60 / 100
第60話:届かない剣
しおりを挟む
俺たちが広場を後にした後の喧騒は、まるで遠い世界の出来事のようだった。宿屋に戻る道すがらエリナは心配そうに何度も後ろを振り返っていたが、そこにはもうアランたちの姿はなかった。
「……よかったの、カイル君。あんな形で……」
宿屋の部屋に戻りテーブルを囲むと、エリナがおずおずと切り出した。その声には安堵と、そして拭いきれない悲しみが混じっていた。
「自業自得だ。俺たちは何も間違ったことはしていない」
俺は窓の外を眺めながら静かに答えた。俺の心は不思議なほどに凪いでいた。アランを打ち負かしたことへの高揚感も、過去の因縁に決着をつけた達成感もない。ただ、終わるべきものが終わった。それだけだった。
「それにしても、大将。あんた、とんでもねえな。あの勇者様の聖剣を指二本で止めちまうなんてよ。俺ぁ心臓が止まるかと思ったぜ」
ヴォルフが興奮冷めやらぬといった様子で、大きな手で自分の胸を叩いた。
「全くだわ。私も一瞬何が起こったのか分からなかったもの。あなたのステータスが異常なのは知っていたけど、まさか聖剣の神聖な力さえも物理でねじ伏せてしまうなんて。私の研究対象としてますます興味が尽きないわ」
シルフィリアも魔術師としての探究心をキラキラと輝かせている。
仲間たちの言葉に、俺はただ静かに首を振った。
「特別なことじゃない。ただ俺の力があいつの力を上回っていた。それだけのことだ」
そうだ。俺がやったことは単純な力の証明に過ぎない。死を繰り返し、積み上げてきたステータスという絶対的な暴力が、勇者という肩書きも聖剣という伝説も、全て無に帰した。それだけの話だ。
「……でも」
エリナがまだ納得いかないという顔で俯いた。
「アラン君、一人になってしまったわ。ゴードンさんやレナさんまで……。彼、これからどうするのかしら」
「それはあいつ自身が考えることだ。俺たちがもう関わる必要はない」
俺はエリナの優しさを理解しつつも、あえて突き放すように言った。同情は時として相手をさらに惨めにする。今のあいつに必要なのは、一人で自分の過ちと向き合う時間のはずだ。
俺の言葉に、エリナは寂しそうに頷いた。彼女も分かっているのだ。もう俺たちとアランの道が交わることはないと。
その日の夜は何事もなく過ぎていった。
明日になれば、ヴォルフのオリハルコン製の大剣が完成する。そうすれば俺たちはこの街を立ち、新たな旅へと出発する。アランとの出来事は、いずれ過去の思い出の一つとして風化していくのだろう。
そう思っていた。
その時までは。
◇
【視点変更:アラン】
屈辱。
その一言では到底言い表せないほどの感情が、俺の全身を支配していた。
仲間は去り、プライドは砕かれ、信じていた聖剣の力さえもカイルの前では赤子の玩具のようにあしらわれた。
広場に一人取り残された俺はまるで亡霊のように、当てもなくザラームの街を彷徨っていた。道行く人々の視線が、嘲笑が、無数の針となって俺の背中に突き刺さる。
(なぜだ……なぜ俺がこんな目に……)
憎い。カイルが憎い。
あいつさえいなければ。あいつがあんな馬鹿げた力を持っていなければ。俺は輝かしい勇者としての道を歩み続けられたはずなのに。
俺は路地裏に転がっていた酒瓶を拾い上げると、壁に向かって叩きつけた。ガシャン、というけたたましい音と共にガラスの破片が飛び散る。だが、そんなことをしても胸の内の黒い炎は少しも収まらなかった。
俺はあの瞬間を、何度も何度も頭の中で反芻していた。
聖剣を指二本でつまみ、静止させたカイルの姿。
その目に宿っていた、絶対的な強者の冷たい光。
恐怖。
そうだ。俺はあの時、心の底から恐怖したのだ。
自分が信じてきた全てのものが根底から覆されるような、理解を超えた現象に対する本能的な恐怖。
聖剣に亀裂が入ったあの音。
あれは俺の心に刻まれた、決して消えることのない傷跡だった。
憎い。憎くて殺してやりたいほどだ。
だが、それと同時に俺の心の中には別の、もっと粘着質で醜悪な感情が芽生え始めていた。
(……欲しい)
そうだ。欲しいのだ。
あの力が。
聖剣さえも弄ぶ、あの圧倒的なまでの力が。
憎しみと渇望。
相反するはずの二つの感情が俺の中で渦を巻き、やがて一つの結論へと収束していく。
(あの力を手に入れるには……)
どうすればいい?
カイルを殺して奪えるものなのか? いや、違う。あの力はカイル自身に宿っている。
ならば。
(……プライドなど、どうでもいい)
俺の頭の中で何かがぷつりと切れる音がした。
勇者としての誇り? 聖剣に選ばれた者の矜持?
そんなもの、カイルのあの力の前に何の価値があった?
無意味だ。
全て無意味だ。
俺に必要なのは肩書きや伝説ではない。
ただ、純粋な「力」。
カイルが持つ、あの理不尽なまでの「力」だけだ。
(あの力を手に入れられるなら……)
俺の口元に乾いた笑みが浮かんだ。
(土下座でも何でもしてやる)
そうだ。何を恥じることがある?
敗者は勝者に従う。それはこの世の理だ。
俺はカイルに負けた。ならば彼の足元にひれ伏し、その力を乞うのは当然のことではないか。
俺はもはや勇者ではない。
ただの、力を渇望する一人の男だ。
そう決めた瞬間、俺の心は不思議なほどに軽くなった。
憎しみも屈辱も、全てがどうでもよくなった。
頭の中にあるのはただ一つ。
カイルの力をどうやって手に入れるか。その一点だけだった。
俺はふらつく足取りで立ち上がった。
そして、カイルたちが泊まっている宿屋の場所を街のチンピラに金を握らせて聞き出した。
月が雲に隠れ、街が闇に包まれる頃。
俺はその宿屋の前にたどり着いていた。
中からは楽しそうな笑い声が微かに漏れ聞こえてくる。カイルと彼の新しい仲間たち。そしてエリナの声も。
その声を聞いても、もはや俺の心に嫉妬の炎は燃え上がらなかった。
俺はただ、その時を待った。
翌朝。
宿屋の扉が開き、カイルたち四人が旅支度を整えて姿を現した。
俺はその前に、ゆっくりと進み出た。
「……アラン君!?」
エリナが驚きの声を上げる。
カイル、シルフィリア、ヴォルフも警戒した表情で俺を見つめている。
俺はそんな彼らの視線を一身に浴びながら。
大通りを行き交う全ての人々が見守る、その中央で。
何の躊躇もなく、両膝を地面についた。
そして額を、汚れた石畳にこすりつけた。
土下-za。
それは勇者アラン・ゲイルが完全に死んだ瞬間だった。
「……カイル」
俺は地面に額をつけたまま、震える声で懇願した。
「頼む……! もう一度俺を……。俺を、お前のパーティに入れてくれ……!」
その声はザラームの朝の喧騒の中に、異様なほどはっきりと響き渡った。
「……よかったの、カイル君。あんな形で……」
宿屋の部屋に戻りテーブルを囲むと、エリナがおずおずと切り出した。その声には安堵と、そして拭いきれない悲しみが混じっていた。
「自業自得だ。俺たちは何も間違ったことはしていない」
俺は窓の外を眺めながら静かに答えた。俺の心は不思議なほどに凪いでいた。アランを打ち負かしたことへの高揚感も、過去の因縁に決着をつけた達成感もない。ただ、終わるべきものが終わった。それだけだった。
「それにしても、大将。あんた、とんでもねえな。あの勇者様の聖剣を指二本で止めちまうなんてよ。俺ぁ心臓が止まるかと思ったぜ」
ヴォルフが興奮冷めやらぬといった様子で、大きな手で自分の胸を叩いた。
「全くだわ。私も一瞬何が起こったのか分からなかったもの。あなたのステータスが異常なのは知っていたけど、まさか聖剣の神聖な力さえも物理でねじ伏せてしまうなんて。私の研究対象としてますます興味が尽きないわ」
シルフィリアも魔術師としての探究心をキラキラと輝かせている。
仲間たちの言葉に、俺はただ静かに首を振った。
「特別なことじゃない。ただ俺の力があいつの力を上回っていた。それだけのことだ」
そうだ。俺がやったことは単純な力の証明に過ぎない。死を繰り返し、積み上げてきたステータスという絶対的な暴力が、勇者という肩書きも聖剣という伝説も、全て無に帰した。それだけの話だ。
「……でも」
エリナがまだ納得いかないという顔で俯いた。
「アラン君、一人になってしまったわ。ゴードンさんやレナさんまで……。彼、これからどうするのかしら」
「それはあいつ自身が考えることだ。俺たちがもう関わる必要はない」
俺はエリナの優しさを理解しつつも、あえて突き放すように言った。同情は時として相手をさらに惨めにする。今のあいつに必要なのは、一人で自分の過ちと向き合う時間のはずだ。
俺の言葉に、エリナは寂しそうに頷いた。彼女も分かっているのだ。もう俺たちとアランの道が交わることはないと。
その日の夜は何事もなく過ぎていった。
明日になれば、ヴォルフのオリハルコン製の大剣が完成する。そうすれば俺たちはこの街を立ち、新たな旅へと出発する。アランとの出来事は、いずれ過去の思い出の一つとして風化していくのだろう。
そう思っていた。
その時までは。
◇
【視点変更:アラン】
屈辱。
その一言では到底言い表せないほどの感情が、俺の全身を支配していた。
仲間は去り、プライドは砕かれ、信じていた聖剣の力さえもカイルの前では赤子の玩具のようにあしらわれた。
広場に一人取り残された俺はまるで亡霊のように、当てもなくザラームの街を彷徨っていた。道行く人々の視線が、嘲笑が、無数の針となって俺の背中に突き刺さる。
(なぜだ……なぜ俺がこんな目に……)
憎い。カイルが憎い。
あいつさえいなければ。あいつがあんな馬鹿げた力を持っていなければ。俺は輝かしい勇者としての道を歩み続けられたはずなのに。
俺は路地裏に転がっていた酒瓶を拾い上げると、壁に向かって叩きつけた。ガシャン、というけたたましい音と共にガラスの破片が飛び散る。だが、そんなことをしても胸の内の黒い炎は少しも収まらなかった。
俺はあの瞬間を、何度も何度も頭の中で反芻していた。
聖剣を指二本でつまみ、静止させたカイルの姿。
その目に宿っていた、絶対的な強者の冷たい光。
恐怖。
そうだ。俺はあの時、心の底から恐怖したのだ。
自分が信じてきた全てのものが根底から覆されるような、理解を超えた現象に対する本能的な恐怖。
聖剣に亀裂が入ったあの音。
あれは俺の心に刻まれた、決して消えることのない傷跡だった。
憎い。憎くて殺してやりたいほどだ。
だが、それと同時に俺の心の中には別の、もっと粘着質で醜悪な感情が芽生え始めていた。
(……欲しい)
そうだ。欲しいのだ。
あの力が。
聖剣さえも弄ぶ、あの圧倒的なまでの力が。
憎しみと渇望。
相反するはずの二つの感情が俺の中で渦を巻き、やがて一つの結論へと収束していく。
(あの力を手に入れるには……)
どうすればいい?
カイルを殺して奪えるものなのか? いや、違う。あの力はカイル自身に宿っている。
ならば。
(……プライドなど、どうでもいい)
俺の頭の中で何かがぷつりと切れる音がした。
勇者としての誇り? 聖剣に選ばれた者の矜持?
そんなもの、カイルのあの力の前に何の価値があった?
無意味だ。
全て無意味だ。
俺に必要なのは肩書きや伝説ではない。
ただ、純粋な「力」。
カイルが持つ、あの理不尽なまでの「力」だけだ。
(あの力を手に入れられるなら……)
俺の口元に乾いた笑みが浮かんだ。
(土下座でも何でもしてやる)
そうだ。何を恥じることがある?
敗者は勝者に従う。それはこの世の理だ。
俺はカイルに負けた。ならば彼の足元にひれ伏し、その力を乞うのは当然のことではないか。
俺はもはや勇者ではない。
ただの、力を渇望する一人の男だ。
そう決めた瞬間、俺の心は不思議なほどに軽くなった。
憎しみも屈辱も、全てがどうでもよくなった。
頭の中にあるのはただ一つ。
カイルの力をどうやって手に入れるか。その一点だけだった。
俺はふらつく足取りで立ち上がった。
そして、カイルたちが泊まっている宿屋の場所を街のチンピラに金を握らせて聞き出した。
月が雲に隠れ、街が闇に包まれる頃。
俺はその宿屋の前にたどり着いていた。
中からは楽しそうな笑い声が微かに漏れ聞こえてくる。カイルと彼の新しい仲間たち。そしてエリナの声も。
その声を聞いても、もはや俺の心に嫉妬の炎は燃え上がらなかった。
俺はただ、その時を待った。
翌朝。
宿屋の扉が開き、カイルたち四人が旅支度を整えて姿を現した。
俺はその前に、ゆっくりと進み出た。
「……アラン君!?」
エリナが驚きの声を上げる。
カイル、シルフィリア、ヴォルフも警戒した表情で俺を見つめている。
俺はそんな彼らの視線を一身に浴びながら。
大通りを行き交う全ての人々が見守る、その中央で。
何の躊躇もなく、両膝を地面についた。
そして額を、汚れた石畳にこすりつけた。
土下-za。
それは勇者アラン・ゲイルが完全に死んだ瞬間だった。
「……カイル」
俺は地面に額をつけたまま、震える声で懇願した。
「頼む……! もう一度俺を……。俺を、お前のパーティに入れてくれ……!」
その声はザラームの朝の喧騒の中に、異様なほどはっきりと響き渡った。
1
あなたにおすすめの小説
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!
よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。
10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。
ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。
同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。
皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。
こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。
そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。
しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。
その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。
そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした!
更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。
これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。
ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。
『王都の神童』と呼ばれた俺、職業選定でまさかの【遊び人】三連発で追放される。……が、実は「全職業のスキル」を合算して重ねがけできる唯一のバグ
よっしぃ
ファンタジー
王都で「神童」の名をほしいままにしていた少年、ディラン・アークライト(17歳)。
剣を握れば騎士団長を唸らせ、魔法を学べば賢者を凌駕する。誰もが彼を「次代の勇者」と信じて疑わなかった。
しかし、運命の職業選定で彼が得たのは――【遊び人】。
それも、三つの職業スロットすべてが【遊び人】で埋まるという、前代未聞の怪現象だった。
「期待外れだ」
「国の恥晒しめ」
掌を返した周囲によって、ディランは着の身着のままで街を追放される。 だが、かつて神童と呼ばれた彼の「分析力」は死んでいなかった。
『……Lv1なのに、ステータスが異常に高い? それに経験値が分散せず、すべて加算されている……?』
彼だけが気づいた真実。
それは【遊び人】という名に偽装された、この世界の管理者権限(Free-Hander)であり、全職業のスキルを制限なく使用・強化できるバグ技(デバッグモード)への入り口だったのだ。
これは、理不尽に捨てられた元・神童が、その頭脳とバグ能力で世界を「攻略」し、同じく不遇な扱いを受けていた美少女騎士(中身は脳筋)と共に、誰よりも自由に成り上がる物語。
【著者プロフィール】アルファポリスより『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』を出版、オリコンライトノベル部門18位を記録。本作は2月に2巻刊行予定。
才能に打ち砕かれた日から、僕の最強は始まった
雷覇
ファンタジー
ワノクニ、蒼神流・蒼月道場。
天城蒼真は幼き頃から剣を学び、努力を重ねてきた。
だがある日、異世界から来た「勇者」瀬名隼人との出会いが、すべてを変える。
鍛錬も経験もない隼人は、生まれながらの天才。
一目見ただけで蒼真と幼馴染の朱音の剣筋を見切り、打ち破った。
朱音は琴音の命で、隼人の旅に同行することを決意する。
悔しさを抱えた蒼真は、道場を後にする。
目指すは“修羅の山”――魔族が封印され、誰も生きて戻らぬ死地へと旅立つ。
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
「役立たず」と追放されたが、俺のスキルは【経験値委託】だ。解除した瞬間、勇者パーティーはレベル1に戻り、俺だけレベル9999になった
たまごころ
ファンタジー
「悪いがクビだ、アレン。お前のような戦闘スキルのない寄生虫は、魔王討伐の旅には連れていけない」
幼馴染の勇者と、恋人だった聖女からそう告げられ、俺は極寒の雪山に捨てられた。
だが、彼らは勘違いしている。
俺のスキルは、単なる【魔力譲渡】じゃない。
パーティメンバーが得た経験値を管理・分配し、底上げする【経験値委託(キックバック)】という神スキルだったのだ。
俺をパーティから外すということは、契約解除を意味する。
つまり――今まで彼らが俺のおかげで得ていた「かさ増しステータス」が消え、俺が預けていた膨大な「累積経験値」が全て俺に返還されるということだ。
「スキル解除。……さて、長年の利子も含めて、たっぷり返してもらおうか」
その瞬間、俺のレベルは15から9999へ。
一方、勇者たちはレベル70から初期レベルの1へと転落した。
これは、最強の力を取り戻した俺が、雪山の守り神である銀狼(美少女)や、封印されし魔神(美少女)を従えて無双し、新たな国を作る物語。
そして、レベル1に戻ってゴブリンにも勝てなくなった元勇者たちが、絶望のどん底へ落ちていく「ざまぁ」の記録である。
「雑草係」と追放された俺、スキル『草むしり』でドラゴンも魔王も引っこ抜く~極めた園芸スキルは、世界樹すら苗木扱いする神の力でした~
eringi
ファンタジー
「たかが雑草を抜くだけのスキルなんて、勇者パーティには不要だ!」
王立アカデミーを首席で卒業したものの、発現したスキルが『草むしり』だった少年・ノエル。
彼は幼馴染の勇者に見下され、パーティから追放されてしまう。
失意のノエルは、人里離れた「魔の森」で静かに暮らすことを決意する。
しかし彼は知らなかった。彼のスキル『草むしり』は、対象を「不要な雑草」と認識すれば、たとえドラゴンであろうと古代兵器であろうと、根こそぎ引っこ抜いて消滅させる即死チートだったのだ。
「あれ? この森の雑草、ずいぶん頑丈だな(ドラゴンを引っこ抜きながら)」
ノエルが庭の手入れをするだけで、Sランク魔物が次々と「除草」され、やがて森は伝説の聖域へと生まれ変わっていく。
その実力に惹かれ、森の精霊(美女)や、亡国の女騎士、魔王の娘までもが彼の「庭」に集まり、いつしかハーレム状態に。
一方、ノエルを追放した勇者たちは、ダンジョンの茨や毒草の処理ができずに進行不能となり、さらにはノエルが密かに「除草」していた強力な魔物たちに囲まれ、絶望の淵に立たされていた。
「ノエル! 戻ってきてくれ!」
「いや、いま家庭菜園が忙しいんで」
これは、ただ庭いじりをしているだけの少年が、無自覚に世界最強に至る物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる