10 / 60
第10話 知略のソロプレイ
しおりを挟む
ダンジョンガーディアン・スコルピウス。
黒いバグが消えたことで解放された、この水道橋の正規の番人。
その巨大なハサミが威嚇するように打ち鳴らされ、俺の鼓膜を不快に震わせる。MPはゼロ、体力は風前の灯火。初期装備のショートソードでは、あの分厚い甲殻に傷一つつけられないだろう。
絶望的な戦力差。
だが、俺の思考は不思議なほど澄み切っていた。
プログラマーにとって、リソースが限られている状況は、むしろ腕の見せ所だ。最小限のコストで、最大限の結果を出す。それが、美しいコードというものだ。
「まずは、情報収集からだ」
俺はスコルピウスから距離を取り、広間を大きく回り込むように走り出した。
AGIに振ったステータスが、ここで活きてくる。
スコルピウスは巨体に似合わぬ速度で俺を追尾し、射程に入ったと判断するや、その巨大なハサミを薙ぎ払ってきた。
ブォン!と、空気を切り裂く重い音。
俺は身を屈めてそれを回避する。ハサミが通り過ぎた後、すぐさま距離を取る。
「攻撃パターンA:近距離での大ぶりなハサミによる薙ぎ払い。予備動作が大きく、回避は容易だが、範囲が広い」
俺が距離を取ったのを見て、スコルピウスは行動を切り替えた。
尾の先にある毒針が、不気味な紫色の光を放つ。
シュッ!と短い音を立てて、毒液の弾丸が三発、俺に向かって飛来した。
俺は左右へのステップでそれを回避する。毒液が着弾した床の石畳が、ジュウ、と音を立てて溶けていった。
「攻撃パターンB:中距離での毒液射出。弾速はそこそこだが、直線的。着弾点に持続ダメージのある地形効果を発生させる、か」
回避に専念しながら、俺はスコルピウスのAI(思考ルーチン)を分析していく。
正規のボスモンスターである以上、その行動には必ず法則性がある。開発者が設定した、優先順位とトリガーが存在するはずだ。
数分間、鬼ごっこを繰り返す。
その中で、俺は一つの確信を得た。
このスコルピウスのAIは、ひどく「直線的」だ。ターゲットである俺との間に障害物がない場合、最短距離での攻撃を最優先するようプログラムされている。回り込んだり、フェイントをかけたりといった、複雑な思考は持ち合わせていない。
おそらく、この閉鎖されたダンジョンでの運用を前提に、処理負荷を軽くするために簡略化されたAIなのだろう。
「……見つけたぞ、お前の『仕様書』を」
俺はニヤリと笑うと、走りながら広間の構造を改めて確認する。
この広間は、かつて巨大な水道橋を支えていた名残で、天井を支える太い石柱が何本も立っている。そのほとんどは頑丈そうだが、中にはひび割れ、明らかに耐久度が低そうなものが数本混じっていた。
作戦は決まった。
俺は、最も脆そうな石柱を目がけて一直線に走る。
そして、その柱の影にピタリと身を隠した。
俺の姿が視界から消えたことで、スコルピウスの動きが止まる。索敵モードに入ったのだろう、キョロキョロと辺りを見回している。
だが、その索敵ルーチンも単純なものらしかった。最後にターゲットを見失った地点を中心に、一定範囲を捜索するだけ。
俺は息を殺し、スコルピウスが俺の潜む柱に近づいてくるのを待った。
やがて、スコルピウスが柱のすぐそばまでやってきた。
――今だ!
俺は柱の影から飛び出し、再びその巨体を晒す。
「こっちだ、ブリキのサソリ!」
俺を再認識したスコルピウスのAIは、即座に最も効率的な攻撃を選択した。
至近距離にいる俺に対し、巨大なハサミを振りかぶる。
攻撃パターンA。予備動作の大きい、薙ぎ払い。
俺は、ハサミが振り下ろされる直前に、バックステップで柱の背後へと再び退避した。
スコルピウスのAIは、俺の回避行動を予測できない。ただ、目の前のターゲットを攻撃することしか頭にない。
結果、振り下ろされた巨大なハサミは、俺ではなく、俺が隠れていた石柱へと叩きつけられた。
ゴッ!と、鈍い衝撃音。
そして、メキメキと石が砕ける嫌な音。
ひび割れていた石柱が、スコルピウスの一撃によって半ばからへし折れる。
ギシギシ、と天井が軋む音を立て、バランスを失った天井の一部が、轟音と共に崩落した。
大量の瓦礫が、攻撃を放った直後で硬直していたスコルピウスの頭上へと降り注ぐ。
――ガッ、ガガガガガッ!
「ギシャアアアアッ!」
スコルピウスが、初めて苦痛の叫び声を上げた。
分厚い甲殻も、天井からの無数の瓦礫の直撃には耐えられなかったらしい。そのHPゲージが、一気に三割ほど削り取られたのが見えた。
「よし、狙い通りだ」
俺は内心でガッツポーズをした。
俺は一切、攻撃していない。ただ、ボスのAIの穴を突き、その攻撃を「利用」して、ダンジョンの環境そのものを武器にしただけだ。
これはチートでも、バグ利用でもない。観察眼と発想力、そしてほんの少しの知識があれば誰にでも可能な、純粋な「知略」だ。
怒りに燃えるスコルピウスが、瓦礫の中から身を起こし、俺を睨みつける。その赤い複眼は、憎悪で爛々と輝いていた。
俺は再び走り出し、次の脆い柱へと向かう。
同じことの繰り返しだった。
俺は柱の影に隠れ、スコルピウスをおびき寄せ、その攻撃を柱に誤爆させる。
二本目の柱が砕け、天井が崩落した時、スコルピウスのHPは残り半分を切っていた。
三本目の柱が崩れた時、そのHPは残り一割、瀕死の状態に陥っていた。
スコルピウスは、もはや満身創痍だった。甲殻のあちこちは砕け散り、動きも明らかに鈍くなっている。
だが、その目はまだ死んでいなかった。
最後の力を振り絞るように、天に向かって咆哮する。
「ギシャアアアアアアアアアッ!」
AIが、最終行動パターンに移行したのだろう。
スコルピウスは、ハサミも毒も使わず、ただひたすらに、俺に向かって猛然と突進を始めた。全てを賭けた、最後の突撃だ。
その直線的な軌道の先、俺の背後にあるのは、この広間の固い壁。回避する場所はない。
「……これで、チェックメイトだ」
俺は、迫り来るスコルピウスから目を離さず、ゆっくりとショートソードを構えた。
MPは、この数分間でほんの僅かだけ回復している。【テクスチャ・ウォーク】を使うには、全く足りない。
だが、それでいい。
スコルピウスの巨体が、数メートル先まで迫る。
その突進が俺の身体を貫く、まさに0.1秒前。
俺は、ただ真横に、半歩だけ、ステップした。
俺の身体を掠めるようにして通り過ぎたスコルピウスは、その勢いを殺すことができない。
単純で、直線的なAIは、最後の最後まで、俺の最小限の動きに対応できなかった。
――ゴオオオオオオンッ!!
凄まじい衝突音と共に、ダンジョン全体が再び揺れた。
スコルピウスの巨体は、広間の壁に激突し、その反動で跳ね返ると、ぐったりと動かなくなった。
HPゲージがゼロになり、その巨大な身体が、ゆっくりと青い光の粒子となって霧散していく。
【ダンジョンガーディアン・スコルピウスを討伐しました】
【経験値2000を獲得しました】
【称号:ボススレイヤー(ソロ)を獲得しました】
静寂が戻った広間の中心に、ボスモンスターがドロップした宝箱が出現した。
俺はその場にへたり込み、大きく息を吐いた。
「……疲れた」
MPも体力も、精神も、全てを使い果たした。だが、心地よい達成感が、その疲労を上回っていた。
俺はゆっくりと立ち上がり、宝箱に近づいて蓋を開ける。
中に入っていたのは、数本のポーションとそこそこの金額のG、そして、一冊の古びた本だった。
──────────────
【アイテム名】古びた設計図
【種別】重要アイテム
【説明】
かつて、『アルモニカ大水道』の建設を指揮した技師が遺した設計図の一部。特殊なインクで書かれており、普通の人間には読むことができない。
──────────────
「設計図……?」
何に使うものかは分からないが、ユニークアイテムではなさそうだ。俺はそれをアイテムストレージに放り込むと、ダンジョンの出口へと向かって歩き出した。
目的は果たした。そろそろ、この薄暗い場所から出たい。
数十分後、俺は再び、あの古井戸から這い出してきた。
降り注ぐ太陽の光が、やけに目に染みる。
俺はそのまま、何気なくフォーラム(掲示板)を開いた。
自分の行動が、何か騒ぎになっていないか確認するためだ。
そして、目に飛び込んできたスレッドのタイトルに、俺は思わず目を見開いた。
【【速報】最強ギルド『ラグナロク』、隠しダンジョンで謎のプレイヤーに敗走か!?】
【【目撃情報】『始まりの街』に現れたチーター? プレイヤー『マコト』の謎】
【【考察】黒いノイズのモンスターの正体とは? 新イベントの前触れか?】
スレッドは、凄まじい勢いで伸びていた。
そこには、俺と『ラグナロク』の遭遇、そして俺が「黒いバグ」を消し去った(ように見えた)一部始終が、尾ひれを付けて書き連ねられていた。
俺は、いつの間にか、この世界の誰もが注目する、謎のプレイヤーになっていた。
「……噂になる、ね」
ヴォルフガングの言葉が、脳裏に蘇る。
どうやら、俺の平穏なバグ探しの旅は、もう終わりを迎えたらしい。
俺は空を見上げ、不敵な笑みを浮かべた。
望むところだ。この世界の謎、そして『ノア』という存在。その全てを、この手で解き明かしてやる。
俺の、本当の冒険が、今、始まった。
黒いバグが消えたことで解放された、この水道橋の正規の番人。
その巨大なハサミが威嚇するように打ち鳴らされ、俺の鼓膜を不快に震わせる。MPはゼロ、体力は風前の灯火。初期装備のショートソードでは、あの分厚い甲殻に傷一つつけられないだろう。
絶望的な戦力差。
だが、俺の思考は不思議なほど澄み切っていた。
プログラマーにとって、リソースが限られている状況は、むしろ腕の見せ所だ。最小限のコストで、最大限の結果を出す。それが、美しいコードというものだ。
「まずは、情報収集からだ」
俺はスコルピウスから距離を取り、広間を大きく回り込むように走り出した。
AGIに振ったステータスが、ここで活きてくる。
スコルピウスは巨体に似合わぬ速度で俺を追尾し、射程に入ったと判断するや、その巨大なハサミを薙ぎ払ってきた。
ブォン!と、空気を切り裂く重い音。
俺は身を屈めてそれを回避する。ハサミが通り過ぎた後、すぐさま距離を取る。
「攻撃パターンA:近距離での大ぶりなハサミによる薙ぎ払い。予備動作が大きく、回避は容易だが、範囲が広い」
俺が距離を取ったのを見て、スコルピウスは行動を切り替えた。
尾の先にある毒針が、不気味な紫色の光を放つ。
シュッ!と短い音を立てて、毒液の弾丸が三発、俺に向かって飛来した。
俺は左右へのステップでそれを回避する。毒液が着弾した床の石畳が、ジュウ、と音を立てて溶けていった。
「攻撃パターンB:中距離での毒液射出。弾速はそこそこだが、直線的。着弾点に持続ダメージのある地形効果を発生させる、か」
回避に専念しながら、俺はスコルピウスのAI(思考ルーチン)を分析していく。
正規のボスモンスターである以上、その行動には必ず法則性がある。開発者が設定した、優先順位とトリガーが存在するはずだ。
数分間、鬼ごっこを繰り返す。
その中で、俺は一つの確信を得た。
このスコルピウスのAIは、ひどく「直線的」だ。ターゲットである俺との間に障害物がない場合、最短距離での攻撃を最優先するようプログラムされている。回り込んだり、フェイントをかけたりといった、複雑な思考は持ち合わせていない。
おそらく、この閉鎖されたダンジョンでの運用を前提に、処理負荷を軽くするために簡略化されたAIなのだろう。
「……見つけたぞ、お前の『仕様書』を」
俺はニヤリと笑うと、走りながら広間の構造を改めて確認する。
この広間は、かつて巨大な水道橋を支えていた名残で、天井を支える太い石柱が何本も立っている。そのほとんどは頑丈そうだが、中にはひび割れ、明らかに耐久度が低そうなものが数本混じっていた。
作戦は決まった。
俺は、最も脆そうな石柱を目がけて一直線に走る。
そして、その柱の影にピタリと身を隠した。
俺の姿が視界から消えたことで、スコルピウスの動きが止まる。索敵モードに入ったのだろう、キョロキョロと辺りを見回している。
だが、その索敵ルーチンも単純なものらしかった。最後にターゲットを見失った地点を中心に、一定範囲を捜索するだけ。
俺は息を殺し、スコルピウスが俺の潜む柱に近づいてくるのを待った。
やがて、スコルピウスが柱のすぐそばまでやってきた。
――今だ!
俺は柱の影から飛び出し、再びその巨体を晒す。
「こっちだ、ブリキのサソリ!」
俺を再認識したスコルピウスのAIは、即座に最も効率的な攻撃を選択した。
至近距離にいる俺に対し、巨大なハサミを振りかぶる。
攻撃パターンA。予備動作の大きい、薙ぎ払い。
俺は、ハサミが振り下ろされる直前に、バックステップで柱の背後へと再び退避した。
スコルピウスのAIは、俺の回避行動を予測できない。ただ、目の前のターゲットを攻撃することしか頭にない。
結果、振り下ろされた巨大なハサミは、俺ではなく、俺が隠れていた石柱へと叩きつけられた。
ゴッ!と、鈍い衝撃音。
そして、メキメキと石が砕ける嫌な音。
ひび割れていた石柱が、スコルピウスの一撃によって半ばからへし折れる。
ギシギシ、と天井が軋む音を立て、バランスを失った天井の一部が、轟音と共に崩落した。
大量の瓦礫が、攻撃を放った直後で硬直していたスコルピウスの頭上へと降り注ぐ。
――ガッ、ガガガガガッ!
「ギシャアアアアッ!」
スコルピウスが、初めて苦痛の叫び声を上げた。
分厚い甲殻も、天井からの無数の瓦礫の直撃には耐えられなかったらしい。そのHPゲージが、一気に三割ほど削り取られたのが見えた。
「よし、狙い通りだ」
俺は内心でガッツポーズをした。
俺は一切、攻撃していない。ただ、ボスのAIの穴を突き、その攻撃を「利用」して、ダンジョンの環境そのものを武器にしただけだ。
これはチートでも、バグ利用でもない。観察眼と発想力、そしてほんの少しの知識があれば誰にでも可能な、純粋な「知略」だ。
怒りに燃えるスコルピウスが、瓦礫の中から身を起こし、俺を睨みつける。その赤い複眼は、憎悪で爛々と輝いていた。
俺は再び走り出し、次の脆い柱へと向かう。
同じことの繰り返しだった。
俺は柱の影に隠れ、スコルピウスをおびき寄せ、その攻撃を柱に誤爆させる。
二本目の柱が砕け、天井が崩落した時、スコルピウスのHPは残り半分を切っていた。
三本目の柱が崩れた時、そのHPは残り一割、瀕死の状態に陥っていた。
スコルピウスは、もはや満身創痍だった。甲殻のあちこちは砕け散り、動きも明らかに鈍くなっている。
だが、その目はまだ死んでいなかった。
最後の力を振り絞るように、天に向かって咆哮する。
「ギシャアアアアアアアアアッ!」
AIが、最終行動パターンに移行したのだろう。
スコルピウスは、ハサミも毒も使わず、ただひたすらに、俺に向かって猛然と突進を始めた。全てを賭けた、最後の突撃だ。
その直線的な軌道の先、俺の背後にあるのは、この広間の固い壁。回避する場所はない。
「……これで、チェックメイトだ」
俺は、迫り来るスコルピウスから目を離さず、ゆっくりとショートソードを構えた。
MPは、この数分間でほんの僅かだけ回復している。【テクスチャ・ウォーク】を使うには、全く足りない。
だが、それでいい。
スコルピウスの巨体が、数メートル先まで迫る。
その突進が俺の身体を貫く、まさに0.1秒前。
俺は、ただ真横に、半歩だけ、ステップした。
俺の身体を掠めるようにして通り過ぎたスコルピウスは、その勢いを殺すことができない。
単純で、直線的なAIは、最後の最後まで、俺の最小限の動きに対応できなかった。
――ゴオオオオオオンッ!!
凄まじい衝突音と共に、ダンジョン全体が再び揺れた。
スコルピウスの巨体は、広間の壁に激突し、その反動で跳ね返ると、ぐったりと動かなくなった。
HPゲージがゼロになり、その巨大な身体が、ゆっくりと青い光の粒子となって霧散していく。
【ダンジョンガーディアン・スコルピウスを討伐しました】
【経験値2000を獲得しました】
【称号:ボススレイヤー(ソロ)を獲得しました】
静寂が戻った広間の中心に、ボスモンスターがドロップした宝箱が出現した。
俺はその場にへたり込み、大きく息を吐いた。
「……疲れた」
MPも体力も、精神も、全てを使い果たした。だが、心地よい達成感が、その疲労を上回っていた。
俺はゆっくりと立ち上がり、宝箱に近づいて蓋を開ける。
中に入っていたのは、数本のポーションとそこそこの金額のG、そして、一冊の古びた本だった。
──────────────
【アイテム名】古びた設計図
【種別】重要アイテム
【説明】
かつて、『アルモニカ大水道』の建設を指揮した技師が遺した設計図の一部。特殊なインクで書かれており、普通の人間には読むことができない。
──────────────
「設計図……?」
何に使うものかは分からないが、ユニークアイテムではなさそうだ。俺はそれをアイテムストレージに放り込むと、ダンジョンの出口へと向かって歩き出した。
目的は果たした。そろそろ、この薄暗い場所から出たい。
数十分後、俺は再び、あの古井戸から這い出してきた。
降り注ぐ太陽の光が、やけに目に染みる。
俺はそのまま、何気なくフォーラム(掲示板)を開いた。
自分の行動が、何か騒ぎになっていないか確認するためだ。
そして、目に飛び込んできたスレッドのタイトルに、俺は思わず目を見開いた。
【【速報】最強ギルド『ラグナロク』、隠しダンジョンで謎のプレイヤーに敗走か!?】
【【目撃情報】『始まりの街』に現れたチーター? プレイヤー『マコト』の謎】
【【考察】黒いノイズのモンスターの正体とは? 新イベントの前触れか?】
スレッドは、凄まじい勢いで伸びていた。
そこには、俺と『ラグナロク』の遭遇、そして俺が「黒いバグ」を消し去った(ように見えた)一部始終が、尾ひれを付けて書き連ねられていた。
俺は、いつの間にか、この世界の誰もが注目する、謎のプレイヤーになっていた。
「……噂になる、ね」
ヴォルフガングの言葉が、脳裏に蘇る。
どうやら、俺の平穏なバグ探しの旅は、もう終わりを迎えたらしい。
俺は空を見上げ、不敵な笑みを浮かべた。
望むところだ。この世界の謎、そして『ノア』という存在。その全てを、この手で解き明かしてやる。
俺の、本当の冒険が、今、始まった。
1
あなたにおすすめの小説
この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~
仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。
祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。
試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。
拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。
さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが……
暫くするとこの世界には異変が起きていた。
謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。
謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。
そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。
その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。
その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。
様々な登場人物が織りなす群像劇です。
主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。
その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。
ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。
タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。
その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
強制ハーレムな世界で元囚人の彼は今日もマイペースです。
きゅりおす
SF
ハーレム主人公は元囚人?!ハーレム風SFアクション開幕!
突如として男性の殆どが消滅する事件が発生。
そんな人口ピラミッド崩壊な世界で女子生徒が待ち望んでいる中、現れる男子生徒、ハーレムの予感(?)
異色すぎる主人公が周りを巻き込みこの世界を駆ける!
異世界宇宙SFの建艦記 ――最強の宇宙戦艦を建造せよ――
黒鯛の刺身♪
SF
主人公の飯富晴信(16)はしがない高校生。
ある朝目覚めると、そこは見たことのない工場の中だった。
この工場は宇宙船を作るための設備であり、材料さえあれば巨大な宇宙船を造ることもできた。
未知の世界を開拓しながら、主人公は現地の生物達とも交流。
そして時には、戦乱にも巻き込まれ……。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる