お星様、どうかこの世界が幸せでありますように

まなみん

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第三章

*7

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 「おはよ、今日の夜楽しみだよね」

 「ね! 流星群でしょ、エモすぎる」

 「私初めて見るかも」

 ――気がつくと、私はまた二度目のタイムスリップに入っていた。

 「せ、星那? 大丈夫?」

 ただ、一度目とは変わった点があった。星那が苦しそうに座り込んでいた。

 「……星乃、ちょっと保健室連れてって」

 「う、うん、分かった」

 おかしい、と思った。普通にタイムスリップしただけなら、星那の様子が変わるわけがない。どうして? どうして星那が苦しんでいるの……?

 「ありがと、星乃」

 「……星那、どうしたの?」

 保健室に連れてきたはいいものの、保健の先生がいなかった。流星群のことを考えなければいけないのに、私は顔が火照って仕方がなかった。

 「……あのさ、星乃。一回目、時が戻ったのって、星乃が流星群に願ったんだよね?」

 ――私は呆然とした。今、なんて……?

 「星乃が時を戻してほしい、って願ってくれたんだよね」

 「ちょっと待って、なんで星那はそのこと知ってるの?」

 私は冷静になれずに質問した。そして私は、一つの “可能性” が頭によぎった。

 「――まさか、今回時を戻したのは、星那なの……?」

 一度目、私は時間を戻した。 “この町が無くなる前に戻して” と。そして今回も、私は流星群が落ちる前、もう一度願った。

 『名前に星という漢字がついている者は、流れ星に願い事を言うと一つだけ願いが叶う。ただし、その分の代償が伴う』

 という言い伝えによると、願いは一度しか叶わない。そんな大事なことをどうして私は忘れていたんだろう。一度願いを叶えた私は、二回も叶うはずがないのに……!

 「……そう、今回は俺が星に願って、時間を戻した。そのせいかな、さっき頭痛がして」

 そういうことだったんだ、と納得した。私が一度目、この町を救うことができなかったから……。

 「多分、このチャンスが最後。もうこれを逃したら、この町は終わり。俺も星乃も、死ぬと思う」

 分かっていながらも、私はビクッとしてしまった。 “死” という言葉を軽々口に出す星那は、怖くないのだろうか……。

 「じゃあ、どうするの? 私達ができることってある……?」

 「言ったろ。俺達がこの町の人達をどこか安全なところに連れて行くしかない」

 「で、でも、どうやって……」

 動揺している私をなだめるように、星那は言った。

 「俺にいい考えがある。一か八か、試すしかない」
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