元社畜、異世界でダンジョン経営始めます~ブラック企業式効率化による、最強ダンジョン構築計画~

夏見ナイ

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第21話:獣人の少女と秘密の保護、そして『鑑定眼』の兆し

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ダンジョンの一室で、獣人の少女――ミリアが目を覚ました。
見慣れない石造りの天井、質素だが清潔なベッド、そして微かに残る温かいスープの匂い。彼女は混乱と恐怖で再び体を強張らせ、小さな毛布にさらに深くくるまった。

(ここは…どこ…? パパは…? あの怖い人たちは…?)

涙が溢れそうになるのを、必死でこらえる。襲撃された時の記憶がフラッシュバックし、小さな体が震えた。

その時、部屋の入口の外から、静かな声が聞こえた。
「目が覚めたかい? 気分はどうかな。」

ミリアはビクッと体を震わせ、声のした方を見た。入口には、簡素な服を着た、黒髪の男が立っていた。表情は乏しいが、敵意は感じられない…気がする。

「だ、だれ…?」
か細い声で、ミリアは問いかけた。

「俺はワタル。この洞窟…いや、住処の主、みたいなものだ。君が森で倒れているのを見つけて、ここまで運んできたんだよ。」
俺は、あらかじめコアと打ち合わせておいた設定で、できるだけ穏やかな声で話しかけた。ダンジョンマスターであることは、もちろん隠している。

「森で…? じゃあ、ここは…?」

「安全な場所だ。少なくとも、外の森よりはね。君が元気を取り戻すまで、ここにいるといい。食事も用意しよう。」
俺は、コアに指示して、温かいミルクと、消化の良さそうなパン(もちろんDP生成品だ)をテーブルの上に出現させた。ミリアは、突然現れた食事に驚きながらも、空腹には抗えないのか、ゴクリと喉を鳴らした。

「警戒しなくていい。毒なんて入っていないさ。」
俺が言うと、ミリアはおずおずとベッドから降り、テーブルの前に座って、ゆっくりと食事を始めた。その姿は、まるで怯えた小動物のようだ。

俺は、彼女が食事を終えるのを静かに待った。そして、少し落ち着いた様子のミリアに、改めて話しかけた。
「君の名前は? なぜ、あんな森の中に一人でいたんだい?」

ミリアは、食べ終えた食器を手に、俯きながら話し始めた。
「…ミリア。パパと、一緒に…旅の、途中で…」
そこまで言うと、再び襲撃の記憶が蘇ったのか、言葉に詰まり、涙ぐんでしまった。

「…辛いことを思い出させてしまったな。すまない。」
俺は、それ以上無理に聞き出すのはやめた。彼女の精神状態は、まだ不安定だ。

「大丈夫。ここは安全だ。ゆっくり休むといい。何か必要なものがあれば、遠慮なく言ってくれ。」
俺はそう言い残し、部屋の入口を静かに閉じた。外から鍵がかかっていないことを確認させ(中からは開けられる)、コアによる監視体制を維持したまま、その場を離れた。

コア安置室に戻ると、リナとジンが、どこか落ち着かない様子で俺を待っていた。彼らも、ミリアの存在には気づいている。

「マスター、あの獣人の子は一体…?」
リナが不安げに尋ねてくる。

「森で保護した。商人の娘らしい。父親とはぐれてしまったようだ。」
俺は、必要最低限の情報だけを伝えた。

「へえ、商人の娘ねぇ…」
ジンが、何かを企むような目で呟いた。「金になるかもしれねえな。」

「余計なことは考えるなよ、ジン。」
俺は釘を刺した。「彼女は、あくまで保護対象だ。手を出せば、どうなるか分かっているな?」

「へいへい、分かってまさぁ。」
ジンは、わざとらしくおどけて見せたが、その目にはまだ打算の色が浮かんでいる。やはり、油断ならない男だ。

「リナ、お前には、ミリアの話し相手になってやってほしい。同じ女性同士の方が、心を開きやすいかもしれん。ただし、ダンジョンのことや、俺たちの正体については絶対に口外するな。あくまで、『ワタルに雇われている魔術師』という体で頼む。」

「わ、私が…? で、でも…」
リナは戸惑いを見せたが、俺の有無を言わせぬ視線に、渋々頷いた。
「…わかりました。やってみます。」

「ジン、お前は近づくな。ミリアを怖がらせるだけだ。」

「ちぇっ、つれねえなあ。」

こうして、ミリアの保護とケア、そして情報収集(という名の日常会話)は、主にリナが担当することになった。俺は、コアを通じて、二人の会話やミリアの様子を監視しつつ、ダンジョン運営の日常業務へと戻った。

ミスリル銀の採掘は、遅々としてではあるが進んでいた。スケルトンたちが黙々と岩盤を掘り進み、ゴブゾウが鉱石を運び出す。まだ少量だが、確かに銀色の輝きを放つ鉱石が、保管庫に集積され始めている。

『鑑定結果:回収された鉱石のミスリル銀含有率は約15%。高品質とは言えませんが、十分に価値のあるものです。現在のペースで採掘を続ければ、1週間でインゴット1本分(市場価格で推定5000DP相当)程度の量が確保できる見込みです。』
コアからの報告に、俺は口元が緩むのを感じた。5000DP! これは大きい。地下二階層の建設費用を賄う上で、大きな助けとなるだろう。

ゴブリンたちの訓練も継続中だ。
ゴブキチは、相変わらず感情の起伏が激しいものの、スケルトン部隊の指揮には慣れてきた。単純な陣形変更だけでなく、スケルトンを盾にして敵の攻撃を防ぎ、その隙に側面から回り込んで攻撃する、といった初歩的な連携も、少しずつだができるようになってきた。
ゴブジは、ジンの指導(という名の悪態をつきながらの実演)を受け、罠解除のスキルを驚くべき速さで吸収していた。隠密能力もさらに向上し、ダンジョン内の巡回任務をほぼ完璧にこなせるようになっている。
ゴブゾウは、後方支援業務のエキスパートとなりつつあった。清掃、運搬、資材管理、そしてスケルトン採掘チームの補助。戦闘能力は皆無だが、彼がいなければ、ダンジョンの円滑な運営は成り立たないだろう。彼の謎めいた過去(戦闘経験?)については、依然として不明なままだが、今は目の前の仕事に忠実に励んでいる。

DPも、地道な防衛と自然回復、そしてゴブリン撃退による収入で、680DPまで回復していた。ミスリル採掘が軌道に乗れば、さらに加速するだろう。

そんなある日、コア安置室でダッシュボードをチェックしていると、リナが慌てた様子で駆け込んできた。

「マスター! 大変です! ミリアちゃんが…!」

「どうした!? 何かあったのか!?」
俺は即座にミリアの部屋の監視映像を確認する。ミリアはベッドの上に座っているが、特に変わった様子はない。

「いえ、怪我とかではないんですが…さっき、私が持っていたポーション(低品質な回復薬)を見て、突然、『これ、少しだけだけど、毒消しの成分も混じってるね』って言ったんです!」

「なに…?」

リナが持っていたのは、ごく一般的な低品質の回復ポーションだ。毒消し効果など、あるはずがない。少なくとも、ラベルにはそう書かれていない。

「まさか、と思って、試しに私が少し飲んでみたら…本当に、ほんの僅かですけど、体がすっきりしたような…気のせいかもしれませんけど…でも、ミリアちゃんは、見ただけでそれを言い当てたんです! まるで…」

「…鑑定スキル、か。」
俺は呟いた。ミリアの持つ『鑑定眼(未覚醒)』。それが、何かのきっかけで、わずかに発現したのかもしれない。

「鑑定…? やっぱり、あの子、何か特別な力を持ってるんじゃ…」
リナが不安げに言う。

「落ち着け、リナ。まだ断定はできない。だが、もしそうなら…彼女の価値は、俺たちが考えている以上かもしれんな。」
ガルバス商会の娘というだけでなく、鑑定眼の持ち主。もし、その力が本格的に覚醒すれば、鉱石や魔石の鑑定、アイテムの効果測定など、ダンジョン運営において計り知れない力を発揮する可能性がある。

(これは…ますます手放し難くなったな。)

だが、同時にリスクも増大する。彼女の才能を狙う者が現れるかもしれない。彼女自身が、その力を使って何かを企む可能性も否定できない。

俺は、リナに口止めを厳命し、ミリアの様子をより注意深く観察するようコアに指示した。

その夜、俺は一人、コア安置室で思考を巡らせていた。
ミリアの存在、彼女の才能、そして彼女をどうすべきか。ガルバス商会とのコネクション構築という当初の目的は変わらないが、そこに「鑑定眼」という新たな要素が加わった。

(彼女を安全に父親の元へ返す。そして、その見返りとして、ガルバス商会との良好な関係を築く。これが基本方針だ。だが、鑑定眼のことは隠しておくべきか? いや、むしろ、それを交渉材料にする…?)

いや、待て。まだ彼女の力は未覚醒だ。不確かな情報で動くのは得策ではない。それに、子供の才能を利用するような真似は、俺の主義に反する…気がする。

(まずは、彼女との信頼関係を築くこと。そして、安全な護送計画を立てること。それが先決だ。)

俺は、ダッシュボードに「ミリア護送計画 Ver.0.1」というファイルを作成し、具体的なプランを練り始めた。
護衛は、隠密能力に長けたゴブジが適任だろう。コアによる遠隔サポートも不可欠だ。フロンティアまでの道のりは三日。食料や装備も必要になる。そして、ミリア本人にいかに事情を説明し、協力を得るか…。

考えなければならないことは山積みだ。だが、これもまた、ダンジョンマスターとしての仕事なのだ。

俺は、監視カメラの映像に映る、すやすやと眠るミリアの寝顔を一瞥した。あどけないその寝顔の裏に秘められた才能と、彼女を巡る様々な思惑。この出会いが、俺の、そしてこのダンジョンの未来に、どんな波紋を広げていくのか。それは、まだ誰にも予測できなかった。ただ、何かが大きく動き出そうとしている、そんな予感だけが、静かに胸の中に広がっていた。
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