!どうしよう、お母さんが死んじゃう!!」
泣きながらすがりついてくる。それほど彼の母親の体調が優れないのだろう。また、落ち着かせるように彼の背中をさする。
「……エレナ?この子の言ってる事が分かるのか?ていうか、知り合いなのか?」
アルフレッドさんの事を忘れていた。アルフレッドさんは怪訝そうにニール君を見る。
「ニール君は前、広場であった友人です。
言葉は通じます、勉強してたので。
彼のお母さんが病気で薬をフィルス地区に買いに行きたいそうです。」
「……………」
アルフレッドさんがまた考えている。
「ニール君、ここを通るためにはなにか身分証明できるものがないと通して貰えないみたいです。」
「え!!そうなの!?どうしよう、僕、そんなの持ってない。でも、取りに行ってる間にお母さんの病気がひどくなったら…」
また彼が泣き出してしまう。
「エレナ、この子に通訳してくれる?お前のお母さん、どんな症状だ?って」
「ニール君、お母さんはどんな症状ですか?」
「ずっと咳をごほんごほんってしてて顔が赤いんだ。ベットから起き上がるのも苦しいんだって!」
「咳と熱みたいです。」
「よし、わかった。この門は身分証明しないと通せないからボウズを通す訳には行かないが、薬は買ってきてやるよ。おーい!リック」
アルフレッドさんが大きい声で呼ぶとリックさんはバっと走ってくる。
「はいっす!」
「お前、咳と熱に効く薬走って買ってこい。
そんで、このボウズに渡せ。渡したらフィルスの屋敷まで走ってこい。いいな?」
「は、はいっす!全力で走るっす!」
そう言ってリックさんは門番に身分証明書を見せると走って薬屋に向かっていった。
「……?」
ニール君は状況がわからなく不安そうにしている。
「ニール君はここを通れないから代わりに今のお兄さんが薬を買ってきてくれるみたいです。ここで待っててくれますか?」
「うん!!」
彼はやっと笑顔になり、また私に抱きつく。
「おいおいおい、そろそろ離れようか。」
アルフレッドさんがニール君と私を引っ剥がす。
ニール君は不思議そうにアルフレッドさんを見つめる。
「エレナ!ありがとうってなんて言うの?」
こちらの言葉でありがとうという意味をニール君に教える。ニール君は嬉しそうにアルフレッドさんにお礼を言った。
「ちょっと!解決したならアンタ達行くわよ!遅れてるじゃないの!」
クラウスさんに怒られモービルに乗り込む。
「またね、エレナ!どうもありがとう!」
「はい、今度会ったらお母さんのこと聞かせて下さい。」
ニール君ともお別れした。
その後、彼にはしっかり薬が渡され彼のお母さんも回復したそうだ。
そしてここだけの話。
薬屋まで走り、また門まで戻る。その後フィルスの屋敷まで走ったリック。
この国でも薬は安くはない。だが、ニールとその母を思ってかリックは自腹でそれを奢り、ニールにしっかり届けた。
アズーロ1お人好しで優しいやつなのだ。
アルフレッドさんに声をかけられ外を見てみる。前には大きな門が2つあり、片方はモービルや荷車が通る門。もう片方は人が通る門のようだ。通る前に身分証明書や通行手形を門番さんに見せるみたいだ。
今はオートモービルに乗ってフィルス地区に向かっている。イヴァンさんが運転するモービルに私とアルフレッドさんが。そして、後ろのもう1台のモービルにリックさんとクラウスさんとアランさんが乗っている。
アランさん…初めて会う人かと思いきや朝、廊下であった人だった。
どうしよう…嫌われているみたいだし、機嫌を損ねないように気をつけないと。
門の下に来てイヴァンさんが通行手形をみせる。門番さんが確認を取り通ることが出来た。
だが、隣の門で何か騒ぎが起こっているようだ。
アルフレッドさんが身を乗り出し門番さんに聞く。
「おい、どーした?」
「ア、アルフレッドさん!実は、小さい子供が門を通りたがっているようなのですが身分証明書を持ってないようでして…それに、言葉も他国の言葉みたいで話が通じないのです。それで先程から私どもも困り果ててまして…」
「はぁ?」
アルフレッドさんがモービルが降りる。
私も気になったので後ろについて行く。
「ーーーー!!ーーーー!!」
そこには銀髪の知っている顔の子がいた。
いつしか、広場で出会ったニール君だ。
泣きながら叫んでいて門番さんが2人がかりで留めている。
「おいおい、本当に小さい子供だな」
アルフレッドさんもどうしたもんかと眉を下げる。
ニール君は急に近づいてきたアルフレッドさんにびっくりしてこちらに気づく。すると、私のことも目に入ったようでものすごい勢いで駆け寄って抱きついてきた。
「ーーーっ!!エレナ!!」
「っはぁ!?」
突然抱きついてきたニール君を見てアルフレッドさんや門番さん達も驚く。
「エレナ!!助けて!!お母さんが!お母さんが!!」
「ニール君、落ち着いてください。」
宥めるように彼の背中をさする。しばらくしてから深呼吸を繰り返してニール君は落ち着いた。
「お母さんが病気なんだ!薬を買いに行こうとしたら薬屋さんがお休みで!!だから、隣の地区の薬屋さんに行きたいけどここを通して貰えないんだ!!どうしよう、お母さんが死んじゃう!!」
泣きながらすがりついてくる。それほど彼の母親の体調が優れないのだろう。また、落ち着かせるように彼の背中をさする。
「……エレナ?この子の言ってる事が分かるのか?ていうか、知り合いなのか?」
アルフレッドさんの事を忘れていた。アルフレッドさんは怪訝そうにニール君を見る。
「ニール君は前、広場であった友人です。
言葉は通じます、勉強してたので。
彼のお母さんが病気で薬をフィルス地区に買いに行きたいそうです。」
「……………」
アルフレッドさんがまた考えている。
「ニール君、ここを通るためにはなにか身分証明できるものがないと通して貰えないみたいです。」
「え!!そうなの!?どうしよう、僕、そんなの持ってない。でも、取りに行ってる間にお母さんの病気がひどくなったら…」
また彼が泣き出してしまう。
「エレナ、この子に通訳してくれる?お前のお母さん、どんな症状だ?って」
「ニール君、お母さんはどんな症状ですか?」
「ずっと咳をごほんごほんってしてて顔が赤いんだ。ベットから起き上がるのも苦しいんだって!」
「咳と熱みたいです。」
「よし、わかった。この門は身分証明しないと通せないからボウズを通す訳には行かないが、薬は買ってきてやるよ。おーい!リック」
アルフレッドさんが大きい声で呼ぶとリックさんはバっと走ってくる。
「はいっす!」
「お前、咳と熱に効く薬走って買ってこい。
そんで、このボウズに渡せ。渡したらフィルスの屋敷まで走ってこい。いいな?」
「は、はいっす!全力で走るっす!」
そう言ってリックさんは門番に身分証明書を見せると走って薬屋に向かっていった。
「……?」
ニール君は状況がわからなく不安そうにしている。
「ニール君はここを通れないから代わりに今のお兄さんが薬を買ってきてくれるみたいです。ここで待っててくれますか?」
「うん!!」
彼はやっと笑顔になり、また私に抱きつく。
「おいおいおい、そろそろ離れようか。」
アルフレッドさんがニール君と私を引っ剥がす。
ニール君は不思議そうにアルフレッドさんを見つめる。
「エレナ!ありがとうってなんて言うの?」
こちらの言葉でありがとうという意味をニール君に教える。ニール君は嬉しそうにアルフレッドさんにお礼を言った。
「ちょっと!解決したならアンタ達行くわよ!遅れてるじゃないの!」
クラウスさんに怒られモービルに乗り込む。
「またね、エレナ!どうもありがとう!」
「はい、今度会ったらお母さんのこと聞かせて下さい。」
ニール君ともお別れした。
その後、彼にはしっかり薬が渡され彼のお母さんも回復したそうだ。
そしてここだけの話。
薬屋まで走り、また門まで戻る。その後フィルスの屋敷まで走ったリック。
この国でも薬は安くはない。だが、ニールとその母を思ってかリックは自腹でそれを奢り、ニールにしっかり届けた。
アズーロ1お人好しで優しいやつなのだ。
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