48 / 96
第四十八話 垂直展開① 気象予測とシミュレーション
しおりを挟む
俺の脳は、もはや俺だけのものではなくなっていた。
成層圏に展開した数十機の観測ドローン【テンペストアイ】から、膨大なデータが二十四時間絶え間なく流れ込んでくる。大気の流れ、魔素の密度、雲の水分量、地上の温度。それらの情報は俺の意識のバックグラウンドで自動的に処理され、一つの巨大な気象モデルを構築していく。
それは、もはや「予報」ではなかった。
『三日後、午後二時十四分より、南西二百キロの海上にて積乱雲が発生。急速に発達し、北東へ移動。五日後、午前三時頃より、この地方に到達。初期降雨量は一時間あたり三十ミリと予測』
『一週間後、さらに強力な雨雲群が大陸に上陸。シオン川上流域に、七十二時間にわたり総計五百ミリを超える記録的豪雨をもたらす可能性、98.7%』
未来が、確定情報として俺の脳内に表示される。
前世のどんなスーパーコンピュータも、ここまでの精度は叩き出せなかっただろう。この世界特有の「魔素」という変数を観測できることが、この驚異的な予測精度を可能にしていた。
(……なるほどな。やはり、思った以上にヤバい雨が来るらしい)
俺はベッドの上で、脳内に映し出される未来の天気図を眺めながら冷静に分析していた。
その頃、俺の家で最もこの異常事態を正確に理解していたのはリノだった。
彼女はラボにこもり、自作の魔力観測装置の前に座り込んでいた。装置の先端に取り付けられた水晶が、今まで見たこともない複雑なパターンで明滅を繰り返している。
「……信じられない」
リノは乾いた唇を舐めた。
「この微弱な魔力のグリッド……。まさか、この地方全域の大気をリアルタイムでスキャンしているというの? 粒子レベルで? そんな芸当、神話の中の神々ですら……」
彼女は、レイジがやっていることの途方もなさに気づき始めていた。
彼は、天気を「読む」のではない。
天気を「計算」しているのだ。
無数の変数からなる複雑怪奇な自然現象を、一つの巨大な数式として捉え、その解を導き出している。
「……未来予測。いや、未来演算か」
リノは、わなわなと震える手で羊皮紙にその観測結果を書き記した。マスター・レイジは、ただの規格外の魔術師ではない。彼は、この世界の理そのものを解き明かしようとしているのかもしれない。
俺は、予測された降雨量データを元に次のステップへと移行した。
洪水シミュレーションだ。
俺の脳内に構築された完璧な三次元立体地図。そこに、予測された降雨データを入力する。
『シミュレーション開始』
脳裏の景色が、一変した。
俺の視点は神のように空高く舞い上がり、この地方全体を俯瞰する。
眼下の世界で、時間が早送りで進んでいく。空は厚い雲に覆われ、やがて凄まじい豪雨が大地を叩き始めた。
川の水が、みるみるうちに増していく。濁流が渦を巻き、普段は穏やかなシオン川が暴れ狂う龍のように姿を変える。
俺は、様々な数値をリアルタイムでモニタリングする。
河川の水位。流速。堤防にかかる水圧。
『警告。五日後、シオン川中流域、第三蛇行地点の堤防に許容量を超える負荷。決壊の可能性、75%』
脳内にアラートが表示される。
俺はシミュレーションを続行させた。
ズドン、という幻の轟音と共に、シミュレーション世界の堤防が崩れ落ちた。濁流が、堰を切ったように農地へと溢れ出す。
茶色い水が津波のように全てを飲み込んでいく。畑が消え、家々が沈み、そして……。
シミュレーションの中の俺の家は、あっという間に濁流に飲み込まれ、木屑となって消え去った。
『シミュレーション結果:現行の治水対策では、この村を含むシオン川下流域は壊滅的な被害を受ける。村の浸水確率、100%。俺の家の流失確率、100%』
「……だろうな」
俺は脳裏に広がる絶望的な光景を見ながら、静かに呟いた。
その頃、アリアは領主バナザールが拠点とする町で、緊急の治水会議に出席していた。
「王都の気象魔術師によれば、今年の雨季は『例年になく雨量が多くなる見込み』とのことだ! 各自、土嚢の準備や避見経路の確認を怠るな!」
バナザールが偉そうに檄を飛ばしている。だが、その対策はあまりにも場当たり的で、具体性に欠けていた。
「『多くなる見込み』とは、具体的にどれくらいなのですか」
アリアが鋭く問うと、誰も答えられない。
「被害が最も大きくなるのは、どの地域だと?」
誰も分からない。
彼らにできるのは、ただ祈り、そして被害が最小限であることを願うだけ。あまりにも無力だった。
アリアは深い無力感に包まれた。王女でありながら、民を救う具体的な術を何一つ持っていない。
(……あの方なら)
彼女の脳裏に、レイジの顔が浮かんだ。
(あの方なら、きっとこの事態すらもお見通しに違いない)
その予感は、正しかった。
俺は、最悪のシミュレーション結果を前に静かに頷いていた。
「やはり、ダムと放水路は必須だな。これがないと俺の家は確実に終わる」
俺の行動原理は、どこまでも自己中心的だ。この地方がどうなろうと、村がどうなろうと、本来はどうでもいい。
だが、俺の家が流されるのだけは絶対に許さない。
その究極に利己的な動機が、結果的にこの地方に住む数万の人々の命を救うことになる。
勘違いの歯車は、もはや神の意志であるかのように誰にも止められない速度で回り続けていた。
ラボでは、リノが俺の家から放たれる魔力の質の変化に気づいていた。
(……演算が終わった? そして、次の段階へ? あの人は、未来を見て、そしてその未来を書き換えるための『答え』をもう導き出したというの?)
彼女の知的好奇心はもはや畏怖を通り越し、一つの強烈な欲求へと変わっていた。
(私も、手伝いたい。あの人の神の御業を、ほんの少しでもいい。この目で見届けたい)
天才エルフは、自らが助手に立候補するという人生で最も大胆な決断を、静かに固めようとしていた。
成層圏に展開した数十機の観測ドローン【テンペストアイ】から、膨大なデータが二十四時間絶え間なく流れ込んでくる。大気の流れ、魔素の密度、雲の水分量、地上の温度。それらの情報は俺の意識のバックグラウンドで自動的に処理され、一つの巨大な気象モデルを構築していく。
それは、もはや「予報」ではなかった。
『三日後、午後二時十四分より、南西二百キロの海上にて積乱雲が発生。急速に発達し、北東へ移動。五日後、午前三時頃より、この地方に到達。初期降雨量は一時間あたり三十ミリと予測』
『一週間後、さらに強力な雨雲群が大陸に上陸。シオン川上流域に、七十二時間にわたり総計五百ミリを超える記録的豪雨をもたらす可能性、98.7%』
未来が、確定情報として俺の脳内に表示される。
前世のどんなスーパーコンピュータも、ここまでの精度は叩き出せなかっただろう。この世界特有の「魔素」という変数を観測できることが、この驚異的な予測精度を可能にしていた。
(……なるほどな。やはり、思った以上にヤバい雨が来るらしい)
俺はベッドの上で、脳内に映し出される未来の天気図を眺めながら冷静に分析していた。
その頃、俺の家で最もこの異常事態を正確に理解していたのはリノだった。
彼女はラボにこもり、自作の魔力観測装置の前に座り込んでいた。装置の先端に取り付けられた水晶が、今まで見たこともない複雑なパターンで明滅を繰り返している。
「……信じられない」
リノは乾いた唇を舐めた。
「この微弱な魔力のグリッド……。まさか、この地方全域の大気をリアルタイムでスキャンしているというの? 粒子レベルで? そんな芸当、神話の中の神々ですら……」
彼女は、レイジがやっていることの途方もなさに気づき始めていた。
彼は、天気を「読む」のではない。
天気を「計算」しているのだ。
無数の変数からなる複雑怪奇な自然現象を、一つの巨大な数式として捉え、その解を導き出している。
「……未来予測。いや、未来演算か」
リノは、わなわなと震える手で羊皮紙にその観測結果を書き記した。マスター・レイジは、ただの規格外の魔術師ではない。彼は、この世界の理そのものを解き明かしようとしているのかもしれない。
俺は、予測された降雨量データを元に次のステップへと移行した。
洪水シミュレーションだ。
俺の脳内に構築された完璧な三次元立体地図。そこに、予測された降雨データを入力する。
『シミュレーション開始』
脳裏の景色が、一変した。
俺の視点は神のように空高く舞い上がり、この地方全体を俯瞰する。
眼下の世界で、時間が早送りで進んでいく。空は厚い雲に覆われ、やがて凄まじい豪雨が大地を叩き始めた。
川の水が、みるみるうちに増していく。濁流が渦を巻き、普段は穏やかなシオン川が暴れ狂う龍のように姿を変える。
俺は、様々な数値をリアルタイムでモニタリングする。
河川の水位。流速。堤防にかかる水圧。
『警告。五日後、シオン川中流域、第三蛇行地点の堤防に許容量を超える負荷。決壊の可能性、75%』
脳内にアラートが表示される。
俺はシミュレーションを続行させた。
ズドン、という幻の轟音と共に、シミュレーション世界の堤防が崩れ落ちた。濁流が、堰を切ったように農地へと溢れ出す。
茶色い水が津波のように全てを飲み込んでいく。畑が消え、家々が沈み、そして……。
シミュレーションの中の俺の家は、あっという間に濁流に飲み込まれ、木屑となって消え去った。
『シミュレーション結果:現行の治水対策では、この村を含むシオン川下流域は壊滅的な被害を受ける。村の浸水確率、100%。俺の家の流失確率、100%』
「……だろうな」
俺は脳裏に広がる絶望的な光景を見ながら、静かに呟いた。
その頃、アリアは領主バナザールが拠点とする町で、緊急の治水会議に出席していた。
「王都の気象魔術師によれば、今年の雨季は『例年になく雨量が多くなる見込み』とのことだ! 各自、土嚢の準備や避見経路の確認を怠るな!」
バナザールが偉そうに檄を飛ばしている。だが、その対策はあまりにも場当たり的で、具体性に欠けていた。
「『多くなる見込み』とは、具体的にどれくらいなのですか」
アリアが鋭く問うと、誰も答えられない。
「被害が最も大きくなるのは、どの地域だと?」
誰も分からない。
彼らにできるのは、ただ祈り、そして被害が最小限であることを願うだけ。あまりにも無力だった。
アリアは深い無力感に包まれた。王女でありながら、民を救う具体的な術を何一つ持っていない。
(……あの方なら)
彼女の脳裏に、レイジの顔が浮かんだ。
(あの方なら、きっとこの事態すらもお見通しに違いない)
その予感は、正しかった。
俺は、最悪のシミュレーション結果を前に静かに頷いていた。
「やはり、ダムと放水路は必須だな。これがないと俺の家は確実に終わる」
俺の行動原理は、どこまでも自己中心的だ。この地方がどうなろうと、村がどうなろうと、本来はどうでもいい。
だが、俺の家が流されるのだけは絶対に許さない。
その究極に利己的な動機が、結果的にこの地方に住む数万の人々の命を救うことになる。
勘違いの歯車は、もはや神の意志であるかのように誰にも止められない速度で回り続けていた。
ラボでは、リノが俺の家から放たれる魔力の質の変化に気づいていた。
(……演算が終わった? そして、次の段階へ? あの人は、未来を見て、そしてその未来を書き換えるための『答え』をもう導き出したというの?)
彼女の知的好奇心はもはや畏怖を通り越し、一つの強烈な欲求へと変わっていた。
(私も、手伝いたい。あの人の神の御業を、ほんの少しでもいい。この目で見届けたい)
天才エルフは、自らが助手に立候補するという人生で最も大胆な決断を、静かに固めようとしていた。
45
あなたにおすすめの小説
神スキル【絶対育成】で追放令嬢を餌付けしたら国ができた
黒崎隼人
ファンタジー
過労死した植物研究者が転生したのは、貧しい開拓村の少年アランだった。彼に与えられたのは、あらゆる植物を意のままに操る神スキル【絶対育成】だった。
そんな彼の元に、ある日、王都から追放されてきた「悪役令嬢」セラフィーナがやってくる。
「私があなたの知識となり、盾となりましょう。その代わり、この村を豊かにする力を貸してください」
前世の知識とチートスキルを持つ少年と、気高く理知的な元公爵令嬢。
二人が手を取り合った時、飢えた辺境の村は、やがて世界が羨む豊かで平和な楽園へと姿を変えていく。
辺境から始まる、農業革命ファンタジー&国家創成譚が、ここに開幕する。
ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します
かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。
追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。
恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。
それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。
やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。
鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。
※小説家になろうにも投稿しています。
会社をクビになった私、花魔法Lv.MAXの聖女になりました。旅先で出会うイケメンたちが過保護すぎて困ります
☆ほしい
ファンタジー
理不尽な理由で会社をクビになったアラサーOLの佐藤明里。ある日、唯一の癒やしだったベランダの家庭菜園がきっかけで、異世界に転移してしまう。そこで彼女が手にしたのは、どんな植物も一瞬で育て、枯れた大地すら癒やす『花魔法 Lv.MAX』というチートスキルだった。
「リナ」と名乗り、自由なセカンドライフに胸を躍らせていた矢先、森で魔法の毒に侵され死にかけていた『氷の騎士』カインと出会う。諦めきった様子の彼を、リナはスキルで咲かせた幻の薬草であっさりと救ってみせる。
その奇跡と人柄に心打たれたカインは、生涯をかけた恩返しを誓い、彼女の過保護すぎる守護騎士となることを決意。
不遇だった元OLが、チートな花魔法で人々を癒やし、最強騎士をはじめとする様々なイケメンたちにひたすら愛される、ほのぼの異世界やり直しファンタジー。
A級パーティーを追放された黒魔導士、拾ってくれた低級パーティーを成功へと導く~この男、魔力は極小だが戦闘勘が異次元の鋭さだった~
名無し
ファンタジー
「モンド、ここから消えろ。てめえはもうパーティーに必要ねえ!」
「……え? ゴート、理由だけでも聴かせてくれ」
「黒魔導士のくせに魔力がゴミクズだからだ!」
「確かに俺の魔力はゴミ同然だが、その分を戦闘勘の鋭さで補ってきたつもりだ。それで何度も助けてやったことを忘れたのか……?」
「うるせえ、とっとと消えろ! あと、お前について悪い噂も流しておいてやったからな。役立たずの寄生虫ってよ!」
「くっ……」
問答無用でA級パーティーを追放されてしまったモンド。
彼は極小の魔力しか持たない黒魔導士だったが、持ち前の戦闘勘によってパーティーを支えてきた。しかし、地味であるがゆえに貢献を認められることは最後までなかった。
さらに悪い噂を流されたことで、冒険者としての道を諦めかけたモンドだったが、悪評高い最下級パーティーに拾われ、彼らを成功に導くことで自分の居場所や高い名声を得るようになっていく。
「魔力は低かったが、あの動きは只者ではなかった! 寄生虫なんて呼ばれてたのが信じられん……」
「地味に見えるけど、やってることはどう考えても尋常じゃなかった。こんな達人を追放するとかありえねえだろ……」
「方向性は意外ですが、これほどまでに優れた黒魔導士がいるとは……」
拾われたパーティーでその高い能力を絶賛されるモンド。
これは、様々な事情を抱える低級パーティーを、最高の戦闘勘を持つモンドが成功に導いていく物語である……。
冴えない経理オッサン、異世界で帳簿を握れば最強だった~俺はただの経理なんだけどな~
中岡 始
ファンタジー
「俺はただの経理なんだけどな」
ブラック企業の経理マンだった葛城隆司(45歳・独身)。
社内の不正会計を見抜きながらも誰にも評価されず、今日も淡々と帳簿を整理する日々。
そんな彼がある日、突然異世界に転生した。
――しかし、そこは剣も魔法もない、金と権力がすべての世界だった。
目覚めた先は、王都のスラム街。
財布なし、金なし、スキルなし。
詰んだかと思った矢先、喋る黒猫・モルディと出会う。
「オッサン、ここの経済はめちゃくちゃだぞ?」
試しに商店の帳簿を整理したところ、たった数日で利益が倍増。
経理の力がこの世界では「未知の技術」であることに気づいた葛城は、財務管理サービスを売りに商会を設立し、王都の商人や貴族たちの経済を掌握していく。
しかし、貴族たちの不正を暴き、金の流れを制したことで、
王国を揺るがす大きな陰謀に巻き込まれていく。
「お前がいなきゃ、この国はもたねえぞ?」
国王に乞われ、王国財務顧問に就任。
貴族派との経済戦争、宰相マクシミリアンとの頭脳戦、
そして戦争すら経済で終結させる驚異の手腕。
――剣も魔法もいらない。この世を支配するのは、数字だ。
異世界でただ一人、"経理"を武器にのし上がる男の物語が、今始まる!
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
消息不明になった姉の財産を管理しろと言われたけど意味がわかりません
紫楼
ファンタジー
母に先立たれ、木造アパートで一人暮らして大学生の俺。
なぁんにも良い事ないなってくらいの地味な暮らしをしている。
さて、大学に向かうかって玄関開けたら、秘書って感じのスーツ姿のお姉さんが立っていた。
そこから俺の不思議な日々が始まる。
姉ちゃん・・・、あんた一体何者なんだ。
なんちゃってファンタジー、現実世界の法や常識は無視しちゃってます。
十年くらい前から頭にあったおバカ設定なので昇華させてください。
「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!
野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。
私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。
そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる