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第二章

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 「おはよ、今日の夜楽しみだよね」

 「ね! 流星群でしょ、エモすぎる」

 「私初めて見るかも」
 
 思考が止まるかと思った。

 「でも私、星って漢字名前に入ってないから願い叶わないのかな……」

 「えー、そんなことないよ。……如月さんの名前、星って入ってるよね。いいなあ」

 目が飛び出そうになるくらい驚いた。


 ……私が今見ている光景は、あの流星群が落ちた日の学校だったから。


 「……如月さん? 大丈夫?」

 「えっ? ああ、うん。……大丈夫だよ」

 私の頭は混乱していた。何故? どうして私はここにいるの? 

 ……もしかして、だけど。

 「今日って、九月二十日?」

 「そうだよ! 流星群見れるんだって」

 私、数日前に戻ったんだ。いわゆるタイムスリップ、というもの。これは、夢じゃない……!

 「星乃、次移動教室だって。一緒に行こ」

 「あ、星那……」

 当たり前だが、星那もいた。生きていた。私は安心するどころか、全身がホッとして目眩がした。

 「大丈夫? 星乃、熱でもあるんじゃない?」

 「う、ううん。星那……星那だ」

 私は分かっていながらも、星那が生きていることを実感し、涙が溢れ出てきた。

 「星乃、本当に大丈夫? ……俺はここにいるから」

 星那はそう言って、私の手を引っ張っていってくれた。私は窓の外を見て、この町がまだあることを確認した。

 戻ったはいいものの、どうやってこの町を救えばいいんだろう……?

 「……あのさ、星那」

 「ん?」

 「星那は、この町に星が落ちて、燃え尽きるって分かってたらどういう対策する?」

 こんなことを聞いたら私が過去に戻ったのがバレるかもしれないけれど、思いきって聞いてみた。

 「んー、そうだな。一日しか猶予がないとしたら、この町の人全員を連れて隣町に逃げるかな」

 ……なるほど、と納得した。確かに隣町に逃げれば、全員が生きて帰れる。

 けれど私一人の力出で、どうにかなるのだろうか? みんな信じてくれるのだろうか……?

 「いきなりどうしたの?」

 「……ううん、何でもない」

 とにかくその方法以外で、私にできることを探そう。この大嫌いな町の人々を、救うために――。
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