57 / 370
3章 受付嬢も冒険者になってえっちな冒険に挑むお話
53:危機
しおりを挟む
陽はとうに西の山稜に隠れ、アジトの荒れ果てた広間には、血のように赤黒い夕刻の残光が、高い場所にある窓から埃っぽく差し込んでいました。かつては砦だったらしきこの石造りの建物は、隅々に分厚い埃が積もり、壁は長年の煤で黒ずんでいます。床には飲み干されたエールの樽が無造作に転がり、男たちの汗と鉄の錆、そして満たされきった獣の欲望が混じり合った、むせ返るような匂いが澱のように満ちていました。遠くからは、仲間たちのいびきや、寝言ともつかないうなり声が微かに聞こえてきます。
そんな静寂の中で、私の唇から、私自身のものではないような、か細く濡れた声が漏れました。
「♡や、ぁ゛...ぁ゛、っ♡ん♡♡♡ん、っ♡...んぁ...♡」
勝負の内容は、あまりにも、あまりにも残酷なものでした。
親方がテーブルの上に置いたのは、人の腕ほどの太さもある、獣脂でできた無骨なろうそく。そのろうそくの火が燃え尽きるまで、私がこの方からの愛撫に耐えきり、「おねだり」をしないこと。ただ、それだけが勝利の条件。もし耐えきることができれば、私の勝ち。汚された修道服は清められ、着替えも返していただけるそうです。けれど、もし耐えきれずに、この方の与える快感を自ら求めて媚びてしまえば、私の負け。その時は……。
考えただけで、下腹部に刻まれた『蕩婦の嘆き』の淫紋が、ずくん、と熱く脈打ちました。
ベッドの上に寝かされた私は、なめした革紐で両手首を背中で固く縛り上げられています。わずかに身じろぎすることしかできず、これから全身に加えられるであろう、ねっとりとした愛撫から逃れる術は、どこにもありませんでした。
親方の、幾多の戦いを潜り抜けてきたであろう節くれだってごわごわした指が、私の汗ばんだ背中を、まるで地図にない道を確かめるかのように、ゆっくりと滑り降りていきます。その無骨な感触だけで、びくん、と私の体が大きく跳ねてしまいました。背徳的な喜びに、淫紋がじゅくじゅくと甘く疼いて、秘部からぬるりとした蜜が滲み出てくるのがわかります。
「シスター。正直な体だな。もうこんなに熱くなってるじゃねえか」
耳元で囁かれる、欲望で掠れた低い声が、私の残り少ない理性を直接揺さぶります。指はさらに下へ、腰のくびれを慈しむようになぞり、そして、丸く豊かなお尻の谷間へと……。
「♡ぁ゛ぅ...っ、あ゛♡、っ...ふぁ゛...っぁ゛...っ♡♡う゛...♡」
親方の指が、私のいちばん感じやすい場所に、ためらうことなくぐっと押し込まれました。中指が私の秘密の花園を、壁のひだを一つ一つ確かめるようにゆっくりと掻き回し、人差し指がその少し上にある、私のいちばん弱いところを、ぐり、ぐりと執拗に、しかしどこか優しくこすり上げます。
「♡ぁ゛ぅ...っ、あ゛♡だ、めっ...だめぇふぁ゛...っぁ゛...っ」
だめ。だめです。こんな、こんな意地悪な触られ方をしたら、私……。
テーブルの上では、ろうそくの蝋が、ぽたり、ぽたりと音もなく溶け落ちていきます。それはまるで、私の残り少ない理性が、目の前の男が放つ欲望の炎にじりじりと焼かれて、快感の海へと蕩けていくかのようです。
私、負けません! 病に苦しむ、愛する夫への貞節と愛にかけて、絶対に……絶対に、こんな抗いがたい快感に屈するものですか!
***
昨日までの、嵐のような情事の中で、この男――親方は、私の身体の隅々までを探り尽くし、その全てを完全に把握してしまったようです。どの場所を、どのように触れれば、私が最も浅ましく喘ぎ、身悶えるのか。その指先は、まるで熟練の吟遊詩人が竪琴の最も甘い音色を奏でる弦を爪弾くかのように、的確に、そして執拗に私の急所ばかりをなぞり上げてくるのです。
「あ゛ッッ♡あ゛、あ゛あ゛、あ゛♡そこ、きもちっ♡あ゛♡ま、♡ま、いっ????」
脳が灼けるような痺れと共に真っ白に染まり、全身がびくんと大きく痙攣した、まさにその瞬間でした。あと一突き、ほんの少しだけ指の角度を変えて掻き混ぜられただけで、私は間違いなく恥ずかしい絶頂の波に攫われていたことでしょう。しかし、親方のどこまでも意地悪な指は、まるでこちらの頂を完璧に予知したかのように、ぴたりとその動きを止めてしまったのです。
吐き出せずに終わった熱い息が、喉の奥で「ふぅ、ぅ…♡」と、くぐもった甘い喘ぎとなって漏れ出します。もの言いたげに潤んだ瞳で親方を見上げると、彼は私のそんな姿を心底楽しむかのように、獰猛な顔にいやらしい笑みを浮かべていました。
なんてことでしょう。この方は、私が完全に降伏し、自らの口で「おねだり」をするまで、こうしてじらし続けるつもりのようです。
***
「あ゛ッッきもちっ♡♡あ゛、あ゛あ゛、あ゛♡そこ、きもちっ♡あ゛♡ま、♡ま、え、えぇなんで?」
いけません。だめです。また、達する寸前で止められてしまいました。焦らされた私の愛の泉は、行き場を失った熱でぐつぐつと煮え立ち、その奥にある花弁は、名残惜しそうに彼の指をきゅう、と健気に締め付けます。あぁ、そんなことをしては、この方がさらに喜んでしまうだけなのに。私の体は、もうとっくに、この方の悦びを求める奴隷になってしまっているのです。
「おや、かたあ゛ッッ♡お゛ッ♡あ゛、あ゛♡ひぎゅ♡そこ、きもちっ♡あ゛♡ま、♡うそ、!」
またです! またしても、止まってしまいました。今度は指だけではありません。私の秘密の園にそのざらついた舌を這わせ、昨日から溜め込まれた甘い蜜を味わうように楽しんでいた親方が、ふとその動きを止め、私の耳元で囁きます。
「どうした、シスター。もっと欲しいんだろう? 正直に言ってみろ。言ってしまえば、この俺が、昨日の仲間たちなんぞが霞んで見えるくらい、たっぷりとお前の体が壊れるまで楽しませてやるぞ」
いけません、いけません! そんな悪魔の囁きのような甘い言葉に屈しては。私はここから逃げ出して、病気の夫、あの人のところに帰らなければならないのです。
あぁ、でも、でも……! 身体の疼きは、焦らされるたびに、彼の言葉を聴くたびに、どんどん、どんどん強く、抗いがたいものになっていきます。下腹部に刻まれた淫紋が、彼の欲情に呼応して、ずくん、ずくんと熱く脈打っているのがわかります。ぎりぎりまで快感を高められて、そのたびに突き放されるなんて、あんまりです。こんな生殺し、もう、耐えられそうにありません。
「あ゛ッッそこきもちっ♡♡あ゛、あ゛あ゛、あ゛♡くり、くりちゃっ♡あ゛♡い!!!」
親方の逞しい太ももの間で、すでに私を求める準備を終えた猛々しい雄蕊が、憎らしいほど熱を帯びて鋼のように屹立しているのが、涙で滲む視界の端に映ります。
あれを、あの、あの人のものとは比べ物にならないほど大きくて硬いあれを、この熱く疼く私の内側に入れていただければ。そうすれば、この苦しみから解放されて、きっと、もっと素敵な場所へ行けるはず……。
いけません、いけません! 私は、私はあの人の妻で……。
そんな静寂の中で、私の唇から、私自身のものではないような、か細く濡れた声が漏れました。
「♡や、ぁ゛...ぁ゛、っ♡ん♡♡♡ん、っ♡...んぁ...♡」
勝負の内容は、あまりにも、あまりにも残酷なものでした。
親方がテーブルの上に置いたのは、人の腕ほどの太さもある、獣脂でできた無骨なろうそく。そのろうそくの火が燃え尽きるまで、私がこの方からの愛撫に耐えきり、「おねだり」をしないこと。ただ、それだけが勝利の条件。もし耐えきることができれば、私の勝ち。汚された修道服は清められ、着替えも返していただけるそうです。けれど、もし耐えきれずに、この方の与える快感を自ら求めて媚びてしまえば、私の負け。その時は……。
考えただけで、下腹部に刻まれた『蕩婦の嘆き』の淫紋が、ずくん、と熱く脈打ちました。
ベッドの上に寝かされた私は、なめした革紐で両手首を背中で固く縛り上げられています。わずかに身じろぎすることしかできず、これから全身に加えられるであろう、ねっとりとした愛撫から逃れる術は、どこにもありませんでした。
親方の、幾多の戦いを潜り抜けてきたであろう節くれだってごわごわした指が、私の汗ばんだ背中を、まるで地図にない道を確かめるかのように、ゆっくりと滑り降りていきます。その無骨な感触だけで、びくん、と私の体が大きく跳ねてしまいました。背徳的な喜びに、淫紋がじゅくじゅくと甘く疼いて、秘部からぬるりとした蜜が滲み出てくるのがわかります。
「シスター。正直な体だな。もうこんなに熱くなってるじゃねえか」
耳元で囁かれる、欲望で掠れた低い声が、私の残り少ない理性を直接揺さぶります。指はさらに下へ、腰のくびれを慈しむようになぞり、そして、丸く豊かなお尻の谷間へと……。
「♡ぁ゛ぅ...っ、あ゛♡、っ...ふぁ゛...っぁ゛...っ♡♡う゛...♡」
親方の指が、私のいちばん感じやすい場所に、ためらうことなくぐっと押し込まれました。中指が私の秘密の花園を、壁のひだを一つ一つ確かめるようにゆっくりと掻き回し、人差し指がその少し上にある、私のいちばん弱いところを、ぐり、ぐりと執拗に、しかしどこか優しくこすり上げます。
「♡ぁ゛ぅ...っ、あ゛♡だ、めっ...だめぇふぁ゛...っぁ゛...っ」
だめ。だめです。こんな、こんな意地悪な触られ方をしたら、私……。
テーブルの上では、ろうそくの蝋が、ぽたり、ぽたりと音もなく溶け落ちていきます。それはまるで、私の残り少ない理性が、目の前の男が放つ欲望の炎にじりじりと焼かれて、快感の海へと蕩けていくかのようです。
私、負けません! 病に苦しむ、愛する夫への貞節と愛にかけて、絶対に……絶対に、こんな抗いがたい快感に屈するものですか!
***
昨日までの、嵐のような情事の中で、この男――親方は、私の身体の隅々までを探り尽くし、その全てを完全に把握してしまったようです。どの場所を、どのように触れれば、私が最も浅ましく喘ぎ、身悶えるのか。その指先は、まるで熟練の吟遊詩人が竪琴の最も甘い音色を奏でる弦を爪弾くかのように、的確に、そして執拗に私の急所ばかりをなぞり上げてくるのです。
「あ゛ッッ♡あ゛、あ゛あ゛、あ゛♡そこ、きもちっ♡あ゛♡ま、♡ま、いっ????」
脳が灼けるような痺れと共に真っ白に染まり、全身がびくんと大きく痙攣した、まさにその瞬間でした。あと一突き、ほんの少しだけ指の角度を変えて掻き混ぜられただけで、私は間違いなく恥ずかしい絶頂の波に攫われていたことでしょう。しかし、親方のどこまでも意地悪な指は、まるでこちらの頂を完璧に予知したかのように、ぴたりとその動きを止めてしまったのです。
吐き出せずに終わった熱い息が、喉の奥で「ふぅ、ぅ…♡」と、くぐもった甘い喘ぎとなって漏れ出します。もの言いたげに潤んだ瞳で親方を見上げると、彼は私のそんな姿を心底楽しむかのように、獰猛な顔にいやらしい笑みを浮かべていました。
なんてことでしょう。この方は、私が完全に降伏し、自らの口で「おねだり」をするまで、こうしてじらし続けるつもりのようです。
***
「あ゛ッッきもちっ♡♡あ゛、あ゛あ゛、あ゛♡そこ、きもちっ♡あ゛♡ま、♡ま、え、えぇなんで?」
いけません。だめです。また、達する寸前で止められてしまいました。焦らされた私の愛の泉は、行き場を失った熱でぐつぐつと煮え立ち、その奥にある花弁は、名残惜しそうに彼の指をきゅう、と健気に締め付けます。あぁ、そんなことをしては、この方がさらに喜んでしまうだけなのに。私の体は、もうとっくに、この方の悦びを求める奴隷になってしまっているのです。
「おや、かたあ゛ッッ♡お゛ッ♡あ゛、あ゛♡ひぎゅ♡そこ、きもちっ♡あ゛♡ま、♡うそ、!」
またです! またしても、止まってしまいました。今度は指だけではありません。私の秘密の園にそのざらついた舌を這わせ、昨日から溜め込まれた甘い蜜を味わうように楽しんでいた親方が、ふとその動きを止め、私の耳元で囁きます。
「どうした、シスター。もっと欲しいんだろう? 正直に言ってみろ。言ってしまえば、この俺が、昨日の仲間たちなんぞが霞んで見えるくらい、たっぷりとお前の体が壊れるまで楽しませてやるぞ」
いけません、いけません! そんな悪魔の囁きのような甘い言葉に屈しては。私はここから逃げ出して、病気の夫、あの人のところに帰らなければならないのです。
あぁ、でも、でも……! 身体の疼きは、焦らされるたびに、彼の言葉を聴くたびに、どんどん、どんどん強く、抗いがたいものになっていきます。下腹部に刻まれた淫紋が、彼の欲情に呼応して、ずくん、ずくんと熱く脈打っているのがわかります。ぎりぎりまで快感を高められて、そのたびに突き放されるなんて、あんまりです。こんな生殺し、もう、耐えられそうにありません。
「あ゛ッッそこきもちっ♡♡あ゛、あ゛あ゛、あ゛♡くり、くりちゃっ♡あ゛♡い!!!」
親方の逞しい太ももの間で、すでに私を求める準備を終えた猛々しい雄蕊が、憎らしいほど熱を帯びて鋼のように屹立しているのが、涙で滲む視界の端に映ります。
あれを、あの、あの人のものとは比べ物にならないほど大きくて硬いあれを、この熱く疼く私の内側に入れていただければ。そうすれば、この苦しみから解放されて、きっと、もっと素敵な場所へ行けるはず……。
いけません、いけません! 私は、私はあの人の妻で……。
10
あなたにおすすめの小説
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる