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テオドールの酒場
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「ここだな、村唯一の酒場は」
輩たちの溜まり場である酒場に着いた。
扉を開けると薄暗く獣の匂いが充満していた。
蜜蝋ではなく獣脂を燃やして灯りとしているのだろう。
ざわざわとした騒ぎが俺を見て静まった。
12歳の子供とノナン族の女が酒場に入ってくる光景はそりゃ珍しいだろう。
「‥‥‥なんだ、あのガキ?」
「金持ってそうだな」
「何しに来やがったんだ?」
「でも連れてる女はいい女じゃないか?」
「バッカ、あの髪と肌の色をよく見ろ。ありゃノナン族だぞ。角も生えてるだろうが‥‥‥」
さすがに目立つな。まぁそれも目的ではあるけど。
カウンターまで歩く。バーテンダーに声を掛けられる。
「小さいお客さん、注文は何にするね?」
「あー、じゃあミルクをください」
「「「ブハハハハハ!!!!」」」
酒場が爆笑に包まれた。
「ミ、ミ、ミルクだってよ!!」
「坊や、帰ってママのおっぱいでも飲んでな!」
予想通りの反応だ。
ティナ、周囲に殺気を飛ばすな。騒ぎはやめてくれ。
バーテンダーに鼻で笑われて告げられる。
「ここにはミルクはねぇよ、お坊ちゃん。さっさと帰んな」
「じゃあここの客みんなに一杯ずつ。これで」
金貨を一枚カウンターに置く。
金貨一枚は日本円なら10万円くらいだ。全員に一杯ずつなら充分足りるだろう。
「「うおおお!!!?」」
今度は歓声が上がる。
「お坊ちゃん、いい子だなぁ!!」
「ありがとよー!」
「坊ちゃんに乾杯だー!!」
わかりやす過ぎるほどの手のひら返しだ。まぁ好都合だけど。
「「カンパーイ!!!」」
「こっちに来て座んな! 坊ちゃん」
「ありがとう、エドガーといいます」
奥に居た輩っぽいのが手招きして俺とティナの席を空けてくれた。
ちょうどいい、こいつらに聞いてみるか。
「あー、少し聞きたいんですけど良いですか?」
機嫌が良くなった奴らからいろいろと情報が引き出せた。
こいつらは【マール】【バッツ】【トライ】という名らしい。
マール達は【黒の夢】という組織に所属しているらしい。言うなれば地元のヤクザのようなものだと理解した。
黒の夢のボスは女。卓越した剣の使い手で瞬く間にのし上がったのだという。
「こっちのねーちゃんもそれなりにやるようだが剣を持ったアネゴには敵わないだろうぜ」
ほほう、ティナの強さが解るとはこいつら意外とやるな。
「そのボスには会える?」
「いや、さすがにそれは‥‥‥」
「うあぁぁぁ!!!!」
女の叫び声が響いた。
それを聞いたマール達が立ち上がる。
「ボスの声だ!」
「何かあったのか?」
輩たちの溜まり場である酒場に着いた。
扉を開けると薄暗く獣の匂いが充満していた。
蜜蝋ではなく獣脂を燃やして灯りとしているのだろう。
ざわざわとした騒ぎが俺を見て静まった。
12歳の子供とノナン族の女が酒場に入ってくる光景はそりゃ珍しいだろう。
「‥‥‥なんだ、あのガキ?」
「金持ってそうだな」
「何しに来やがったんだ?」
「でも連れてる女はいい女じゃないか?」
「バッカ、あの髪と肌の色をよく見ろ。ありゃノナン族だぞ。角も生えてるだろうが‥‥‥」
さすがに目立つな。まぁそれも目的ではあるけど。
カウンターまで歩く。バーテンダーに声を掛けられる。
「小さいお客さん、注文は何にするね?」
「あー、じゃあミルクをください」
「「「ブハハハハハ!!!!」」」
酒場が爆笑に包まれた。
「ミ、ミ、ミルクだってよ!!」
「坊や、帰ってママのおっぱいでも飲んでな!」
予想通りの反応だ。
ティナ、周囲に殺気を飛ばすな。騒ぎはやめてくれ。
バーテンダーに鼻で笑われて告げられる。
「ここにはミルクはねぇよ、お坊ちゃん。さっさと帰んな」
「じゃあここの客みんなに一杯ずつ。これで」
金貨を一枚カウンターに置く。
金貨一枚は日本円なら10万円くらいだ。全員に一杯ずつなら充分足りるだろう。
「「うおおお!!!?」」
今度は歓声が上がる。
「お坊ちゃん、いい子だなぁ!!」
「ありがとよー!」
「坊ちゃんに乾杯だー!!」
わかりやす過ぎるほどの手のひら返しだ。まぁ好都合だけど。
「「カンパーイ!!!」」
「こっちに来て座んな! 坊ちゃん」
「ありがとう、エドガーといいます」
奥に居た輩っぽいのが手招きして俺とティナの席を空けてくれた。
ちょうどいい、こいつらに聞いてみるか。
「あー、少し聞きたいんですけど良いですか?」
機嫌が良くなった奴らからいろいろと情報が引き出せた。
こいつらは【マール】【バッツ】【トライ】という名らしい。
マール達は【黒の夢】という組織に所属しているらしい。言うなれば地元のヤクザのようなものだと理解した。
黒の夢のボスは女。卓越した剣の使い手で瞬く間にのし上がったのだという。
「こっちのねーちゃんもそれなりにやるようだが剣を持ったアネゴには敵わないだろうぜ」
ほほう、ティナの強さが解るとはこいつら意外とやるな。
「そのボスには会える?」
「いや、さすがにそれは‥‥‥」
「うあぁぁぁ!!!!」
女の叫び声が響いた。
それを聞いたマール達が立ち上がる。
「ボスの声だ!」
「何かあったのか?」
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