12 / 100
第十二話 世界の真実、教会の嘘
しおりを挟む
あの日、錬金工房でカイザーに厳しく諭されてから、私は少しずつ変わろうと努力していた。
危険なことがあっても前に出ない。自分のしたいことを、素直に口に出してみる。「この本が読みたい」「あの花が見たい」。そんなささやかな我儘を、カイザーはいつも静かに聞いてくれた。
自分を優先する、という行為は、まだ慣れなくてぎこちない。けれど、それをカイ-ザーが喜んでくれているのが分かった。私が自分の意思を示すたびに、彼の瞳に宿る光が、ほんの少しだけ柔らかくなる気がした。
穏やかな日々だった。
まるで、嵐の前の静けさのように。
その日、私たちはいつものようにテラスでお茶を飲んでいた。
雲海はどこまでも穏やかで、心地よい風が頬を撫でていく。
「アリア」
不意に、カイザーが私の名前を呼んだ。その声は、いつもより少しだけ硬い響きを持っていた。
「お前に、話しておかなければならないことがある」
私はカップを置き、彼の顔を見つめた。彼の表情は真剣で、これから始まるのが重要な話なのだと、すぐに分かった。
「お前をここへ連れてきた、本当の理由についてだ」
本当の理由。
彼は以前、「お前が不当な扱いを受けていたから」と言っていた。けれど、それだけではない、もっと根源的な何かがあるのだと、私は薄々感じていた。
私は黙って、彼の次の言葉を待った。
カイザーは、遠い目をして雲海を見つめながら、静かに語り始めた。
「お前の聖力は、異常だ」
唐突な言葉だった。
「異常……ですか?」
「そうだ。歴代の聖女たちと比べても、その力は桁外れに強い。おそらく、初代聖女に匹敵するほどの力を、お前は秘めている」
初代聖女。それは、神話の時代に、世界を創造した女神の血を最も濃く受け継いだとされる伝説の存在だ。
「私の力が、そんなに……?」
「自覚がないのも無理はない。お前の力は、リンドバーグ王国の教会によって、意図的に抑えられてきたからな」
カイザーの言葉に、私は息を呑んだ。
「抑えられてきた……? どういうことですか」
「お前が幼い頃から身につけさせられていた、あの銀の首飾り。あれは聖女を守るための聖遺物などではない。お前の強大すぎる力を封じ、制御するための呪具だ」
呪具。
あの、いつも私の肌に冷たく触れていた首飾りが。肌身離さず身につけるようにと、教皇様から直々に賜った、あの首飾りが。
「なぜ……なぜ、そんなことを」
「決まっている。お前の力を、彼らが独占するためだ」
カイザーは、私の方へと向き直った。その黒曜石の瞳には、静かな怒りの炎が揺らめいている。
「アリア。お前の聖力の本質は、ただ傷を癒やすだけのものではない。その気になれば、大地を割り、天候を操り、死者さえも蘇らせることができる。まさに、神の御業だ」
信じられない話だった。私に、そんなことができる力が?
「教会は、その力を恐れた。そして同時に、欲した。もしその力を完全に制御下に置くことができれば、彼らは王をも凌ぐ権威を手に入れ、この世界を意のままに操ることができるからな」
頭が、くらくらする。
私が信じてきたものが、足元から崩れていくような感覚。
「私が王都にいたのは……そのための、人質のようなものだったのですか?」
「そうだ。お前は彼らにとって、世界を支配するための切り札であり、同時にいつ暴発するか分からない危険な爆弾でもあった。だからこそ、お前を鳥籠に閉じ込め、力を封じ、意思を奪い、従順な人形に仕立て上げようとしていたのだ」
彼の言葉が、一つ一つの事実と結びついていく。
自由を与えられなかったこと。余計な知識を学ぶことを禁じられたこと。アルフォンス王子との、愛のない婚約。その全てが、私を縛り付けるための枷だった。
「そして……彼らの計画は、最終段階に入ろうとしていた」
カイザーの声が、さらに低くなる。
「魔王が討伐され、平和が訪れた。もはや、聖女の癒やしの力は、表向きには必要ない。彼らは、お前という存在を『処理』し、その聖力だけを抽出しようと企んでいた」
「処理……?」
「儀式と称して、お前の命と引き換えに、その魂ごと聖力を聖遺物に宿す。そうすれば、彼らは未来永劫、神の力を手にしたも同然となる。お前が祝祭の日に攫われなければ、おそらく……近いうちに、それは実行されていただろう」
血の気が、引いていくのが分かった。
手足が震え、呼吸が浅くなる。
殺されるところだった。
私が信じ、仕えてきた人々に。ただ、その力を奪うためだけに。
私が聖女として捧げてきた祈りも、献身も、全ては彼らの私利私欲のために利用されていただけ。私の人生そのものが、壮大な嘘の上に成り立っていた。
「そんな……」
乾いた声しか、出なかった。
カイザーは、黙って震える私の隣に移動すると、その大きな手で、私の冷たい手をそっと包み込んだ。
「俺がここにお前を連れてきたのは、単なる同情や気まぐれではない。彼らの邪な計画から、お前という唯一無二の存在を守るため。それが、俺の使命であり、意思だ」
彼の体温が、じんわりと私の手に伝わってくる。それは、この残酷な真実の中で、唯一の確かなもののように感じられた。
「……あなたは、なぜ、そこまで知っているのですか。なぜ、私を……」
「いずれ、話す時が来るだろう」
彼はそれ以上、何も言わなかった。
私は、ただ呆然と、彼に手を握られたまま、どこまでも広がる穏やかな雲海を見つめていた。
美しい景色。穏やかな時間。
その全てが、脆く、儚いもののように思えた。
私が知らなかっただけで、世界は悪意に満ちていた。そして、その悪意は、今も私という存在を求めて、蠢いている。
この天空の城は、美しい鳥籠なんかではなかった。
私を守るための、最後の砦。
そして、目の前のこの竜は。
私の唯一の、守護者だったのだ。
危険なことがあっても前に出ない。自分のしたいことを、素直に口に出してみる。「この本が読みたい」「あの花が見たい」。そんなささやかな我儘を、カイザーはいつも静かに聞いてくれた。
自分を優先する、という行為は、まだ慣れなくてぎこちない。けれど、それをカイ-ザーが喜んでくれているのが分かった。私が自分の意思を示すたびに、彼の瞳に宿る光が、ほんの少しだけ柔らかくなる気がした。
穏やかな日々だった。
まるで、嵐の前の静けさのように。
その日、私たちはいつものようにテラスでお茶を飲んでいた。
雲海はどこまでも穏やかで、心地よい風が頬を撫でていく。
「アリア」
不意に、カイザーが私の名前を呼んだ。その声は、いつもより少しだけ硬い響きを持っていた。
「お前に、話しておかなければならないことがある」
私はカップを置き、彼の顔を見つめた。彼の表情は真剣で、これから始まるのが重要な話なのだと、すぐに分かった。
「お前をここへ連れてきた、本当の理由についてだ」
本当の理由。
彼は以前、「お前が不当な扱いを受けていたから」と言っていた。けれど、それだけではない、もっと根源的な何かがあるのだと、私は薄々感じていた。
私は黙って、彼の次の言葉を待った。
カイザーは、遠い目をして雲海を見つめながら、静かに語り始めた。
「お前の聖力は、異常だ」
唐突な言葉だった。
「異常……ですか?」
「そうだ。歴代の聖女たちと比べても、その力は桁外れに強い。おそらく、初代聖女に匹敵するほどの力を、お前は秘めている」
初代聖女。それは、神話の時代に、世界を創造した女神の血を最も濃く受け継いだとされる伝説の存在だ。
「私の力が、そんなに……?」
「自覚がないのも無理はない。お前の力は、リンドバーグ王国の教会によって、意図的に抑えられてきたからな」
カイザーの言葉に、私は息を呑んだ。
「抑えられてきた……? どういうことですか」
「お前が幼い頃から身につけさせられていた、あの銀の首飾り。あれは聖女を守るための聖遺物などではない。お前の強大すぎる力を封じ、制御するための呪具だ」
呪具。
あの、いつも私の肌に冷たく触れていた首飾りが。肌身離さず身につけるようにと、教皇様から直々に賜った、あの首飾りが。
「なぜ……なぜ、そんなことを」
「決まっている。お前の力を、彼らが独占するためだ」
カイザーは、私の方へと向き直った。その黒曜石の瞳には、静かな怒りの炎が揺らめいている。
「アリア。お前の聖力の本質は、ただ傷を癒やすだけのものではない。その気になれば、大地を割り、天候を操り、死者さえも蘇らせることができる。まさに、神の御業だ」
信じられない話だった。私に、そんなことができる力が?
「教会は、その力を恐れた。そして同時に、欲した。もしその力を完全に制御下に置くことができれば、彼らは王をも凌ぐ権威を手に入れ、この世界を意のままに操ることができるからな」
頭が、くらくらする。
私が信じてきたものが、足元から崩れていくような感覚。
「私が王都にいたのは……そのための、人質のようなものだったのですか?」
「そうだ。お前は彼らにとって、世界を支配するための切り札であり、同時にいつ暴発するか分からない危険な爆弾でもあった。だからこそ、お前を鳥籠に閉じ込め、力を封じ、意思を奪い、従順な人形に仕立て上げようとしていたのだ」
彼の言葉が、一つ一つの事実と結びついていく。
自由を与えられなかったこと。余計な知識を学ぶことを禁じられたこと。アルフォンス王子との、愛のない婚約。その全てが、私を縛り付けるための枷だった。
「そして……彼らの計画は、最終段階に入ろうとしていた」
カイザーの声が、さらに低くなる。
「魔王が討伐され、平和が訪れた。もはや、聖女の癒やしの力は、表向きには必要ない。彼らは、お前という存在を『処理』し、その聖力だけを抽出しようと企んでいた」
「処理……?」
「儀式と称して、お前の命と引き換えに、その魂ごと聖力を聖遺物に宿す。そうすれば、彼らは未来永劫、神の力を手にしたも同然となる。お前が祝祭の日に攫われなければ、おそらく……近いうちに、それは実行されていただろう」
血の気が、引いていくのが分かった。
手足が震え、呼吸が浅くなる。
殺されるところだった。
私が信じ、仕えてきた人々に。ただ、その力を奪うためだけに。
私が聖女として捧げてきた祈りも、献身も、全ては彼らの私利私欲のために利用されていただけ。私の人生そのものが、壮大な嘘の上に成り立っていた。
「そんな……」
乾いた声しか、出なかった。
カイザーは、黙って震える私の隣に移動すると、その大きな手で、私の冷たい手をそっと包み込んだ。
「俺がここにお前を連れてきたのは、単なる同情や気まぐれではない。彼らの邪な計画から、お前という唯一無二の存在を守るため。それが、俺の使命であり、意思だ」
彼の体温が、じんわりと私の手に伝わってくる。それは、この残酷な真実の中で、唯一の確かなもののように感じられた。
「……あなたは、なぜ、そこまで知っているのですか。なぜ、私を……」
「いずれ、話す時が来るだろう」
彼はそれ以上、何も言わなかった。
私は、ただ呆然と、彼に手を握られたまま、どこまでも広がる穏やかな雲海を見つめていた。
美しい景色。穏やかな時間。
その全てが、脆く、儚いもののように思えた。
私が知らなかっただけで、世界は悪意に満ちていた。そして、その悪意は、今も私という存在を求めて、蠢いている。
この天空の城は、美しい鳥籠なんかではなかった。
私を守るための、最後の砦。
そして、目の前のこの竜は。
私の唯一の、守護者だったのだ。
93
あなたにおすすめの小説
【完結】真の聖女だった私は死にました。あなたたちのせいですよ?
時
恋愛
聖女として国のために尽くしてきたフローラ。
しかしその力を妬むカリアによって聖女の座を奪われ、顔に傷をつけられたあげく、さらには聖女を騙った罪で追放、彼女を称えていたはずの王太子からは婚約破棄を突きつけられてしまう。
追放が正式に決まった日、絶望した彼女はふたりの目の前で死ぬことを選んだ。
フローラの亡骸は水葬されるが、奇跡的に一命を取り留めていた彼女は船に乗っていた他国の騎士団長に拾われる。
ラピスと名乗った青年はフローラを気に入って自分の屋敷に居候させる。
記憶喪失と顔の傷を抱えながらも前向きに生きるフローラを周りは愛し、やがてその愛情に応えるように彼女のほんとうの力が目覚めて……。
一方、真の聖女がいなくなった国は滅びへと向かっていた──
※小説家になろうにも投稿しています
いいねやエール嬉しいです!ありがとうございます!
私を裁いたその口で、今さら赦しを乞うのですか?
榛乃
恋愛
「貴様には、王都からの追放を命ずる」
“偽物の聖女”と断じられ、神の声を騙った“魔女”として断罪されたリディア。
地位も居場所も、婚約者さえも奪われ、更には信じていた神にすら見放された彼女に、人々は罵声と憎悪を浴びせる。
終わりのない逃避の果て、彼女は廃墟同然と化した礼拝堂へ辿り着く。
そこにいたのは、嘗て病から自分を救ってくれた、主神・ルシエルだった。
けれど再会した彼は、リディアを冷たく突き放す。
「“本物の聖女”なら、神に無条件で溺愛されるとでも思っていたのか」
全てを失った聖女と、過去に傷を抱えた神。
すれ違い、衝突しながらも、やがて少しずつ心を通わせていく――
これは、哀しみの果てに辿り着いたふたりが、やさしい愛に救われるまでの物語。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
罰として醜い辺境伯との婚約を命じられましたが、むしろ望むところです! ~私が聖女と同じ力があるからと復縁を迫っても、もう遅い~
上下左右
恋愛
「貴様のような疫病神との婚約は破棄させてもらう!」
触れた魔道具を壊す体質のせいで、三度の婚約破棄を経験した公爵令嬢エリス。家族からも見限られ、罰として鬼将軍クラウス辺境伯への嫁入りを命じられてしまう。
しかしエリスは周囲の評価など意にも介さない。
「顔なんて目と鼻と口がついていれば十分」だと縁談を受け入れる。
だが実際に嫁いでみると、鬼将軍の顔は認識阻害の魔術によって醜くなっていただけで、魔術無力化の特性を持つエリスは、彼が本当は美しい青年だと見抜いていた。
一方、エリスの特異な体質に、元婚約者の伯爵が気づく。それは伝説の聖女と同じ力で、領地の繁栄を約束するものだった。
伯爵は自分から婚約を破棄したにも関わらず、その決定を覆すために復縁するための画策を始めるのだが・・・後悔してももう遅いと、ざまぁな展開に発展していくのだった
本作は不遇だった令嬢が、最恐将軍に溺愛されて、幸せになるまでのハッピーエンドの物語である
※※小説家になろうでも連載中※※
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】無能聖女と呼ばれ婚約破棄された私ですが砂漠の国で溺愛されました
よどら文鳥
恋愛
エウレス皇国のラファエル皇太子から突然婚約破棄を告げられた。
どうやら魔道士のマーヤと婚約をしたいそうだ。
この国では王族も貴族も皆、私=リリアの聖女としての力を信用していない。
元々砂漠だったエウレス皇国全域に水の加護を与えて人が住める場所を作ってきたのだが、誰も信じてくれない。
だからこそ、私のことは不要だと思っているらしく、隣の砂漠の国カサラス王国へ追放される。
なんでも、カサラス王国のカルム王子が国の三分の一もの財宝と引き換えに迎え入れたいと打診があったそうだ。
国家の持つ財宝の三分の一も失えば国は確実に傾く。
カルム王子は何故そこまでして私を迎え入れようとしてくれているのだろうか。
カサラス王国へ行ってからは私の人生が劇的に変化していったのである。
だが、まだ砂漠の国で水など殆どない。
私は出会った人たちや国のためにも、なんとしてでもこの国に水の加護を与えていき住み良い国に変えていきたいと誓った。
ちなみに、国を去ったエウレス皇国には距離が離れているので、水の加護はもう反映されないけれど大丈夫なのだろうか。
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる