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4 気づいてしまったから
しおりを挟む足は慣れたルートを進んでいく。校舎を出て、いつもの角を曲がり、いつもの信号で止まり、いつもの階段を下り…家までの道をひたすら進む。
顔が熱い。外気に晒されていても、一向に顔の熱は治まらない。
オレは、二人を見て、何を、しようと、して、い、た…?
先輩のセリフに、気づいた伸ばしかけの手。
オレ、は…
オレは頭をブンブン振った。
あそこにいたのは親友のためだ!順の幸せのためだ!!そう自分に言い聞かせる。
しかし。
何度頭を振って否定しようとも、下半身が反応したのは事実だ。先輩に見られたからごまかしようがない。
でも…でも…
順のため、そのために、オレはあの教室にいたんだ…
初めて見るものに興味が湧いたのは認める。しょうがない。けれども、目を反らそう思ったらどうとでもなったはずだ!!いつだって逃げ出せたはずだ!!
でもそうしなかった、の、は…
オレは、オレ自身に問いかける。
それ以外の目的ができたんじゃないのか…?
順のため…それを言い訳にして。
…
おいおい、親友だぞ?
親友のセックスをオカズに…とか…
しかも、それを親友の恋人に気づかされるとか…
ハッ…
いつの間にか、親友のためという大義名分も、親友の顔も見えなくなって…もう、二人が繋がるそこだけしか見えなくなっていた。
親友、なんて、もう言ってらんないな…
この日を境に、オレは、他人のセックスを覗くことに夢中になっていった。
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