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第28話:荒ぶる力の鎮静、そして残されたもの
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天井が下降し、壁から無数の針が射出される。その全てが、罠の中心に誘い込まれたバーサーカー・ゴブゾウへと殺到した!
「グオオオオオオ!?」
巨体を押し潰そうとする天井の圧力と、全身を襲う針の衝撃。バーサーカー・ゴブゾウは、これまで以上の怒号を上げ、石斧を振り回して抵抗しようとする。天井はミシミシと音を立て、彼の怪力によって破壊されかけるが、コアが限界まで魔力を注ぎ込み、なんとか持ち堪えている!
そして、無数の針が、赤黒く変色した硬い皮膚を貫き、その内部へと特殊な薬液――高濃度の魔力安定剤と鎮静剤――を注入していく!
『薬液注入、進行中! 対象の魔力レベル、徐々に低下! 生体反応にも変化が見られます!』
コアが、冷静に状況を報告する。
だが、バーサーカー・ゴブゾウの抵抗は凄まじい。注入された薬液に抗うかのように、さらに暴れ狂う! 石斧が壁を砕き、床を叩き割り、針が何本も折れて飛び散る!
「くっ…! まだ効かないのか!?」
俺は焦燥感を募らせる。このままでは、罠の方が先に破壊されてしまう!
「追加注入! コア、予備の薬液も全て叩き込め!」
『了解! 第二波、注入開始!』
さらに多くの針が壁から射出され、ゴブゾウの体に突き刺さる! 薬液が、限界量を超えて体内に流し込まれていく!
「グ……オ………ア……ァ………」
ついに、バーサーカー・ゴブゾウの動きが、目に見えて鈍り始めた。咆哮は力ない呻き声に変わり、血走っていた瞳の光が急速に失われていく。膨れ上がっていた体も、少しずつだが、元の大きさに戻り始めている。
そして、
ドシンッ!!
全ての抵抗が止まり、巨体は力なく床に崩れ落ちた。赤黒かった肌は元の緑色に戻り、体格も、通常のゴブリンよりは大きいものの、暴走時の異常なサイズではなくなっていた。彼は、完全に意識を失い、ぴくりとも動かない。
『……対象(ゴブゾウ)、鎮静を確認。生命反応はありますが、極度の消耗状態です。バーサーカー状態は解除されました。』
コアの最終報告を聞き、俺はようやく安堵の息をついた。罠は破壊寸前だったが、なんとか間に合った。賭けは、成功したのだ。
下降していた天井がゆっくりと元の位置に戻り、壁の針も収納される。後に残されたのは、破壊された壁や床、そして床に倒れ伏すゴブゾウの姿だけだった。
「………終わった、のか…?」
重戦士ゴルドが、呆然と呟いた。彼の全身は汗と埃にまみれ、戦斧を持つ手は微かに震えている。他の冒険者たちも、シルフィ、マルク、そして負傷したドルガンも、信じられないものを見るような目で、倒れたゴブゾウを見つめていた。
ジンも、短剣を鞘に収め、警戒を解いた。彼の額にも汗が滲んでいる。
「…やれやれ、肝が冷えたぜ。あんな化け物が、ただのゴブリンだったとはな。」
ゴブキチとゴブジも、恐る恐るゴブゾウに近づき、その様子を窺っている。自分たちの仲間が、あんな恐ろしい姿に変貌したことに、彼らもショックを受けているようだった。
「コア、ゴブゾウを回復泉へ運べ。厳重に監視し、再び暴走する兆候があれば、すぐに報告しろ。」
『了解しました。ゴブゾウを移送、及び監視を開始します。』
コアが、意識のないゴブゾウの体を静かに浮かせ、回復泉へと運んでいった。
さて、問題はこれからだ。
脅威は去った。だが、後に残されたのは、敵同士だったはずの俺(ダンジョンマスター)と、冒険者パーティ、そして盗賊ジンという、奇妙で不安定な集団だった。
俺は、マイクを通じて、再び彼らに語りかけた。
「…まずは、礼を言うべきか。諸君らの協力がなければ、あの化け物を止めることはできなかっただろう。」
ゴルドが、ハッとしたようにこちら(声のする方向)を見た。
「…礼など不要だ。我々も生き残るために必死だっただけだ。それより、ダンジョンマスター。貴様、一体何者だ? そして、あのゴブリンは何だったんだ?」
当然の疑問だ。どう答えるべきか。
(正直に話すのはリスクが高すぎる。だが、完全に誤魔化すのも難しいだろう。)
俺は、言葉を選びながら答えた。
「俺は、ワタル。見ての通り、このダンジョンを管理している者だ。あのゴブリン…ゴブゾウは、普段は大人しい奴なんだが、極度の興奮状態に陥ると、ああいう風に暴走してしまうことがある。今回、貴殿らとの戦闘が、その引き金になってしまったようだ。申し訳なく思う。」
バーサーカー化の原因については、正直に話しても仕方がないので、戦闘のストレスということにした。これは、あながち嘘ではないだろう。
「暴走…? ゴブリンが、あんな力を持つとは…」
マルクが、信じられないといった様子で呟く。
「さて、ゴルド殿。我々は一時休戦し、共通の脅威を排除した。この後、どうする? 戦闘を再開するか?」
俺は、敢えて問いかけた。主導権はこちらにある、ということを示すために。
ゴルドは、苦々しい表情で仲間たちを見回した。神官ドルガンは重傷、ゴブキチに斬られた脇腹もまだ痛むだろう。シルフィとマルクも、消耗している。そして何より、彼らの目的であったはずの「コアの破壊」は、俺というダンジョンマスターと、その配下のモンスター(そして謎の協力者ジン)がいる以上、もはや達成不可能に近い。
ゴルドは、深いため息をつくと、戦斧を下ろした。
「…戦闘続行は不可能だ。我々の敗北だ、ダンジョンマスター。命までは取らん、と言ってくれるなら、我々は撤退したい。」
「賢明な判断だ。」
俺は頷いた。「命を取るつもりはない。だが、一つ条件がある。」
「条件だと?」
「貴殿らが見聞きした、このダンジョン内部の情報…特に、あのゴブリンの暴走については、ギルドや外部に報告しないでもらいたい。これは、我々にとっても、そして貴殿らにとっても、余計な混乱を招くだけだろう。」
ゴルドは、少し考えた後、頷いた。
「…分かった。その条件、呑もう。我々も、あんな化け物のことを報告して、さらに厄介な任務を押し付けられるのは御免だ。」
「話が早くて助かる。では、負傷者の治療を許可しよう。回復泉を使わせてやる。その後、速やかにダンジョンから立ち去ってくれ。」
「…回復泉だと? なぜ、そこまでする?」
ゴルドが訝しげに尋ねる。
「言っただろう。今回の騒動は、俺の管理不行き届きが原因でもある。それに、貴殿らには共通の敵を倒すために協力してもらった。これは、その礼だ。ただし、回復したらすぐに立ち去ってもらう。長居は無用だ。」
俺は、あくまで恩を着せる形で、しかし毅然とした態度で告げた。
ゴルドは、しばらく俺の言葉の真意を探るように黙っていたが、やがて仲間たちに指示を出した。
「…分かった。その申し出、受けさせてもらう。全員、回復泉へ向かうぞ。」
こうして、冒険者パーティ「鉄の拳」は、俺の監視の下、回復泉で傷を癒やし、その後、黙ってダンジョンから立ち去っていった。彼らが再びこのダンジョンを訪れるかどうかは分からない。だが、少なくとも、今回の経験は、彼らにとって忘れられないものとなっただろう。
後に残されたのは、俺と、ジン、そして回復中のゴブリンたちと、治療を受けている捕虜の盗賊、そして保護しているミリアとリナ。そして、破壊されたボス部屋前の広場。
「…やれやれ、とんだ大騒ぎだったな。」
ジンが、肩をすくめて言った。彼の足は、まだ少し引きずっている。
「で、マスター。俺への報酬は、どうなってんだ?」
「ああ、約束は守る。コア、ジンに高品質ポーションと、鋼鉄製の短剣を。それから、魔力枷を一時的に解除してやれ。ただし、ダンジョンから出ることは許さんぞ。」
『承知いたしました。』
ジンは、ポーションと短剣を受け取り、手首の枷が消えるのを確認すると、満足げに笑った。
「へへ、これで少しは動きやすくなるぜ。で、次は何を手伝えばいい?」
どうやら、今回の共闘と報酬によって、ジンとの間にも、ある種の奇妙な信頼関係(あるいは、利用し合う関係)が生まれつつあるようだった。
俺は、今回の戦闘で得られた教訓と、残された課題を整理し始めた。
Cランクパーティの脅威、神官のアンデッド対策能力、スケルトン部隊の脆さ、ゴブリン部隊の連携不足、そして…ゴブゾウの暴走という、制御不能な変数。
(ゴブゾウのバーサーカー化の原因は何だ? 再発の可能性は? どうすれば制御できる?)
課題は山積みだ。だが、同時に、大きな収穫もあった。
Cランクパーティを撃退できたこと(ジンの活躍と、ゴブゾウの暴走のおかげだが)。そして、DPを大きく稼げたことだ。
**【現在の所持DP:951DP】**
(Cランクパーティ撃退報酬: ゴルド+70, シルフィ+60, マルク+60, ドルガン無力化+50 = 合計240DP。ジンへの報酬等で若干消費)
目標の1500DPにはまだ足りないが、大きく前進した。地下二階層の建設も、いよいよ現実味を帯びてきた。
「よし、まずはダンジョンの修復と、ゴブリンたちの再訓練だ。それから、ゴブゾウの精密検査も必要だな…」
俺は、コアに指示を出し、次々とタスクを割り振っていく。
荒ぶる力の奔流は、多くの爪痕を残したが、同時に、新たな課題と、次なるステップへの道筋をも示してくれた。
俺のホワイトダンジョン計画は、また一つ、大きな試練を乗り越え、その歩みを進めるのだった。
「グオオオオオオ!?」
巨体を押し潰そうとする天井の圧力と、全身を襲う針の衝撃。バーサーカー・ゴブゾウは、これまで以上の怒号を上げ、石斧を振り回して抵抗しようとする。天井はミシミシと音を立て、彼の怪力によって破壊されかけるが、コアが限界まで魔力を注ぎ込み、なんとか持ち堪えている!
そして、無数の針が、赤黒く変色した硬い皮膚を貫き、その内部へと特殊な薬液――高濃度の魔力安定剤と鎮静剤――を注入していく!
『薬液注入、進行中! 対象の魔力レベル、徐々に低下! 生体反応にも変化が見られます!』
コアが、冷静に状況を報告する。
だが、バーサーカー・ゴブゾウの抵抗は凄まじい。注入された薬液に抗うかのように、さらに暴れ狂う! 石斧が壁を砕き、床を叩き割り、針が何本も折れて飛び散る!
「くっ…! まだ効かないのか!?」
俺は焦燥感を募らせる。このままでは、罠の方が先に破壊されてしまう!
「追加注入! コア、予備の薬液も全て叩き込め!」
『了解! 第二波、注入開始!』
さらに多くの針が壁から射出され、ゴブゾウの体に突き刺さる! 薬液が、限界量を超えて体内に流し込まれていく!
「グ……オ………ア……ァ………」
ついに、バーサーカー・ゴブゾウの動きが、目に見えて鈍り始めた。咆哮は力ない呻き声に変わり、血走っていた瞳の光が急速に失われていく。膨れ上がっていた体も、少しずつだが、元の大きさに戻り始めている。
そして、
ドシンッ!!
全ての抵抗が止まり、巨体は力なく床に崩れ落ちた。赤黒かった肌は元の緑色に戻り、体格も、通常のゴブリンよりは大きいものの、暴走時の異常なサイズではなくなっていた。彼は、完全に意識を失い、ぴくりとも動かない。
『……対象(ゴブゾウ)、鎮静を確認。生命反応はありますが、極度の消耗状態です。バーサーカー状態は解除されました。』
コアの最終報告を聞き、俺はようやく安堵の息をついた。罠は破壊寸前だったが、なんとか間に合った。賭けは、成功したのだ。
下降していた天井がゆっくりと元の位置に戻り、壁の針も収納される。後に残されたのは、破壊された壁や床、そして床に倒れ伏すゴブゾウの姿だけだった。
「………終わった、のか…?」
重戦士ゴルドが、呆然と呟いた。彼の全身は汗と埃にまみれ、戦斧を持つ手は微かに震えている。他の冒険者たちも、シルフィ、マルク、そして負傷したドルガンも、信じられないものを見るような目で、倒れたゴブゾウを見つめていた。
ジンも、短剣を鞘に収め、警戒を解いた。彼の額にも汗が滲んでいる。
「…やれやれ、肝が冷えたぜ。あんな化け物が、ただのゴブリンだったとはな。」
ゴブキチとゴブジも、恐る恐るゴブゾウに近づき、その様子を窺っている。自分たちの仲間が、あんな恐ろしい姿に変貌したことに、彼らもショックを受けているようだった。
「コア、ゴブゾウを回復泉へ運べ。厳重に監視し、再び暴走する兆候があれば、すぐに報告しろ。」
『了解しました。ゴブゾウを移送、及び監視を開始します。』
コアが、意識のないゴブゾウの体を静かに浮かせ、回復泉へと運んでいった。
さて、問題はこれからだ。
脅威は去った。だが、後に残されたのは、敵同士だったはずの俺(ダンジョンマスター)と、冒険者パーティ、そして盗賊ジンという、奇妙で不安定な集団だった。
俺は、マイクを通じて、再び彼らに語りかけた。
「…まずは、礼を言うべきか。諸君らの協力がなければ、あの化け物を止めることはできなかっただろう。」
ゴルドが、ハッとしたようにこちら(声のする方向)を見た。
「…礼など不要だ。我々も生き残るために必死だっただけだ。それより、ダンジョンマスター。貴様、一体何者だ? そして、あのゴブリンは何だったんだ?」
当然の疑問だ。どう答えるべきか。
(正直に話すのはリスクが高すぎる。だが、完全に誤魔化すのも難しいだろう。)
俺は、言葉を選びながら答えた。
「俺は、ワタル。見ての通り、このダンジョンを管理している者だ。あのゴブリン…ゴブゾウは、普段は大人しい奴なんだが、極度の興奮状態に陥ると、ああいう風に暴走してしまうことがある。今回、貴殿らとの戦闘が、その引き金になってしまったようだ。申し訳なく思う。」
バーサーカー化の原因については、正直に話しても仕方がないので、戦闘のストレスということにした。これは、あながち嘘ではないだろう。
「暴走…? ゴブリンが、あんな力を持つとは…」
マルクが、信じられないといった様子で呟く。
「さて、ゴルド殿。我々は一時休戦し、共通の脅威を排除した。この後、どうする? 戦闘を再開するか?」
俺は、敢えて問いかけた。主導権はこちらにある、ということを示すために。
ゴルドは、苦々しい表情で仲間たちを見回した。神官ドルガンは重傷、ゴブキチに斬られた脇腹もまだ痛むだろう。シルフィとマルクも、消耗している。そして何より、彼らの目的であったはずの「コアの破壊」は、俺というダンジョンマスターと、その配下のモンスター(そして謎の協力者ジン)がいる以上、もはや達成不可能に近い。
ゴルドは、深いため息をつくと、戦斧を下ろした。
「…戦闘続行は不可能だ。我々の敗北だ、ダンジョンマスター。命までは取らん、と言ってくれるなら、我々は撤退したい。」
「賢明な判断だ。」
俺は頷いた。「命を取るつもりはない。だが、一つ条件がある。」
「条件だと?」
「貴殿らが見聞きした、このダンジョン内部の情報…特に、あのゴブリンの暴走については、ギルドや外部に報告しないでもらいたい。これは、我々にとっても、そして貴殿らにとっても、余計な混乱を招くだけだろう。」
ゴルドは、少し考えた後、頷いた。
「…分かった。その条件、呑もう。我々も、あんな化け物のことを報告して、さらに厄介な任務を押し付けられるのは御免だ。」
「話が早くて助かる。では、負傷者の治療を許可しよう。回復泉を使わせてやる。その後、速やかにダンジョンから立ち去ってくれ。」
「…回復泉だと? なぜ、そこまでする?」
ゴルドが訝しげに尋ねる。
「言っただろう。今回の騒動は、俺の管理不行き届きが原因でもある。それに、貴殿らには共通の敵を倒すために協力してもらった。これは、その礼だ。ただし、回復したらすぐに立ち去ってもらう。長居は無用だ。」
俺は、あくまで恩を着せる形で、しかし毅然とした態度で告げた。
ゴルドは、しばらく俺の言葉の真意を探るように黙っていたが、やがて仲間たちに指示を出した。
「…分かった。その申し出、受けさせてもらう。全員、回復泉へ向かうぞ。」
こうして、冒険者パーティ「鉄の拳」は、俺の監視の下、回復泉で傷を癒やし、その後、黙ってダンジョンから立ち去っていった。彼らが再びこのダンジョンを訪れるかどうかは分からない。だが、少なくとも、今回の経験は、彼らにとって忘れられないものとなっただろう。
後に残されたのは、俺と、ジン、そして回復中のゴブリンたちと、治療を受けている捕虜の盗賊、そして保護しているミリアとリナ。そして、破壊されたボス部屋前の広場。
「…やれやれ、とんだ大騒ぎだったな。」
ジンが、肩をすくめて言った。彼の足は、まだ少し引きずっている。
「で、マスター。俺への報酬は、どうなってんだ?」
「ああ、約束は守る。コア、ジンに高品質ポーションと、鋼鉄製の短剣を。それから、魔力枷を一時的に解除してやれ。ただし、ダンジョンから出ることは許さんぞ。」
『承知いたしました。』
ジンは、ポーションと短剣を受け取り、手首の枷が消えるのを確認すると、満足げに笑った。
「へへ、これで少しは動きやすくなるぜ。で、次は何を手伝えばいい?」
どうやら、今回の共闘と報酬によって、ジンとの間にも、ある種の奇妙な信頼関係(あるいは、利用し合う関係)が生まれつつあるようだった。
俺は、今回の戦闘で得られた教訓と、残された課題を整理し始めた。
Cランクパーティの脅威、神官のアンデッド対策能力、スケルトン部隊の脆さ、ゴブリン部隊の連携不足、そして…ゴブゾウの暴走という、制御不能な変数。
(ゴブゾウのバーサーカー化の原因は何だ? 再発の可能性は? どうすれば制御できる?)
課題は山積みだ。だが、同時に、大きな収穫もあった。
Cランクパーティを撃退できたこと(ジンの活躍と、ゴブゾウの暴走のおかげだが)。そして、DPを大きく稼げたことだ。
**【現在の所持DP:951DP】**
(Cランクパーティ撃退報酬: ゴルド+70, シルフィ+60, マルク+60, ドルガン無力化+50 = 合計240DP。ジンへの報酬等で若干消費)
目標の1500DPにはまだ足りないが、大きく前進した。地下二階層の建設も、いよいよ現実味を帯びてきた。
「よし、まずはダンジョンの修復と、ゴブリンたちの再訓練だ。それから、ゴブゾウの精密検査も必要だな…」
俺は、コアに指示を出し、次々とタスクを割り振っていく。
荒ぶる力の奔流は、多くの爪痕を残したが、同時に、新たな課題と、次なるステップへの道筋をも示してくれた。
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