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22話
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「あっち!」
スピリトが住む森の空間から出た。切り離された空間から抜け出したチェサたち。今度はデレアスモスのことを感じ取れているみたいだ。まだ漠然とした方向を示すだけであるが、ハッキリと自分の言いたいことを伝えている。チェサは肘を曲げる、伸ばすの繰り返しで、方向を指し示すのであった。
生まれたばかりであるチェサ。その子は身の内の魔力を使用して浮かんでいた。魔力の使い方を教えずとも感覚で習得してしまったようだ。チェサは空気中に含まれる微量な魔力を自分のものに変換して使うことができる。また、変換した魔力を増量することも可能であった。
「そんなちっこいのに任せて本当に辿り着けるのか?」
スピリトが作ったものでも小さくて鈍臭そうな者を信用はできない。スッとスピリトの様子を伺った。
「僕が創り出したものだもん! 大丈夫に決まってる! 僕の作った案内役は優秀だよ。デアちゃんの魔力を入れてあるんだから、素の魔力を探し当てることなんて造作もないよ」
多分ね。
「心配なのはわかるけど、セツは僕も信じて、チェサくんも信じるべきだ。よし、チェサくん。この生意気な男に君がとても役に立つことをわからせてやろう!」
セツをギャフンと言わせてやろう。そして、僕にひれ伏すといいのだ。
「わからせてやろう! あっ、あっち!!」
チェサくんが示した先にあるのは、デレアスモスが滅ぼした国。現在は、悪魔の国といわれる場所があるとされている。
許可されていない者たちが一歩でも入れば、二度と空を拝むことはできない。悪魔の生贄にされる。悪魔が人間を奴隷にしているなど、いろいろ噂されていた。
それもこれも、デルアゼルに行った者たちが帰ってこないからである。チェサくんが指した方向は、まさにそんな噂があるところであった。
「おい、この先にデレアスモスがいるとして、俺らはどうやって他の悪魔にバレないようにデルアゼルに行くんだ?」
「それだけど、問題ないよ。デアちゃんが滅ぼして、悪魔の国にしようとしているだけでまだ下準備の段階。悪魔たちはまだあの国に居住地を移してはいないよ」
「なら、なぜ変な噂が流れている? デルアゼルに入ったら、帰ってこれないなどの噂が……」
「さぁね? でも、許可のないものを入れないようにしているのは本当かもしれないね。敵を自分の懐にわざわざ囲い込んでやる必要はないからさ。デルアゼルに入った瞬間、殺しているのかもね?」
そのスピリトの言葉に俺は眉を寄せた。それが本当だったら、俺たちはデルアゼルに到着した時に、亡骸になっているということではないだろうか。
「大丈夫だよ。こっちには秘密兵器のチェサくんがいるから。それに、最終手段に転移魔法もあるからね」
平然というスピリトであるが、転移魔法というものは恐ろしいものだ。下手をすると、首から上が消えていたり、内臓の一部が欠損したりする。スピリトがそんなミスをするとは思えないが、身の安全は保障できない。
俺は転移魔法を使用する機会が来ないことを祈ろう。スピリトの実験台になった人間や悪魔を思い出して腕をさすった。
俺より前を歩いている悪魔は、有能で優秀な存在だ。そうなるまでにはたくさんの犠牲を伴う。それを物ともしないからさらに畏怖されているのである。
スピリトが住む森の空間から出た。切り離された空間から抜け出したチェサたち。今度はデレアスモスのことを感じ取れているみたいだ。まだ漠然とした方向を示すだけであるが、ハッキリと自分の言いたいことを伝えている。チェサは肘を曲げる、伸ばすの繰り返しで、方向を指し示すのであった。
生まれたばかりであるチェサ。その子は身の内の魔力を使用して浮かんでいた。魔力の使い方を教えずとも感覚で習得してしまったようだ。チェサは空気中に含まれる微量な魔力を自分のものに変換して使うことができる。また、変換した魔力を増量することも可能であった。
「そんなちっこいのに任せて本当に辿り着けるのか?」
スピリトが作ったものでも小さくて鈍臭そうな者を信用はできない。スッとスピリトの様子を伺った。
「僕が創り出したものだもん! 大丈夫に決まってる! 僕の作った案内役は優秀だよ。デアちゃんの魔力を入れてあるんだから、素の魔力を探し当てることなんて造作もないよ」
多分ね。
「心配なのはわかるけど、セツは僕も信じて、チェサくんも信じるべきだ。よし、チェサくん。この生意気な男に君がとても役に立つことをわからせてやろう!」
セツをギャフンと言わせてやろう。そして、僕にひれ伏すといいのだ。
「わからせてやろう! あっ、あっち!!」
チェサくんが示した先にあるのは、デレアスモスが滅ぼした国。現在は、悪魔の国といわれる場所があるとされている。
許可されていない者たちが一歩でも入れば、二度と空を拝むことはできない。悪魔の生贄にされる。悪魔が人間を奴隷にしているなど、いろいろ噂されていた。
それもこれも、デルアゼルに行った者たちが帰ってこないからである。チェサくんが指した方向は、まさにそんな噂があるところであった。
「おい、この先にデレアスモスがいるとして、俺らはどうやって他の悪魔にバレないようにデルアゼルに行くんだ?」
「それだけど、問題ないよ。デアちゃんが滅ぼして、悪魔の国にしようとしているだけでまだ下準備の段階。悪魔たちはまだあの国に居住地を移してはいないよ」
「なら、なぜ変な噂が流れている? デルアゼルに入ったら、帰ってこれないなどの噂が……」
「さぁね? でも、許可のないものを入れないようにしているのは本当かもしれないね。敵を自分の懐にわざわざ囲い込んでやる必要はないからさ。デルアゼルに入った瞬間、殺しているのかもね?」
そのスピリトの言葉に俺は眉を寄せた。それが本当だったら、俺たちはデルアゼルに到着した時に、亡骸になっているということではないだろうか。
「大丈夫だよ。こっちには秘密兵器のチェサくんがいるから。それに、最終手段に転移魔法もあるからね」
平然というスピリトであるが、転移魔法というものは恐ろしいものだ。下手をすると、首から上が消えていたり、内臓の一部が欠損したりする。スピリトがそんなミスをするとは思えないが、身の安全は保障できない。
俺は転移魔法を使用する機会が来ないことを祈ろう。スピリトの実験台になった人間や悪魔を思い出して腕をさすった。
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