お星様、どうかこの世界が幸せでありますように

まなみん

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第一章

*1

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 昔から、この住んでいる町には星の言い伝えがあった。

 『名前に星という漢字がついている者は、流れ星に願い事を言うと一つだけ願いが叶う。ただし、その分の代償が伴う』
 と、いうもの。けれど私は、こういう言い伝えを信じていなかった。

 「星乃せいの

 「……星那せな、おはよ」

 異性の幼馴染、湯原ゆはら 星那。星那とは0歳の頃からの付き合いで、とても仲が良かった。私の星乃と、彼の星那という名前には、“星”という漢字がついている。だから昔から、その言い伝えを散々言われてきた。


「今日、何の日か知ってる?」

「え、何の日?」

「流星群が見られるんだって。俺ら、願い叶うかもね」

 星那はそう言って笑った。……正直なところ、私は一つだけ叶えたい願いがある。

 ……それは、この世界から人々が消えますように、という残酷で醜い願い。

「星乃は願いとかある?」

「んー、ないかな。星那は?」

「俺はあるよ、一つ。だから今日、その願いを言うつもり」

 星那の願い事はきっと、私みたいに酷い願いじゃないんだろうな。そうやって他愛もない話をしながら、私達は学校へ行った。


 私がこの願いを叶えたいと思ったのは、三年前、中学一年生のときだった。

「星乃、次の移動教室一緒に行こ」

「え、私も私も!」

「蘭も? まあいいよ、三人で行こう」

 私は、仲が良い友達が二人いた。一人はクラスのリーダー、三澤 結菜みさわ ゆなちゃん。もう一人は大人しくて皆に優しい、綾部 蘭 あやべ らんちゃん。私達はそれぞれ違う小学校だったが、親友と呼べるほど仲良くなった。

 ある日、蘭ちゃんがクラスメイトの物を盗んだという噂があった。

「綾部が犯人だろ」

「早く盗んだ物出せよ」

「ちっ、違う! 私じゃなくて……そう、如月きさらぎさんだよ、如月星乃さん」

 ……蘭ちゃんは、私がその子の物を盗んだ、と言った。私は訳が分からなかった。

「……星乃、最低」

 結菜ちゃんが投げ捨てるように言った。私は、何もしていないのに。その言葉が口から出なかった。

 翌日から、クラスメイトだけでなく学年全員が私のことを避けるようになった。 “早く死ねよ” と言われることもあった。
 幸い星那が助けてくれることもあったが、それでも三年間、いじめは続いた。

 私は、全員のことを許さない。人間は残酷で醜い者しかいない。そう、ずっと思っている。
 だから私の願いは “この世界から人々が消えますように” 。ただ一つだった。
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