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第十八話 影潜む古戦場
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古戦場跡での狩りは、オブシディアンにとって新たな力の源泉となっていた。ウォーデッド・ナイトメアやレムナント・マスといったレベル9のアンデッドたちは、もはや効率的な経験値稼ぎの対象でしかなかった。【影擬態】からの奇襲、【死霊魔術】による陽動、そして強化された【捕食吸収】による迅速な処理。オブシディアンは、この血錆の大地で、影の狩人としての技術をさらに磨き上げていた。
レベルが10になったことで、特に【影走】と【隠密】の性能向上が著しい。【影走 Lv.2】は、影から影へと跳躍する際の速度と距離が増し、まるで瞬間移動に近い感覚で戦場を駆け巡ることができる。【隠密 Lv.2】は、オブシディアンの気配をほぼ完全に消し去り、よほど高レベルの索敵スキルを持つ相手でなければ、至近距離まで接近しても気づかれることはないだろう。この二つのスキルの組み合わせは、オブシディアンの戦闘スタイルをさらに神出鬼没なものへと進化させていた。
(この調子なら、さらに奥へ進める)
オブシディアンは、古戦場跡の中心部へと向かうことにした。そこには、より強力なモンスター、そして、もしかしたらこの土地の秘密に関わる何かがあるかもしれない。「古代魔術の断章」に描かれていた地形図も、中心部に存在する何かを示唆しているように見えた。
中心部に近づくにつれて、怨念の気配はさらに濃密になり、地面に転がる武具の残骸も、より禍々しいオーラを放つものが増えてきた。そして、新たな敵が現れた。
それは、巨大な馬に跨った、漆黒の鎧騎士の亡霊だった。手には髑髏の装飾が施された長大なランスを構え、その眼窩からは、周囲の怨念を吸い込むかのように、渦巻く紫色の光が放たれている。
『デッドリー・ジェネラル Lv.11』
レベル11。これまでの敵とは格が違う。その威圧感は、リッチ・ロードに匹敵するか、それ以上かもしれない。馬もただの馬ではなく、骨と影で構成されたような魔性の存在だ。
「キシャアアアアア!」
ジェネラルが跨る魔馬が甲高い嘶きを上げ、オブシディアン目掛けて突進してきた。その速度は【影走 Lv.2】に迫るほど速い。
(騎乗タイプか…厄介だな)
オブシディアンは横に跳んで回避するが、ジェネラルはランスを巧みに操り、薙ぎ払うような攻撃を繰り出してきた。オブシディアンは【影護】で防御するが、重い一撃に体勢を崩される。
(まず、馬から引きずり降ろすか?)
オブシディアンは【糸生成】で粘着性の糸を飛ばし、魔馬の脚を狙う。しかし、魔馬は素早くそれを回避し、逆に蹄でオブシディアンを踏みつけようとしてきた。ジェネラルの槍捌きも的確で、なかなか懐に入り込む隙がない。
(ならば…!)
オブシディアンは【石材操作(微)】で足元の地面を大きく隆起させ、魔馬の進路を妨害した。魔馬が驚いて足を止めた瞬間、オブシディアンは【跳躍】で高く跳び上がり、ジェネラルの背後を取る。そして、空中で【影擬態 Lv.2】を発動。目標は、影。ジェネラルの背中に張り付く、希薄な影のシミのような姿へと変化した。
「ヌゥ…?」
ジェネラルは背後に張り付いたオブシディアンの気配に気づかず、体勢を立て直そうとする。オブシディアンは、擬態したまま【捕食吸収】を開始した。狙いは、ジェネラルの鎧の隙間、首筋あたりだ。
「グ…オオオ!?」
ようやく背後の異変に気づいたジェネラルが、苦悶の声を上げる。魔馬が暴れ、ジェネラル自身も槍を振り回してオブシディアンを剥がそうとするが、影と化したオブシディアンはしぶとく張り付き、吸収を続ける。
(このまま押し切る!)
オブシディアンは吸収に集中する。ジェネラルから流れ込んでくるのは、戦場の記憶、指揮官としての矜持、そして、強い怨念。その情報量が、オブシディアンの【精神耐性(小)】を試す。しかし、リッチ・ロード戦で得た耐性のおかげで、意識を保ち続けることができた。
やがて、ジェネラルの抵抗が弱まり、紫色の眼光も消え失せた。魔馬も主を失い、影となって霧散していく。
『デッドリー・ジェネラル Lv.11を捕食しました』
『経験値を150獲得しました』
『レベルが11に上がりました』
『体力+2、魔力容量+2、物理攻撃力+1、物理防御力+1、魔法防御力+1』
『スキル【騎乗 Lv.1】を…獲得に失敗しました』
『スキル【統率力(微) Lv.1】を獲得しました』
『スキル【怨念耐性(微)】が【怨念耐性(小)】に進化しました』
『素材「将軍の漆黒甲冑(破損)」「呪われし軍馬の蹄」「指揮官の魔石(中)」を獲得しました』
レベルアップ! そして、【統率力(微)】という珍しいスキルを獲得した。これは【死霊魔術】で召喚したアンデッドを、より効率的に指揮できるスキルだろうか? これで召喚アンデッドの使い勝手がさらに向上するかもしれない。【怨念耐性】も(小)に進化した。
ジェネラルを倒したことで、古戦場跡の中心部への道が開けたようだった。周囲の怨念の気配が少しだけ和らぎ、代わりに、さらに強い、何か古代の魔術的なエネルギーの気配を感じるようになった。
オブシディアンは、改めて【捕食吸収】で得られる「知識」について考える。プレイヤーからは戦闘技術の断片、リッチ・ロードからは魔術や遺跡の知識、そしてジェネラルからは戦術や指揮に関する知識。これらは、すぐにスキルとして役立つわけではないが、オブシディアン自身の思考や行動に、無意識のうちに影響を与えている気がした。例えば、戦闘時の状況判断能力や、スキルの連携の精度が、以前よりも向上しているように感じるのだ。
(この「知識の吸収」…もっと意識的に活用できないか?)
もし、特定の分野の知識を持つ相手を狙って捕食すれば、その分野の理解を深められるかもしれない。例えば、古代言語を解するNPCやモンスターがいれば…。「アーク・メイジの日誌」や「古代魔術の断章」の解読に繋がるはずだ。
そんなことを考えながら、オブシディアンは古戦場跡の中心部へと足を踏み入れた。そこは、小高い丘になっており、頂上には崩れかけた祭壇のようなものと、そこに突き刺さる一本の巨大な黒い剣があった。剣の周囲からは、周囲の怨念とは異なる、強力な古代魔術のオーラが放たれている。
(あれが…この古戦場の元凶か、あるいは封印か…?)
オブシディアンが祭壇に近づこうとした、その時だった。
『警告:高レベルプレイヤーの接近を感知』
『複数…5、いや6人パーティです』
『敵意を確認。戦闘準備を推奨します』
核(コア)が直接、警告を発してきた。【魔力変換炉】スキルによるものか、あるいは進化による新たな能力か。いずれにせよ、強力なプレイヤーたちが迫っているのは間違いない。
オブシディアンは即座に【影擬態】で祭壇の影に溶け込み、息を潜める。先ほどのパーティとは違う、もっと手練れの気配がする。
やがて、丘の麓から6人のプレイヤーが姿を現した。先頭に立つのは、白銀の鎧に身を包み、巨大な聖剣を携えた、いかにもトッププレイヤーといった風格の男。その後ろには、精霊を使役するエルフの魔術師、隠密装備に身を包んだ暗殺者風のプレイヤー、巨大な戦斧を担いだドワーフの戦士、聖なる光を放つシールドを構えた女パラディン、そして、鷹を肩に乗せたレンジャー。装備も一流で、連携も取れているのが一目でわかる。
「間違いない。あの祭壇の剣から、強い魔力を感じる。情報通りだ」
聖剣の男が、低い声で言った。
「しかし、この周辺の怨念の濃度…予想以上だな。気を引き締めろよ」
ドワーフの戦士が斧を握りしめる。
「索敵…周囲にモンスターの気配はなし。だが…妙だな。何か、いるような…いないような…非常に希薄な気配がある」
レンジャーが眉をひそめ、肩の鷹が鋭く鳴いた。
(気づかれたか…!?)
オブシディアンは【隠密 Lv.2】を最大に効かせているはずだが、あのレンジャーの索敵能力は相当高いようだ。
「希薄な気配…? 例の黒いスライムか?」
暗殺者が短剣を構える。
「可能性はありますわね。掲示板では、神出鬼没で、パーティを壊滅させるほどの力を持つとか…」
女パラディンが警戒を強める。
「フン、スライム風情が粋がるな。我らが『銀翼騎士団』の敵ではないわ!」
エルフの魔術師が杖を構える。
銀翼騎士団――EROの中でも屈指のトップクランの一つだ。彼らが、この古戦場跡の調査、そしておそらくはオブシディアンの討伐も兼ねて現れたのだろう。
(これは…まずいな)
先ほどのパーティとはレベルが違う。連携も、装備も、おそらくプレイヤースキルも上だろう。正面からぶつかれば、勝算は低い。
オブシディアンは思考を巡らせる。逃げるか? いや、ここで逃げれば、彼らは執拗に追ってくるだろう。ならば…
(あの剣…あの祭壇を利用できないか?)
オブシディアンは、擬態したまま、祭壇と黒い剣に意識を集中する。そこから放たれる古代魔術のオーラ。それは、オブシディアンが力の源泉で吸収したエネルギーと、どこか似ているようで、しかし異質な側面も持っていた。
(このエネルギーを…吸収、あるいは暴走させれば…?)
リスクは高い。しかし、この状況を打破するには、賭けるしかないかもしれない。
オブシディアンは、銀翼騎士団のメンバーが祭壇に近づいてくるのを待ちながら、静かにその時を窺っていた。影の中で、黒曜石のスライムは、次なる一手、そして可能性を探っていた。古戦場の中心で、トッププレイヤーと孤独な魔物の対決が、今、始まろうとしていた。
名前: オブシディアン
種族: シャドウ・スライム
称号: 影に潜む者 (効果向上), 墓守殺し, 源泉に触れし者
所属: 未定義
【能力値】
体力: 18
魔力容量: 21
物理攻撃力: 4
物理防御力: 9
魔法攻撃力: 6
魔法防御力: 17
素早さ: 11
【スキル】
・捕食吸収 Lv.1
・影擬態 Lv.2
・微光 Lv.1
・闇視 Lv.1
・噛みつき耐性(微) Lv.1
・跳躍 Lv.1
・影走 Lv.2
・嗅覚強化 Lv.1
・木材生成 Lv.1
・糸生成 Lv.1
・毒耐性(小) Lv.1
・影護 Lv.1
・隠密 Lv.2
・爪撃 Lv.1
・毒液噴射 Lv.1
・斬撃耐性(微) Lv.1
・石材操作(微) Lv.1
・アンデッド耐性(微) Lv.1
・死霊魔術(初級) Lv.1
・精神耐性(小) Lv.1
・炎耐性(微) Lv.1
・怨念耐性(小) Lv.1
・魔力変換炉 Lv.1
・統率力(微) Lv.1
レベルが10になったことで、特に【影走】と【隠密】の性能向上が著しい。【影走 Lv.2】は、影から影へと跳躍する際の速度と距離が増し、まるで瞬間移動に近い感覚で戦場を駆け巡ることができる。【隠密 Lv.2】は、オブシディアンの気配をほぼ完全に消し去り、よほど高レベルの索敵スキルを持つ相手でなければ、至近距離まで接近しても気づかれることはないだろう。この二つのスキルの組み合わせは、オブシディアンの戦闘スタイルをさらに神出鬼没なものへと進化させていた。
(この調子なら、さらに奥へ進める)
オブシディアンは、古戦場跡の中心部へと向かうことにした。そこには、より強力なモンスター、そして、もしかしたらこの土地の秘密に関わる何かがあるかもしれない。「古代魔術の断章」に描かれていた地形図も、中心部に存在する何かを示唆しているように見えた。
中心部に近づくにつれて、怨念の気配はさらに濃密になり、地面に転がる武具の残骸も、より禍々しいオーラを放つものが増えてきた。そして、新たな敵が現れた。
それは、巨大な馬に跨った、漆黒の鎧騎士の亡霊だった。手には髑髏の装飾が施された長大なランスを構え、その眼窩からは、周囲の怨念を吸い込むかのように、渦巻く紫色の光が放たれている。
『デッドリー・ジェネラル Lv.11』
レベル11。これまでの敵とは格が違う。その威圧感は、リッチ・ロードに匹敵するか、それ以上かもしれない。馬もただの馬ではなく、骨と影で構成されたような魔性の存在だ。
「キシャアアアアア!」
ジェネラルが跨る魔馬が甲高い嘶きを上げ、オブシディアン目掛けて突進してきた。その速度は【影走 Lv.2】に迫るほど速い。
(騎乗タイプか…厄介だな)
オブシディアンは横に跳んで回避するが、ジェネラルはランスを巧みに操り、薙ぎ払うような攻撃を繰り出してきた。オブシディアンは【影護】で防御するが、重い一撃に体勢を崩される。
(まず、馬から引きずり降ろすか?)
オブシディアンは【糸生成】で粘着性の糸を飛ばし、魔馬の脚を狙う。しかし、魔馬は素早くそれを回避し、逆に蹄でオブシディアンを踏みつけようとしてきた。ジェネラルの槍捌きも的確で、なかなか懐に入り込む隙がない。
(ならば…!)
オブシディアンは【石材操作(微)】で足元の地面を大きく隆起させ、魔馬の進路を妨害した。魔馬が驚いて足を止めた瞬間、オブシディアンは【跳躍】で高く跳び上がり、ジェネラルの背後を取る。そして、空中で【影擬態 Lv.2】を発動。目標は、影。ジェネラルの背中に張り付く、希薄な影のシミのような姿へと変化した。
「ヌゥ…?」
ジェネラルは背後に張り付いたオブシディアンの気配に気づかず、体勢を立て直そうとする。オブシディアンは、擬態したまま【捕食吸収】を開始した。狙いは、ジェネラルの鎧の隙間、首筋あたりだ。
「グ…オオオ!?」
ようやく背後の異変に気づいたジェネラルが、苦悶の声を上げる。魔馬が暴れ、ジェネラル自身も槍を振り回してオブシディアンを剥がそうとするが、影と化したオブシディアンはしぶとく張り付き、吸収を続ける。
(このまま押し切る!)
オブシディアンは吸収に集中する。ジェネラルから流れ込んでくるのは、戦場の記憶、指揮官としての矜持、そして、強い怨念。その情報量が、オブシディアンの【精神耐性(小)】を試す。しかし、リッチ・ロード戦で得た耐性のおかげで、意識を保ち続けることができた。
やがて、ジェネラルの抵抗が弱まり、紫色の眼光も消え失せた。魔馬も主を失い、影となって霧散していく。
『デッドリー・ジェネラル Lv.11を捕食しました』
『経験値を150獲得しました』
『レベルが11に上がりました』
『体力+2、魔力容量+2、物理攻撃力+1、物理防御力+1、魔法防御力+1』
『スキル【騎乗 Lv.1】を…獲得に失敗しました』
『スキル【統率力(微) Lv.1】を獲得しました』
『スキル【怨念耐性(微)】が【怨念耐性(小)】に進化しました』
『素材「将軍の漆黒甲冑(破損)」「呪われし軍馬の蹄」「指揮官の魔石(中)」を獲得しました』
レベルアップ! そして、【統率力(微)】という珍しいスキルを獲得した。これは【死霊魔術】で召喚したアンデッドを、より効率的に指揮できるスキルだろうか? これで召喚アンデッドの使い勝手がさらに向上するかもしれない。【怨念耐性】も(小)に進化した。
ジェネラルを倒したことで、古戦場跡の中心部への道が開けたようだった。周囲の怨念の気配が少しだけ和らぎ、代わりに、さらに強い、何か古代の魔術的なエネルギーの気配を感じるようになった。
オブシディアンは、改めて【捕食吸収】で得られる「知識」について考える。プレイヤーからは戦闘技術の断片、リッチ・ロードからは魔術や遺跡の知識、そしてジェネラルからは戦術や指揮に関する知識。これらは、すぐにスキルとして役立つわけではないが、オブシディアン自身の思考や行動に、無意識のうちに影響を与えている気がした。例えば、戦闘時の状況判断能力や、スキルの連携の精度が、以前よりも向上しているように感じるのだ。
(この「知識の吸収」…もっと意識的に活用できないか?)
もし、特定の分野の知識を持つ相手を狙って捕食すれば、その分野の理解を深められるかもしれない。例えば、古代言語を解するNPCやモンスターがいれば…。「アーク・メイジの日誌」や「古代魔術の断章」の解読に繋がるはずだ。
そんなことを考えながら、オブシディアンは古戦場跡の中心部へと足を踏み入れた。そこは、小高い丘になっており、頂上には崩れかけた祭壇のようなものと、そこに突き刺さる一本の巨大な黒い剣があった。剣の周囲からは、周囲の怨念とは異なる、強力な古代魔術のオーラが放たれている。
(あれが…この古戦場の元凶か、あるいは封印か…?)
オブシディアンが祭壇に近づこうとした、その時だった。
『警告:高レベルプレイヤーの接近を感知』
『複数…5、いや6人パーティです』
『敵意を確認。戦闘準備を推奨します』
核(コア)が直接、警告を発してきた。【魔力変換炉】スキルによるものか、あるいは進化による新たな能力か。いずれにせよ、強力なプレイヤーたちが迫っているのは間違いない。
オブシディアンは即座に【影擬態】で祭壇の影に溶け込み、息を潜める。先ほどのパーティとは違う、もっと手練れの気配がする。
やがて、丘の麓から6人のプレイヤーが姿を現した。先頭に立つのは、白銀の鎧に身を包み、巨大な聖剣を携えた、いかにもトッププレイヤーといった風格の男。その後ろには、精霊を使役するエルフの魔術師、隠密装備に身を包んだ暗殺者風のプレイヤー、巨大な戦斧を担いだドワーフの戦士、聖なる光を放つシールドを構えた女パラディン、そして、鷹を肩に乗せたレンジャー。装備も一流で、連携も取れているのが一目でわかる。
「間違いない。あの祭壇の剣から、強い魔力を感じる。情報通りだ」
聖剣の男が、低い声で言った。
「しかし、この周辺の怨念の濃度…予想以上だな。気を引き締めろよ」
ドワーフの戦士が斧を握りしめる。
「索敵…周囲にモンスターの気配はなし。だが…妙だな。何か、いるような…いないような…非常に希薄な気配がある」
レンジャーが眉をひそめ、肩の鷹が鋭く鳴いた。
(気づかれたか…!?)
オブシディアンは【隠密 Lv.2】を最大に効かせているはずだが、あのレンジャーの索敵能力は相当高いようだ。
「希薄な気配…? 例の黒いスライムか?」
暗殺者が短剣を構える。
「可能性はありますわね。掲示板では、神出鬼没で、パーティを壊滅させるほどの力を持つとか…」
女パラディンが警戒を強める。
「フン、スライム風情が粋がるな。我らが『銀翼騎士団』の敵ではないわ!」
エルフの魔術師が杖を構える。
銀翼騎士団――EROの中でも屈指のトップクランの一つだ。彼らが、この古戦場跡の調査、そしておそらくはオブシディアンの討伐も兼ねて現れたのだろう。
(これは…まずいな)
先ほどのパーティとはレベルが違う。連携も、装備も、おそらくプレイヤースキルも上だろう。正面からぶつかれば、勝算は低い。
オブシディアンは思考を巡らせる。逃げるか? いや、ここで逃げれば、彼らは執拗に追ってくるだろう。ならば…
(あの剣…あの祭壇を利用できないか?)
オブシディアンは、擬態したまま、祭壇と黒い剣に意識を集中する。そこから放たれる古代魔術のオーラ。それは、オブシディアンが力の源泉で吸収したエネルギーと、どこか似ているようで、しかし異質な側面も持っていた。
(このエネルギーを…吸収、あるいは暴走させれば…?)
リスクは高い。しかし、この状況を打破するには、賭けるしかないかもしれない。
オブシディアンは、銀翼騎士団のメンバーが祭壇に近づいてくるのを待ちながら、静かにその時を窺っていた。影の中で、黒曜石のスライムは、次なる一手、そして可能性を探っていた。古戦場の中心で、トッププレイヤーと孤独な魔物の対決が、今、始まろうとしていた。
名前: オブシディアン
種族: シャドウ・スライム
称号: 影に潜む者 (効果向上), 墓守殺し, 源泉に触れし者
所属: 未定義
【能力値】
体力: 18
魔力容量: 21
物理攻撃力: 4
物理防御力: 9
魔法攻撃力: 6
魔法防御力: 17
素早さ: 11
【スキル】
・捕食吸収 Lv.1
・影擬態 Lv.2
・微光 Lv.1
・闇視 Lv.1
・噛みつき耐性(微) Lv.1
・跳躍 Lv.1
・影走 Lv.2
・嗅覚強化 Lv.1
・木材生成 Lv.1
・糸生成 Lv.1
・毒耐性(小) Lv.1
・影護 Lv.1
・隠密 Lv.2
・爪撃 Lv.1
・毒液噴射 Lv.1
・斬撃耐性(微) Lv.1
・石材操作(微) Lv.1
・アンデッド耐性(微) Lv.1
・死霊魔術(初級) Lv.1
・精神耐性(小) Lv.1
・炎耐性(微) Lv.1
・怨念耐性(小) Lv.1
・魔力変換炉 Lv.1
・統率力(微) Lv.1
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