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第34話 解呪の儀式
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俺たちがミストラル村に帰り着いたのは、朝日が村の屋根を黄金色に染め上げる頃だった。
『迷いの森』へ向かう俺たちを心配し、ほとんど眠らずに待っていた村人たちは、三人の無事な姿を認めると、わっと歓声を上げた。エリアナが、目に涙を浮かべながら真っ先に駆け寄ってきて、俺の腰に抱きついてくる。
「お兄ちゃん!リゼットお姉ちゃん!ノエルお姉ちゃん!おかえりなさい!」
「ただいま、エリアナ。心配かけたな」
俺は彼女の頭を撫でながら、村人たちの温かい出迎えに胸が熱くなるのを感じた。村長やマルタさんも、安堵の表情で俺たちを迎えてくれた。
「おお、ルーク殿!ご無事で何よりじゃ!」
「して、森の賢者様にはお会いできたのか?解呪の手がかりは……」
村長の問いに、ノエルがにこりと笑って、胸に抱えていた水晶の小箱を掲げてみせた。箱の中で、月光草の花が青白い光を放っている。
その光を見た瞬間、村人たちの間に再びどよめきが広がった。誰もが、それがリゼットを救う希望の光であることを、直感的に理解したのだ。
「さあ、休んでいる暇はないよ」
ノエルは、興奮する村人たちを制するように言った。
「月光草の効果が薄れないうちに、すぐに調薬を始める。リゼット、君は体を清めて、儀式の準備を。ルーク、君には私の助手をお願いするよ」
彼女の的確な指示に、俺たちは頷き、すぐに行動を開始した。
解呪の儀式の舞台は、俺の『奇跡の泥水亭』に決まった。村人たちが総出で店の中を清め、中央に儀式用の祭壇を設えてくれる。リゼットはマルタさんに付き添われ、沐浴のために家へと向かった。その足取りは、これから起こる奇跡への期待で、少しだけ弾んでいるように見えた。
俺は、ノエルの助手として、調薬の準備に取り掛かった。
「まず、この『銀の乳鉢』を聖水で清めて。月光草は、不純物が少しでも混じると、効果が激減しちゃうからね」
ノエルは、いつものマイペースな雰囲気は鳴りを潜め、厳格な師のような顔つきで指示を出す。俺は言われた通り、大神殿で学んだ知識を総動員して、儀式用の道具を一つ一つ丁寧に清めていった。
準備が整うと、ノエルは水晶の小箱を祭壇の中央に置き、静かに蓋を開けた。再び姿を現した月光草の花は、朝の光の中でもその輝きを失わず、凛とした美しさを保っている。
「ここからは、時間との勝負だよ」
ノエルはそう言うと、黒曜石のナイフで、花びらを一枚一枚、慎重に切り離し始めた。そして、それを銀の乳鉢に入れ、特殊な石でできた乳棒で、ゆっくりとすり潰していく。
すると、花びらは砕けるのではなく、溶けるようにして青白い液体へと変化していった。乳鉢の中には、まるで月の光そのものを溶かし込んだかのような、美しい液体が溜まっていく。周囲には、清涼で、神聖な香りが立ち込めた。
「ルーク、君の水を」
ノエルの声に、俺は準備しておいた、高濃度の創生水を差し出した。銀色の粒子がきらめく、決戦の時に使ったものと同じ、特別な水だ。
ノエルはそれを少量、乳鉢に注ぎ入れた。すると、青白い液体と茶色い液体が混じり合い、渦を巻いて、やがて全体が淡い黄金色の輝きを放つ液体へと変化した。月光草の持つ「正の生命力」と、俺の「創生の力」が、完璧な形で融合した瞬間だった。
「……できた」
ノエルが、額の汗を拭って呟いた。目の前には、黄金色に輝く、一杯分の霊薬。これが、リゼットを救うための、最後の切り札だ。
その時、店の扉が静かに開かれた。
体を清め、純白の簡素な衣をまとったリゼットが、マルタさんに付き添われて入ってきた。化粧を落とした彼女の素顔は、驚くほど清らかで、美しかった。その表情には、覚悟と、ほんの少しの不安が浮かんでいる。
彼女は祭壇の前に進み出ると、黄金色に輝く霊薬を、固唾をのんで見つめた。
「リゼット」
ノエルが、静かに声をかけた。
「準備はいいかい?」
リゼットは、こくりと頷いた。彼女は俺とノエル、そして見守る村人たちの顔を一人一人見回すと、静かに目を閉じた。
「私の運命を、あなたたちに託す」
その声は、穏やかだった。
ノエルは、完成した霊薬を木の杯に注ぎ、リゼットに手渡した。リゼットはそれを受け取ると、一瞬の躊躇もなく、その黄金の液体を飲み干した。
飲み干した瞬間、彼女の体から、眩いほどの黄金の光が溢れ出した。
「うっ……くぅっ……!」
リゼットは、苦痛に顔を歪め、その場に膝をついた。彼女の体の中で、二つの強大な力が、今まさに激突しているのだ。
呪われた左手から、黒い靄のようなものが立ち上り始める。それは、彼女の魂に巣食っていた呪いの本体が、追い出されようとして抵抗している証拠だった。黒い靄は、まるで生き物のように蠢き、リゼットの体に再び潜り込もうとする。
「させるか!」
ノエルが叫び、リゼットの呪われた手を掴んだ。そして、古代エルフ語で、何事かの呪文を唱え始める。それは、生命力を活性化させ、邪気を祓う、古の言霊だった。
「ルーク!今だ!君の力を、外からも!」
俺は言われるままに、リゼットの背後に回り、その両肩に手を置いた。そして、残っていた創生水の力を、全て彼女の体へと流し込んだ。
内からは月光草の薬が、外からは俺の創生の力が、そしてノエルの言霊が、三位一体となって、リゼットの魂に巣食う呪いの核を追い詰めていく。
「アアアアアアアアアッ!」
リゼットの口から、彼女自身のものとは思えない、おぞましい絶叫がほとばしった。黒い靄が、まるで実体を持つかのように凝縮し、蛇のような形となって、彼女の左手から完全に引き剥がされた。
黒い蛇は、最後の抵抗とばかりに、近くにいた俺に襲いかかろうとする。
だが、それも叶わなかった。
黄金の光が、リゼットの体から迸り、黒い蛇を包み込む。光に焼かれ、蛇は甲高い断末魔の叫びを上げながら、塵となって消滅していった。
……静寂が、戻った。
溢れ出ていた黄金の光は、ゆっくりとリゼットの体へと収束していく。俺とノエルは、息を殺して彼女を見守った。
やがて、光が完全に消えた時。
俺たちは、信じられない光景を目の当たりにした。
リゼットの左手。あの、枯れ木のように黒く変色していたはずの彼女の手が、元の、雪のように白く美しい肌を取り戻していたのだ。
呪いは、完全に消え去った。
「……あ……」
リゼットが、か細い声を漏らした。彼女は、恐る恐る、自分の左手を見つめる。指を一本一本、ゆっくりと動かしてみる。その動きは滑らかで、力強い。失われていた生命の温かさが、そこには確かに戻っていた。
「治った……。私の手が……」
彼女の瞳から、大粒の涙が、次から次へと溢れ出した。それは、絶望の涙ではない。二年もの間、彼女を縛り付けていた呪いから、完全に解放された、歓喜の涙だった。
「治ったんだ……!」
彼女は、子供のように泣きじゃくった。その場にいた村人たちも、もらい泣きしながら、温かい拍手を送っていた。
俺は、ノエルと顔を見合わせ、安堵の笑みを浮かべた。
やった。俺たちは、やったんだ。
長い、本当に長い戦いが、今、終わった。辺境の村ミストラルで起こった、小さな、しかし確かな奇跡の瞬間だった。
『迷いの森』へ向かう俺たちを心配し、ほとんど眠らずに待っていた村人たちは、三人の無事な姿を認めると、わっと歓声を上げた。エリアナが、目に涙を浮かべながら真っ先に駆け寄ってきて、俺の腰に抱きついてくる。
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「ただいま、エリアナ。心配かけたな」
俺は彼女の頭を撫でながら、村人たちの温かい出迎えに胸が熱くなるのを感じた。村長やマルタさんも、安堵の表情で俺たちを迎えてくれた。
「おお、ルーク殿!ご無事で何よりじゃ!」
「して、森の賢者様にはお会いできたのか?解呪の手がかりは……」
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その光を見た瞬間、村人たちの間に再びどよめきが広がった。誰もが、それがリゼットを救う希望の光であることを、直感的に理解したのだ。
「さあ、休んでいる暇はないよ」
ノエルは、興奮する村人たちを制するように言った。
「月光草の効果が薄れないうちに、すぐに調薬を始める。リゼット、君は体を清めて、儀式の準備を。ルーク、君には私の助手をお願いするよ」
彼女の的確な指示に、俺たちは頷き、すぐに行動を開始した。
解呪の儀式の舞台は、俺の『奇跡の泥水亭』に決まった。村人たちが総出で店の中を清め、中央に儀式用の祭壇を設えてくれる。リゼットはマルタさんに付き添われ、沐浴のために家へと向かった。その足取りは、これから起こる奇跡への期待で、少しだけ弾んでいるように見えた。
俺は、ノエルの助手として、調薬の準備に取り掛かった。
「まず、この『銀の乳鉢』を聖水で清めて。月光草は、不純物が少しでも混じると、効果が激減しちゃうからね」
ノエルは、いつものマイペースな雰囲気は鳴りを潜め、厳格な師のような顔つきで指示を出す。俺は言われた通り、大神殿で学んだ知識を総動員して、儀式用の道具を一つ一つ丁寧に清めていった。
準備が整うと、ノエルは水晶の小箱を祭壇の中央に置き、静かに蓋を開けた。再び姿を現した月光草の花は、朝の光の中でもその輝きを失わず、凛とした美しさを保っている。
「ここからは、時間との勝負だよ」
ノエルはそう言うと、黒曜石のナイフで、花びらを一枚一枚、慎重に切り離し始めた。そして、それを銀の乳鉢に入れ、特殊な石でできた乳棒で、ゆっくりとすり潰していく。
すると、花びらは砕けるのではなく、溶けるようにして青白い液体へと変化していった。乳鉢の中には、まるで月の光そのものを溶かし込んだかのような、美しい液体が溜まっていく。周囲には、清涼で、神聖な香りが立ち込めた。
「ルーク、君の水を」
ノエルの声に、俺は準備しておいた、高濃度の創生水を差し出した。銀色の粒子がきらめく、決戦の時に使ったものと同じ、特別な水だ。
ノエルはそれを少量、乳鉢に注ぎ入れた。すると、青白い液体と茶色い液体が混じり合い、渦を巻いて、やがて全体が淡い黄金色の輝きを放つ液体へと変化した。月光草の持つ「正の生命力」と、俺の「創生の力」が、完璧な形で融合した瞬間だった。
「……できた」
ノエルが、額の汗を拭って呟いた。目の前には、黄金色に輝く、一杯分の霊薬。これが、リゼットを救うための、最後の切り札だ。
その時、店の扉が静かに開かれた。
体を清め、純白の簡素な衣をまとったリゼットが、マルタさんに付き添われて入ってきた。化粧を落とした彼女の素顔は、驚くほど清らかで、美しかった。その表情には、覚悟と、ほんの少しの不安が浮かんでいる。
彼女は祭壇の前に進み出ると、黄金色に輝く霊薬を、固唾をのんで見つめた。
「リゼット」
ノエルが、静かに声をかけた。
「準備はいいかい?」
リゼットは、こくりと頷いた。彼女は俺とノエル、そして見守る村人たちの顔を一人一人見回すと、静かに目を閉じた。
「私の運命を、あなたたちに託す」
その声は、穏やかだった。
ノエルは、完成した霊薬を木の杯に注ぎ、リゼットに手渡した。リゼットはそれを受け取ると、一瞬の躊躇もなく、その黄金の液体を飲み干した。
飲み干した瞬間、彼女の体から、眩いほどの黄金の光が溢れ出した。
「うっ……くぅっ……!」
リゼットは、苦痛に顔を歪め、その場に膝をついた。彼女の体の中で、二つの強大な力が、今まさに激突しているのだ。
呪われた左手から、黒い靄のようなものが立ち上り始める。それは、彼女の魂に巣食っていた呪いの本体が、追い出されようとして抵抗している証拠だった。黒い靄は、まるで生き物のように蠢き、リゼットの体に再び潜り込もうとする。
「させるか!」
ノエルが叫び、リゼットの呪われた手を掴んだ。そして、古代エルフ語で、何事かの呪文を唱え始める。それは、生命力を活性化させ、邪気を祓う、古の言霊だった。
「ルーク!今だ!君の力を、外からも!」
俺は言われるままに、リゼットの背後に回り、その両肩に手を置いた。そして、残っていた創生水の力を、全て彼女の体へと流し込んだ。
内からは月光草の薬が、外からは俺の創生の力が、そしてノエルの言霊が、三位一体となって、リゼットの魂に巣食う呪いの核を追い詰めていく。
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……静寂が、戻った。
溢れ出ていた黄金の光は、ゆっくりとリゼットの体へと収束していく。俺とノエルは、息を殺して彼女を見守った。
やがて、光が完全に消えた時。
俺たちは、信じられない光景を目の当たりにした。
リゼットの左手。あの、枯れ木のように黒く変色していたはずの彼女の手が、元の、雪のように白く美しい肌を取り戻していたのだ。
呪いは、完全に消え去った。
「……あ……」
リゼットが、か細い声を漏らした。彼女は、恐る恐る、自分の左手を見つめる。指を一本一本、ゆっくりと動かしてみる。その動きは滑らかで、力強い。失われていた生命の温かさが、そこには確かに戻っていた。
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「治ったんだ……!」
彼女は、子供のように泣きじゃくった。その場にいた村人たちも、もらい泣きしながら、温かい拍手を送っていた。
俺は、ノエルと顔を見合わせ、安堵の笑みを浮かべた。
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