70 / 100
第70話 穏やかな日々
しおりを挟む
秋が深まり、エデンの森が赤や黄色に色づく頃、俺たちの楽園は初めての収穫祭を終え、穏やかな冬支度の季節を迎えていた。
町の広場では男たちが冬のための薪を割り、女たちは収穫した穀物を粉に挽いている。工房からは職人たちの槌音がリズミカルに響き、学び舎からは子供たちの元気な声が聞こえてくる。その全てが、活気と未来への希望に満ちた心地よい協奏曲のようだった。
俺は、新しく建てられた鐘楼の頂上からその光景を眺めていた。
数ヶ月前までは人もまばらな寂れた村だった場所が、今や二百人以上が暮らす一つの生命体のように息づく町へと成長している。緑の城壁に守られた美しい家々。整備された石畳の道。そして何より、そこに住む人々の屈託のない笑顔。
「……良い町になったな」
俺の口から自然とそんな言葉が漏れた。
追放され全てを失ったと思っていたあの日。まさか自分がこんなにも温かい居場所を仲間たちと共に築き上げることになるとは、夢にも思わなかった。
「リアム様」
背後から優しい声がかかった。振り返ると、セレスティアが温かいハーブティーの入ったカップを二つ盆に乗せて立っていた。
「ここからの眺めは素敵ですわね。町中のみんなの顔がよく見えます」
彼女はそう言って俺の隣に並んだ。その横顔は聖女としての気品と、一人の女性としての穏やかさに満ちている。
「君が毎日みんなの健康を祈ってくれているおかげだよ。この町に病気の者が一人もいないのは君の力だ」
「いいえ。リアム様がわたくしの力を引き出してくださるからですわ」
彼女ははにかむように微笑んだ。その笑顔を見ているだけで心が洗われるようだった。俺たちは言葉もなく、しばらくの間眼下に広がる自分たちの楽園を眺めていた。
午後は訓練場で過ごすことが日課になっていた。
そこではルナリエルとダリウスがエデン警備隊の若者たちに剣の稽古をつけていた。二人の剣聖による直接指導。それは王国騎士団でも滅多に受けられない、あまりにも贅沢な訓練だった。
「違う! 腰の回転が甘いわよ! 剣は腕で振るうのではなく、身体全体で振るうの!」
ルナリエルの鋭い檄が飛ぶ。その隣でダリウスが若者一人一人の構えを無言で、しかし的確に修正していく。その指導は対照的でありながら、不思議なほど調和が取れていた。
俺の姿を認めると、二人は若者たちに休憩を命じこちらへ歩み寄ってきた。
「リアム。ちょうどいい。少し手合わせに付き合え」
ダリウスが木剣を一本、俺に放ってよこした。
「ええっ、俺が? あんたたちの相手になんてなるわけないだろう」
「構わん。お前の指揮官としての『眼』を鈍らせるわけにはいかんからな。俺たちの動きをその眼で捉え、活路を見出す訓練だ」
彼の言葉にルナリエルも面白そうに口の端を吊り上げた。
「いいわね、それ。さあ、リアム。どちらからでもかかってきなさい。三秒もてば褒めてあげるわ」
結局、俺は二人の剣聖を相手に無様な逃げ回りを披露する羽目になった。神速で繰り出される二人の剣戟はもはや芸術の域に達している。俺にできることと言えば、ソフィアに叩き込まれた戦術理論を総動員し、彼らの次の動きを予測してひたすら転がり避けることだけだった。
もちろん、三秒どころか一撃も交えることなく、俺は泥だらけになって地面に転がされた。
「……まだまだ、だな」
ダリウスが俺に手を差し伸べながら静かに言った。その目には厳しいながらも確かな信頼の色が浮かんでいる。
「だが、お前のおかげで俺は再びこの剣を握る意味を見つけた。感謝している、リアム」
そのぶっきらぼうな感謝の言葉が何よりも嬉しかった。
汗を流した後は、アイリスとフレアが俺を空の散歩へと連れ出してくれた。
「リアムさん、見てください! 町がまた少し大きくなりましたよ!」
フレアの背中の上でアイリスが子供のようにはしゃいだ。上空から見下ろすエデンはもはやただの村ではなく、森の中に生まれた美しい宝石のような一つの都市の姿をしていた。
「これもアイリスとフレアが毎日資材を運んでくれるおかげだよ。二人はいまやこの町の発展に欠かせない最高の働き手だ」
俺がそう言って彼女の頭を撫でると、彼女は「えへへ」と嬉しそうに顔を赤らめた。
空から戻ると、今度はソフィアが図書館で俺を待っていた。
「リアムさん。冬の間の新しいエネルギー源について、面白い文献を見つけましたの」
彼女が広げた羊皮紙には、地熱を利用した魔力循環システムについての高度な理論が記されていた。
「これを応用すれば、冬でも全ての家で床暖房が使えますし、温室を建てて冬の間も野菜を育てることが可能になりますわ」
彼女の瞳はいつも新しい知識への探究心で、きらきらと輝いている。彼女と話していると、この世界の可能性が無限に広がっていくような気がした。
聖女の祈り。剣聖の守り。竜の翼。賢者の知恵。
そして、それら全てを束ねる俺の存在。
俺たちはそれぞれの役割を果たし、この楽園を一日、また一日とより良い場所へと変えていた。
その夜。
教会の談話室では暖炉の火を囲んで俺たち仲間全員が集まっていた。テーブルの上には、セレスティアと村の女たちが腕を振るった温かいシチューが湯気を立てている。
「それにしてもダリウスさんの指導は厳しいですよ! おかげで俺たち、身体中が筋肉痛です!」
警備隊のタロウが笑いながら愚痴をこぼす。
「当たり前だ。お前たちの命はこのエデンそのものの命なのだからな。鍛錬に妥協は許さん」
ダリウスが真顔で答える。そのやり取りにみんながどっと笑った。
他愛のない会話。温かい食事。そして、仲間たちの笑顔。
俺はそんな光景を心の底から愛おしいと思っていた。
追放され独りだったあの頃。こんな未来が来るなんて、誰が想像できただろうか。
俺はふと窓の外の夜空を見上げた。冬の訪れを告げる澄み切った星空が広がっている。
その時だった。
遠い北の空。その地平線が一瞬だけオーロラのように、しかしどこか禍々しい紫色の光を放って揺らめいたように見えた。
「……今の、なんだ?」
俺は思わず呟いた。だが、その光に気づいた者は俺以外には誰もいなかった。
「リアム様、どうかしましたか?」
セレスティアが不思議そうに俺の顔を覗き込む。
「いや……なんでもない。気のせいかな」
俺はそう言って笑ってごまかした。気のせいだ。きっとただの気象現象か何かだろう。この平和な楽園に不吉な影が忍び寄るはずがない。
「さあ、冷めないうちに食べよう」
俺は仲間たちに向き直った。
「みんながいるこの食事が、俺にとって一番の幸せだ」
その言葉に、仲間たちがそれぞれの笑顔で応えてくれる。
俺は、この温かい日常がこれからもずっと永遠に続いていくものだと信じて疑わなかった。
町の広場では男たちが冬のための薪を割り、女たちは収穫した穀物を粉に挽いている。工房からは職人たちの槌音がリズミカルに響き、学び舎からは子供たちの元気な声が聞こえてくる。その全てが、活気と未来への希望に満ちた心地よい協奏曲のようだった。
俺は、新しく建てられた鐘楼の頂上からその光景を眺めていた。
数ヶ月前までは人もまばらな寂れた村だった場所が、今や二百人以上が暮らす一つの生命体のように息づく町へと成長している。緑の城壁に守られた美しい家々。整備された石畳の道。そして何より、そこに住む人々の屈託のない笑顔。
「……良い町になったな」
俺の口から自然とそんな言葉が漏れた。
追放され全てを失ったと思っていたあの日。まさか自分がこんなにも温かい居場所を仲間たちと共に築き上げることになるとは、夢にも思わなかった。
「リアム様」
背後から優しい声がかかった。振り返ると、セレスティアが温かいハーブティーの入ったカップを二つ盆に乗せて立っていた。
「ここからの眺めは素敵ですわね。町中のみんなの顔がよく見えます」
彼女はそう言って俺の隣に並んだ。その横顔は聖女としての気品と、一人の女性としての穏やかさに満ちている。
「君が毎日みんなの健康を祈ってくれているおかげだよ。この町に病気の者が一人もいないのは君の力だ」
「いいえ。リアム様がわたくしの力を引き出してくださるからですわ」
彼女ははにかむように微笑んだ。その笑顔を見ているだけで心が洗われるようだった。俺たちは言葉もなく、しばらくの間眼下に広がる自分たちの楽園を眺めていた。
午後は訓練場で過ごすことが日課になっていた。
そこではルナリエルとダリウスがエデン警備隊の若者たちに剣の稽古をつけていた。二人の剣聖による直接指導。それは王国騎士団でも滅多に受けられない、あまりにも贅沢な訓練だった。
「違う! 腰の回転が甘いわよ! 剣は腕で振るうのではなく、身体全体で振るうの!」
ルナリエルの鋭い檄が飛ぶ。その隣でダリウスが若者一人一人の構えを無言で、しかし的確に修正していく。その指導は対照的でありながら、不思議なほど調和が取れていた。
俺の姿を認めると、二人は若者たちに休憩を命じこちらへ歩み寄ってきた。
「リアム。ちょうどいい。少し手合わせに付き合え」
ダリウスが木剣を一本、俺に放ってよこした。
「ええっ、俺が? あんたたちの相手になんてなるわけないだろう」
「構わん。お前の指揮官としての『眼』を鈍らせるわけにはいかんからな。俺たちの動きをその眼で捉え、活路を見出す訓練だ」
彼の言葉にルナリエルも面白そうに口の端を吊り上げた。
「いいわね、それ。さあ、リアム。どちらからでもかかってきなさい。三秒もてば褒めてあげるわ」
結局、俺は二人の剣聖を相手に無様な逃げ回りを披露する羽目になった。神速で繰り出される二人の剣戟はもはや芸術の域に達している。俺にできることと言えば、ソフィアに叩き込まれた戦術理論を総動員し、彼らの次の動きを予測してひたすら転がり避けることだけだった。
もちろん、三秒どころか一撃も交えることなく、俺は泥だらけになって地面に転がされた。
「……まだまだ、だな」
ダリウスが俺に手を差し伸べながら静かに言った。その目には厳しいながらも確かな信頼の色が浮かんでいる。
「だが、お前のおかげで俺は再びこの剣を握る意味を見つけた。感謝している、リアム」
そのぶっきらぼうな感謝の言葉が何よりも嬉しかった。
汗を流した後は、アイリスとフレアが俺を空の散歩へと連れ出してくれた。
「リアムさん、見てください! 町がまた少し大きくなりましたよ!」
フレアの背中の上でアイリスが子供のようにはしゃいだ。上空から見下ろすエデンはもはやただの村ではなく、森の中に生まれた美しい宝石のような一つの都市の姿をしていた。
「これもアイリスとフレアが毎日資材を運んでくれるおかげだよ。二人はいまやこの町の発展に欠かせない最高の働き手だ」
俺がそう言って彼女の頭を撫でると、彼女は「えへへ」と嬉しそうに顔を赤らめた。
空から戻ると、今度はソフィアが図書館で俺を待っていた。
「リアムさん。冬の間の新しいエネルギー源について、面白い文献を見つけましたの」
彼女が広げた羊皮紙には、地熱を利用した魔力循環システムについての高度な理論が記されていた。
「これを応用すれば、冬でも全ての家で床暖房が使えますし、温室を建てて冬の間も野菜を育てることが可能になりますわ」
彼女の瞳はいつも新しい知識への探究心で、きらきらと輝いている。彼女と話していると、この世界の可能性が無限に広がっていくような気がした。
聖女の祈り。剣聖の守り。竜の翼。賢者の知恵。
そして、それら全てを束ねる俺の存在。
俺たちはそれぞれの役割を果たし、この楽園を一日、また一日とより良い場所へと変えていた。
その夜。
教会の談話室では暖炉の火を囲んで俺たち仲間全員が集まっていた。テーブルの上には、セレスティアと村の女たちが腕を振るった温かいシチューが湯気を立てている。
「それにしてもダリウスさんの指導は厳しいですよ! おかげで俺たち、身体中が筋肉痛です!」
警備隊のタロウが笑いながら愚痴をこぼす。
「当たり前だ。お前たちの命はこのエデンそのものの命なのだからな。鍛錬に妥協は許さん」
ダリウスが真顔で答える。そのやり取りにみんながどっと笑った。
他愛のない会話。温かい食事。そして、仲間たちの笑顔。
俺はそんな光景を心の底から愛おしいと思っていた。
追放され独りだったあの頃。こんな未来が来るなんて、誰が想像できただろうか。
俺はふと窓の外の夜空を見上げた。冬の訪れを告げる澄み切った星空が広がっている。
その時だった。
遠い北の空。その地平線が一瞬だけオーロラのように、しかしどこか禍々しい紫色の光を放って揺らめいたように見えた。
「……今の、なんだ?」
俺は思わず呟いた。だが、その光に気づいた者は俺以外には誰もいなかった。
「リアム様、どうかしましたか?」
セレスティアが不思議そうに俺の顔を覗き込む。
「いや……なんでもない。気のせいかな」
俺はそう言って笑ってごまかした。気のせいだ。きっとただの気象現象か何かだろう。この平和な楽園に不吉な影が忍び寄るはずがない。
「さあ、冷めないうちに食べよう」
俺は仲間たちに向き直った。
「みんながいるこの食事が、俺にとって一番の幸せだ」
その言葉に、仲間たちがそれぞれの笑顔で応えてくれる。
俺は、この温かい日常がこれからもずっと永遠に続いていくものだと信じて疑わなかった。
36
あなたにおすすめの小説
貴族に無茶苦茶なことを言われたのでやけくそな行動をしたら、戦争賠償として引き抜かれました。
詰んだ
ファンタジー
エルクス王国の魔法剣士で重鎮のキースは、うんざりしていた。
王国とは名ばかりで、元老院の貴族が好き勝手なこと言っている。
そしてついに国力、戦力、人材全てにおいて圧倒的な戦力を持つヴォルクス皇国に、戦争を仕掛けるという暴挙に出た。
勝てるわけのない戦争に、「何とか勝て!」と言われたが、何もできるはずもなく、あっという間に劣勢になった。
日を追うごとに悪くなる戦況に、キースへのあたりがひどくなった。
むしゃくしゃしたキースは、一つの案を思いついた。
その案を実行したことによって、あんなことになるなんて、誰も想像しなかった。
元公務員、辺境ギルドの受付になる 〜『受理』と『却下』スキルで無自覚に無双していたら、伝説の職員と勘違いされて俺の定時退勤が危うい件〜
☆ほしい
ファンタジー
市役所で働く安定志向の公務員、志摩恭平(しまきょうへい)は、ある日突然、勇者召喚に巻き込まれて異世界へ。
しかし、与えられたスキルは『受理』と『却下』という、戦闘には全く役立ちそうにない地味なものだった。
「使えない」と判断された恭平は、国から追放され、流れ着いた辺境の街で冒険者ギルドの受付職員という天職を見つける。
書類仕事と定時退勤。前世と変わらぬ平穏な日々が続くはずだった。
だが、彼のスキルはとんでもない隠れた効果を持っていた。
高難易度依頼の書類に『却下』の判を押せば依頼自体が消滅し、新米冒険者のパーティ登録を『受理』すれば一時的に能力が向上する。
本人は事務処理をしているだけのつもりが、いつしか「彼の受付を通った者は必ず成功する」「彼に睨まれたモンスターは消滅する」という噂が広まっていく。
その結果、静かだった辺境ギルドには腕利きの冒険者が集い始め、恭平の定時退勤は日々脅かされていくのだった。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
聖水が「無味無臭」というだけで能無しと追放された聖女ですが、前世が化学研究者だったので、相棒のスライムと辺境でポーション醸造所を始めます
☆ほしい
ファンタジー
聖女エリアーナの生み出す聖水は、万物を浄化する力を持つものの「無味無臭」で効果が分かりにくいため、「能無し」の烙印を押され王都から追放されてしまう。
絶望の淵で彼女は思い出す。前世が、物質の配合を極めた化学研究者だったことを。
「この完璧な純水……これ以上の溶媒はないじゃない!」
辺境の地で助けたスライムを相棒に、エリアーナは前世の知識と「能無し」の聖水を組み合わせ、常識を覆す高品質なポーション作りを始める。やがて彼女の作るポーションは国を揺るがす大ヒット商品となり、彼女を追放した者たちが手のひらを返して戻ってくるよう懇願するが――もう遅い。
姉の陰謀で国を追放された第二王女は、隣国を発展させる聖女となる【完結】
小平ニコ
ファンタジー
幼少期から魔法の才能に溢れ、百年に一度の天才と呼ばれたリーリエル。だが、その才能を妬んだ姉により、無実の罪を着せられ、隣国へと追放されてしまう。
しかしリーリエルはくじけなかった。持ち前の根性と、常識を遥かに超えた魔法能力で、まともな建物すら存在しなかった隣国を、たちまちのうちに強国へと成長させる。
そして、リーリエルは戻って来た。
政治の実権を握り、やりたい放題の振る舞いで国を乱す姉を打ち倒すために……
微妙なバフなどもういらないと追放された補助魔法使い、バフ3000倍で敵の肉体を内部から破壊して無双する
こげ丸
ファンタジー
「微妙なバフなどもういらないんだよ!」
そう言われて冒険者パーティーを追放されたフォーレスト。
だが、仲間だと思っていたパーティーメンバーからの仕打ちは、それだけに留まらなかった。
「もうちょっと抵抗頑張んないと……妹を酷い目にあわせちゃうわよ?」
窮地に追い込まれたフォーレスト。
だが、バフの新たな可能性に気付いたその時、復讐はなされた。
こいつら……壊しちゃえば良いだけじゃないか。
これは、絶望の淵からバフの新たな可能性を見いだし、高みを目指すに至った補助魔法使いフォーレストが最強に至るまでの物語。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる