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1章 君は私の恋人なのか
4話 安らぎの夜
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お互いの気持ちが通じ合ったことを確認し、2人はゆっくりと離れる。
絵名「あの…ゆうくん…ズボン履いてもいい?」
手で覆っているが覆いきれていない淡い色の下着がそこにはあった。
祐司「あ!!うん、いいよ」
今までで一番早い返答だった。
絵名「とんでもない羞恥、恥ずかしすぎて顔から火が出そうだったよ。私は完全に傷物になりました。」冗談っぽく言いながらズボンを履き直す。
祐司「いやーでも僕は脱げって言ってないよ?」
絵名「そんな風に言われると、私が勝手に脱いだ変態みたいじゃん!!元はと言えばゆうくんが突然責め立てたからだよ。」絵名の抗議が止まらない。
祐司「ごめんごめん。ありがとうね。」
これ以上責られないよう話を畳もうとした。
絵名「それって何に対してありがとうって言ってるの?」
祐司「もちろん、色々だよ。」
絵名「なに色々って。」
今までにない和やかな空気がそこにはあった。
(和解後の食事)
トントントン、ジュー。キッチンから心地良い音が響く。震災の日に目覚めてから始めて聞く料理の音だった。
(昔誰か僕にご飯作ってくれてた気がする。)
絵名「出来たよ♪」大きなお皿と極上香りが運ばれてきた。
祐司「オムライスだね。すごい美味しそう。いただきます!!」祐司は絵名の召し上がれと同時をに食べ始めた。
祐司「うまーーい!!目覚めてから食べた中でダントツにおいしいよ。」
絵名「でしょー、私のお母さんのレシピを参考にしてるんだ。ゆうくんの好みは把握してるからね。やっと…料理を作ってあげられたよ。食べさせてあげたかったんだ。」満面の笑みで得意気に語る。
祐司「ありがとうね。」彼女の言葉に込められた好意に対する感謝と同時に、早く記憶を取り戻してその好意に応えたいという焦りも感じた。
(家族の話)
食事後の時間、2人は寝転んでくつろいでいた。
祐司「僕は一人っ子で、離婚した父親と長く暮らしていたって言ってたよね。震災前に亡くなったって聞いたけど。絵名のお母さんはどうしているのかな?」
絵名「…私もシングルマザーのお母さんと2人で暮らしだよ。大学生になった時にお母さんから離れて一人暮らしを始めたの。お母さんは違う県に住んでるよ。」
祐司「そっか…」
お互い家族構成が特殊からか、絵名の話す声は弱々しかった。「お母さんがいるのに、僕と一緒にいてくれてありがとうね。」
絵名は ニコッと笑ってうなづいた。
(就寝前)
祐司「周りを気にせず大の字で寝っ転がるの気持ち良いね。」
絵名「テント生活だと周りに気を使うからね。肩や腰を揉んであげようか?」
祐司「良いの?ぜひお願いしたいな!」
絵名「どれどれー先生に背中を見せてみなさい。お、お客さんこれはかなり凝っていますね。」絵名先生が冗談っぽく話す。
祐司「あー気持ちいい。先生さすがです。」
マッサージ終了後
祐司「本当に上手だったね。結構慣れている手つきだったね。」
絵名「お母さんとかゆうくんに結構やってたから上手になったんだよ。訓練の賜物だよ。」絵名は誇らしげに語っていた。
祐司「じゃあ、今度は僕がやってあげるよ。」そう言いながら絵名の後ろに回り込んだ。
絵名「いたっ、いた、いた…。ゆうくんストップ!!」祐司を静止させ絵名はにらみつけた。「女の子の肩は男より柔らかいんだよ。ゆうくんはバスケとかやってたから指の力が強いんだよ。優しく、回しながらほぐすようにやらないと。」
祐司「ごめんね。僕も訓練して上手にならないとな。」
「早く私みたいに上手になってね。」
他愛もない、でも暖かい会話で夜は過ぎていった。
絵名「あの…ゆうくん…ズボン履いてもいい?」
手で覆っているが覆いきれていない淡い色の下着がそこにはあった。
祐司「あ!!うん、いいよ」
今までで一番早い返答だった。
絵名「とんでもない羞恥、恥ずかしすぎて顔から火が出そうだったよ。私は完全に傷物になりました。」冗談っぽく言いながらズボンを履き直す。
祐司「いやーでも僕は脱げって言ってないよ?」
絵名「そんな風に言われると、私が勝手に脱いだ変態みたいじゃん!!元はと言えばゆうくんが突然責め立てたからだよ。」絵名の抗議が止まらない。
祐司「ごめんごめん。ありがとうね。」
これ以上責られないよう話を畳もうとした。
絵名「それって何に対してありがとうって言ってるの?」
祐司「もちろん、色々だよ。」
絵名「なに色々って。」
今までにない和やかな空気がそこにはあった。
(和解後の食事)
トントントン、ジュー。キッチンから心地良い音が響く。震災の日に目覚めてから始めて聞く料理の音だった。
(昔誰か僕にご飯作ってくれてた気がする。)
絵名「出来たよ♪」大きなお皿と極上香りが運ばれてきた。
祐司「オムライスだね。すごい美味しそう。いただきます!!」祐司は絵名の召し上がれと同時をに食べ始めた。
祐司「うまーーい!!目覚めてから食べた中でダントツにおいしいよ。」
絵名「でしょー、私のお母さんのレシピを参考にしてるんだ。ゆうくんの好みは把握してるからね。やっと…料理を作ってあげられたよ。食べさせてあげたかったんだ。」満面の笑みで得意気に語る。
祐司「ありがとうね。」彼女の言葉に込められた好意に対する感謝と同時に、早く記憶を取り戻してその好意に応えたいという焦りも感じた。
(家族の話)
食事後の時間、2人は寝転んでくつろいでいた。
祐司「僕は一人っ子で、離婚した父親と長く暮らしていたって言ってたよね。震災前に亡くなったって聞いたけど。絵名のお母さんはどうしているのかな?」
絵名「…私もシングルマザーのお母さんと2人で暮らしだよ。大学生になった時にお母さんから離れて一人暮らしを始めたの。お母さんは違う県に住んでるよ。」
祐司「そっか…」
お互い家族構成が特殊からか、絵名の話す声は弱々しかった。「お母さんがいるのに、僕と一緒にいてくれてありがとうね。」
絵名は ニコッと笑ってうなづいた。
(就寝前)
祐司「周りを気にせず大の字で寝っ転がるの気持ち良いね。」
絵名「テント生活だと周りに気を使うからね。肩や腰を揉んであげようか?」
祐司「良いの?ぜひお願いしたいな!」
絵名「どれどれー先生に背中を見せてみなさい。お、お客さんこれはかなり凝っていますね。」絵名先生が冗談っぽく話す。
祐司「あー気持ちいい。先生さすがです。」
マッサージ終了後
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絵名「お母さんとかゆうくんに結構やってたから上手になったんだよ。訓練の賜物だよ。」絵名は誇らしげに語っていた。
祐司「じゃあ、今度は僕がやってあげるよ。」そう言いながら絵名の後ろに回り込んだ。
絵名「いたっ、いた、いた…。ゆうくんストップ!!」祐司を静止させ絵名はにらみつけた。「女の子の肩は男より柔らかいんだよ。ゆうくんはバスケとかやってたから指の力が強いんだよ。優しく、回しながらほぐすようにやらないと。」
祐司「ごめんね。僕も訓練して上手にならないとな。」
「早く私みたいに上手になってね。」
他愛もない、でも暖かい会話で夜は過ぎていった。
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