猫は恋したので、カフェに行く(仮)

月詠世理

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呼び出しと動揺(40話)

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 チームのみんなでエントリーの確認を何回かし、ちゃんとできているのを見て安堵した。実技授業までに期間はまだあるが、チームで集まって話し合いをしたり、練習をしたりすることになっている。準備期間としては妥当なところかもしれない。2週間は短いという人もいるかもしれないけれど、長ければいいというものでもないし、ちょうど良い期間だと思う。もちろん、早めにチームが決まらなかったら、大変悲惨なことになりそうだ。

「チームのリーダーである猫宮さんに」

 突然、先生に呼び出された。どうやら、エントリーが確認できたため、渡したいものがあったらしい。白い箱を手渡された。

「チームのリーダー??」
「エントリー時にリーダーを決めることになってますよ」
「うえっっっっ!? ……あ、あの、そ、そ、その、リーダーって変えられたりはしないんでしょうか?」
「おや、知らなかったんですか? でも、おかしいですね。リーダーを決める案内があったはずですが? 何はともあれ、残念ですが、一度決めたら変えられません」
「そ、そんなぁ~」
「すみませんが、猫宮さんにしてあげられることはありませんので、そちらについて説明させていただきます」

 打ちひしがれているのだが、立ち直るまで先生は待ってくれないようだ。いや、先生にもやることはあるだろうし、私のことを待っていたら、いつ話せるようになるのかわからないからしょうがないのだけれど。

「実技授業までにその中身を完成させておいてください。それが実技授業へ参加するための資格でもあります」
「これを完成させなかった場合は?」
「実技授業への参加は認められません。幸い、期間はありますから、完成させるまでの時間はあるでしょう。質問があればその都度聞いてください。では、お引き取りいただいてかまいません」
「ま、待ってください!! このことについてはわかりましたが、リーダーを変えることはできませんか?」
「エントリー取り消し処理がなされ、実技授業に参加できなくなっても良いならば、可能でしょう」
「それ意味ないじゃん!!」
「諦め肝心ですよ」

 たぶん、メンバー登録している途中で「とろいな」と言われ、操作権を奪い取られた時にリーダーとされていたに違いない。不貞腐れてないで、自分でやるという主張を押し通しておけばよかった。あの強引なところやめてほしいよ。それに、奥村先輩というリーダーに適任な人いたのに、なんで私なのか疑問だ。1人で考えていても出ることのない答えだ。私は「失礼します」と言って、先生の前から離れた。
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