親友がどーしてもって言うから渋々引き受けたけど後でとんでもないことになった話。

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☆親友に頼み事をした後にその親友が大変なことになってるなんて1ミリも知らない正人の話

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☆親友に頼み事をした後にその親友が大変なことになってるなんて1ミリも知らない正人の話☆





  あの先生、話なっっっがいんだよな…





  放課後。
  俺は、昼休憩の時間にミーティングで使った空き教室に向かって走っていた。職員室からはかなり距離がある。しかし、部活で鍛えた足ではなんら苦にもならない。


  シャーペンシャーペンっと…





  ミーティングが始まる前。と言うか時間的には開始していたが…
  俺は本日のミーティングの存在をすっかりすっかりすっかり忘れていた。なんか記入するプリントがあるとかで、必ず出席しなきゃいけないやつだ。

  別のクラスのやつと飯を食べようと廊下に出たとき。向かいの校舎の廊下を歩く先輩を見つけ、ミーティングがあるっていう記憶が新幹線並みのスピードで突進してきた。


  っうわわわあぁぁぁあぁぁ!わっっっすれーてたぁぁぁ!


  焦るオレ。しかし手には大好物の焼きそばパンとミルクティー(パック)。シャーペンなんて持ってない。


  シャーペンを取りに教室に戻るor遅刻しないように(もうしてるけど)急いで空き教室に走る…
  どちらにせよ急がなければ!!


  そんな大慌てで走り出したいのにどちらに足を進めるのが正解なのか迷って反復横飛びの俺の目に、ちょうどその時、偶然にも、親友が。


「とーしぃぃゆぅきぃぃぃぃ!利幸利幸とっしーとしちゃぁぁぁん!」

「なんだよ、正人うっさいな」

「大親友の利幸様一生のお願いですシャーペン貸してください!!」

「は?」

「今からミーティングなんだよぉはやく行かなきゃなんだよぉぉぉぉぅ」


  さすがしっかり者の大親友!幼馴染み!制服の胸ポケットにシャーペンを常備してるなんて!

  昔っから、頼りになるんだよなぁ。


  ハッ!いかんいかん!急がないと!
  あの先輩遅刻に厳しいし怒るとめっっっさ怖いんだよぉぉ…

「利幸ありがとー!!」


  パンとミルクティーが入った袋をガサガサさせながら空き教室にギリギリ走らない早足&最後は滑り込み。(急いで来ましたちょっと用事があってあれでこれでそんでもって、っていうアピールだ)

  しかしアピールむなしく、冷ややかな部長の声がチクリと痛い。さっき無駄にスライディングした膝もついでに痛い。





  放課後の現在は、校舎に人はまばらで、いつもより思いっきり走れる。オレはぐんぐん足を進めた。

  最終コーナーに差し掛かりました~(角を曲がったら目的の教室)というところで。


「うふぉをっっ!!!」

「うわっ!」


  急に飛び出してきた人物と正面衝突だ。その勢いで互いにしりもちをつく。

「いたた…って!!ごめんな!大丈夫か!?」

「…」

  すぐさま体勢を建て直し、ぶつかった相手に手を伸ばした。しかし、その右手は…虚しく宙を掴んだ。

「おーい?」

「…」

  お互いしりもちをついたはずだが、相手はそんなことなかったかのように走り去っていった。もう姿は見えない。


  なんだ?あいつ?


  見たことある気がするぞ…えーっと、確か…隣のクラスの…

  誰だっけ?





  …ま、いっか。


  それよりシャーペンシャーペン!
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