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新たな流刑者

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 ここに来てから二週間ほど経った。
 坊主頭になった連中はみんな真面目に働いていると聞いて安心している。

「さすがは王国きっての神童ですな。来た初日からあの輩共を更生させてしまったのですから‥‥‥」
「そこはエドガー様ですから!!」
 村長とティナで盛り上がっている。

「そうそう、来週にまた流刑者が送られてくるそうですよ。ちょっと珍しい種族なんですが」
「珍しい種族?」

「ドワーフです。三名」
「んー? もしかして‥‥‥?」
「まさかあの三人でしょうか?」

 ドワーフには知り合いがいる。金属加工がとても上手な奴と非金属加工(革や木やクリスタル)の得意な奴、あとは建築関連全般出来る奴だ。そいつらはみんな問題があるのはあるんだが。

 あいつらがいろいろ手伝ってくれると村の立て直しもスムーズに行くなぁ。
 特に金属加工で作ってもらいたいものがたくさんあるし。
 急いで迎え入れるための工房を作らなくちゃな。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 翌週、流刑者を乗せた馬車が到着した。髭もじゃのずんぐり体型の男が二名、背は小さいけど手足はしっかりしてる女が降りてくる。
「よく来たな、ロキソ、イブ、ザルト」

「おお! 坊、久しぶりじゃの」とロキソ。
「ホントにエドガーだ!」とイブ。
「‥‥‥うんうん」ザルト、お前はちゃんと喋れ。

「いらっしゃい‥‥‥って言うのもなんか変だけどな。お前達は一体何をやらかしたんだ?」
「ふん、無茶苦茶言ってきた貴族をぶん殴っただけじゃよ」
 相変わらずだな。

「とりあえずの工房を用意したよ。早速作って欲しいものがいろいろとあるんだ」

 先日、絵師スキルの彼、ドローの所に行って図面を描いてもらった。特徴の説明と俺の下手な絵だけでよくぞこんな理想的な図面がよく出来たものだ。

 金属だけでなく他に必要なものも一緒に渡す。
 
「ほほう、これはなんだかわからんが、相変わらず面白いことを思い付く奴じゃの。野良鍛冶だがやってみるわ。明日まで時間もらうぞ」
 明日には出来るのかよ、すごいなぁ。

「しかし随分汚い家ね? こんな所じゃろくに仕事も出来ないでしょう? 建て直しましょう」
「‥‥‥うんうん」
 イブの提案にザルトが頷く。
 いや、だからなんか言えっての。

「それもそうなんだけどさ。先立つものがないからな」
 建て直ししたいのは山々だけど。ギリギリ住めるし。

「ふふーん、この度ザルトが新しい魔法が使えるようになったのよ。その名も【建築魔法】よ!!」
「‥‥‥ふふーん!」

「試しに使ってみたいから今回はタダでいい、だって!」
「なんだって!?」

 ザルトの建築魔法‥‥‥。
 どんな魔法なんだ? さすがの俺でも知らないぞ。
「‥‥‥うんうん」
 いや、やらないんかい!!

 あーうん。いや、急にやられても困るか。村長宅はボロいけど一応まだ残ってるからな。
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