剣と魔法の世界で冒険はそこそこにして色々なお仕事の女の子達がはちゃめちゃにえっちなことになるお話

アレ

文字の大きさ
263 / 370
11章 宿屋娘が憧れの先輩と一緒にとろとろえっちになってしまうお話

213:教育

しおりを挟む
その夜も、夕食を終えた後の学習の時間がやってきました。
場所は、ユーノ様に与えられた、広々とした私室。壁一面の本棚には、彼が読破したであろう様々な分野の本がぎっしりと並んでいます。今日の授業担当はエレナさんで、リリアさんは「ギルドへの定期報告がありますので」と言い残し、一足先に自室へと戻っていきました。おそらく今頃、師であるアウレリウス様に、この一週間の出来事を、魔術通信で報告している頃でしょう。

「ですからユーノ様。こちらの地図をご覧くださいな。この大きな川を渡ると帝国で、山脈を越えたこちら側が共和国ですわ。アストリナは、そのちょうど中間にあるでしょう?」

エレナさんは、机の上に広げられた大きな羊皮紙の地図を、樫の木の杖で指し示しながら、根気よく説明を続けます。しかし、やはりユーノくんは、どうにも地理というものが苦手なご様子です。

「うーん…でも、おねえちゃん。この川って、船で渡ればすぐじゃないかな? なんで、こっちの国とこっちの国は、そんなに仲が悪いんですか?」
「それは、長い歴史の中で、色々なことがあったからですわ。そのお話は、また歴史の時間に、ゆっくりと…」
「じゃあ、この山って、鳥さんみたいに飛んで越えちゃえばいいじゃないかな!」
「……ユーノ様。普通の人間は、鳥さんのようには飛べませんのよ?」

そのあまりにも子供らしい、しかし魔術の天才ならではの発想に、エレナさんは、ふぅ、と深いため息をつきました。メイド服の胸元が、そのたびに豊かに揺れます。黒いレースの下着が肌に擦れる感触が、なんだか妙に意識されて、彼女の頬が微かに熱くなるのを感じました。

(いけませんわ、集中しないと…)

しかし、当のユーノくんは、もうすっかり飽きてしまったご様子で、椅子の背もたれにぐったりと寄りかかっています。その姿は、年相応の、可愛らしい子供そのものでした。

「…仕方ありませんわね。少し、休憩にしましょうか」

エレナさんがそう提案すると、ユーノ様の顔が、ぱあっと輝きました。

「ほんと!? やったあ! ねぇ、エレナおねえちゃん、ちょっと待ってて! 僕、とっておきのもの、持ってくるから!」

少年は、弾かれたように椅子から立ち上がると、ぱたぱたと可愛らしい足音を立てて、部屋から駆け出していきました。その背中を見送りながら、エレナさんは、やれやれと肩をすくめます。

(本当に、子供は気まぐれですわね…)

そんなことを考えていると、やがて、ユーノくんが、満面の笑みで戻ってきました。その小さな両手には、銀のトレイが、大切そうに抱えられております。

「お待たせ、エレナおねえちゃん!」

盆の上に置かれていたのは、見るからに食欲をそそる、つやつやとした飴色の焼き菓子と、大きなガラスの瓶。食堂にまで漂っていた甘い香りの正体は、この木苺のタルトだったのでしょう。こんがりと焼かれた生地の上には、粉砂糖が雪のように降りかかり、ミントの葉が愛らしく添えられています。その隣で、ルビーのように透き通った紅色の液体が、ランプの光をその内に閉じ込めて、きらきらと魅惑的に輝いておりました。

「まあ、なんて美味しそう。これを、ユーノ様がお作りになったのですか?」

エレナさんが感心したように尋ねると、ユーノくんは、えっへん、と得意げに小さな胸を張りました。

「うん! 料理長に少しだけ手伝ってもらったけど、僕が作ったんだ! こっちは、お庭で今朝採れた木苺のタルトだよ! それでね、こっちのお酒は、僕が、今年取れたお庭の葡萄で漬けた、特製の果実酒なんだ!」

少年は、少し照れたようにはにかみながら、紅色の液体が満たされたガラス瓶を指さします。その瓶は、ただのガラスではありません。よく見ると、表面には微細なルーン文字がびっしりと刻まれており、魔力を込めて醸造されたことが窺えます。おそらくは、酵母の働きを活性化させ、熟成を促進させるための古代魔術なのでしょう。

「僕は飲めないから、エレナおねえちゃんに、味見してほしくて…。だめ、かな?」

潤んだ大きな青い瞳で、上目遣いに見つめられて、断れる者など、この世にいるのでしょうか。そのあまりにも健気で、愛らしい申し出に、エレナさんの胸の奥が、きゅうう、と甘く疼きました。

(あぁだめよ、エレナ。アウレリウス様との約束を、もう忘れてしまったのですか…)

脳裏に、あのスラムのチンピラのような、しかしすべてを見透かすような師の呆れた顔が浮かびます。『絶対に、酒を飲むんじゃねえぞ』。その言葉が、耳の奥で木霊しました。しかし、目の前でキラキラと輝く期待に満ちた瞳を、裏切ることなど、到底できそうにありません。

なにより、そのルビー色の液体が放つ、芳醇で、蜜のように甘く、そして官能的な香りは、エレナさんの理性を、優しく、しかし確実に麻痺させていくのです。それは、ただの果実酒の香りではありませんでした。太陽の光をたっぷりと浴びた葡萄の甘酸っぱさの奥に、夜にだけ咲くという月光花のかすかな香りや、微量の妖精の蜜のような、人の心を惑わすための香りが、絶妙な配合で混ぜ込まれているかのようでした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...