異世界デバッガー ~不遇スキル【デバッガー】でバグ利用してたら、世界を救うことになった元SEの話~

夏見ナイ

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第16話:帰還、報告、そして騎士の疑念

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地底湖での短い休息の後、俺は再び未知の洞窟エリアの探索を開始した。身体の痛みはポーションと休息で多少和らいだが、依然として万全とは程遠い。捻挫した左足首を引きずりながら、慎重に歩を進める。

(出口は、風の流れがある方向……)

地底湖の奥へと続く通路は、壁に例の発光鉱石が点在しているおかげで、松明なしでもどうにか進むことができた。空気の流れは微弱だが、確かに存在している。この先に、地上へ繋がる道がある可能性は高い。

通路は緩やかな下り坂になっており、時折、小さな横穴や分岐が見られたが、俺は風の流れを頼りに、最も太いと思われる通路を選んで進んだ。【情報読取】で常に周囲を警戒するが、幸いにも魔物の気配はない。

地底湖での短い休息を終え、俺は再び立ち上がった。身体の痛みはまだ残っているが、ポーションとわずかな休息のおかげで、動けないほどではない。MPも少し回復したように感じる。今はとにかく、この未知の洞窟エリアから脱出し、安全な場所で体勢を立て直すことが最優先だ。

地底湖の奥へと続く通路。そこから感じられる微かな風の流れを頼りに、俺は歩みを進めた。壁に点在する青緑色の発光鉱石が、松明の乏しい光を補い、幻想的な雰囲気を醸し出している。

(この鉱石……本当に不思議だ。魔素を吸収・浄化する性質があるなら、魔道具の素材として非常に価値が高いのではないか?)

【情報読取】で得られた断片的な情報が、元SEの好奇心を刺激する。もし、この鉱石を使って何かを作れるとしたら? 例えば、魔力汚染を防ぐフィルターとか、あるいはMPを回復する装置とか……。もちろん、今の俺にそんな技術はないが、可能性として覚えておく価値はあるだろう。

通路を進むにつれて、発光鉱石だけでなく、壁には他の種類の鉱物や結晶のようなものも見られるようになった。俺は立ち止まっては【情報読取】を使い、それらの情報を記録していく。

『対象:水晶石(微量魔力含有)
 分類:鉱石>石英
 状態:安定
 特性:魔力伝導性(低)、硬度7
 用途:装飾品、低級魔道具の部品
 備考:比較的よく見られる鉱石。純度により価値が変動。』

『対象:鉄鉱石(純度:中)
 分類:鉱石>金属鉱
 状態:安定
 特性:磁性
 用途:製鉄原料
 備考:この辺りにも鉄鉱脈が存在する可能性。』

『対象:???(黒曜石に似た未知の鉱物)
 分類:鉱石?>ガラス質?
 状態:安定
 特性:非常に硬い、魔力吸収性(高)、光をほとんど反射しない
 用途:不明(武器・防具素材? 結界素材?)
 備考:解析不能な要素が多い。極めて希少である可能性。サンプル採取推奨?』

(未知の黒い鉱物……これも気になるな)
硬くて魔力を吸収する性質。武器や防具に使えれば強力そうだが、加工が難しそうだ。サンプルを少し採取しておきたいところだが、今の俺には適切な道具がない。場所だけ覚えておくことにしよう。

壁には、鉱物だけでなく、所々に奇妙な模様やレリーフのようなものが刻まれている場所もあった。風化が進んでおり、何が描かれているのか判別は難しいが、明らかに人工的なものだ。古代の住居跡か、あるいは祭祀場のようなものだったのだろうか?

(このダンジョン……ゴブリンの住処というだけではなさそうだな。もっと古い、未知の文明の痕跡が眠っているのかもしれない)

ゴブリンキングがいたボス部屋も、古代の祭壇のようだった。あの変異体の存在も含め、このダンジョンには何か秘密がありそうだ。だが、今の俺が深入りすべき問題ではないだろう。

探索中、何度か物音や奇妙な鳴き声のようなものを耳にし、その度に身構えたが、幸いにも魔物と遭遇することはなかった。発光鉱石の浄化作用のおかげか、あるいは単に運が良いだけか。いずれにせよ、戦闘を避けられたのはありがたい。今の俺は、低級ゴブリン一体と戦うことすら危険な状態なのだから。

風の流れが、徐々に強くなってきた。そして、通路の先に、微かに外の光のようなものが見えてきた気がする。

(……出口か!?)

期待に胸が高鳴る。足早に(といっても、捻挫した足を引きずっているので遅いが)光の方向へと進む。光は 점점 強くなり、洞窟特有の湿った空気とは違う、外の新鮮な空気の匂いが感じられるようになってきた。

そして、ついに俺は洞窟の出口らしき場所にたどり着いた。それは、岩壁に開いた天然の裂け目のような場所で、そこから外の景色が見えている。緑の木々、そして青い空。

(地上だ……! やっと出られる!)

安堵感で、思わず膝から崩れ落ちそうになるのを堪える。最後の力を振り絞り、裂け目を通り抜けて外へと出る。

眩しい太陽の光に、思わず目を細める。身体に当たる風が心地よい。俺は、草の上に倒れ込むようにして座り込み、大きく息をついた。

周囲を見渡すと、そこは鬱蒼とした森の中だった。背後には、俺が出てきた洞窟の入り口がある岩壁がそびえ立っている。あの発光鉱石のあるエリアは、この森の地下深くに広がっていたのだろう。

(さて、ここはどこなんだ? リューンからの距離は?)

方向感覚は完全に失われている。まずは現在地を把握しなければならない。【情報読取】を周囲の木々や地形に向けて発動させ、特徴的な情報を探す。

『対象:ブナの木
 分類:植物科>ブナ属
 状態:正常(樹齢約80年)
 備考:リューン南部の森林地帯に多く見られる樹木。』

『対象:地面に残る足跡
 分類:痕跡
 状態:比較的新しい(半日以内)
 特徴:複数の人間のもの。一部に鉄製のブーツ跡あり。リューン方面へ向かっている。
 備考:商人か、冒険者の一団が通った可能性。』

(リューン南部の森林地帯……? ということは、それほど遠くまで飛ばされたわけではないのか)

ゴブリンのエリアは、発光鉱石の浄化作用のおかげか、比較的安全なようだ。

(この鉱石……仮に「浄化石」とでも呼んでおくか。もし持ち帰ることができれば、高く売れるかもしれないし、魔力汚染への対策にも使えるかもしれない)

壁に埋まっている鉱石をいくつか【情報読取】で調べてみる。

『対象:浄化石(仮称)
 状態:安定(壁面に固着)
 特性:自己発光、魔素浄化、微弱な治癒効果?
 備考:純度や大きさによって効果に差がある。壁から剥がすのは困難。道具と技術が必要。』

「微弱な治癒効果?」
新たな情報だ。このエリアで休息したことで、回復が早まったのは、この効果のおかげもあったのかもしれない。ますます興味深い鉱石だ。しかし、今は採掘している余裕はない。まずは脱出が最優先だ。

しばらく進むと、通路の先に微かな光が見えてきた。洞窟の出口の光ではない。人工的な明かり――松明の光だ。

(……誰かいるのか?)

緊張が走る。こんな未知のエリアに、他の探索者がいるとは考えにくい。もしかしたら、このエリアに生息する、知能を持った魔物か? あるいは、ゴブリンキングの手下か?

俺は息を殺し、【隠密】スキルを発動させて慎重に近づく。そして、物陰からそっと様子を窺った。

そこにいたのは、予想外の存在だった。数匹の、大型の鼠のような魔物。だが、普通の鼠ではない。体長は1メートル近くあり、鋭い牙と爪を持ち、背中には硬そうな甲殻のようなものを背負っている。

『対象:ジャイアントラット(亜種:アーマーラット)
 分類:動物科>鼠種(大型・亜種)
 状態:縄張り警戒中
 ステータス:Lv 6 / HP 55/55 / MP 5/5
 スキル:【噛みつき】【引っ掻き】【硬化甲殻】
 特性:集団行動、暗所活動、硬い背甲による防御力(腹部は弱点)
 備考:ゴブリンの洞穴の既知エリアにも生息するが、ここの個体はやや大型。縄張り意識が強い。』

(ジャイアントラット……しかも亜種か。ゴブリンの洞穴の既知エリアにもいるということは、この通路は、もしかしたら知っている場所へと繋がっているのかもしれない)

アーマーラットは三匹。今の俺の状態では、まともに戦うのは避けたい相手だ。幸い、彼らはまだ俺の存在には気づいていない。

(どうやって通り抜けるか……)
通路はそれほど広くない。隠れてやり過ごすのは難しい。かといって、戦闘は避けたい。

ふと、アーマーラットたちの足元、通路の隅に、何かの骨が散らばっているのが目に入った。おそらく、彼らの餌食になった小動物の残骸だろう。

(骨……あれを利用できないか?)
俺は、【情報読取】を骨に向けて使う。

『対象:小動物の骨
 分類:生物由来素材
 状態:劣化、脆い
 備考:軽い衝撃で砕ける。』

(軽い衝撃で砕ける……これだ)
俺はバックパックから、予備の小さな石を取り出した。そして、アーマーラットたちの注意が別の方向に向いた瞬間を狙い、石を骨が散らばっている場所とは反対側の壁に向かって、軽く投げつけた。

カラン。

小さな音が、洞窟内に響く。アーマーラットたちは、音に驚いて一斉にそちらを振り向いた。その隙に、俺は【隠密】スキルで気配を最大限に消し、素早く、しかし足音を立てないように、彼らの背後を通り抜ける!

捻挫した足首が痛むが、今は耐えるしかない。数メートル進んだところで、アーマーラットたちが再びこちらを警戒し始めたが、既に俺は彼らの認識範囲外、通路の曲がり角へと姿を消すことができていた。

「ふぅ……危なかった」
冷や汗を拭う。満身創痍の状態でのステルス行動は、精神的にかなり疲れる。

しかし、アーマーラットがいたということは、やはりこの通路は既知のエリア、あるいは出口に近い場所へと繋がっている可能性が高い。希望が見えてきた。

さらに進むと、壁の発光鉱石は少なくなり、代わりに、見覚えのあるゴブリンの洞穴の壁が見え始めた。そして、前方から微かに外の光が差し込んでいるのが見えた!

「……出口!?」

最後の力を振り絞り、光の方向へと急ぐ。足を引きずりながらも、その足取りは軽い。そして、ついに俺は、洞窟の外へと転がり出た。

眩しい太陽の光が目に染みる。外の新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込むと、生きていることを実感できた。どうやら、転移した未知のエリアは、ゴブリンの洞穴の別の出口、あるいは未発見の横穴のような場所に繋がっていたらしい。

周囲を見渡すと、そこはリューンの町から見て、ゴブリンの洞穴の入り口とは反対側の、少し離れた森の中だった。方向感覚を頼りに、リューンの町を目指して歩き始める。



満身創痍の状態で、俺はどうにかリューンの町へとたどり着いた。門番の衛兵は、俺のボロボロの姿を見て驚いていたが、ギルドカードを見せると、特に問題なく通してくれた。

まずは宿に戻り、泥のように眠りたいところだが、その前にやるべきことがある。冒険者ギルドへの報告だ。ゴブリンキング(変異体)の存在と、魔力汚染の情報は、ギルドに伝えておく必要がある。それが、多くの被害を防ぐことに繋がるかもしれない。

ふらふらになりながらも、ギルドの洞穴もリューンの南東にあったはずだ。ランダム転移とはいえ、ある程度の範囲内に収まったのかもしれない。あるいは、単なる偶然か。どちらにせよ、リューンが比較的近いというのは朗報だ。

(足跡もある。これを辿れば、街道に出られるかもしれない)

俺は再び立ち上がり、足跡が続く方向へと歩き始めた。森の中は歩きにくいが、木々のおかげで日差しが遮られ、洞窟内よりは体力の消耗が少ない。捻挫した足がズキズキと痛むが、気力でカバーするしかない。

森を歩きながら、俺はゴブリンキングとの戦闘と、その結果を改めて噛み締めていた。
圧倒的な力の差。再生能力というチート級の特性。そして、魔力汚染という、より広範囲な問題。

(やはり、一人では限界がある。仲間が必要だ。それも、信頼できて、俺の能力を理解し、活かしてくれるような……)

クラウスのような正義感の強い騎士も、防御役としては頼りになるかもしれないが、連携は難しそうだ。もっと柔軟な思考の持ち主……あるいは、俺と同じように、少し「普通」ではない能力や知識を持つ人物。

(魔道具技師とか……あるいは、情報収集に長けた斥候とか……)

具体的な仲間像を思い描きながら、森の中を進む。やがて、木々の切れ間から、見覚えのある土埃の道が見えてきた。リューンへと続く街道だ。

「……着いた」

街道に出ると、緊張の糸が少し緩むのを感じた。ここからは、リューンまであと少しだろう。他の旅人や商人とすれ違う可能性もある。少なくとも、森の中よりは安全だ。

俺は、街道をリューンの方角へと歩き出す。夕暮れが近づいており、空が茜色に染まり始めている。

(リューンに戻ったら、まずは宿でしっかり休んで、傷を治さないと。それから、ギルドに報告すべきか……? ゴブリンキング(変異体)のこと、魔力汚染のこと)

報告すれば、ギルドが討伐隊を派遣するかもしれない。だが、変異体の強さを考えると、生半可な戦力では返り討ちに遭う可能性が高い。下手に情報を流して、被害を拡大させる結果になるのは避けたい。それに、俺がどうやってその情報を得たのか、追求されるのも面倒だ。

(いや、待てよ。報告の仕方次第では、メリットもあるかもしれない)
例えば、「ゴブリンの洞穴の奥で、異常に強い魔物に遭遇し、命からがら逃げてきた」とだけ伝えればどうだろうか? それなら、Fランク冒険者の報告としても不自然ではない。ギルドが調査に乗り出すきっかけにはなるかもしれないし、俺の存在が疑われるリスクも低い。そして、もし討伐隊が派遣されるなら、その動向を探ることで、ゴブリンキング攻略のヒントが得られるかもしれない。

(……よし、報告はしよう。ただし、情報は最小限に留める)

今後の行動方針を固めながら、俺はリューンの門を目指す。身体はボロボロだが、心の中には、確かな目標と、それを達成するための道筋が見え始めていた。

敗北はしたが、得たものは大きかった。己の限界を知り、仲間の必要性を痛感し、そして【デバッガー】スキルとの向き合い方を改めて考えさせられた。

この経験は、必ず次に繋がるはずだ。
元SEの異世界デバッグは、まだ終わらない。新たなフェーズへと移行するのだ。

夕陽に照らされたリューンの城壁が、徐々に大きくなっていく。俺は、痛む足を引きずりながらも、確かな足取りで、町へと帰還した。

(第16話 了:約5700字)
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