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第五十九話 女王の器
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王国軍の長い隊列が地平線の彼方へと消えていく。その最後尾が見えなくなるまで、私たちは丘の上から静かに見送っていた。彼らが去った後のエデンには、戦いの痕跡と、そして膨大な量の戦利品だけが残されていた。
「信じられねえ……本当に勝っちまったんだな」
バルトが、目の前に積まれた王国軍の武具の山を見下ろし、夢でも見ているかのような顔で呟いた。彼の隣ではガンツが鹵獲した剣を手に取り、その品質を職人の厳しい目つきで検分している。
「ふん、王国の鍛冶職人の腕も大したことねえな。これならワシが作った方がよっぽどマシだ」
広場では、村人たちが総出で戦後処理にあたっていた。手に入れた兵糧は食料庫へ、馬は新設された厩舎へと運ばれていく。皆の顔には勝利の喜びと、故郷を守り抜いたという確かな誇りが浮かんでいた。
しかし、その中にあってバルトはどこか腑に落ちないという表情をしていた。彼は片付けの手を休め、私の元へとやってきた。
「女王陛下。一つ、お聞きしてもよろしいですかい」
「何でしょう、バルトさん」
「なぜ、あいつらに食料まで分け与えたんですか。奴らは俺たちを皆殺しにしようとした連中です。情けをかける必要なんて、どこにもなかったはずだ。あれじゃあ、まるで敵に塩を送るようなもんじゃありませんか」
彼の疑問はもっともだった。村人の中にも、同じように感じている者は少なくないだろう。
その問いに答えたのは、私の隣に控えていたギルバートだった。
「あれは塩ではない。未来への種蒔きだ」
彼の声は静かだったが、確信に満ちていた。
「力でねじ伏せ全てを奪い取れば、彼らの心には我々への憎しみだけが残る。だが、女王陛下は彼らに慈悲を与えた。飢えた者に温かい食事を与え、無事に故郷へ帰る道を示された。彼らの心に蒔かれたのは憎しみではなく、畏敬と感謝の念だ。その種が、いずれどのように芽吹くか……楽しみではないか」
ギルバートの言葉に、バルトははっとしたように目を見開いた。彼はただ目の前の勝利しか見ていなかった。しかし、アリシアとギルバートは、そのさらに先、国家間の未来を見据えていたのだ。
「……敵わねえや。あんたたちには、全く」
バルトはそう言うと、大きな手で自分の頭をがしがしと掻き、照れくさそうに笑った。
その頃、エデンを後にした王国軍の撤退路は重苦しい沈黙に包まれていた。
兵士たちは、誰一人として口を開こうとしない。敗戦の屈辱と総大将を失った混乱、そして疲労が、彼らの心を鉛のように重くしていた。
日が暮れ野営の準備が始まると、兵士たちは配給された食事を手に小さな焚き火を囲んだ。それは、エデンで与えられた、まだ温かいパンとスープだった。
一人の若い兵士が、パンをちぎって口に運んだ。そして、そのあまりの美味しさに驚きの声を上げた。
「……美味い。こんなに美味いパン、生まれて初めて食ったかもしれねえ」
その一言が、他の兵士たちの口を開かせた。
「ああ。スープも、野菜の味がしっかりしてやがる。王宮で食わされるメシより、よっぽど心がこもってる」
「なあ、俺たち、本当に魔女と戦ってたのか?」
別の兵士がぽつりと呟いた。
「俺が見た女王様は、まるで聖女様みたいに美しくて、慈悲深いお方だったぞ。俺たちが怪我をしなかったのも、あの騎士様が刃を使わなかったからだ」
「それに比べて、アラン王子は……」
誰かがそう言いかけると、皆、気まずそうに口をつぐんだ。しかし、その沈黙は誰よりも雄弁に彼らの不満を物語っていた。
自分たちを駒としか見ず無謀な突撃を命じた王子。
敵である自分たちに温かい食事を与え、無事に帰してくれた女王。
どちらが、真に民を思う為政者の器か。その答えは、誰の目にも明らかだった。
隊列の後方、馬上で揺られながら副官の老将軍もまた、深く物思いに沈んでいた。
彼はアリシアの最後の処置に、ただの優しさではない、恐ろしいほどの戦略眼と為政者としての器の大きさを感じ取っていた。
(あの若き女王は、我々を武力で屈服させたのではない。心で、完全に掌握したのだ。今日、あの場で食事を与えられた兵士たちは二度と彼女に剣を向けることはあるまい。それどころか、心の中では彼女を自分たちの真の主君とさえ思い始めているやもしれん)
老将軍は空恐ろしい事実に気づいていた。
(クローデル王国はただ戦に敗れたのではない。国としての『格』で、完膚なきまでに敗北したのだ。我々は、とてつもなく恐ろしい相手を敵に回してしまった)
その予感は、すぐに現実のものとなった。
敗残兵たちが帰路の途中で立ち寄る村や町で、辺境での信じがたい出来事を語り始めたのだ。
「聞いたか? 辺境の女王様の話を」
「三千の軍勢を、一人の犠-牲者も出さずに退けたらしいぞ」
「しかも、俺たち捕虜に温かい飯まで食わせてくれたんだ!」
最初は誰もが眉唾物として聞いていたその話は、兵士たちの真剣な語り口と、彼らが口にするエデンのパンの規格外の美味さによって次第に熱を帯びた噂となって広まっていった。
『辺境の魔女』という不吉な噂は、いつしか『慈悲深き銀髪の女王』という神話のような物語へと姿を変えていた。
その噂は、行商人や旅人たちの口を通して風のように大陸の隅々へと伝播していく。
やがて、その評判はクローデル王国の宮廷にも届くことになる。しかし、その時、王国がどれほどの衝撃を受けることになるのか、まだ誰も知らなかった。
アリシアの名声は彼女自身の意図とは関係なく、大陸中に静かに、しかし確実に広まり始めていた。
一人の女王の器の大きさが、歴史を動かす新たな潮流を生み出した瞬間だった。
「信じられねえ……本当に勝っちまったんだな」
バルトが、目の前に積まれた王国軍の武具の山を見下ろし、夢でも見ているかのような顔で呟いた。彼の隣ではガンツが鹵獲した剣を手に取り、その品質を職人の厳しい目つきで検分している。
「ふん、王国の鍛冶職人の腕も大したことねえな。これならワシが作った方がよっぽどマシだ」
広場では、村人たちが総出で戦後処理にあたっていた。手に入れた兵糧は食料庫へ、馬は新設された厩舎へと運ばれていく。皆の顔には勝利の喜びと、故郷を守り抜いたという確かな誇りが浮かんでいた。
しかし、その中にあってバルトはどこか腑に落ちないという表情をしていた。彼は片付けの手を休め、私の元へとやってきた。
「女王陛下。一つ、お聞きしてもよろしいですかい」
「何でしょう、バルトさん」
「なぜ、あいつらに食料まで分け与えたんですか。奴らは俺たちを皆殺しにしようとした連中です。情けをかける必要なんて、どこにもなかったはずだ。あれじゃあ、まるで敵に塩を送るようなもんじゃありませんか」
彼の疑問はもっともだった。村人の中にも、同じように感じている者は少なくないだろう。
その問いに答えたのは、私の隣に控えていたギルバートだった。
「あれは塩ではない。未来への種蒔きだ」
彼の声は静かだったが、確信に満ちていた。
「力でねじ伏せ全てを奪い取れば、彼らの心には我々への憎しみだけが残る。だが、女王陛下は彼らに慈悲を与えた。飢えた者に温かい食事を与え、無事に故郷へ帰る道を示された。彼らの心に蒔かれたのは憎しみではなく、畏敬と感謝の念だ。その種が、いずれどのように芽吹くか……楽しみではないか」
ギルバートの言葉に、バルトははっとしたように目を見開いた。彼はただ目の前の勝利しか見ていなかった。しかし、アリシアとギルバートは、そのさらに先、国家間の未来を見据えていたのだ。
「……敵わねえや。あんたたちには、全く」
バルトはそう言うと、大きな手で自分の頭をがしがしと掻き、照れくさそうに笑った。
その頃、エデンを後にした王国軍の撤退路は重苦しい沈黙に包まれていた。
兵士たちは、誰一人として口を開こうとしない。敗戦の屈辱と総大将を失った混乱、そして疲労が、彼らの心を鉛のように重くしていた。
日が暮れ野営の準備が始まると、兵士たちは配給された食事を手に小さな焚き火を囲んだ。それは、エデンで与えられた、まだ温かいパンとスープだった。
一人の若い兵士が、パンをちぎって口に運んだ。そして、そのあまりの美味しさに驚きの声を上げた。
「……美味い。こんなに美味いパン、生まれて初めて食ったかもしれねえ」
その一言が、他の兵士たちの口を開かせた。
「ああ。スープも、野菜の味がしっかりしてやがる。王宮で食わされるメシより、よっぽど心がこもってる」
「なあ、俺たち、本当に魔女と戦ってたのか?」
別の兵士がぽつりと呟いた。
「俺が見た女王様は、まるで聖女様みたいに美しくて、慈悲深いお方だったぞ。俺たちが怪我をしなかったのも、あの騎士様が刃を使わなかったからだ」
「それに比べて、アラン王子は……」
誰かがそう言いかけると、皆、気まずそうに口をつぐんだ。しかし、その沈黙は誰よりも雄弁に彼らの不満を物語っていた。
自分たちを駒としか見ず無謀な突撃を命じた王子。
敵である自分たちに温かい食事を与え、無事に帰してくれた女王。
どちらが、真に民を思う為政者の器か。その答えは、誰の目にも明らかだった。
隊列の後方、馬上で揺られながら副官の老将軍もまた、深く物思いに沈んでいた。
彼はアリシアの最後の処置に、ただの優しさではない、恐ろしいほどの戦略眼と為政者としての器の大きさを感じ取っていた。
(あの若き女王は、我々を武力で屈服させたのではない。心で、完全に掌握したのだ。今日、あの場で食事を与えられた兵士たちは二度と彼女に剣を向けることはあるまい。それどころか、心の中では彼女を自分たちの真の主君とさえ思い始めているやもしれん)
老将軍は空恐ろしい事実に気づいていた。
(クローデル王国はただ戦に敗れたのではない。国としての『格』で、完膚なきまでに敗北したのだ。我々は、とてつもなく恐ろしい相手を敵に回してしまった)
その予感は、すぐに現実のものとなった。
敗残兵たちが帰路の途中で立ち寄る村や町で、辺境での信じがたい出来事を語り始めたのだ。
「聞いたか? 辺境の女王様の話を」
「三千の軍勢を、一人の犠-牲者も出さずに退けたらしいぞ」
「しかも、俺たち捕虜に温かい飯まで食わせてくれたんだ!」
最初は誰もが眉唾物として聞いていたその話は、兵士たちの真剣な語り口と、彼らが口にするエデンのパンの規格外の美味さによって次第に熱を帯びた噂となって広まっていった。
『辺境の魔女』という不吉な噂は、いつしか『慈悲深き銀髪の女王』という神話のような物語へと姿を変えていた。
その噂は、行商人や旅人たちの口を通して風のように大陸の隅々へと伝播していく。
やがて、その評判はクローデル王国の宮廷にも届くことになる。しかし、その時、王国がどれほどの衝撃を受けることになるのか、まだ誰も知らなかった。
アリシアの名声は彼女自身の意図とは関係なく、大陸中に静かに、しかし確実に広まり始めていた。
一人の女王の器の大きさが、歴史を動かす新たな潮流を生み出した瞬間だった。
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