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第八十二話 邪神の眷属
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石の扉の向こう側は、巨大な地下空洞だった。
天井は遥か高く、その頂は闇に溶けて見えない。壁には不気味な燐光を放つ苔がびっしりと生えており、それが唯一の光源となっていた。
そして、空気。
息をするだけで肺が焼けるような濃密な瘴気。それは死と腐敗の匂いを纏っていた。
「……ひどい瘴気だ」
レオンが顔を顰めながら呟いた。彼の体からは聖なるオーラが立ち上り、邪悪な空気を弾いている。
ゼノヴィアも、魔族である彼女でさえこの古代の瘴気は堪えるらしい。その美しい顔をわずかに歪めていた。
カイザーと私だけが平然としていた。
彼の竜としての強靭な肉体と、私の聖女としての浄化の力は、この程度の瘴気などものともしない。
私たちは警戒しながら、ゆっくりと遺跡の内部へと進んでいった。
道は一本道だった。
巨人が通れるほど広く、そして高い石畳の通路が、闇の奥へと続いている。
壁には禍々しいレリーフが刻まれていた。
それは邪神が世界を破壊し、蹂躙する様を描いたものだった。見る者の正気を奪うような、狂気に満ちた芸術。
キシャアアアアッ!
その時だった。
闇の奥から甲高い鳴き声と共に、何かが凄まじい速度でこちらへと迫ってきた。
それは影だった。
無数の影の群れ。
「―――来るぞ!」
カイザーが叫ぶ。
影は私たちの目の前で、そのおぞましい姿を現した。
それは巨大な蜘蛛とサソリを足して二で割ったような、異形の魔物だった。
体は黒い甲殻で覆われ、その背中からはいくつもの鎌のような足が生えている。そして、その顔があるべき場所には、ただ爛々と輝く無数の赤い複眼があるだけ。
「……邪神の眷属か」
ゼノヴィ-アが吐き捨てるように言った。
「教皇が儀式の力を使って、古代の封印から呼び覚ましたのね。厄介だわ」
その数、数十体。
彼らは壁や天井を自在に這い回りながら、私たちを完全に包囲していた。
「……ここは俺たちに任せろ」
レオンが聖剣を抜き放ちながら言った。
「竜王と聖女は先へ進んでくれ。首魁を討てるのはあなたたちだけだ」
「その通りよ」
ゼノヴィアもレイピアを構える。
「こいつらは我ら二人の前座だ。せいぜい楽しませてもらうとしましょう」
勇者と魔将。
かつての宿敵同士が今、背中を預け合い、共通の敵に立ち向かおうとしている。
そのあまりにも頼もしい姿。
「……分かった。頼んだぞ」
カイザーは短くそう言うと、私の手を引いた。
「行くぞ、アリア」
「はい!」
私とカイザーは、レオンとゼノヴィアが切り拓いてくれる道を信じて、前へと駆け出した。
「行かせるか!」
邪神の眷属たちが、私たちを阻止しようと一斉に飛びかかってくる。
その行く手を白銀の閃光が遮った。
「お前たちの相手は俺だ!」
レオンの聖剣が光の残像を描き、眷属たちの硬い甲殻をバターのように切り裂いていく。
「私のこともお忘れなく」
氷の刃が宙を舞う。
ゼノヴィアのレイピアが煌めくたびに、眷属たちが次々と凍りつき、氷の彫像と化していく。
光と氷。
勇者と魔将のあまりにも華麗で、そして強力な連携。
眷属たちはなす術もなく、その数を減らしていく。
私たちはその背後に広がる死闘を振り返ることなく、ただひたすらに闇の奥へと突き進んだ。
通路は次第に下り坂になっていく。
遺跡のさらに深部へと。
邪神の寝所へと。
壁に刻まれたレリーフはさらに狂気を増していく。
やがて私たちは一つの巨大な空間へとたどり着いた。
そこはドーム状の広大な広間だった。
そして、その中央。
巨大な石の祭壇が鎮座していた。
祭壇の周囲には五本の巨大な石柱が聳え立っている。
北、南、東、西、そして中央。
その石柱にはそれぞれ、太陽、月、生命、炎のシンボルが刻まれていた。
そして、それぞれのシンボルの中心には、何かが嵌め込まれていたであろう窪みがある。
だが、そのうちの四つは既に空っぽだった。
教皇は既に四つの封印を解いてしまっているのだ。
残るは中央の一つだけ。
その中央の石柱の窪みに、今まさに最後の一つが嵌め込まれようとしていた。
祭壇の上に立つ人影。
純白の法衣に身を包んだ、教皇その人だった。
その手には禍々しい光を放つ宝玉が握られている。
そして、彼の足元には。
鎖で縛られた一人の少女が、気を失って倒れていた。
亜麻色の髪。
偽りの聖女、セレスティーヌ。
彼女が最後の鍵だったのだ。
「―――間に合ったようだな」
カイザーが低い声で言った。
その声に、教皇がゆっくりとこちらを振り返る。
その顔。
その顔には、もはや慈愛に満ちた聖職者の仮面はなかった。
代わりに浮かんでいたのは、自らの野望が成就する寸前の、狂信者の歪んだ歓喜の笑み。
「……よくぞ来た、終焉の黒竜。そして裏切りの聖女よ」
彼の声は粘りつくように甘く、そしてどこまでも邪悪だった。
「歓迎しよう。我が新たな世界の誕生を祝う、最初の生贄たちを」
決戦の火蓋が、今、切られようとしていた。
天井は遥か高く、その頂は闇に溶けて見えない。壁には不気味な燐光を放つ苔がびっしりと生えており、それが唯一の光源となっていた。
そして、空気。
息をするだけで肺が焼けるような濃密な瘴気。それは死と腐敗の匂いを纏っていた。
「……ひどい瘴気だ」
レオンが顔を顰めながら呟いた。彼の体からは聖なるオーラが立ち上り、邪悪な空気を弾いている。
ゼノヴィアも、魔族である彼女でさえこの古代の瘴気は堪えるらしい。その美しい顔をわずかに歪めていた。
カイザーと私だけが平然としていた。
彼の竜としての強靭な肉体と、私の聖女としての浄化の力は、この程度の瘴気などものともしない。
私たちは警戒しながら、ゆっくりと遺跡の内部へと進んでいった。
道は一本道だった。
巨人が通れるほど広く、そして高い石畳の通路が、闇の奥へと続いている。
壁には禍々しいレリーフが刻まれていた。
それは邪神が世界を破壊し、蹂躙する様を描いたものだった。見る者の正気を奪うような、狂気に満ちた芸術。
キシャアアアアッ!
その時だった。
闇の奥から甲高い鳴き声と共に、何かが凄まじい速度でこちらへと迫ってきた。
それは影だった。
無数の影の群れ。
「―――来るぞ!」
カイザーが叫ぶ。
影は私たちの目の前で、そのおぞましい姿を現した。
それは巨大な蜘蛛とサソリを足して二で割ったような、異形の魔物だった。
体は黒い甲殻で覆われ、その背中からはいくつもの鎌のような足が生えている。そして、その顔があるべき場所には、ただ爛々と輝く無数の赤い複眼があるだけ。
「……邪神の眷属か」
ゼノヴィ-アが吐き捨てるように言った。
「教皇が儀式の力を使って、古代の封印から呼び覚ましたのね。厄介だわ」
その数、数十体。
彼らは壁や天井を自在に這い回りながら、私たちを完全に包囲していた。
「……ここは俺たちに任せろ」
レオンが聖剣を抜き放ちながら言った。
「竜王と聖女は先へ進んでくれ。首魁を討てるのはあなたたちだけだ」
「その通りよ」
ゼノヴィアもレイピアを構える。
「こいつらは我ら二人の前座だ。せいぜい楽しませてもらうとしましょう」
勇者と魔将。
かつての宿敵同士が今、背中を預け合い、共通の敵に立ち向かおうとしている。
そのあまりにも頼もしい姿。
「……分かった。頼んだぞ」
カイザーは短くそう言うと、私の手を引いた。
「行くぞ、アリア」
「はい!」
私とカイザーは、レオンとゼノヴィアが切り拓いてくれる道を信じて、前へと駆け出した。
「行かせるか!」
邪神の眷属たちが、私たちを阻止しようと一斉に飛びかかってくる。
その行く手を白銀の閃光が遮った。
「お前たちの相手は俺だ!」
レオンの聖剣が光の残像を描き、眷属たちの硬い甲殻をバターのように切り裂いていく。
「私のこともお忘れなく」
氷の刃が宙を舞う。
ゼノヴィアのレイピアが煌めくたびに、眷属たちが次々と凍りつき、氷の彫像と化していく。
光と氷。
勇者と魔将のあまりにも華麗で、そして強力な連携。
眷属たちはなす術もなく、その数を減らしていく。
私たちはその背後に広がる死闘を振り返ることなく、ただひたすらに闇の奥へと突き進んだ。
通路は次第に下り坂になっていく。
遺跡のさらに深部へと。
邪神の寝所へと。
壁に刻まれたレリーフはさらに狂気を増していく。
やがて私たちは一つの巨大な空間へとたどり着いた。
そこはドーム状の広大な広間だった。
そして、その中央。
巨大な石の祭壇が鎮座していた。
祭壇の周囲には五本の巨大な石柱が聳え立っている。
北、南、東、西、そして中央。
その石柱にはそれぞれ、太陽、月、生命、炎のシンボルが刻まれていた。
そして、それぞれのシンボルの中心には、何かが嵌め込まれていたであろう窪みがある。
だが、そのうちの四つは既に空っぽだった。
教皇は既に四つの封印を解いてしまっているのだ。
残るは中央の一つだけ。
その中央の石柱の窪みに、今まさに最後の一つが嵌め込まれようとしていた。
祭壇の上に立つ人影。
純白の法衣に身を包んだ、教皇その人だった。
その手には禍々しい光を放つ宝玉が握られている。
そして、彼の足元には。
鎖で縛られた一人の少女が、気を失って倒れていた。
亜麻色の髪。
偽りの聖女、セレスティーヌ。
彼女が最後の鍵だったのだ。
「―――間に合ったようだな」
カイザーが低い声で言った。
その声に、教皇がゆっくりとこちらを振り返る。
その顔。
その顔には、もはや慈愛に満ちた聖職者の仮面はなかった。
代わりに浮かんでいたのは、自らの野望が成就する寸前の、狂信者の歪んだ歓喜の笑み。
「……よくぞ来た、終焉の黒竜。そして裏切りの聖女よ」
彼の声は粘りつくように甘く、そしてどこまでも邪悪だった。
「歓迎しよう。我が新たな世界の誕生を祝う、最初の生贄たちを」
決戦の火蓋が、今、切られようとしていた。
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