レベル1の死に戻り英雄譚 ~追放された俺の【やりなおし】スキルは、死ぬほど強くなる~

夏見ナイ

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第29話:第二階層・幻惑の回廊

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ホールを埋め尽くしていたゴーレムの残骸が、やがて光の粒子となって消えていく。すると、ホールの奥の壁に、これまで閉ざされていた新たな通路が姿を現した。どうやら、この階層の試練を乗り越えた者だけが進むことを許される道のようだ。

「……行ったわね」

シルフィリアが、まだ少し荒い息を整えながら呟いた。彼女の額には玉のような汗が浮かんでいる。

「あんたのおかげだ。助かった」

俺が素直に礼を言うと、彼女は少し驚いたような顔をして、すぐにぷいとそっぽを向いた。

「べ、別にあなたのためじゃないわ。森のためよ。それにあんたこそ、ただの脳筋じゃなくて、少しは役に立つ盾になるってことが分かっただけマシだったわ」

相変わらず素直じゃない。だが、その声には確かな信頼の色が宿っていた。俺たちの間には、あの死闘を経て、言葉以上の絆が生まれ始めていた。

俺たちは新たな通路へと足を踏み入れた。そこは緩やかな下り階段になっており、壁の材質はさらに上質なものへと変わっていく。空気中に満ちる魔力も、より一層濃密になっていた。

階段を降りきると、俺たちは息を呑んだ。
目の前に広がっていたのは、信じられないほど美しい回廊だった。

床も壁も、磨き上げられた純白の大理石でできており、継ぎ目一つ見当たらない。天井には、夜空を模したかのような星々がきらめき、柔らかな光を投げかけている。回廊はどこまでも真っ直ぐに続き、その先は淡い光の中に霞んで見えなかった。

「なんて美しい場所なの……。これが、古代の建築技術……」

シルフィリアが、うっとりとした表情で呟く。だが、俺の感覚は最大級の警鐘を鳴らしていた。

美しすぎる。あまりにも、無防備すぎる。
この遺跡が、侵入者を易々と通すはずがない。この美しさそのものが、罠なのだ。

「気をつけろ。何かがおかしい」
「分かってるわ。この空間、魔力の流れが異常に歪んでいる。おそらく、強力な幻術がかけられているわね」

さすがはエルフの魔術師だ。俺が肌で感じ取った違和感を、彼女は魔力の流れから正確に読み取っていた。

「私の目に任せなさい。エルフは幻術に強いのよ。どんなまやかしも見破ってあげるわ」

シルフィリアは自信ありげに言うと、一歩前に出た。そして、慎重に、回廊の最初の一歩を踏み出す。

その瞬間、世界がぐにゃりと歪んだ。

「……!?」

シルフィリアが驚愕の声を上げる。俺の目にも、その変化ははっきりと見えた。目の前の彼女の姿が、一瞬、禍々しい魔物のように見えたのだ。すぐに元に戻ったが、今の現象は紛れもなく幻術によるものだろう。

「カイル! 大丈夫!? あなたの姿が……!」
「落ち着け。俺はここにいる。それより、前を見ろ」

俺たちの目の前。何もないはずの空間に、突然、無数の槍が地面から突き出してきた。それはあまりにもリアルで、金属の冷たい輝きまで見て取れる。

「幻覚よ! 惑わされないで!」

シルフィリアはそう叫び、自らを奮い立たせるようにして槍の幻影へと足を踏み出した。だが、その判断は間違いだった。

「ぐっ……!」

彼女の足が、見えない何かに阻まれて前に進めない。まるで、本当に槍がそこにあるかのように。

「物理的な干渉を伴う幻術……!? なんて高度な……!」

彼女が焦りの声を上げた、その時だった。
俺は、シルフィリアの頭上、天井の星々がきらめく空間に、わずかな魔力の揺らぎを感知した。

まずい。

「伏せろ!」

俺は叫びながらシルフィリアの体を突き飛ばした。彼女が体勢を崩して床に倒れ込むのと、巨大な岩塊が天井から轟音と共に落下してきたのは、ほぼ同時だった。

俺のいた場所の床が、粉々に砕け散る。
俺は、その岩塊に為すすべもなく押し潰されていた。全身が圧搾される激痛。骨が砕け、肉が潰れる感触を最後に、俺の意識は途絶えた。

木賃宿のベッドで、俺は飛び起きた。
全身を襲う、幻の圧迫感。息が詰まる。

「……幻覚に、本物の罠を混ぜ込んであるのか。悪趣味な」

俺は悪態をつきながら、すぐに『転移の魔石』を使った。戻るべき場所は、あの美しい地獄だ。

シルフィリアは、俺が押し潰された場所で呆然と立ち尽くしていた。その顔は青ざめ、自分のせいで俺が死んだという絶望に打ちのめされている。

「……カイル……」

彼女がかすれた声で俺の名を呼んだ、その背後に、俺は音もなく現れた。

「よう」
「ひゃっ!?」

シルフィリアは心臓が飛び出るかと思うほど驚き、尻餅をついた。そして、無傷で立っている俺の姿を見て、目を白黒させている。

「な……なんで……あなた、今……」
「死んだな。だが、見ての通りだ」

俺は、もはや定型句となった言葉を口にした。

「大丈夫だ。一つ、罠のパターンを覚えた。あの天井、幻術で岩を隠してたらしい」

俺の言葉に、シルフィリアはもはや驚きを通り越して、呆れたような顔をしていた。そして、何かを深く理解したように、静かに頷いた。

「……そう。あなたのそのスキルがあれば、どんな初見殺しの罠も、意味をなさないのね」
「そういうことだ。ここからは、俺が先に行く。あんたは俺の足跡だけを踏んで、ついてこい」

俺は彼女にそう告げると、今度は俺が先頭に立って、回廊へと足を踏み出した。

ここから先は、俺の独壇場だった。

一歩進む。すると、目の前の床が突然消え去り、底の見えない奈落が出現した。俺は躊躇なく、その奈落へと身を投げた。落下する感覚。そして、見えない針の床に全身を貫かれて死亡。

復活。
「そこは落とし穴だ。右に三歩ずれろ」

シルフィリアに指示を出し、俺たちはその場所を迂回する。

次の角を曲がる。壁から、美しい花の香りが漂ってきた。その香りを吸い込んだ瞬間、全身の力が抜け、意識が朦朧として死亡。

復活。
「幻覚性の毒ガスだ。息を止めろ」

俺たちは息を止めて、その区画を駆け抜ける。

俺は、死んだ。何度も、何度も。
壁から飛び出す刃に切り刻まれ、炎の奔流に焼かれ、氷の柱に貫かれた。仲間であるシルフィリアが、最も憎い敵に見える幻覚も見せられた。俺はその幻覚に惑わされることなく、彼女の姿をした魔物に斬りかかられ、その刃を甘んじて受け入れた。

シルフィリアは、その全てを、ただ黙って見ていた。
俺が死ぬたびに、彼女は唇を噛み締め、拳を握りしめた。俺が味わっている苦痛を、自分のことのように感じているのが伝わってきた。彼女は、俺のスキルの代償の重さを、その目に、その心に、深く刻み込んでいた。

死の回数が、この回廊だけで三十回を超えた頃。
俺は、ついにこの幻惑の回廊の全ての罠と、その安全な回避ルートを、完全に記憶した。

「……よし。これで全部だ」

俺は、最後に復活すると、シルフィリアに向かって静かに言った。
彼女は、何も言わずにこくりと頷く。その翠色の瞳には、俺に対する絶対的な信頼が宿っていた。

「行くぞ。俺から絶対に離れるな」

俺は、シルフィリアの華奢な手を、強く握った。彼女は驚いたように少しだけ体を震わせたが、すぐに、その手を強く握り返してきた。

俺たちは、歩き出した。
右へ三歩、左へ五歩。飛び石のように配置された安全地帯を正確に跳び、タイミングを合わせて床から飛び出す槍を回避する。俺の頭の中にある完璧な攻略ルートを、二人でなぞっていく。

俺たちの周りでは、相変わらず地獄のような罠が次々と発動していた。壁が迫り、床が抜け、炎と氷が吹き荒れる。だが、その全てが、まるで俺たちを避けるかのように、その効果を発揮できない。

それは、まるで嵐の目の中を歩いているかのような、奇妙で、そして完璧な行軍だった。

シルフィリアは、俺の背中だけを見ていた。俺が握る手の温かさだけを、信じていた。
彼女は、この得体の知れないスキルを持つ男に、自分の命を完全に預けていたのだ。

やがて、長い回廊の終わりが見えてきた。
そこには、次の階層へと続く、巨大な扉が静かに佇んでいた。

俺たちが最後の罠をくぐり抜け、扉の前にたどり着いた時、回廊の幻術は嘘のように消え去った。後に残されたのは、ただの美しい大理石の回廊だけだった。

俺は、握っていた彼女の手を、そっと離した。

「……ありがとう。カイル」

シルフィリアが、小さな声で言った。
それは、彼女が初めて見せた、素直な感謝の言葉だった。

俺は何も言わず、ただ、次の階層へと続く扉を、静かに見据えていた。
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