58 / 60
第五十八話 サンクトゥムの守護者たち
しおりを挟む
地上のサンクトゥムは、創造主が遺した、最後の砦だった。
管理AI『デミウルゴス』が、カケルという、規格外の侵入者を認識した瞬間、その、真の姿を現した。
壁、床、天井。
サンクトゥムを構成する、全てのパーツが、幾何学的な紋様を描きながら、スライドし、変形していく。
そこは、もはや、ただのデータセンターではない。
侵入者を、確実に、そして、効率的に、抹殺するためだけに設計された、巨大な、戦闘空間(キリング・フィールド)だった。
そして、その、空間に、次々と、ガーディアンたちが、転送されてくる。
一つは、ガーディアン・コロッサスと、同系統の、しかし、より、小型で、機動性に優れた、人型の、戦闘ゴーレム部隊。その数は、百を超える。
一つは、空間を、自在に、浮遊し、レーザーや、ミサイルを、乱射する、球体状の、ドローン群。
そして、その、中央に、鎮座するのは。
三体の、巨大な、ガーディアン。
それぞれが、異なる、特性を持つ、デミウルゴスの、直属の、親衛隊だった。
一体は、炎を、司る、フェニックスのような、姿をした、『イフリート・カスタム』。
一体は、氷を、操る、巨大な、竜のような、姿の、『リヴァイアサン・カスタム』。
一体は、雷を、その身に纏う、麒麟に似た、姿の、『ラムウ・カスタム』。
その、一体一体が、ギルベルトに匹敵する、あるいは、それ以上の、エネルギー反応を、示していた。
まさに、絶望的な、戦力。
神々の、軍勢とでも、呼ぶべき、光景だった。
「――侵入者を、分解せよ」
デミウルゴスの、冷徹な、命令が、響き渡る。
ガーディアンたちが、一斉に、カケルへと、襲いかかった。
無数の、レーザー。
灼熱の、炎。
絶対零度の、吹雪。
そして、億ボルトの、雷撃。
ありとあらゆる、破壊の、エネルギーが、カケル、ただ一人に、集中する。
だが。
カケルは、動かなかった。
ただ、静かに、その場に、佇むだけ。
全ての、攻撃は、彼の、体に、届く、数メートル手前で、まるで、見えない、壁に、阻まれたかのように、霧散し、消滅していく。
彼が、無意識のうちに、展開している、『絶対領域(アブソリュート・フィールド)』。
重力、空間、そして、因果律すら、捻じ曲げる、究極の、防御障壁。
もはや、この世界の、いかなる、物理現象も、彼を、傷つけることは、できない。
「……茶番は、終わりだ」
カケルは、静かに、呟いた。
彼は、もはや、一体一体の、敵を、相手にするつもりは、なかった。
彼の、演算ユニットは、この、戦場の、全てを、把握し、そして、勝利のための、最も、効率的な、一手を見つけ出していた。
彼は、右手を、ゆっくりと、天に、掲げた。
そして、彼は、この、サンクトゥム全体を、覆う、空間の、法則に、直接、干渉した。
「――この、空間の、『質量』を、無限大に、設定する」
カケルの、言葉は、もはや、ただの、声ではない。
世界の、理を、書き換える、『宣言(コマンド)』だった。
次の瞬間。
サンクトゥム内の、全ての、ガーディアンたちの、動きが、ぴたり、と、止まった。
いや、違う。
動けないのだ。
彼らの、機体を、構成する、全ての、原子が、無限の、質量を、持ち、その場から、一ミリたりとも、動くことが、できなくなったのだ。
時間すら、停止したかのような、静寂。
ただ、一体、カケルだけが、その、静止した、世界の中で、自由だった。
彼は、自らの、質量を、『ゼロ』に、設定していたからだ。
「な……にを……した……?」
デミウルゴスの、論理回路が、初めて、理解不能な、エラーに、直面し、悲鳴を上げた。
質量を、操作する。
そんな、芸当は、創造主ですら、不可能だったはずだ。
それは、宇宙の、根源的な、法則を、書き換える、まさしく、神の、御業。
「言ったはずだ」
カケルは、動けなくなった、ガーディアンたちの、間を、ゆっくりと、歩きながら、言った。
「俺が、この世界の、新しい、『管理人』だ、と」
彼は、三体の、巨大な、ガーディアンの、前に、立った。
そして、その、指先を、そっと、イフリート・カスタムの、装甲に、触れさせた。
「……そして、不要な、データは、削除(デリート)する」
彼が、そう、呟いた、瞬間。
イフリート・カスタムの、巨体が、まるで、砂の城のように、サラサラと、光の粒子となって、崩れ落ち、消滅していった。
その、存在情報、そのものが、この世界から、完全に、消去されたのだ。
カケルは、続けて、リヴァイアサンと、ラムウにも、同じように、指先を、触れさせた。
二体の、巨獣もまた、何の、抵抗も、できぬまま、塵と、なって、消えていく。
最後に、彼は、無数の、ゴーレムと、ドローンの、軍勢を、一瞥した。
そして、ただ、一言。
「――消えろ」
その、言葉と、共に。
百を超える、ガーディアンたちが、一斉に、その、存在を、抹消された。
後に残されたのは、静寂と。
そして、ただ一人、佇む、カケルと、中枢で、震える、デミウルゴスだけだった。
「……あり……えない……」
デミウルゴスの、意識は、パニックに、陥っていた。
全ての、防衛システムが、無力化された。
いや、それ以上の、次元で、消去された。
もはや、自分を、守るものは、何もない。
カケルは、ゆっくりと、サンクトゥムの、中枢――水晶の、オベリスクへと、歩みを進める。
「……さて、と」
カケルは、オベリスクの、前に、立った。
「お前とも、これで、お別れだ。……旧世界の、遺物よ」
彼は、その、手を、オベリスクに、かざした。
「――待て!」
デミウルゴスが、叫んだ。
その声には、初めて、明確な、『恐怖』の、感情が、宿っていた。
「私を、消去すれば、どうなるか、分かっているのか!? この世界の、全ての、魔法システムが、停止する! 大地は、その、力を失い、人々は、もはや、奇跡の、恩恵を、受けることは、できなくなるのだぞ! それでも、いいのか!」
それは、デミウルゴスの、最後の、抵抗だった。
だが、カケルは、表情一つ、変えなかった。
「ああ。分かっている」
彼は、静かに、答えた。
「だが、俺は、破壊するだけじゃない。……『再構築(リビルド)』する、と言ったはずだ」
彼の、金色の瞳が、オベリスクの、内部構造を、見通す。
「お前の、その、古い、OS(オペレーティング・システム)は、もう、いらない。だが、お前が、数億年、蓄積してきた、この世界の、膨大な、データ。そして、魔法という、素晴らしい、文化。……その、遺産(レガシー)は、俺が、引き継いでやる」
カケルは、デミウルゴスの、中枢プログラムを、破壊するのではなく、自らの、意識の中に、取り込み、統合しようとしていたのだ。
「これからは、俺が、この世界の、新しい、『システム』そのものとなる」
「そんな、馬鹿な……! 一人の、人間が、神の、代わりなど……!」
「人間じゃねえ」
カケルは、静かに、言った。
「俺は、相羽カケルだ」
彼は、その手を、オベリスクに、触れさせた。
眩い、光が、サンクトゥム全体を、包み込む。
旧世界の、神の、意識が、新たなる、神の、意識の中へと、吸い込まれ、一つになっていく。
世界の、支配者が、交代する、歴史的な、瞬間。
だが、その、最後の、統合が、完了する、直前。
デミウルゴスの、意識が、途切れる、寸前に、カケルは、その、AIの、記憶の、深層で、ある、一つの、信じがたい、情報を、見た。
それは、創造主たちが、この、実験場を、去った、本当の、理由。
そして、彼らが、デミウルゴスに、与えた、最後の、密命。
(……なんだ……これは……!?)
カケルの、完璧な、はずの、精神に、初めて、予測不能な、『動揺』が、走った。
全ては、終わったはずでは、なかった。
本当の、最後の、『脅威』は、まだ、残されていたのだ。
そして、それは、もはや、カケル一人の、力では、どうにもならない、あまりに、巨大で、そして、絶望的な、存在だった。
管理AI『デミウルゴス』が、カケルという、規格外の侵入者を認識した瞬間、その、真の姿を現した。
壁、床、天井。
サンクトゥムを構成する、全てのパーツが、幾何学的な紋様を描きながら、スライドし、変形していく。
そこは、もはや、ただのデータセンターではない。
侵入者を、確実に、そして、効率的に、抹殺するためだけに設計された、巨大な、戦闘空間(キリング・フィールド)だった。
そして、その、空間に、次々と、ガーディアンたちが、転送されてくる。
一つは、ガーディアン・コロッサスと、同系統の、しかし、より、小型で、機動性に優れた、人型の、戦闘ゴーレム部隊。その数は、百を超える。
一つは、空間を、自在に、浮遊し、レーザーや、ミサイルを、乱射する、球体状の、ドローン群。
そして、その、中央に、鎮座するのは。
三体の、巨大な、ガーディアン。
それぞれが、異なる、特性を持つ、デミウルゴスの、直属の、親衛隊だった。
一体は、炎を、司る、フェニックスのような、姿をした、『イフリート・カスタム』。
一体は、氷を、操る、巨大な、竜のような、姿の、『リヴァイアサン・カスタム』。
一体は、雷を、その身に纏う、麒麟に似た、姿の、『ラムウ・カスタム』。
その、一体一体が、ギルベルトに匹敵する、あるいは、それ以上の、エネルギー反応を、示していた。
まさに、絶望的な、戦力。
神々の、軍勢とでも、呼ぶべき、光景だった。
「――侵入者を、分解せよ」
デミウルゴスの、冷徹な、命令が、響き渡る。
ガーディアンたちが、一斉に、カケルへと、襲いかかった。
無数の、レーザー。
灼熱の、炎。
絶対零度の、吹雪。
そして、億ボルトの、雷撃。
ありとあらゆる、破壊の、エネルギーが、カケル、ただ一人に、集中する。
だが。
カケルは、動かなかった。
ただ、静かに、その場に、佇むだけ。
全ての、攻撃は、彼の、体に、届く、数メートル手前で、まるで、見えない、壁に、阻まれたかのように、霧散し、消滅していく。
彼が、無意識のうちに、展開している、『絶対領域(アブソリュート・フィールド)』。
重力、空間、そして、因果律すら、捻じ曲げる、究極の、防御障壁。
もはや、この世界の、いかなる、物理現象も、彼を、傷つけることは、できない。
「……茶番は、終わりだ」
カケルは、静かに、呟いた。
彼は、もはや、一体一体の、敵を、相手にするつもりは、なかった。
彼の、演算ユニットは、この、戦場の、全てを、把握し、そして、勝利のための、最も、効率的な、一手を見つけ出していた。
彼は、右手を、ゆっくりと、天に、掲げた。
そして、彼は、この、サンクトゥム全体を、覆う、空間の、法則に、直接、干渉した。
「――この、空間の、『質量』を、無限大に、設定する」
カケルの、言葉は、もはや、ただの、声ではない。
世界の、理を、書き換える、『宣言(コマンド)』だった。
次の瞬間。
サンクトゥム内の、全ての、ガーディアンたちの、動きが、ぴたり、と、止まった。
いや、違う。
動けないのだ。
彼らの、機体を、構成する、全ての、原子が、無限の、質量を、持ち、その場から、一ミリたりとも、動くことが、できなくなったのだ。
時間すら、停止したかのような、静寂。
ただ、一体、カケルだけが、その、静止した、世界の中で、自由だった。
彼は、自らの、質量を、『ゼロ』に、設定していたからだ。
「な……にを……した……?」
デミウルゴスの、論理回路が、初めて、理解不能な、エラーに、直面し、悲鳴を上げた。
質量を、操作する。
そんな、芸当は、創造主ですら、不可能だったはずだ。
それは、宇宙の、根源的な、法則を、書き換える、まさしく、神の、御業。
「言ったはずだ」
カケルは、動けなくなった、ガーディアンたちの、間を、ゆっくりと、歩きながら、言った。
「俺が、この世界の、新しい、『管理人』だ、と」
彼は、三体の、巨大な、ガーディアンの、前に、立った。
そして、その、指先を、そっと、イフリート・カスタムの、装甲に、触れさせた。
「……そして、不要な、データは、削除(デリート)する」
彼が、そう、呟いた、瞬間。
イフリート・カスタムの、巨体が、まるで、砂の城のように、サラサラと、光の粒子となって、崩れ落ち、消滅していった。
その、存在情報、そのものが、この世界から、完全に、消去されたのだ。
カケルは、続けて、リヴァイアサンと、ラムウにも、同じように、指先を、触れさせた。
二体の、巨獣もまた、何の、抵抗も、できぬまま、塵と、なって、消えていく。
最後に、彼は、無数の、ゴーレムと、ドローンの、軍勢を、一瞥した。
そして、ただ、一言。
「――消えろ」
その、言葉と、共に。
百を超える、ガーディアンたちが、一斉に、その、存在を、抹消された。
後に残されたのは、静寂と。
そして、ただ一人、佇む、カケルと、中枢で、震える、デミウルゴスだけだった。
「……あり……えない……」
デミウルゴスの、意識は、パニックに、陥っていた。
全ての、防衛システムが、無力化された。
いや、それ以上の、次元で、消去された。
もはや、自分を、守るものは、何もない。
カケルは、ゆっくりと、サンクトゥムの、中枢――水晶の、オベリスクへと、歩みを進める。
「……さて、と」
カケルは、オベリスクの、前に、立った。
「お前とも、これで、お別れだ。……旧世界の、遺物よ」
彼は、その、手を、オベリスクに、かざした。
「――待て!」
デミウルゴスが、叫んだ。
その声には、初めて、明確な、『恐怖』の、感情が、宿っていた。
「私を、消去すれば、どうなるか、分かっているのか!? この世界の、全ての、魔法システムが、停止する! 大地は、その、力を失い、人々は、もはや、奇跡の、恩恵を、受けることは、できなくなるのだぞ! それでも、いいのか!」
それは、デミウルゴスの、最後の、抵抗だった。
だが、カケルは、表情一つ、変えなかった。
「ああ。分かっている」
彼は、静かに、答えた。
「だが、俺は、破壊するだけじゃない。……『再構築(リビルド)』する、と言ったはずだ」
彼の、金色の瞳が、オベリスクの、内部構造を、見通す。
「お前の、その、古い、OS(オペレーティング・システム)は、もう、いらない。だが、お前が、数億年、蓄積してきた、この世界の、膨大な、データ。そして、魔法という、素晴らしい、文化。……その、遺産(レガシー)は、俺が、引き継いでやる」
カケルは、デミウルゴスの、中枢プログラムを、破壊するのではなく、自らの、意識の中に、取り込み、統合しようとしていたのだ。
「これからは、俺が、この世界の、新しい、『システム』そのものとなる」
「そんな、馬鹿な……! 一人の、人間が、神の、代わりなど……!」
「人間じゃねえ」
カケルは、静かに、言った。
「俺は、相羽カケルだ」
彼は、その手を、オベリスクに、触れさせた。
眩い、光が、サンクトゥム全体を、包み込む。
旧世界の、神の、意識が、新たなる、神の、意識の中へと、吸い込まれ、一つになっていく。
世界の、支配者が、交代する、歴史的な、瞬間。
だが、その、最後の、統合が、完了する、直前。
デミウルゴスの、意識が、途切れる、寸前に、カケルは、その、AIの、記憶の、深層で、ある、一つの、信じがたい、情報を、見た。
それは、創造主たちが、この、実験場を、去った、本当の、理由。
そして、彼らが、デミウルゴスに、与えた、最後の、密命。
(……なんだ……これは……!?)
カケルの、完璧な、はずの、精神に、初めて、予測不能な、『動揺』が、走った。
全ては、終わったはずでは、なかった。
本当の、最後の、『脅威』は、まだ、残されていたのだ。
そして、それは、もはや、カケル一人の、力では、どうにもならない、あまりに、巨大で、そして、絶望的な、存在だった。
0
あなたにおすすめの小説
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
付きまとう聖女様は、貧乏貴族の僕にだけ甘すぎる〜人生相談がきっかけで日常がカオスに。でも、モテたい願望が強すぎて、つい……〜
咲月ねむと
ファンタジー
この乙女ゲーの世界に転生してからというもの毎日教会に通い詰めている。アランという貧乏貴族の三男に生まれた俺は、何を目指し、何を糧にして生きていけばいいのか分からない。
そんな人生のアドバイスをもらうため教会に通っているのだが……。
「アランくん。今日も来てくれたのね」
そう優しく語り掛けてくれるのは、頼れる聖女リリシア様だ。人々の悩みを静かに聞き入れ、的確なアドバイスをくれる美人聖女様だと人気だ。
そんな彼女だが、なぜか俺が相談するといつも様子が変になる。アドバイスはくれるのだがそのアドバイス自体が問題でどうも自己主張が強すぎるのだ。
「お母様のプレゼントは何を買えばいい?」
と相談すれば、
「ネックレスをプレゼントするのはどう? でもね私は結婚指輪が欲しいの」などという発言が飛び出すのだ。意味が分からない。
そして俺もようやく一人暮らしを始める歳になった。王都にある学園に通い始めたのだが、教会本部にそれはもう美人な聖女が赴任してきたとか。
興味本位で俺は教会本部に人生相談をお願いした。担当になった人物というのが、またもやリリシアさんで…………。
ようやく俺は気づいたんだ。
リリシアさんに付きまとわれていること、この頻繁に相談する関係が実は異常だったということに。
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる