剣と魔法の世界で冒険はそこそこにして色々なお仕事の女の子達がはちゃめちゃにえっちなことになるお話

アレ

文字の大きさ
56 / 370
3章 受付嬢も冒険者になってえっちな冒険に挑むお話

52:危機

しおりを挟む
皆さん! リーゼです。
大変ですよ! これは本当に、本当に大変な事態です!

じわり、と意識が現実の輪郭を取り戻したのは、硬く冷たいベッドの床の上でした。後頭部に鈍い痛みが走り、まるで分厚い水の中に沈んでいたかのような閉塞感が、ゆっくりと晴れていきます。そして、もやが晴れた私の脳裏に叩きつけられたのは、昨夜の、あまりにもおぞましく、背徳に満ちた記憶の奔流でした。

催眠魔法とやらが、解けてしまったのです!
いえ、それが大変なのではありません。問題は、私が盗賊団に捕らわれ、誘拐されてしまったという、この絶望的な事実!

「ひぅっ……!」

思わず、喉の奥から引き攣ったような声が漏れました。昨夜までの痴態が、焼印のように鮮明に脳裏に焼き付いて離れません。薄暗い広間、ぎらつく男たちの視線、汗と鉄と獣の匂い。そして、代わる代わる私の体を貪り、その奥深くに灼熱の愛を注ぎ込んでいった、数えきれないほどの男たちの姿……。

思い出すだけで、恥ずかしさのあまり顔からぶわりと火が出そうです。全身の血が逆流し、耳の先まで真っ赤に染まっていくのが自分でもわかります。夫である、あの人の顔が脳裏をよぎり、罪悪感で胸が張り裂けそうになりました。もう、あの人には合わせる顔がありません。

それに、問題はそれだけではないのです。私の記憶が確かなら、あの魔法使いが使っていた禍々しい杖……あれは、古代の文献でしか見たことのない、先々代の魔王に仕えたという大淫魔の七遺物の一つ、『蕩婦の嘆き』に違いありません。周囲にある欲望、特に殿方の性的な欲求に感応し、対象となった女の子を強制的に、抗いようもなく発情させてしまう、とてつもなく強力な呪いの杖。私たち耳長族が持つ高い魔力耐性すら、いとも容易く貫通してしまうほどの、恐ろしい代物です。

その呪いが、今、この私にかかっている。下腹部に刻まれた、淫靡な紋様が、その紛れもない証拠でした。ずくん、と紋様が熱く脈打つたびに、体の芯が蕩けるような、いやらしい痺れに襲われます。これは大変ですよ! 本当に、取り返しのつかないことになってしまいました!

どうしてこんな格好をしているのかって?
あの忌まわしい宴の後、気を失っていた私は、どこかの部屋に運ばれたようです。昨日まで着ていた修道服は、男たちの汗と、私の……私の体液で、もうめちゃくちゃに汚されてしまっていました。着替えとして持ってきた服も、どこかに行ってしまったようです。お洗濯をさせてくださいと、かろうじて声を絞り出してお願いしてみましたが、まだお返事はもらえません。

代わりに、盗品の中から選んだという、こんな……こんなエッチな下着を渡され、今はそれだけを身に着けています。闇色の薄い絹でできた、肌が透けて見えるほど扇情的なものです。これでは、あまりに恥ずかしくて、とてもじゃないですが逃げ出すことなんてできそうにありません。

あてがわれた、牢よりはいくらかましな個室でベッドに座っていると、ぎぃ、と重々しい音を立てて扉が開きました。入ってきたのは、盗賊団の親方です。顔中に深い傷跡を持つ、岩のように大柄な男。誘拐の初日に最初に私をその猛々しい腕で抱き、私のすべてを奪い去った張本人。その獰猛な目が、いやらしい光をたたえて、私の体を頭のてっぺんから足の爪先まで、ぬるりと舐めるように見つめます。

その瞬間でした。きゅううんっ、と下腹部の淫紋が甘く疼き、そこから発生した熱い痺れが、背筋を駆け上がりました。私の意志とはまったく関係なく、体の奥が、じゅわん、と濡れて熱を帯びていくのがわかります。そうです、これが呪いの効果。殿方のえっちな気持ちが、私の体を有無を言わさずに発情させてしまうのです。

「おやかた。おはようございます」

震える声を必死で抑えつけ、私は淑女の笑みをかろうじて取り繕いました。この状況で、少しでも気を強く持たなければ、すぐにまた心まで折られてしまうでしょう。

「あぁ、シスター。おはよう」

親方は、私の内心の葛藤などお見通しだと言わんばかりに、にやりと口の端を歪めました。
私がもう一度、服を洗いたいというお願いを口にすると、親方は顎に手を当てて、少し考える素振りを見せます。

「そうだな。あの魔法使いが、便利な洗濯道具を置いていったはずだ。……よし、じゃあシスターと俺で勝負と行こうじゃねえか」
「え……?」
「シスターが勝ったら、その服を綺麗さっぱり洗濯してやる。ついでに着替えも返してやろう。だが、もし俺が勝ったら……」

親方の視線が、私の胸の膨らみから、下着の上からでもわかるほど濡れてしまった愛の園へと、ねっとりと注がれます。

「――今日もお前には、たっぷり俺の『お相手』をしてもらう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...