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第67話:四天王、獣将軍ガルム
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(※プロットの第67話「四天王、獣将軍ガルム」は第66話で描写済みのため、本話ではその後の戦いを描きます。プロット通り「第67話」のタイトルで話を進めますが、内容はカイルの突撃から始まります。)
城壁から飛び降りた俺の体は、黒い点となって数万の魔物の軍勢の中へと吸い込まれていった。眼下で、俺の落下地点にいた魔族たちが驚いたように空を見上げている。
「カイルーーーーっ!」
シルフィリアの悲痛な叫び声が遠くに聞こえた。
だが、構わない。これが、この絶望的な状況を覆すための最も効率的で、最も確実な方法なのだから。
ドッシャアアアンッ!
凄まじい衝撃と共に、俺の体は地面に叩きつけられた。いや、地面ではない。俺の落下地点にいた数体の魔族兵の体をクッションにするように、俺は着地したのだ。骨が砕ける感触と肉が潰れる音。俺の下敷きになった魔族たちは即死だった。
着地の衝撃で俺自身も全身を強打する。だが、幾度とない落下死で得た落下耐性がダメージを最小限に抑えていた。
俺がゆっくりと体を起こすと、周囲にいた魔族たちが、何が起こったのか分からないといった顔で固まっていた。空から人間が降ってきた。そして、仲間が数人、肉塊になった。その異常事態に彼らの思考は停止していた。
「……さて、と」
俺は首の骨をコキリと鳴らし、ミスリルの剣を抜き放った。
「ウォーミングアップにはちょうどいい数だ」
その言葉を合図に、俺は最も近くにいた魔族の首を刎ね飛ばした。
ようやく我に返った魔族たちが、怒りの雄叫びを上げ、四方八方から俺へと殺到する。
ここからは嵐の時間だった。
俺は敵陣のど真ん中で、ただひたすらに剣を振るい続けた。
右から来る剣を弾き、左から迫る斧をかいくぐり、背後からの槍を振り返ることなく剣の柄で打ち払う。
死に戻りで培われた俺の戦闘技術は、もはや神業の域に達していた。敵がどこから、どのように攻撃してくるか。その全てが、まるで未来予知でもしているかのように俺には分かった。
黒い鎧が切り裂かれ、異形の血が舞う。
俺の周囲には瞬く間に屍の山が築かれていった。
「な、何者だ、貴様は!」
「囲め! 囲んで叩き潰せ!」
魔族たちは混乱しながらも、数の利を活かして俺を包囲しようとする。だが、その包囲網は俺の圧倒的な突破力の前では紙のように脆かった。
俺は敵の死体を蹴り飛ばして目くらましにし、その隙に包囲の一角を切り崩す。そして再び敵陣の奥深くへと斬り込んでいく。
それはもはや人間の動きではなかった。
死を恐れぬ、ただ敵を殲滅するためだけに存在する破壊の化身。戦場の死神。
城壁の上から、砦の兵士たちが固唾を飲んで俺の戦いを見守っていた。
「……信じられん……」
騎士団長が呆然と呟く。
「たった一人で魔物の大軍を……蹂躙している……?」
シルフィリアとヴォルフもまた、城壁の上から俺の戦況を見守っていた。
「……馬鹿な真似を。でも、あれがカイルなのよね」
「ああ。大将はああいう男だ。俺たちは俺たちの仕事をしようぜ」
二人はアイコンタクトを交わすと、それぞれの持ち場へと散った。シルフィリアは砦の魔術師部隊をまとめ上げ、俺が作った敵の混乱を最大限に利用するための広範囲魔法の詠唱準備に入る。ヴォルフは城壁が手薄になった箇所へと駆けつけ、壁をよじ登ってくる敵兵をその剛腕で次々と叩き落としていった。
エリナもまた野戦病院で休むことなく、次々と運び込まれる負傷者たちに治癒魔法を施し続けていた。彼女の存在は、絶望の淵にいた兵士たちの心の支えとなっていた。
俺たち四人は、それぞれの場所でこの絶望的な戦いを支えていた。
俺の虐殺は止まらない。
数十、数百の魔族を斬り伏せ、俺はついに敵本陣の近くまで到達していた。
そして、ついにその男が動いた。
「……面白い」
地響きのような低い声。
魔族の兵士たちがモーゼの十戒のように道を開ける。その道の先、俺の目の前に、あの獣将軍ガルムが巨大な戦斧を肩に担ぎ、立ちはだかった。
「貴様、何者だ。ただの人間ではあるまい」
ガルムの金色の瞳が俺を射抜く。その視線は、まるで俺の魂の奥底まで見透かしているかのようだった。
「……お前を殺す者だ」
俺はミスリルの剣を構え直し、静かに答えた。
「クカカカッ! 威勢のいいことだ!」
ガルムは心底愉快そうに笑った。
「良いだろう。その心意気に免じ、この俺が直々に相手をしてやる。我が名は魔王軍四天王、獣将軍ガルム! 貴様のその命、我が武勇の糧とさせてもらうぞ!」
彼は名乗りを上げると、戦斧を両手で構えた。その瞬間、周囲の空気が彼の放つ覇気でビリビリと震える。
これまでの雑魚とは次元が違う。
オークジェネラルさえも子供扱いにできるほどの、圧倒的な強者の気配。
だが、俺の心は歓喜に打ち震えていた。
ようやく出会えた。
俺を殺してくれるであろう、本物の強敵に。
「行くぞ、人間!」
ガルムが大地を蹴った。
その巨体からは想像もできないほどの神速の踏み込み。
戦斧が唸りを上げて俺の首筋へと迫る。
俺はそれを全力で受け止めた。
ミスリルの剣が、凄まじい衝撃に悲鳴を上げる。
魔王軍四天王と、不死身のレベル1。
アイギスの砦の存亡を賭けた頂上決戦の火蓋が、今、切って落とされた。
城壁から飛び降りた俺の体は、黒い点となって数万の魔物の軍勢の中へと吸い込まれていった。眼下で、俺の落下地点にいた魔族たちが驚いたように空を見上げている。
「カイルーーーーっ!」
シルフィリアの悲痛な叫び声が遠くに聞こえた。
だが、構わない。これが、この絶望的な状況を覆すための最も効率的で、最も確実な方法なのだから。
ドッシャアアアンッ!
凄まじい衝撃と共に、俺の体は地面に叩きつけられた。いや、地面ではない。俺の落下地点にいた数体の魔族兵の体をクッションにするように、俺は着地したのだ。骨が砕ける感触と肉が潰れる音。俺の下敷きになった魔族たちは即死だった。
着地の衝撃で俺自身も全身を強打する。だが、幾度とない落下死で得た落下耐性がダメージを最小限に抑えていた。
俺がゆっくりと体を起こすと、周囲にいた魔族たちが、何が起こったのか分からないといった顔で固まっていた。空から人間が降ってきた。そして、仲間が数人、肉塊になった。その異常事態に彼らの思考は停止していた。
「……さて、と」
俺は首の骨をコキリと鳴らし、ミスリルの剣を抜き放った。
「ウォーミングアップにはちょうどいい数だ」
その言葉を合図に、俺は最も近くにいた魔族の首を刎ね飛ばした。
ようやく我に返った魔族たちが、怒りの雄叫びを上げ、四方八方から俺へと殺到する。
ここからは嵐の時間だった。
俺は敵陣のど真ん中で、ただひたすらに剣を振るい続けた。
右から来る剣を弾き、左から迫る斧をかいくぐり、背後からの槍を振り返ることなく剣の柄で打ち払う。
死に戻りで培われた俺の戦闘技術は、もはや神業の域に達していた。敵がどこから、どのように攻撃してくるか。その全てが、まるで未来予知でもしているかのように俺には分かった。
黒い鎧が切り裂かれ、異形の血が舞う。
俺の周囲には瞬く間に屍の山が築かれていった。
「な、何者だ、貴様は!」
「囲め! 囲んで叩き潰せ!」
魔族たちは混乱しながらも、数の利を活かして俺を包囲しようとする。だが、その包囲網は俺の圧倒的な突破力の前では紙のように脆かった。
俺は敵の死体を蹴り飛ばして目くらましにし、その隙に包囲の一角を切り崩す。そして再び敵陣の奥深くへと斬り込んでいく。
それはもはや人間の動きではなかった。
死を恐れぬ、ただ敵を殲滅するためだけに存在する破壊の化身。戦場の死神。
城壁の上から、砦の兵士たちが固唾を飲んで俺の戦いを見守っていた。
「……信じられん……」
騎士団長が呆然と呟く。
「たった一人で魔物の大軍を……蹂躙している……?」
シルフィリアとヴォルフもまた、城壁の上から俺の戦況を見守っていた。
「……馬鹿な真似を。でも、あれがカイルなのよね」
「ああ。大将はああいう男だ。俺たちは俺たちの仕事をしようぜ」
二人はアイコンタクトを交わすと、それぞれの持ち場へと散った。シルフィリアは砦の魔術師部隊をまとめ上げ、俺が作った敵の混乱を最大限に利用するための広範囲魔法の詠唱準備に入る。ヴォルフは城壁が手薄になった箇所へと駆けつけ、壁をよじ登ってくる敵兵をその剛腕で次々と叩き落としていった。
エリナもまた野戦病院で休むことなく、次々と運び込まれる負傷者たちに治癒魔法を施し続けていた。彼女の存在は、絶望の淵にいた兵士たちの心の支えとなっていた。
俺たち四人は、それぞれの場所でこの絶望的な戦いを支えていた。
俺の虐殺は止まらない。
数十、数百の魔族を斬り伏せ、俺はついに敵本陣の近くまで到達していた。
そして、ついにその男が動いた。
「……面白い」
地響きのような低い声。
魔族の兵士たちがモーゼの十戒のように道を開ける。その道の先、俺の目の前に、あの獣将軍ガルムが巨大な戦斧を肩に担ぎ、立ちはだかった。
「貴様、何者だ。ただの人間ではあるまい」
ガルムの金色の瞳が俺を射抜く。その視線は、まるで俺の魂の奥底まで見透かしているかのようだった。
「……お前を殺す者だ」
俺はミスリルの剣を構え直し、静かに答えた。
「クカカカッ! 威勢のいいことだ!」
ガルムは心底愉快そうに笑った。
「良いだろう。その心意気に免じ、この俺が直々に相手をしてやる。我が名は魔王軍四天王、獣将軍ガルム! 貴様のその命、我が武勇の糧とさせてもらうぞ!」
彼は名乗りを上げると、戦斧を両手で構えた。その瞬間、周囲の空気が彼の放つ覇気でビリビリと震える。
これまでの雑魚とは次元が違う。
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だが、俺の心は歓喜に打ち震えていた。
ようやく出会えた。
俺を殺してくれるであろう、本物の強敵に。
「行くぞ、人間!」
ガルムが大地を蹴った。
その巨体からは想像もできないほどの神速の踏み込み。
戦斧が唸りを上げて俺の首筋へと迫る。
俺はそれを全力で受け止めた。
ミスリルの剣が、凄まじい衝撃に悲鳴を上げる。
魔王軍四天王と、不死身のレベル1。
アイギスの砦の存亡を賭けた頂上決戦の火蓋が、今、切って落とされた。
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