71 / 100
第71話 呪いの正体
しおりを挟む
聖女セシリアが、ついに意識を取り戻した。
その報せは瞬く間に大神殿中を駆け巡り、絶望に沈んでいた神官たちの間に大きな衝撃と歓喜の波紋を広げた。人々は奇跡が起きたと口々に噂し、聖女の私室の前には安否を気遣う神官たちが詰めかけた。
だが、俺たちは手放しで喜んではいられなかった。彼女の意識はまだ混濁しており、時折俺と短い言葉を交わせる程度。そして何より、彼女の魂を蝕む呪いの核は依然としてその身に宿ったままなのだ。
「……やはり、この呪いは普通の術式じゃない」
聖女が再び眠りに落ちた後、ノエルは彼女の体を改めて診察し、深刻な顔で呟いた。
「彼女の魂と呪いが、まるで木の根が大地に張るように深く絡み合っている。月光草のような強力な霊薬があったとしても、ただ飲ませるだけでは呪いを剥がす際に魂そのものを傷つけかねない」
その言葉は俺たちに新たな、そしてより困難な課題を突きつけた。呪いを解くだけでなく、「いかにして安全に解くか」。
「何か、特別な手順が必要だということですか」
俺が尋ねると、ノエルは頷いた。
「うん。おそらくは魂に直接干渉する高度な儀式が必要になるだろうね。それも、ただの儀式じゃない。この呪いの性質を正確に理解した上での、オーダーメイドの儀式だ」
呪いの性質。それを知るためには、呪いをかけた張本人――『奈落の蛇』の目的と、彼らが使う術式の詳細を知る必要があった。
その時、部屋の扉が静かに開かれ、リゼットが入ってきた。彼女は、大神殿の警備体制の見直しと内部調査の指揮を執っていた。その顔には疲労の色が浮かんでいる。
「……少し、分かったことがある」
彼女は俺とノエルに向き直ると、低い声で報告を始めた。
「この大神殿の地下には、神官長ですら存在を知らなかった隠された通路があった。それは王都の地下水路へと繋がっており、そこからなら誰にも気づかれずに神殿内部へ侵入することが可能だ」
「やはり、抜け穴があったか」
ノエルが眉をひそめる。
「ああ。そして、その通路の入り口は普段は使われていない古い礼拝堂の地下にあった。そこからは微かだが奴らと同じ邪悪な魔力の残滓が感じられた。おそらく、奴らはそこから侵入し聖女様に呪いをかけたのだろう」
リゼットの調査は着実に成果を上げていた。だが、問題はなぜ警備の厳しい大神殿の、そんな隠し通路の存在を邪教徒たちが知り得たのかということだ。
「……内部に、協力者がいる可能性が高い」
リゼットは苦々しげに結論づけた。
「それも、大神殿の内部構造にかなり詳しい人物だ」
その言葉に、部屋の空気が再び重くなる。味方であるはずの大神殿の中に敵が潜んでいる。これほど厄介なことはない。
俺たちの議論が行き詰まりかけた、その時だった。
「……う……ん……」
ベッドの上で眠っていたはずの聖女セシリアが、小さく身じろぎした。俺たちが彼女に視線を向けると、その瑠璃色の瞳がゆっくりと開かれた。
彼女はぼんやりとした視線で、俺たち三人の顔を一人ずつ見つめた。そして、その視線は最後に俺の顔でぴたりと止まった。
「……あなた……」
彼女が、か細い声で俺に語りかけてきた。
「あなたの……その力……とても、温かい光の味がします……」
光の味。ノエルの「祈りの味」に続き、またしても俺の創生水に詩的な評価が下された。
「あなたは、誰……?」
「俺は、ルーク。ただのポーション屋です」
俺がそう名乗ると、彼女はふわりと、あの天使のような微笑みを浮かべた。
「ルーク……。きれいな名前……」
彼女はゆっくりと、途切れ途切れに語り始めた。それは彼女が一年もの間、閉ざされた意識の中で一人で見続けてきた、悪夢の記憶だった。
「……ずっと、暗くて寒い場所にいました……黒くて大きな蛇が……私に、ずっと巻き付いて……」
その言葉は、エリアナが見た幻視と完全に一致していた。
「蛇は、私に囁くのです……。『星の器よ』、と。『お前の魂は、我が主の偉大なる復活の礎となるのだ』、と……」
星の器。やはり、間違いない。彼女こそが、邪教徒たちが狙うその人だった。
「蛇は……私の中から何かを吸い上げていました……私の魂の光を……。そして、その光を使って何か、黒くて冷たいものを……作ろうとしていました……」
彼女の言葉は核心に迫っていた。ノエルとリゼットも、息を殺して彼女の言葉に耳を傾けている。
「……『奈落の、冠』……。蛇は、そう呼んでいました……」
「奈落の冠?」
ノエルがその聞き慣れない単語を繰り返した。
「はい……。それは、人の魂を完全に支配するための呪いの……王冠……。それを誰かに……とても偉い人に、被せるのだと……」
人の魂を支配する、呪いの王冠。それを国の要人に被せる。もしそんなことが実現してしまえば、この国は内側から静かに『奈落の蛇』に乗っ取られてしまうだろう。
これが彼らの真の目的。単なる破壊や殺戮ではない。もっと狡猾で恐ろしい国家転覆計画。
俺たちはその陰謀の巨大さに戦慄した。
「……ありがとう、セシリア様。よく、話してくださいました。もう、お休みください」
俺が優しく声をかけると、彼女はこくりと頷き、再び安らかな眠りへと落ちていった。彼女の告白は体力を著しく消耗させたようだった。
だが、彼女がもたらした情報は、何よりも貴重なものだった。
「『魂喰いの呪詛』は、ただ聖女様の魂を喰らうだけではなかったんだ」
ノエルが全てのピースが繋がった、という顔で言た。
「彼女の純粋な魂をフィルターにして、より強力で精巧な新しい呪いを生み出すための、いわば『呪いの培養炉』にされていたんだ。それが『奈落の冠』の正体だ!」
呪いの正体が、ついに明らかになった。それは俺たちの想像を遥かに超える、悪辣で巨大な陰謀だった。
「……やるべきことは、分かったな」
リゼ-ットが静かに、しかし固い決意を込めて言った。
「奴らの計画を阻止する。そのためには、まずこの聖女様の呪いを完全に解かなければならない」
俺たちは顔を見合わせた。
敵の正体と呪いの本質。二つの大きな謎が、解き明かされた。これは大きな前進だ。
俺たちの戦いは新たな段階へと移行する。聖女セシリアの治療は、もはやただ一人の少女を救うだけではない。この国の未来そのものを救うための戦いとなったのだ。
俺は眠る聖女の穏やかな寝顔を見つめながら、静かに、しかし強く拳を握りしめた。
その報せは瞬く間に大神殿中を駆け巡り、絶望に沈んでいた神官たちの間に大きな衝撃と歓喜の波紋を広げた。人々は奇跡が起きたと口々に噂し、聖女の私室の前には安否を気遣う神官たちが詰めかけた。
だが、俺たちは手放しで喜んではいられなかった。彼女の意識はまだ混濁しており、時折俺と短い言葉を交わせる程度。そして何より、彼女の魂を蝕む呪いの核は依然としてその身に宿ったままなのだ。
「……やはり、この呪いは普通の術式じゃない」
聖女が再び眠りに落ちた後、ノエルは彼女の体を改めて診察し、深刻な顔で呟いた。
「彼女の魂と呪いが、まるで木の根が大地に張るように深く絡み合っている。月光草のような強力な霊薬があったとしても、ただ飲ませるだけでは呪いを剥がす際に魂そのものを傷つけかねない」
その言葉は俺たちに新たな、そしてより困難な課題を突きつけた。呪いを解くだけでなく、「いかにして安全に解くか」。
「何か、特別な手順が必要だということですか」
俺が尋ねると、ノエルは頷いた。
「うん。おそらくは魂に直接干渉する高度な儀式が必要になるだろうね。それも、ただの儀式じゃない。この呪いの性質を正確に理解した上での、オーダーメイドの儀式だ」
呪いの性質。それを知るためには、呪いをかけた張本人――『奈落の蛇』の目的と、彼らが使う術式の詳細を知る必要があった。
その時、部屋の扉が静かに開かれ、リゼットが入ってきた。彼女は、大神殿の警備体制の見直しと内部調査の指揮を執っていた。その顔には疲労の色が浮かんでいる。
「……少し、分かったことがある」
彼女は俺とノエルに向き直ると、低い声で報告を始めた。
「この大神殿の地下には、神官長ですら存在を知らなかった隠された通路があった。それは王都の地下水路へと繋がっており、そこからなら誰にも気づかれずに神殿内部へ侵入することが可能だ」
「やはり、抜け穴があったか」
ノエルが眉をひそめる。
「ああ。そして、その通路の入り口は普段は使われていない古い礼拝堂の地下にあった。そこからは微かだが奴らと同じ邪悪な魔力の残滓が感じられた。おそらく、奴らはそこから侵入し聖女様に呪いをかけたのだろう」
リゼットの調査は着実に成果を上げていた。だが、問題はなぜ警備の厳しい大神殿の、そんな隠し通路の存在を邪教徒たちが知り得たのかということだ。
「……内部に、協力者がいる可能性が高い」
リゼットは苦々しげに結論づけた。
「それも、大神殿の内部構造にかなり詳しい人物だ」
その言葉に、部屋の空気が再び重くなる。味方であるはずの大神殿の中に敵が潜んでいる。これほど厄介なことはない。
俺たちの議論が行き詰まりかけた、その時だった。
「……う……ん……」
ベッドの上で眠っていたはずの聖女セシリアが、小さく身じろぎした。俺たちが彼女に視線を向けると、その瑠璃色の瞳がゆっくりと開かれた。
彼女はぼんやりとした視線で、俺たち三人の顔を一人ずつ見つめた。そして、その視線は最後に俺の顔でぴたりと止まった。
「……あなた……」
彼女が、か細い声で俺に語りかけてきた。
「あなたの……その力……とても、温かい光の味がします……」
光の味。ノエルの「祈りの味」に続き、またしても俺の創生水に詩的な評価が下された。
「あなたは、誰……?」
「俺は、ルーク。ただのポーション屋です」
俺がそう名乗ると、彼女はふわりと、あの天使のような微笑みを浮かべた。
「ルーク……。きれいな名前……」
彼女はゆっくりと、途切れ途切れに語り始めた。それは彼女が一年もの間、閉ざされた意識の中で一人で見続けてきた、悪夢の記憶だった。
「……ずっと、暗くて寒い場所にいました……黒くて大きな蛇が……私に、ずっと巻き付いて……」
その言葉は、エリアナが見た幻視と完全に一致していた。
「蛇は、私に囁くのです……。『星の器よ』、と。『お前の魂は、我が主の偉大なる復活の礎となるのだ』、と……」
星の器。やはり、間違いない。彼女こそが、邪教徒たちが狙うその人だった。
「蛇は……私の中から何かを吸い上げていました……私の魂の光を……。そして、その光を使って何か、黒くて冷たいものを……作ろうとしていました……」
彼女の言葉は核心に迫っていた。ノエルとリゼットも、息を殺して彼女の言葉に耳を傾けている。
「……『奈落の、冠』……。蛇は、そう呼んでいました……」
「奈落の冠?」
ノエルがその聞き慣れない単語を繰り返した。
「はい……。それは、人の魂を完全に支配するための呪いの……王冠……。それを誰かに……とても偉い人に、被せるのだと……」
人の魂を支配する、呪いの王冠。それを国の要人に被せる。もしそんなことが実現してしまえば、この国は内側から静かに『奈落の蛇』に乗っ取られてしまうだろう。
これが彼らの真の目的。単なる破壊や殺戮ではない。もっと狡猾で恐ろしい国家転覆計画。
俺たちはその陰謀の巨大さに戦慄した。
「……ありがとう、セシリア様。よく、話してくださいました。もう、お休みください」
俺が優しく声をかけると、彼女はこくりと頷き、再び安らかな眠りへと落ちていった。彼女の告白は体力を著しく消耗させたようだった。
だが、彼女がもたらした情報は、何よりも貴重なものだった。
「『魂喰いの呪詛』は、ただ聖女様の魂を喰らうだけではなかったんだ」
ノエルが全てのピースが繋がった、という顔で言た。
「彼女の純粋な魂をフィルターにして、より強力で精巧な新しい呪いを生み出すための、いわば『呪いの培養炉』にされていたんだ。それが『奈落の冠』の正体だ!」
呪いの正体が、ついに明らかになった。それは俺たちの想像を遥かに超える、悪辣で巨大な陰謀だった。
「……やるべきことは、分かったな」
リゼ-ットが静かに、しかし固い決意を込めて言った。
「奴らの計画を阻止する。そのためには、まずこの聖女様の呪いを完全に解かなければならない」
俺たちは顔を見合わせた。
敵の正体と呪いの本質。二つの大きな謎が、解き明かされた。これは大きな前進だ。
俺たちの戦いは新たな段階へと移行する。聖女セシリアの治療は、もはやただ一人の少女を救うだけではない。この国の未来そのものを救うための戦いとなったのだ。
俺は眠る聖女の穏やかな寝顔を見つめながら、静かに、しかし強く拳を握りしめた。
44
あなたにおすすめの小説
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
『農業スキルはいらない』と追放されたが、魔境の開拓ライフが勝手に世界配信されていた件。聖女や竜が集まり、元仲間は完全に詰みました
たまごころ
ファンタジー
「悪いがクビだ。魔王討伐に『農業』スキルなんて役に立たないからな」
幼馴染の勇者からそう告げられ、俺、アレンはパーティを追放された。
あてがわれたのは、人が住めないと言われるS級危険地帯『死の荒野』。
しかし、彼らは知らなかった。俺の農業スキルが、レベルアップによって神の領域(ギフト)に達していたことを。
俺が耕せば荒野は豊潤な大地に変わり、植えた野菜はステータスを爆上げする神話級の食材になり、手にしたクワは聖剣すら凌駕する最強武器になる!
「ここなら誰にも邪魔されず、最高の野菜が作れそうだ」
俺は荒野で拾ったフェンリル(美少女化)や、野菜の匂いにつられた聖女様、逃げてきたエルフの姫君たちと、にぎやかで楽しいスローライフを送ることにした。
その一方で、俺の生活が、荒野に落ちていた古代のアーティファクトによって、勝手に世界中に『生配信』されていることには全く気づいていなかった。
「え、この野菜食べただけで瀕死の重傷が治った!?」
「主様、強すぎます! ドラゴンを大根で叩き落とすなんて!」
『コメント:なんだこの配信……神か?』
『コメント:勇者パーティが苦戦してるダンジョン、この人の家の庭じゃね?』
これは、無自覚に最強の農園を作り上げた男が、世界中から崇拝され、一方で彼を追放した勇者パーティが没落していく様子を、リスナーと共にほのぼのと見守る物語。
「役立たず」と追放されたが、俺のスキルは【経験値委託】だ。解除した瞬間、勇者パーティーはレベル1に戻り、俺だけレベル9999になった
たまごころ
ファンタジー
「悪いがクビだ、アレン。お前のような戦闘スキルのない寄生虫は、魔王討伐の旅には連れていけない」
幼馴染の勇者と、恋人だった聖女からそう告げられ、俺は極寒の雪山に捨てられた。
だが、彼らは勘違いしている。
俺のスキルは、単なる【魔力譲渡】じゃない。
パーティメンバーが得た経験値を管理・分配し、底上げする【経験値委託(キックバック)】という神スキルだったのだ。
俺をパーティから外すということは、契約解除を意味する。
つまり――今まで彼らが俺のおかげで得ていた「かさ増しステータス」が消え、俺が預けていた膨大な「累積経験値」が全て俺に返還されるということだ。
「スキル解除。……さて、長年の利子も含めて、たっぷり返してもらおうか」
その瞬間、俺のレベルは15から9999へ。
一方、勇者たちはレベル70から初期レベルの1へと転落した。
これは、最強の力を取り戻した俺が、雪山の守り神である銀狼(美少女)や、封印されし魔神(美少女)を従えて無双し、新たな国を作る物語。
そして、レベル1に戻ってゴブリンにも勝てなくなった元勇者たちが、絶望のどん底へ落ちていく「ざまぁ」の記録である。
異世界最底辺職だった俺、実は全スキルに適性Sだった件~追放されたので田舎でスローライフしてたら、気づいたら英雄扱いされてた~
えりぽん
ファンタジー
最底辺職「雑用士」として勇者パーティーを支えていたレオンは、ある日突然「無能」と罵られ追放される。
だがその瞬間、封印されていた全スキルの適性が覚醒。
田舎でのんびり生きるつもりが、いつの間にか魔物を絶滅させ、王女を救い、国を動かす存在に――?
本人まったく自覚なし。にもかかわらず、世界が勝手に彼を「伝説」と呼びはじめる。
ざまぁ有り、ハーレム有り、そして無自覚最強。
誰にも止められない勘違い英雄譚が、いま動き出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる