7 / 50
第七話 銀貨五枚の再出発
しおりを挟む
夕暮れ時のフロンティアは、仕事を終えた冒険者や商人たちで活気に満ちていた。俺は人々の視線を避けるように、フェンを外套の内にしっかりと隠して街の中を進む。腕の中で、もふもふの小さな体がもぞもぞと動いた。
『カイン、ここは人が多いですね』
『静かにな、フェン。お前が普通の犬じゃないとバレたら面倒だ』
『むぅ……分かりました』
フェンは不満げだったが、利口にもそれ以上は動かなくなった。
俺が向かったのは、もちろん冒険者ギルドだ。依頼の完了報告と報酬の受け取りをしなければならない。
ギルドの中は、朝よりもさらに騒がしかった。酒の匂いが立ち込め、あちこちで武勇伝を語る大声が響いている。俺はそんな喧騒をすり抜けるように、まっすぐカウンターへ向かった。
幸い、受付にはエリアナが一人で座っていた。彼女は俺の姿に気づくと、驚いたように目を見開いた。
「カインさん! ご無事だったのですね!」
その声には、安堵の色がはっきりと滲んでいた。どうやら本気で心配してくれていたらしい。その事実に、少しだけ心が温かくなる。
「ああ、なんとかな。依頼の品を持ってきた」
俺は懐から月光草の入った革袋を取り出し、カウンターに置いた。
エリアナは革袋の中身を確認すると、ほっとしたように息をついた。
「よかった……。本当に、心配したんですよ? 『霧の森』は、ベテランの方でも遭難することがあるんですから。もう二度とあんな危険な依頼は受けないでくださいね」
彼女は母親のように小言を言いながらも、その表情は柔らかい。
「分かっている。今回は運が良かっただけだ」
「もう……。はい、こちらが報酬の銀貨5枚です。お疲れ様でした」
エリアナが差し出した銀貨を受け取る。ずしりとした重みが、今の俺の全財産だ。たったこれだけの金だが、自分の力で稼いだという実感が、俺の胸を満たした。追放時に投げつけられた憐れみの金とは、重みが全く違う。
「それで、カインさん。お宿はお決まりですか? もしよろしければ、安くて食事の美味しい宿を紹介しますよ?」
「助かる。この街のことは、まだ何も知らないからな」
俺がそう答えた時だった。外套の中で、フェンがまたもぞりと動いた。その微かな動きを、エリアナは見逃さなかった。
「あれ? カインさん、その外套の中……何かいます?」
彼女は不思議そうに首を傾げ、カウンターから乗り出すようにして俺の胸元を覗き込んできた。甘い花の香りが、ふわりと鼻をかすめる。
「ああ、これは……」
言いよどむ俺をよそに、フェンが好奇心に負けたのか、外套の隙間からひょこっと顔を出した。銀色の毛並みと、星のように輝く金色の瞳。
その愛らしい姿を見た瞬間、エリアナの目がきらりと輝いた。
「わっ、可愛い! ワンちゃんですか!?」
「ま、まあ……そんなところだ。森で拾った」
「すっごく綺麗な毛並みですね! それに、なんて賢そうなお顔……!」
エリアナは完全に心を奪われた様子で、身を乗り出してフェンの頭を撫でようとする。
『カイン、この女は誰ですか? 馴れ馴れしいです』
『よせ、フェン。愛想よくしておけ』
『むぅ……』
フェンは不満そうだったが、俺の命令に従って大人しくエリアナに頭を撫でさせている。そのもふもふの感触に、エリアナはとろけるような表情を浮かべた。
「うわあ、もふもふ……! なんて気持ちいいんでしょう……! 名前は何ていうんですか?」
「フェンだ」
「フェンちゃん、ですか! 可愛い……!」
彼女のフェンへの熱狂ぶりは、しばらく続いた。おかげで神獣だと疑われる心配はなさそうだ。エリアナはすっかりフェンのファンになったようで、お勧めの宿屋だけでなく、ペット同伴でも入れる食事処まで教えてくれた。
「カインさん、また明日もギルドに来てくださいね! フェンちゃんにも会いたいですし!」
「……ああ、分かった」
エリアナに手を振って見送られ、俺はギルドを後にした。腕の中のフェンが、むくれたように俺を見上げている。
『カインは、あの女が好きなのですか?』
「は? 何を言ってるんだ」
『だって、デレデレしていました』
「してない。ただのギルド職員だ。それに、情報を得るには仲良くしておいた方がいいだろう」
俺がそう言うと、フェンは「ふん」とそっぽを向いた。どうやら、ヤキモチを妬いているらしい。神獣のくせに、子供っぽいところもあるようだ。
エリアナに教えられた『木漏れ日亭』という宿屋は、大通りから一本外れた静かな場所にあった。初老の夫婦が営むこぢんまりとした宿で、清潔な部屋と温かい食事が銀貨1枚で提供される。俺は残りの銀貨4枚を懐にしまい、質素だが温かいスープと黒パンで腹を満たした。
部屋に戻り、ベッドに腰掛ける。フェンは俺の膝の上に飛び乗ると、すぐに丸くなって寝息を立て始めた。無防備なその姿を見ていると、自然と口元が緩む。
こいつと出会ってから、俺は笑うことが増えた気がする。
俺は自分の右手甲に浮かぶ、狼の紋様を撫でた。
神の眼。神獣の主。
そして、フェンから共有された二つのスキル。
これだけの力を手に入れたというのに、俺自身のレベルはまだ1のままだ。
あのダンジョンでガーディアンスケルトンを倒したが、レベルは上がらなかった。おそらく、ほとんどフェンの力で倒したようなものだったからだろう。俺自身の力で、経験を積んでいかなければならない。
まずは、資金の確保だ。
銀貨4枚では、まともな装備も揃えられない。ソウルイーターの浄化に必要な『聖なる銀』とやらも、相当高価なものだろう。
幸い、俺には【神の眼】がある。
あのダンジョンには、ガーディアンスケルトンの他にも魔物がいた。そして、未鑑定のアイテムもまだ眠っているはずだ。
もう一度、あのダンジョンに潜る。
今度は、ただの薬草採取のためじゃない。俺自身が強くなるために。そして、この辺境の地で成り上がるための、確かな元手を手に入れるために。
「フェン、明日からまた忙しくなるぞ」
俺は眠っている相棒の頭を優しく撫でた。
絶望の淵から始まった俺の新しい人生。その最初のページは、銀貨五枚というささやかな報酬で締めくくられた。
だが、次のページからは、俺とフェンが紡ぐ伝説の始まりになる。
俺は静かに燃える闘志を胸に抱き、辺境の街の夜に身を委ねた。
『カイン、ここは人が多いですね』
『静かにな、フェン。お前が普通の犬じゃないとバレたら面倒だ』
『むぅ……分かりました』
フェンは不満げだったが、利口にもそれ以上は動かなくなった。
俺が向かったのは、もちろん冒険者ギルドだ。依頼の完了報告と報酬の受け取りをしなければならない。
ギルドの中は、朝よりもさらに騒がしかった。酒の匂いが立ち込め、あちこちで武勇伝を語る大声が響いている。俺はそんな喧騒をすり抜けるように、まっすぐカウンターへ向かった。
幸い、受付にはエリアナが一人で座っていた。彼女は俺の姿に気づくと、驚いたように目を見開いた。
「カインさん! ご無事だったのですね!」
その声には、安堵の色がはっきりと滲んでいた。どうやら本気で心配してくれていたらしい。その事実に、少しだけ心が温かくなる。
「ああ、なんとかな。依頼の品を持ってきた」
俺は懐から月光草の入った革袋を取り出し、カウンターに置いた。
エリアナは革袋の中身を確認すると、ほっとしたように息をついた。
「よかった……。本当に、心配したんですよ? 『霧の森』は、ベテランの方でも遭難することがあるんですから。もう二度とあんな危険な依頼は受けないでくださいね」
彼女は母親のように小言を言いながらも、その表情は柔らかい。
「分かっている。今回は運が良かっただけだ」
「もう……。はい、こちらが報酬の銀貨5枚です。お疲れ様でした」
エリアナが差し出した銀貨を受け取る。ずしりとした重みが、今の俺の全財産だ。たったこれだけの金だが、自分の力で稼いだという実感が、俺の胸を満たした。追放時に投げつけられた憐れみの金とは、重みが全く違う。
「それで、カインさん。お宿はお決まりですか? もしよろしければ、安くて食事の美味しい宿を紹介しますよ?」
「助かる。この街のことは、まだ何も知らないからな」
俺がそう答えた時だった。外套の中で、フェンがまたもぞりと動いた。その微かな動きを、エリアナは見逃さなかった。
「あれ? カインさん、その外套の中……何かいます?」
彼女は不思議そうに首を傾げ、カウンターから乗り出すようにして俺の胸元を覗き込んできた。甘い花の香りが、ふわりと鼻をかすめる。
「ああ、これは……」
言いよどむ俺をよそに、フェンが好奇心に負けたのか、外套の隙間からひょこっと顔を出した。銀色の毛並みと、星のように輝く金色の瞳。
その愛らしい姿を見た瞬間、エリアナの目がきらりと輝いた。
「わっ、可愛い! ワンちゃんですか!?」
「ま、まあ……そんなところだ。森で拾った」
「すっごく綺麗な毛並みですね! それに、なんて賢そうなお顔……!」
エリアナは完全に心を奪われた様子で、身を乗り出してフェンの頭を撫でようとする。
『カイン、この女は誰ですか? 馴れ馴れしいです』
『よせ、フェン。愛想よくしておけ』
『むぅ……』
フェンは不満そうだったが、俺の命令に従って大人しくエリアナに頭を撫でさせている。そのもふもふの感触に、エリアナはとろけるような表情を浮かべた。
「うわあ、もふもふ……! なんて気持ちいいんでしょう……! 名前は何ていうんですか?」
「フェンだ」
「フェンちゃん、ですか! 可愛い……!」
彼女のフェンへの熱狂ぶりは、しばらく続いた。おかげで神獣だと疑われる心配はなさそうだ。エリアナはすっかりフェンのファンになったようで、お勧めの宿屋だけでなく、ペット同伴でも入れる食事処まで教えてくれた。
「カインさん、また明日もギルドに来てくださいね! フェンちゃんにも会いたいですし!」
「……ああ、分かった」
エリアナに手を振って見送られ、俺はギルドを後にした。腕の中のフェンが、むくれたように俺を見上げている。
『カインは、あの女が好きなのですか?』
「は? 何を言ってるんだ」
『だって、デレデレしていました』
「してない。ただのギルド職員だ。それに、情報を得るには仲良くしておいた方がいいだろう」
俺がそう言うと、フェンは「ふん」とそっぽを向いた。どうやら、ヤキモチを妬いているらしい。神獣のくせに、子供っぽいところもあるようだ。
エリアナに教えられた『木漏れ日亭』という宿屋は、大通りから一本外れた静かな場所にあった。初老の夫婦が営むこぢんまりとした宿で、清潔な部屋と温かい食事が銀貨1枚で提供される。俺は残りの銀貨4枚を懐にしまい、質素だが温かいスープと黒パンで腹を満たした。
部屋に戻り、ベッドに腰掛ける。フェンは俺の膝の上に飛び乗ると、すぐに丸くなって寝息を立て始めた。無防備なその姿を見ていると、自然と口元が緩む。
こいつと出会ってから、俺は笑うことが増えた気がする。
俺は自分の右手甲に浮かぶ、狼の紋様を撫でた。
神の眼。神獣の主。
そして、フェンから共有された二つのスキル。
これだけの力を手に入れたというのに、俺自身のレベルはまだ1のままだ。
あのダンジョンでガーディアンスケルトンを倒したが、レベルは上がらなかった。おそらく、ほとんどフェンの力で倒したようなものだったからだろう。俺自身の力で、経験を積んでいかなければならない。
まずは、資金の確保だ。
銀貨4枚では、まともな装備も揃えられない。ソウルイーターの浄化に必要な『聖なる銀』とやらも、相当高価なものだろう。
幸い、俺には【神の眼】がある。
あのダンジョンには、ガーディアンスケルトンの他にも魔物がいた。そして、未鑑定のアイテムもまだ眠っているはずだ。
もう一度、あのダンジョンに潜る。
今度は、ただの薬草採取のためじゃない。俺自身が強くなるために。そして、この辺境の地で成り上がるための、確かな元手を手に入れるために。
「フェン、明日からまた忙しくなるぞ」
俺は眠っている相棒の頭を優しく撫でた。
絶望の淵から始まった俺の新しい人生。その最初のページは、銀貨五枚というささやかな報酬で締めくくられた。
だが、次のページからは、俺とフェンが紡ぐ伝説の始まりになる。
俺は静かに燃える闘志を胸に抱き、辺境の街の夜に身を委ねた。
143
あなたにおすすめの小説
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
防御力ゼロと追放された盾使い、実は受けたダメージを100倍で反射する最強スキルを持ってました
黒崎隼人
ファンタジー
どんな攻撃も防げない【盾使い】のアッシュは、仲間から「歩く的」と罵られ、理不尽の限りを尽くされてパーティーを追放される。長年想いを寄せた少女にも裏切られ、全てを失った彼が死の淵で目覚めたのは、受けたダメージを百倍にして反射する攻防一体の最強スキルだった!
これは、無能と蔑まれた心優しき盾使いが、真の力に目覚め、最高の仲間と出会い、自分を虐げた者たちに鮮やかな鉄槌を下す、痛快な成り上がり英雄譚! 「もうお前たちの壁にはならない」――絶望の底から這い上がった男の、爽快な逆転劇が今、始まる。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる