41 / 100
第四十話 学園内の協力者
しおりを挟む
影分身の習得は、俺の戦い方を根底から変えた。
俺の日常は、表と裏、二つの顔を持つことになった。
表の顔は、アレン・フォン・ヴァルハイト。相変わらず授業では無気力を装い、実技では稚拙な失敗を繰り返す。カイウスの密偵、レオナールが放った監視の目が光る図書館では、わざとらしく難解な本を枕に居眠りをしてみせる。彼の報告書には、きっとこう記されているだろう。『対象に特異な動向なし。依然として無気力な学園生活を送る』と。
だが、その裏側。俺の本体が眠っている間、俺の意識は影分身となって、学園の闇を自由に飛び回っていた。
レオナールの部下たちが俺の部屋を見張る屋根裏。そのさらに上の尖塔の影から、俺は彼らの監視を「監視」していた。彼らが交わす報告、交代の時間、警戒の薄れる瞬間。その全てが、俺の手の内にある。情報戦において、主導権は完全に俺が握っていた。
カイウスの監視網を無力化した俺は、本格的に「黄昏の蛇」の調査へと乗り出した。
ダンジョンでの一件。あれほど大規模な事件を、学園外部の人間だけで計画し、実行するのは不可能に近い。必ず内部に協力者がいる。それも、学園の警備体制や実習のスケジュールを正確に把握できる、ある程度の地位にいる人間だ。
俺はセラが集めた情報と、俺自身の記憶を照らし合わせ、容疑者のリストを作成した。
ダンジョン実習の計画立案に関わった教師。警備を担当していた騎士団のOB。そして、事件の前後で不審な金の動きがあったとされる、数名の貴族生徒。リストアップされた容疑者は、十数名に上った。
「セラ。この者たちの、過去の経歴と現在の人間関係を、金の流れを中心に徹底的に洗え」
「承知いたしました」
セラが外部からの調査を進める間、俺は内部、学園の中での監視を開始する。
その夜、俺は自室のベッドに横たわり、意識を集中させた。俺の体の影から、五体の影分身が音もなく分離し、闇に溶けるように壁をすり抜けていく。五つの視界が、同時に俺の脳内に流れ込んでくる。最初は激しいめまいと情報過多に悩まされたが、数日間の訓練で、複数の情報を同時に処理する術も身につけていた。
一体は、魔法史の教師の研究室へ。彼は頑固な保守派だが、王家に対して批判的な論文を密かに執筆しているという噂があった。
一体は、実技担当の体育会系教師の私室へ。彼は賭け事が好きで、多額の借金を抱えているという情報があった。金で寝返る可能性は十分にある。
残りの三体は、有力な貴族生徒たちの寮の部屋へ。彼らの嫉妬や野心が、「黄昏の蛇」に付け入る隙を与えることは、想像に難くない。
24時間体制の、完璧な監視網。俺の影の目は、眠らない。
数日間、地道な監視が続いた。だが、決定的な証拠はなかなか掴めなかった。教師たちは不平を漏らし、生徒たちは愚痴をこぼす。だが、それはどこにでもある日常の風景で、「黄昏の蛇」に直接繋がるようなものではなかった。
(……ターゲットを絞り間違えたか?)
俺の心に、わずかな焦りが生まれ始めた、その時だった。
意外な場所を監視していた分身から、興味深い情報がもたらされた。それは、当初の容疑者リストには載っていなかった、全くノーマークの人物だった。
薬草学を担当する、ロラン教授。
彼は、いつも穏やかな笑みを浮かべ、生徒たちからの評判も良い、初老の教師だ。その物腰は柔らかく、過激な思想とは最も無縁に見える。
だが、彼には奇妙な習慣があった。
彼は、三日に一度、必ず深夜に研究室を抜け出し、学園の奥にある広大な薬草園へと、一人で向かうのだ。そこは夜間の立ち入りが禁止されている場所だった。
その日も、ロラン教授はランタンの灯りを頼りに、薬草園の奥へと進んでいった。俺の影分身は、彼の足元の影に潜み、その行動を追跡する。
教授は、薬草園の中でも特に厳重に管理されている、施錠された温室の中へと入っていった。そこは、毒草や希少な薬草が栽培されている、特別な区画だ。
分身は、ガラスの壁をすり抜けて温室の中へ侵入した。
温室の中は、様々な植物の匂いが混じり合い、むっとするような空気が漂っている。その一番奥。他のどの植物とも隔離された一角に、それはあった。
高さは一メートルほど。黒に近い、どす黒い紫色の葉を持ち、その茎には鋭い棘が無数についている。そして、その先端には、まだ固い蕾のようなものが一つ。植物全体から、微弱だが、ダンジョンで感じたあの邪悪な瘴気とよく似た気配が放たれていた。
「……もう少しだ」
ロラン教授は、その不気味な植物の前に屈み込むと、まるで愛しい我が子に語りかけるかのように、優しく呟いた。
「お前が完全に花開く時……この腐りきった帝国に、真の『浄化』がもたらされるのだ。我らが『蛇』の悲願が、成就する……」
蛇。
その一言で、全てが繋がった。
この男だ。この男が、「黄昏の蛇」の協力者。そして、この不気味な植物が、奴らの次なる計画の鍵。
教授は、懐から小さな小瓶を取り出し、中の液体を植物の根元に数滴垂らした。途端に、植物は苦しげに身を震わせ、瘴気の濃度がわずかに増した。
(あれは……魔物の体液を濃縮したものか?)
ダンジョンで採取した魔物の素材を使い、この禁断の植物を育てている。そして、それが完成した時、王都で、あるいはこの学園で、次なるテロを引き起こすつもりなのだ。
ロラン教授は、満足げに植物の成長を見届けると、何事もなかったかのように温室を後にし、研究室へと戻っていった。
俺は、ベッドの上でゆっくりと目を開けた。影分身から送られてきた、鮮明な情報。俺の心臓は、静かに、しかし激しく鼓動していた。
ついに、尻尾を掴んだ。
だが、まだだ。これだけでは、奴を告発するには証拠が弱すぎる。深夜に怪しい植物を育てている、というだけでは、ただの変わった趣味で押し通されてしまうだろう。
俺に必要なのは、この植物が何であるか、そして、それを使って何をしようとしているのか、決定的な物証だ。
俺は、ベッドの脇に控えていたセラに、静かに命令を下した。
「セラ。薬草学のロラン教授。この男の全てを調べろ。彼の過去、金の流れ、交友関係。特に、古代の錬金術や禁断の植物に関する研究に、関わっていなかったかどうかを」
「……承知いたしました。蛇の巣穴は、見つかりましたか」
「ああ。だが、まだ蛇は眠っている」
俺は、窓の外に広がる学園のシルエットを見つめた。あの穏やかな薬草園の地下で、帝都を揺るがす災厄が、静かに育っている。
「眠っている蛇は、無理に叩き起こす必要はない。完全に牙を抜き、二度と動けなくしてから、その首を刎ねてやる」
俺の新たな戦いが、始まった。それは、温厚な教授の仮面を被った蛇との、静かで、緻密な情報戦だった。
俺の日常は、表と裏、二つの顔を持つことになった。
表の顔は、アレン・フォン・ヴァルハイト。相変わらず授業では無気力を装い、実技では稚拙な失敗を繰り返す。カイウスの密偵、レオナールが放った監視の目が光る図書館では、わざとらしく難解な本を枕に居眠りをしてみせる。彼の報告書には、きっとこう記されているだろう。『対象に特異な動向なし。依然として無気力な学園生活を送る』と。
だが、その裏側。俺の本体が眠っている間、俺の意識は影分身となって、学園の闇を自由に飛び回っていた。
レオナールの部下たちが俺の部屋を見張る屋根裏。そのさらに上の尖塔の影から、俺は彼らの監視を「監視」していた。彼らが交わす報告、交代の時間、警戒の薄れる瞬間。その全てが、俺の手の内にある。情報戦において、主導権は完全に俺が握っていた。
カイウスの監視網を無力化した俺は、本格的に「黄昏の蛇」の調査へと乗り出した。
ダンジョンでの一件。あれほど大規模な事件を、学園外部の人間だけで計画し、実行するのは不可能に近い。必ず内部に協力者がいる。それも、学園の警備体制や実習のスケジュールを正確に把握できる、ある程度の地位にいる人間だ。
俺はセラが集めた情報と、俺自身の記憶を照らし合わせ、容疑者のリストを作成した。
ダンジョン実習の計画立案に関わった教師。警備を担当していた騎士団のOB。そして、事件の前後で不審な金の動きがあったとされる、数名の貴族生徒。リストアップされた容疑者は、十数名に上った。
「セラ。この者たちの、過去の経歴と現在の人間関係を、金の流れを中心に徹底的に洗え」
「承知いたしました」
セラが外部からの調査を進める間、俺は内部、学園の中での監視を開始する。
その夜、俺は自室のベッドに横たわり、意識を集中させた。俺の体の影から、五体の影分身が音もなく分離し、闇に溶けるように壁をすり抜けていく。五つの視界が、同時に俺の脳内に流れ込んでくる。最初は激しいめまいと情報過多に悩まされたが、数日間の訓練で、複数の情報を同時に処理する術も身につけていた。
一体は、魔法史の教師の研究室へ。彼は頑固な保守派だが、王家に対して批判的な論文を密かに執筆しているという噂があった。
一体は、実技担当の体育会系教師の私室へ。彼は賭け事が好きで、多額の借金を抱えているという情報があった。金で寝返る可能性は十分にある。
残りの三体は、有力な貴族生徒たちの寮の部屋へ。彼らの嫉妬や野心が、「黄昏の蛇」に付け入る隙を与えることは、想像に難くない。
24時間体制の、完璧な監視網。俺の影の目は、眠らない。
数日間、地道な監視が続いた。だが、決定的な証拠はなかなか掴めなかった。教師たちは不平を漏らし、生徒たちは愚痴をこぼす。だが、それはどこにでもある日常の風景で、「黄昏の蛇」に直接繋がるようなものではなかった。
(……ターゲットを絞り間違えたか?)
俺の心に、わずかな焦りが生まれ始めた、その時だった。
意外な場所を監視していた分身から、興味深い情報がもたらされた。それは、当初の容疑者リストには載っていなかった、全くノーマークの人物だった。
薬草学を担当する、ロラン教授。
彼は、いつも穏やかな笑みを浮かべ、生徒たちからの評判も良い、初老の教師だ。その物腰は柔らかく、過激な思想とは最も無縁に見える。
だが、彼には奇妙な習慣があった。
彼は、三日に一度、必ず深夜に研究室を抜け出し、学園の奥にある広大な薬草園へと、一人で向かうのだ。そこは夜間の立ち入りが禁止されている場所だった。
その日も、ロラン教授はランタンの灯りを頼りに、薬草園の奥へと進んでいった。俺の影分身は、彼の足元の影に潜み、その行動を追跡する。
教授は、薬草園の中でも特に厳重に管理されている、施錠された温室の中へと入っていった。そこは、毒草や希少な薬草が栽培されている、特別な区画だ。
分身は、ガラスの壁をすり抜けて温室の中へ侵入した。
温室の中は、様々な植物の匂いが混じり合い、むっとするような空気が漂っている。その一番奥。他のどの植物とも隔離された一角に、それはあった。
高さは一メートルほど。黒に近い、どす黒い紫色の葉を持ち、その茎には鋭い棘が無数についている。そして、その先端には、まだ固い蕾のようなものが一つ。植物全体から、微弱だが、ダンジョンで感じたあの邪悪な瘴気とよく似た気配が放たれていた。
「……もう少しだ」
ロラン教授は、その不気味な植物の前に屈み込むと、まるで愛しい我が子に語りかけるかのように、優しく呟いた。
「お前が完全に花開く時……この腐りきった帝国に、真の『浄化』がもたらされるのだ。我らが『蛇』の悲願が、成就する……」
蛇。
その一言で、全てが繋がった。
この男だ。この男が、「黄昏の蛇」の協力者。そして、この不気味な植物が、奴らの次なる計画の鍵。
教授は、懐から小さな小瓶を取り出し、中の液体を植物の根元に数滴垂らした。途端に、植物は苦しげに身を震わせ、瘴気の濃度がわずかに増した。
(あれは……魔物の体液を濃縮したものか?)
ダンジョンで採取した魔物の素材を使い、この禁断の植物を育てている。そして、それが完成した時、王都で、あるいはこの学園で、次なるテロを引き起こすつもりなのだ。
ロラン教授は、満足げに植物の成長を見届けると、何事もなかったかのように温室を後にし、研究室へと戻っていった。
俺は、ベッドの上でゆっくりと目を開けた。影分身から送られてきた、鮮明な情報。俺の心臓は、静かに、しかし激しく鼓動していた。
ついに、尻尾を掴んだ。
だが、まだだ。これだけでは、奴を告発するには証拠が弱すぎる。深夜に怪しい植物を育てている、というだけでは、ただの変わった趣味で押し通されてしまうだろう。
俺に必要なのは、この植物が何であるか、そして、それを使って何をしようとしているのか、決定的な物証だ。
俺は、ベッドの脇に控えていたセラに、静かに命令を下した。
「セラ。薬草学のロラン教授。この男の全てを調べろ。彼の過去、金の流れ、交友関係。特に、古代の錬金術や禁断の植物に関する研究に、関わっていなかったかどうかを」
「……承知いたしました。蛇の巣穴は、見つかりましたか」
「ああ。だが、まだ蛇は眠っている」
俺は、窓の外に広がる学園のシルエットを見つめた。あの穏やかな薬草園の地下で、帝都を揺るがす災厄が、静かに育っている。
「眠っている蛇は、無理に叩き起こす必要はない。完全に牙を抜き、二度と動けなくしてから、その首を刎ねてやる」
俺の新たな戦いが、始まった。それは、温厚な教授の仮面を被った蛇との、静かで、緻密な情報戦だった。
23
あなたにおすすめの小説
ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!
学生学園長の悪役貴族に転生したので破滅フラグ回避がてらに好き勝手に学校を魔改造にしまくったら生徒たちから好かれまくった
竜頭蛇
ファンタジー
俺はある日、何の予兆もなくゲームの悪役貴族──マウント・ボンボンに転生した。
やがて主人公に成敗されて死ぬ破滅エンドになることを思い出した俺は破滅を避けるために自分の学園長兼学生という立場をフル活用することを決意する。
それからやりたい放題しつつ、主人公のヘイトを避けているといつ間にかヒロインと学生たちからの好感度が上がり、グレートティーチャーと化していた。
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。
悪役貴族に転生したから破滅しないように努力するけど上手くいかない!~努力が足りない?なら足りるまで努力する~
蜂谷
ファンタジー
社畜の俺は気が付いたら知らない男の子になっていた。
情報をまとめるとどうやら子供の頃に見たアニメ、ロイヤルヒーローの序盤で出てきた悪役、レオス・ヴィダールの幼少期に転生してしまったようだ。
アニメ自体は子供の頃だったのでよく覚えていないが、なぜかこいつのことはよく覚えている。
物語の序盤で悪魔を召喚させ、学園をめちゃくちゃにする。
それを主人公たちが倒し、レオスは学園を追放される。
その後領地で幽閉に近い謹慎を受けていたのだが、悪魔教に目を付けられ攫われる。
そしてその体を魔改造されて終盤のボスとして主人公に立ちふさがる。
それもヒロインの聖魔法によって倒され、彼の人生の幕は閉じる。
これが、悪役転生ってことか。
特に描写はなかったけど、こいつも怠惰で堕落した生活を送っていたに違いない。
あの肥満体だ、運動もろくにしていないだろう。
これは努力すれば眠れる才能が開花し、死亡フラグを回避できるのでは?
そう考えた俺は執事のカモールに頼み込み訓練を開始する。
偏った考えで領地を無駄に統治してる親を説得し、健全で善人な人生を歩もう。
一つ一つ努力していけば、きっと開かれる未来は輝いているに違いない。
そう思っていたんだけど、俺、弱くない?
希少属性である闇魔法に目覚めたのはよかったけど、攻撃力に乏しい。
剣術もそこそこ程度、全然達人のようにうまくならない。
おまけに俺はなにもしてないのに悪魔が召喚がされている!?
俺の前途多難な転生人生が始まったのだった。
※カクヨム、なろうでも掲載しています。
【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!
こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」
主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。
しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。
「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」
さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。
そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)
かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる