24 / 99
第24話 リゼットの初泥水
しおりを挟む
リゼットがミストラル村の新たな住人として、そして俺の護衛として滞在することが決まった翌日のことだった。
村長は、俺の店の隣にある、長い間使われていなかった小さな空き家をリゼットの住居として提供してくれた。村人たちが総出で掃除と修繕を行い、その日のうちには一人の女性が暮らすには十分すぎるほど、快適な住まいが完成した。リゼットは、村人たちの見返りを求めない親切に、最初は戸惑いながらも、何度も深く頭を下げて感謝していた。
俺はというと、早速彼女の呪いと戦うための「武器」を準備していた。『奇跡の泥水亭』のカウンターで、創生水をいつもより多めに生成し、持ち運びやすいようにいくつかの革袋に詰める。
「リゼットさん。これを」
俺がそれを差し出すと、リゼットは真剣な顔で受け取った。
「これが、私の生命線になるのだな」
「はい。苦痛を感じ始めたら、すぐに飲んでください。一日、三回から四回が目安になるかと。正確な効果の持続時間は、まだ分かりませんが……」
「承知した。感謝する」
彼女は革袋を、まるで貴重な装備品のように腰のベルトに括り付けた。その時、店の入り口から、エリアナがひょっこりと顔を出す。彼女は、美しい銀髪の女騎士に興味津々のようだった。
「リゼットお姉ちゃん、おはよー!」
エリアナは物怖じすることなく、リゼットに駆け寄った。リゼットは、突然の子供の接近に少し驚いたように身を固くしたが、エリアナの無邪気な笑顔を前に、その表情をわずかに和らげた。
「……おはよう。エリアナ、だったか」
「うん!リゼットお姉ちゃんは、ルークお兄ちゃんの護衛なんでしょ?かっこいいね!」
エリアナが目を輝かせながら言うと、リゼットは少し照れたように視線をそらした。
「当然の務めだ」
そんな二人のやり取りを、俺は微笑ましく眺めていた。この村の温かい空気が、リゼットの凍てついた心を少しずつ溶かしてくれるといいのだが。
「さて、と」
俺は咳払いを一つすると、もう一つ、新しく創生水を満たした木の杯をリゼットの前に置いた。
「まずは、今日の分を一杯。朝のうちに飲んでおいた方がいいでしょう」
その瞬間、リゼットの表情が、ほんのわずかに、本当にごくわずかにだが、強張ったのを俺は見逃さなかった。エリアナも、木の杯の中の茶色い液体を見て、同情するような顔でリゼットを見上げている。
「……そう、だな」
リゼットは、覚悟を決めた兵士のように、ゆっくりと杯を手に取った。昨日、あれほどの状況下で飲んだ時とは訳が違う。これから毎日、この得体の知れない液体を飲み続けなければならないのだ。
彼女は杯を口元へ運び、一瞬だけ動きを止めた。独特の土の香りが、彼女の騎士としての鋭い嗅覚を刺激したのだろう。そのサファイアのような瞳が、かすかに揺れる。
「……」
意を決したように、彼女は杯を傾け、その中身を一気に呷った。喉が、ごくりと鳴る。
次の瞬間、奇跡が起きた。
いや、奇跡ではない。誰もが予想し、そして心のどこかで期待していた通りの反応が、彼女の身に起きたのだ。
今までどんな時も表情を崩さなかった、あの鉄面皮のリゼット・フォン・アイゼン。その整った顔が、ぐにゃり、と歪んだ。
目は大きく見開かれ、信じられない、という驚愕の色に染まっている。眉間には深い皺が刻まれ、血の気の引いた唇はわなわなと震えていた。
「……っ!?!?!?」
声にならない悲鳴が、彼女の喉から漏れ出ている。彼女は杯をカウンターに置こうとするが、その手は震え、ガチャン!と大きな音を立てて取り落としてしまった。
「な……な……」
彼女は口元を押さえ、必死にこみ上げてくる何かと戦っている。その姿は、もはや誇り高き女騎士ではなく、未知の味覚テロに遭遇した、ただの一人の被害者だった。
「こ、これは……なんだ……!?泥……いや、それ以上の……何か……概念的な……まずさが……脳を、直接……!」
彼女の口から紡がれる言葉は、もはや意味をなしていなかった。その青い瞳からは、生理的な涙が滲み出ている。
昨日、あれほど平静を装っていたのは、やはり極限状態だったからなのだろう。冷静な状態で改めて味わった創生水の味は、彼女の許容量を遥かに超えていた。
その光景を見て、エリアナがけらけらと笑い出した。
「あはは!リゼットお姉ちゃん、変な顔ー!」
「う、うるさい……!こ、これは……訓練だ……!」
リゼットは必死に虚勢を張るが、その声は完全に裏返っている。俺は苦笑しながら、水差しと新しい杯を彼女の前に置いた。
「どうぞ、お口直しに。……すみません、こればっかりは、どうにもならなくて」
「……」
リゼットは恨めしそうな目で俺を睨むと、水差しをひったくるように掴み、がぶがぶと水を飲み始めた。その姿には、かつての威厳は微塵もなかった。
「ふぅ……ふぅ……」
水を飲み干し、ようやく人心地ついたリゼットは、ぜえぜえと肩で息をしていた。その額には、玉のような汗がびっしりと浮かんでいる。
「……ルーク。一つ、聞かせろ」
「はい、なんでしょう」
「お前は……これを、毎日飲んでいるのか……?」
その問いは、心からの畏敬と、ほんの少しの恐怖を含んでいた。
「ええ、まあ。健康のために」
俺が平然と答えると、リゼットは「そうか……」とだけ呟き、何かとんでもない怪物を見るような目で俺を見つめた。彼女の中で、俺の評価がまた一つ、おかしな方向に上がってしまったらしい。
エリアナが、そんなリゼットの袖をちょいちょいと引っ張った。
「リゼットお姉ちゃん、大丈夫?でもね、お兄ちゃんのお水は、苦いけど、すっごく効くんだよ!だから、頑張って!」
子供からの純粋な励ましに、リゼットは複雑な表情を浮かべた。そして、はあ、と深いため息をつくと、観念したように頷いた。
「……ああ。分かっている。これも、呪いを解くためだ。耐えねば、ならん」
彼女はそう自分に言い聞かせるように呟くと、ゆっくりと立ち上がった。その足取りは、まだ少しだけおぼつかない。
「では、私は村の周辺の警備にあたる。それが、私の仕事だ」
「お願いします。気をつけて」
リゼットは一つ頷くと、少しふらつきながらも店を出て行った。その背中は、強敵との戦いを終えた後のように、どこか疲弊しているように見えた。
「リゼットお姉ちゃん、面白かったね!」
エリアナが、まだくすくすと笑っている。俺も、思わず笑みがこぼれた。
リゼット・フォン・アイゼン。元王国騎士団の、誇り高き女騎士。彼女がこのミストラル村で最初に戦うことになった敵は、邪教徒でも魔物でもなく、俺の作る、とてつもなく不味いポーションだった。
俺は、そんな彼女との奇妙な共同生活が、これからどんな日々を紡いでいくのかに、少しだけ期待している自分に気づいた。カウンターの隅で、エリアナの笑い声が、いつまでも明るく響いていた。
村長は、俺の店の隣にある、長い間使われていなかった小さな空き家をリゼットの住居として提供してくれた。村人たちが総出で掃除と修繕を行い、その日のうちには一人の女性が暮らすには十分すぎるほど、快適な住まいが完成した。リゼットは、村人たちの見返りを求めない親切に、最初は戸惑いながらも、何度も深く頭を下げて感謝していた。
俺はというと、早速彼女の呪いと戦うための「武器」を準備していた。『奇跡の泥水亭』のカウンターで、創生水をいつもより多めに生成し、持ち運びやすいようにいくつかの革袋に詰める。
「リゼットさん。これを」
俺がそれを差し出すと、リゼットは真剣な顔で受け取った。
「これが、私の生命線になるのだな」
「はい。苦痛を感じ始めたら、すぐに飲んでください。一日、三回から四回が目安になるかと。正確な効果の持続時間は、まだ分かりませんが……」
「承知した。感謝する」
彼女は革袋を、まるで貴重な装備品のように腰のベルトに括り付けた。その時、店の入り口から、エリアナがひょっこりと顔を出す。彼女は、美しい銀髪の女騎士に興味津々のようだった。
「リゼットお姉ちゃん、おはよー!」
エリアナは物怖じすることなく、リゼットに駆け寄った。リゼットは、突然の子供の接近に少し驚いたように身を固くしたが、エリアナの無邪気な笑顔を前に、その表情をわずかに和らげた。
「……おはよう。エリアナ、だったか」
「うん!リゼットお姉ちゃんは、ルークお兄ちゃんの護衛なんでしょ?かっこいいね!」
エリアナが目を輝かせながら言うと、リゼットは少し照れたように視線をそらした。
「当然の務めだ」
そんな二人のやり取りを、俺は微笑ましく眺めていた。この村の温かい空気が、リゼットの凍てついた心を少しずつ溶かしてくれるといいのだが。
「さて、と」
俺は咳払いを一つすると、もう一つ、新しく創生水を満たした木の杯をリゼットの前に置いた。
「まずは、今日の分を一杯。朝のうちに飲んでおいた方がいいでしょう」
その瞬間、リゼットの表情が、ほんのわずかに、本当にごくわずかにだが、強張ったのを俺は見逃さなかった。エリアナも、木の杯の中の茶色い液体を見て、同情するような顔でリゼットを見上げている。
「……そう、だな」
リゼットは、覚悟を決めた兵士のように、ゆっくりと杯を手に取った。昨日、あれほどの状況下で飲んだ時とは訳が違う。これから毎日、この得体の知れない液体を飲み続けなければならないのだ。
彼女は杯を口元へ運び、一瞬だけ動きを止めた。独特の土の香りが、彼女の騎士としての鋭い嗅覚を刺激したのだろう。そのサファイアのような瞳が、かすかに揺れる。
「……」
意を決したように、彼女は杯を傾け、その中身を一気に呷った。喉が、ごくりと鳴る。
次の瞬間、奇跡が起きた。
いや、奇跡ではない。誰もが予想し、そして心のどこかで期待していた通りの反応が、彼女の身に起きたのだ。
今までどんな時も表情を崩さなかった、あの鉄面皮のリゼット・フォン・アイゼン。その整った顔が、ぐにゃり、と歪んだ。
目は大きく見開かれ、信じられない、という驚愕の色に染まっている。眉間には深い皺が刻まれ、血の気の引いた唇はわなわなと震えていた。
「……っ!?!?!?」
声にならない悲鳴が、彼女の喉から漏れ出ている。彼女は杯をカウンターに置こうとするが、その手は震え、ガチャン!と大きな音を立てて取り落としてしまった。
「な……な……」
彼女は口元を押さえ、必死にこみ上げてくる何かと戦っている。その姿は、もはや誇り高き女騎士ではなく、未知の味覚テロに遭遇した、ただの一人の被害者だった。
「こ、これは……なんだ……!?泥……いや、それ以上の……何か……概念的な……まずさが……脳を、直接……!」
彼女の口から紡がれる言葉は、もはや意味をなしていなかった。その青い瞳からは、生理的な涙が滲み出ている。
昨日、あれほど平静を装っていたのは、やはり極限状態だったからなのだろう。冷静な状態で改めて味わった創生水の味は、彼女の許容量を遥かに超えていた。
その光景を見て、エリアナがけらけらと笑い出した。
「あはは!リゼットお姉ちゃん、変な顔ー!」
「う、うるさい……!こ、これは……訓練だ……!」
リゼットは必死に虚勢を張るが、その声は完全に裏返っている。俺は苦笑しながら、水差しと新しい杯を彼女の前に置いた。
「どうぞ、お口直しに。……すみません、こればっかりは、どうにもならなくて」
「……」
リゼットは恨めしそうな目で俺を睨むと、水差しをひったくるように掴み、がぶがぶと水を飲み始めた。その姿には、かつての威厳は微塵もなかった。
「ふぅ……ふぅ……」
水を飲み干し、ようやく人心地ついたリゼットは、ぜえぜえと肩で息をしていた。その額には、玉のような汗がびっしりと浮かんでいる。
「……ルーク。一つ、聞かせろ」
「はい、なんでしょう」
「お前は……これを、毎日飲んでいるのか……?」
その問いは、心からの畏敬と、ほんの少しの恐怖を含んでいた。
「ええ、まあ。健康のために」
俺が平然と答えると、リゼットは「そうか……」とだけ呟き、何かとんでもない怪物を見るような目で俺を見つめた。彼女の中で、俺の評価がまた一つ、おかしな方向に上がってしまったらしい。
エリアナが、そんなリゼットの袖をちょいちょいと引っ張った。
「リゼットお姉ちゃん、大丈夫?でもね、お兄ちゃんのお水は、苦いけど、すっごく効くんだよ!だから、頑張って!」
子供からの純粋な励ましに、リゼットは複雑な表情を浮かべた。そして、はあ、と深いため息をつくと、観念したように頷いた。
「……ああ。分かっている。これも、呪いを解くためだ。耐えねば、ならん」
彼女はそう自分に言い聞かせるように呟くと、ゆっくりと立ち上がった。その足取りは、まだ少しだけおぼつかない。
「では、私は村の周辺の警備にあたる。それが、私の仕事だ」
「お願いします。気をつけて」
リゼットは一つ頷くと、少しふらつきながらも店を出て行った。その背中は、強敵との戦いを終えた後のように、どこか疲弊しているように見えた。
「リゼットお姉ちゃん、面白かったね!」
エリアナが、まだくすくすと笑っている。俺も、思わず笑みがこぼれた。
リゼット・フォン・アイゼン。元王国騎士団の、誇り高き女騎士。彼女がこのミストラル村で最初に戦うことになった敵は、邪教徒でも魔物でもなく、俺の作る、とてつもなく不味いポーションだった。
俺は、そんな彼女との奇妙な共同生活が、これからどんな日々を紡いでいくのかに、少しだけ期待している自分に気づいた。カウンターの隅で、エリアナの笑い声が、いつまでも明るく響いていた。
121
あなたにおすすめの小説
「男のくせに料理なんて」と笑われたけど、今やギルドの胃袋を支えてます。
柊
ファンタジー
「顔も頭も平凡で何の役にも立たない」とグリュメ家を追放されたボルダン。
辿り着いたのはギルド食堂。そこで今まで培った料理の腕を発揮し……。
※複数のサイトに投稿しています。
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
「お前は無能だ」と追放した勇者パーティ、俺が抜けた3秒後に全滅したらしい
夏見ナイ
ファンタジー
【荷物持ち】のアッシュは、勇者パーティで「無能」と罵られ、ダンジョン攻略の直前に追放されてしまう。だが彼がいなくなった3秒後、勇者パーティは罠と奇襲で一瞬にして全滅した。
彼らは知らなかったのだ。アッシュのスキル【運命肩代わり】が、パーティに降りかかる全ての不運や即死攻撃を、彼の些細なドジに変換して無効化していたことを。
そんなこととは露知らず、念願の自由を手にしたアッシュは辺境の村で穏やかなスローライフを開始。心優しいエルフやドワーフの仲間にも恵まれ、幸せな日々を送る。
しかし、勇者を失った王国に魔族と内通する宰相の陰謀が迫る。大切な居場所を守るため、無能と蔑まれた男は、その規格外の“幸運”で理不尽な運命に立ち向かう!
無能扱いされた実は万能な武器職人、Sランクパーティーに招かれる~理不尽な理由でパーティーから追い出されましたが、恵まれた新天地で頑張ります~
詩葉 豊庸(旧名:堅茹でパスタ)
ファンタジー
鍛冶職人が武器を作り、提供する……なんてことはもう古い時代。
現代のパーティーには武具生成を役目とするクリエイターという存在があった。
アレンはそんなクリエイターの一人であり、彼もまたとある零細パーティーに属していた。
しかしアレンはパーティーリーダーのテリーに理不尽なまでの要望を突きつけられる日常を送っていた。
本当は彼の適性に合った武器を提供していたというのに……
そんな中、アレンの元に二人の少女が歩み寄ってくる。アレンは少女たちにパーティーへのスカウトを受けることになるが、後にその二人がとんでもない存在だったということを知る。
後日、アレンはテリーの裁量でパーティーから追い出されてしまう。
だが彼はクビを宣告されても何とも思わなかった。
むしろ、彼にとってはこの上なく嬉しいことだった。
これは万能クリエイター(本人は自覚無し)が最高の仲間たちと紡ぐ冒険の物語である。
【状態異常無効】の俺、呪われた秘境に捨てられたけど、毒沼はただの温泉だし、呪いの果実は極上の美味でした
夏見ナイ
ファンタジー
支援術師ルインは【状態異常無効】という地味なスキルしか持たないことから、パーティを追放され、生きては帰れない『魔瘴の森』に捨てられてしまう。
しかし、彼にとってそこは楽園だった!致死性の毒沼は極上の温泉に、呪いの果実は栄養満点の美味に。唯一無二のスキルで死の土地を快適な拠点に変え、自由気ままなスローライフを満喫する。
やがて呪いで石化したエルフの少女を救い、もふもふの神獣を仲間に加え、彼の楽園はさらに賑やかになっていく。
一方、ルインを捨てた元パーティは崩壊寸前で……。
これは、追放された青年が、意図せず世界を救う拠点を作り上げてしまう、勘違い無自覚スローライフ・ファンタジー!
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
婚約破棄&濡れ衣で追放された聖女ですが、辺境で育成スキルの真価を発揮!無骨で不器用な最強騎士様からの溺愛が止まりません!
黒崎隼人
ファンタジー
「君は偽りの聖女だ」――。
地味な「育成」の力しか持たない伯爵令嬢エルナは、婚約者である王太子にそう断じられ、すべてを奪われた。聖女の地位、婚約者、そして濡れ衣を着せられ追放された先は、魔物が巣食う極寒の辺境の地。
しかし、絶望の淵で彼女は自身の力の本当の価値を知る。凍てついた大地を緑豊かな楽園へと変える「育成」の力。それは、飢えた人々の心と体を癒す、真の聖女の奇跡だった。
これは、役立たずと蔑まれた少女が、無骨で不器用な「氷壁の騎士」ガイオンの揺るぎない愛に支えられ、辺境の地でかけがえのない居場所と幸せを見つける、心温まる逆転スローライフ・ファンタジー。
王都が彼女の真価に気づいた時、もう遅い。最高のざまぁと、とろけるほど甘い溺愛が、ここにある。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる