4 / 94
第四話 辺境への道
しおりを挟む
王都の喧騒が完全に背後へ消え去ると、私たちの旅は本格的な厳しさを増していった。整備された街道はすぐに途切れ、馬車の轍がかすかに残るだけの荒れた道がどこまでも続いている。
ガタガタと絶え間なく揺れる馬車の中で、私は硬い座席に身を縮こまらせていた。王宮での生活しか知らない私の体は、この過酷な旅に悲鳴を上げていた。日に日に腰は痛み、全身が鉛のように重い。
数日が過ぎた頃、ついに馬車がぬかるみにはまり、車軸が折れてしまった。御者は舌打ちをすると、わずかな報酬を受け取ってさっさと引き返していった。彼にとって、これ以上不毛の地へ近づくのはごめんだったのだろう。
こうして、私たちは広大な荒野に二人きりで取り残された。見渡す限り、茶色い大地と低い灌木が地平線まで続いている。空はどこまでも高く、青い。しかし、その広大さが逆に私たちの孤独を際立たせていた。
「ここからは、歩いていくしかありませんね」
ギルバートは冷静に状況を判断すると、馬車に残されていたわずかな水と食料を背負った。そして、私の小さな革鞄を軽々と肩にかける。
「申し訳ありません。私の荷物まで……」
「とんでもない。これくらい、どうということはありませんよ」
彼はそう言って、力強く微笑んだ。その笑顔に、私はどれだけ勇気づけられたことだろう。
歩き始めてすぐに、私は自分の甘さを思い知らされた。ごつごつした岩場、ぬかるんだ湿地、そして肌を刺すような冷たい風。一歩進むごとに体力が奪われ、息が上がる。
その日の夕暮れ、私はついに力尽きて、その場に座り込んでしまった。
「すみません……もう、一歩も……」
情けなさで涙が滲む。追放された身の上だというのに、私はまだ誰かの助けがなければ生きていけないのか。
ギルバートは何も言わず、私の隣に屈み込むと、水筒を差し出してくれた。
「無理もないことです。今夜はここで野営しましょう」
彼は手早く周囲の枯れ木を集めると、慣れた手つきで火をおこした。パチパチと音を立てて燃え上がる炎が、冷えた体に温もりをくれる。
夜の荒野は、底知れない闇と静寂に包まれていた。時折聞こえる獣の遠吠えが、私の不安を煽る。
「怖いですか」
火の向こう側で、ギルバートが静かに尋ねた。彼の黄金の瞳が、炎の光を映して揺れている。
「……少しだけ」
私が正直に答えると、彼は立ち上がって私の隣に座った。そして、自分の外套を私の肩にそっとかけてくれる。
「私がついています。どんな魔獣が現れようと、貴女様には指一本触れさせません」
その力強い言葉と、肩にかかる確かな重み。それだけで、私の心から恐怖がすうっと消えていくのを感じた。
彼は私のために、狩りで仕留めた兎で温かいスープを作ってくれた。塩だけの素朴な味付けだったが、冷え切った体に染み渡るように美味しかった。王宮で食べたどんな豪華な料理よりも、ずっと心が満たされる味だった。
「どうして……」
スープを飲み干したあと、私はずっと胸の中にあった疑問を口にした。
「どうして、ここまでしてくださるのですか。あなたの輝かしい未来を全て捨ててまで」
ギルバートは少しの間、燃え盛る炎を見つめていた。やがて、彼はゆっくりと口を開いた。
「未来、ですか。私にとっての輝かしい未来とは、地位や名誉のことではありません」
彼の視線が、私に向けられる。その真摯な眼差しに、私は心臓が小さく跳ねるのを感じた。
「私はずっと、貴女様を見ておりました。書庫で古い本を熱心に読まれる姿を。庭の隅で、誰にも気づかれずに枯れかけていた花に、そっと力を与えていた姿を。そして、厨房でつまみ食いをしたと濡れ衣を着せられた幼い侍女を、身を挺して庇った姿を」
それは、私自身も忘れかけていたような、ささやかな出来事だった。誰も見ていないと思っていた。誰にも、評価されることのない行いだと思っていた。
「アリシア様。貴女様の優しさと気高さを、私は知っています。それこそが、この世界で最も尊いものだと信じています。だから、私は貴女様にお仕えすると決めたのです。地位も名誉も、貴女様という存在に比べれば、塵芥にも等しい」
彼の言葉は、乾いた大地に染み込む雨のように、私の固く閉ざされた心に優しく浸透していった。十七年間、誰からも認められず、『雑草』と蔑まれてきた私。その私を、ずっと見ていてくれた人がいた。私の価値を、信じてくれる人がいた。
その事実が、凍てついていた私の心をゆっくりと溶かしていく。頬を、温かい雫が伝った。それは、情けなさや悲しみから流れる涙ではなかった。
「ありがとう……ございます」
私は、ようやくそれだけを言うのが精一杯だった。
その夜、私はギルバートの隣で、久しぶりに穏やかな眠りについた。
旅の過酷さは変わらない。けれど、私の心は少しずつ変わっていった。絶望だけが支配していた世界に、ギルバートという名の温かな光が灯ったのだ。
彼と二人で歩むこの道が、たとえどれほど険しくとも。
もう、私は一人ではない。
その確信が、私に前を向いて歩き続ける力を与えてくれた。
辺境の地は、もうすぐそこまで迫っていた。
ガタガタと絶え間なく揺れる馬車の中で、私は硬い座席に身を縮こまらせていた。王宮での生活しか知らない私の体は、この過酷な旅に悲鳴を上げていた。日に日に腰は痛み、全身が鉛のように重い。
数日が過ぎた頃、ついに馬車がぬかるみにはまり、車軸が折れてしまった。御者は舌打ちをすると、わずかな報酬を受け取ってさっさと引き返していった。彼にとって、これ以上不毛の地へ近づくのはごめんだったのだろう。
こうして、私たちは広大な荒野に二人きりで取り残された。見渡す限り、茶色い大地と低い灌木が地平線まで続いている。空はどこまでも高く、青い。しかし、その広大さが逆に私たちの孤独を際立たせていた。
「ここからは、歩いていくしかありませんね」
ギルバートは冷静に状況を判断すると、馬車に残されていたわずかな水と食料を背負った。そして、私の小さな革鞄を軽々と肩にかける。
「申し訳ありません。私の荷物まで……」
「とんでもない。これくらい、どうということはありませんよ」
彼はそう言って、力強く微笑んだ。その笑顔に、私はどれだけ勇気づけられたことだろう。
歩き始めてすぐに、私は自分の甘さを思い知らされた。ごつごつした岩場、ぬかるんだ湿地、そして肌を刺すような冷たい風。一歩進むごとに体力が奪われ、息が上がる。
その日の夕暮れ、私はついに力尽きて、その場に座り込んでしまった。
「すみません……もう、一歩も……」
情けなさで涙が滲む。追放された身の上だというのに、私はまだ誰かの助けがなければ生きていけないのか。
ギルバートは何も言わず、私の隣に屈み込むと、水筒を差し出してくれた。
「無理もないことです。今夜はここで野営しましょう」
彼は手早く周囲の枯れ木を集めると、慣れた手つきで火をおこした。パチパチと音を立てて燃え上がる炎が、冷えた体に温もりをくれる。
夜の荒野は、底知れない闇と静寂に包まれていた。時折聞こえる獣の遠吠えが、私の不安を煽る。
「怖いですか」
火の向こう側で、ギルバートが静かに尋ねた。彼の黄金の瞳が、炎の光を映して揺れている。
「……少しだけ」
私が正直に答えると、彼は立ち上がって私の隣に座った。そして、自分の外套を私の肩にそっとかけてくれる。
「私がついています。どんな魔獣が現れようと、貴女様には指一本触れさせません」
その力強い言葉と、肩にかかる確かな重み。それだけで、私の心から恐怖がすうっと消えていくのを感じた。
彼は私のために、狩りで仕留めた兎で温かいスープを作ってくれた。塩だけの素朴な味付けだったが、冷え切った体に染み渡るように美味しかった。王宮で食べたどんな豪華な料理よりも、ずっと心が満たされる味だった。
「どうして……」
スープを飲み干したあと、私はずっと胸の中にあった疑問を口にした。
「どうして、ここまでしてくださるのですか。あなたの輝かしい未来を全て捨ててまで」
ギルバートは少しの間、燃え盛る炎を見つめていた。やがて、彼はゆっくりと口を開いた。
「未来、ですか。私にとっての輝かしい未来とは、地位や名誉のことではありません」
彼の視線が、私に向けられる。その真摯な眼差しに、私は心臓が小さく跳ねるのを感じた。
「私はずっと、貴女様を見ておりました。書庫で古い本を熱心に読まれる姿を。庭の隅で、誰にも気づかれずに枯れかけていた花に、そっと力を与えていた姿を。そして、厨房でつまみ食いをしたと濡れ衣を着せられた幼い侍女を、身を挺して庇った姿を」
それは、私自身も忘れかけていたような、ささやかな出来事だった。誰も見ていないと思っていた。誰にも、評価されることのない行いだと思っていた。
「アリシア様。貴女様の優しさと気高さを、私は知っています。それこそが、この世界で最も尊いものだと信じています。だから、私は貴女様にお仕えすると決めたのです。地位も名誉も、貴女様という存在に比べれば、塵芥にも等しい」
彼の言葉は、乾いた大地に染み込む雨のように、私の固く閉ざされた心に優しく浸透していった。十七年間、誰からも認められず、『雑草』と蔑まれてきた私。その私を、ずっと見ていてくれた人がいた。私の価値を、信じてくれる人がいた。
その事実が、凍てついていた私の心をゆっくりと溶かしていく。頬を、温かい雫が伝った。それは、情けなさや悲しみから流れる涙ではなかった。
「ありがとう……ございます」
私は、ようやくそれだけを言うのが精一杯だった。
その夜、私はギルバートの隣で、久しぶりに穏やかな眠りについた。
旅の過酷さは変わらない。けれど、私の心は少しずつ変わっていった。絶望だけが支配していた世界に、ギルバートという名の温かな光が灯ったのだ。
彼と二人で歩むこの道が、たとえどれほど険しくとも。
もう、私は一人ではない。
その確信が、私に前を向いて歩き続ける力を与えてくれた。
辺境の地は、もうすぐそこまで迫っていた。
157
あなたにおすすめの小説
夫が愛人を離れに囲っているようなので、私も念願の猫様をお迎えいたします
葉柚
恋愛
ユフィリア・マーマレード伯爵令嬢は、婚約者であるルードヴィッヒ・コンフィチュール辺境伯と無事に結婚式を挙げ、コンフィチュール伯爵夫人となったはずであった。
しかし、ユフィリアの夫となったルードヴィッヒはユフィリアと結婚する前から離れの屋敷に愛人を住まわせていたことが使用人たちの口から知らされた。
ルードヴィッヒはユフィリアには目もくれず、離れの屋敷で毎日過ごすばかり。結婚したというのにユフィリアはルードヴィッヒと簡単な挨拶は交わしてもちゃんとした言葉を交わすことはなかった。
ユフィリアは決意するのであった。
ルードヴィッヒが愛人を離れに囲うなら、自分は前々からお迎えしたかった猫様を自室に迎えて愛でると。
だが、ユフィリアの決意をルードヴィッヒに伝えると思いもよらぬ事態に……。
あ、すみません。私が見ていたのはあなたではなく、別の方です。
秋月一花
恋愛
「すまないね、レディ。僕には愛しい婚約者がいるんだ。そんなに見つめられても、君とデートすることすら出来ないんだ」
「え? 私、あなたのことを見つめていませんけれど……?」
「なにを言っているんだい、さっきから熱い視線をむけていたじゃないかっ」
「あ、すみません。私が見ていたのはあなたではなく、別の方です」
あなたの護衛を見つめていました。だって好きなのだもの。見つめるくらいは許して欲しい。恋人になりたいなんて身分違いのことを考えないから、それだけはどうか。
「……やっぱり今日も格好いいわ、ライナルト様」
うっとりと呟く私に、ライナルト様はぎょっとしたような表情を浮かべて――それから、
「――俺のことが怖くないのか?」
と話し掛けられちゃった! これはライナルト様とお話しするチャンスなのでは?
よーし、せめてお友達になれるようにがんばろう!
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。気長に待っててください。月2くらいで更新したいとは思ってます。
婚約破棄されたので聖獣育てて田舎に帰ったら、なぜか世界の中心になっていました
かしおり
恋愛
「アメリア・ヴァルディア。君との婚約は、ここで破棄する」
王太子ロウェルの冷酷な言葉と共に、彼は“平民出身の聖女”ノエルの手を取った。
だが侯爵令嬢アメリアは、悲しむどころか——
「では、実家に帰らせていただきますね」
そう言い残し、静かにその場を後にした。
向かった先は、聖獣たちが棲まう辺境の地。
かつて彼女が命を救った聖獣“ヴィル”が待つ、誰も知らぬ聖域だった。
魔物の侵攻、暴走する偽聖女、崩壊寸前の王都——
そして頼る者すらいなくなった王太子が頭を垂れたとき、
アメリアは静かに告げる。
「もう遅いわ。今さら後悔しても……ヴィルが許してくれないもの」
聖獣たちと共に、新たな居場所で幸せに生きようとする彼女に、
世界の運命すら引き寄せられていく——
ざまぁもふもふ癒し満載!
婚約破棄から始まる、爽快&優しい異世界スローライフファンタジー!
完璧すぎると言われ婚約破棄された令嬢、冷徹公爵と白い結婚したら選ばれ続けました
鷹 綾
恋愛
「君は完璧すぎて、可愛げがない」
その理不尽な理由で、王都の名門令嬢エリーカは婚約を破棄された。
努力も実績も、すべてを否定された――はずだった。
だが彼女は、嘆かなかった。
なぜなら婚約破棄は、自由の始まりだったから。
行き場を失ったエリーカを迎え入れたのは、
“冷徹”と噂される隣国の公爵アンクレイブ。
条件はただ一つ――白い結婚。
感情を交えない、合理的な契約。
それが最善のはずだった。
しかし、エリーカの有能さは次第に国を変え、
彼女自身もまた「役割」ではなく「選択」で生きるようになる。
気づけば、冷徹だった公爵は彼女を誰よりも尊重し、
誰よりも守り、誰よりも――選び続けていた。
一方、彼女を捨てた元婚約者と王都は、
エリーカを失ったことで、静かに崩れていく。
婚約破棄ざまぁ×白い結婚×溺愛。
完璧すぎる令嬢が、“選ばれる側”から“選ぶ側”へ。
これは、復讐ではなく、
選ばれ続ける未来を手に入れた物語。
---
「何の取り柄もない姉より、妹をよこせ」と婚約破棄されましたが、妹を守るためなら私は「国一番の淑女」にでも這い上がってみせます
放浪人
恋愛
「何の取り柄もない姉はいらない。代わりに美しい妹をよこせ」
没落伯爵令嬢のアリアは、婚約者からそう告げられ、借金のカタに最愛の妹を奪われそうになる。 絶望の中、彼女が頼ったのは『氷の公爵』と恐れられる冷徹な男、クラウスだった。
「私の命、能力、生涯すべてを差し上げます。だから金を貸してください!」
妹を守るため、悪魔のような公爵と契約を結んだアリア。 彼女に課せられたのは、地獄のような淑女教育と、危険な陰謀が渦巻く社交界への潜入だった。 しかし、アリアは持ち前の『瞬間記憶能力』と『度胸』を武器に覚醒する。
自分を捨てた元婚約者を論破して地獄へ叩き落とし、意地悪なライバル令嬢を返り討ちにし、やがては国の危機さえも救う『国一番の淑女』へと駆け上がっていく!
一方、冷酷だと思われていた公爵は、泥の中でも強く咲くアリアの姿に心を奪われ――? 「お前がいない世界など不要だ」 契約から始まった関係が、やがて国中を巻き込む極上の溺愛へと変わる。
地味で無能と呼ばれた令嬢が、最強の旦那様と幸せを掴み取る、痛快・大逆転シンデレラストーリー!
【完結】「異世界に召喚されたら聖女を名乗る女に冤罪をかけられ森に捨てられました。特殊スキルで育てたリンゴを食べて生き抜きます」
まほりろ
恋愛
※小説家になろう「異世界転生ジャンル」日間ランキング9位!2022/09/05
仕事からの帰り道、近所に住むセレブ女子大生と一緒に異世界に召喚された。
私たちを呼び出したのは中世ヨーロッパ風の世界に住むイケメン王子。
王子は美人女子大生に夢中になり彼女を本物の聖女と認定した。
冴えない見た目の私は、故郷で女子大生を脅迫していた冤罪をかけられ追放されてしまう。
本物の聖女は私だったのに……。この国が困ったことになっても助けてあげないんだから。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※小説家になろう先行投稿。カクヨム、エブリスタにも投稿予定。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
地味令嬢を見下した元婚約者へ──あなたの国、今日滅びますわよ
タマ マコト
ファンタジー
王都の片隅にある古びた礼拝堂で、静かに祈りと針仕事を続ける地味な令嬢イザベラ・レーン。
灰色の瞳、色褪せたドレス、目立たない声――誰もが彼女を“無害な聖女気取り”と笑った。
だが彼女の指先は、ただ布を縫っていたのではない。祈りの糸に、前世の記憶と古代詠唱を縫い込んでいた。
ある夜、王都の大広間で開かれた舞踏会。
婚約者アルトゥールは、人々の前で冷たく告げる――「君には何の価値もない」。
嘲笑の中で、イザベラはただ微笑んでいた。
その瞳の奥で、何かが静かに目覚めたことを、誰も気づかないまま。
翌朝、追放の命が下る。
砂埃舞う道を進みながら、彼女は古びた巻物の一節を指でなぞる。
――“真実を映す者、偽りを滅ぼす”
彼女は祈る。けれど、その祈りはもう神へのものではなかった。
地味令嬢と呼ばれた女が、国そのものに裁きを下す最初の一歩を踏み出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる