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警戒
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「村長さん、大森林にモンスターの群れが現れた。という事は近々この村にも来るかもしれませんよね‥‥‥?」
「それは確かに‥‥‥、今のうちに領都に赴いて応援要請をしてきましょう」
さすがに流刑者の村と言えど領都に見捨てられる事はないだろう。ここで食い止められなかったら次は隣の辺境領都メッサーラなのだから。
マルディア王国の最西端の辺境領ウェストール。さらにその最西端の先っぽが流刑者の村テオドールだ。その先は未開の大森林しかない。
ちなみに実家のストライク五爵家は王都の貴族街の端の一際小さな一軒家だ。
ウェストール辺境爵はこの国では子供でも知っている武勇で知られた英雄だ。
長男、次男、長女と皆優秀で王都学院を皆首席で卒業しているザ・エリートだ。
そのウェストール辺境爵様が自分とご家族のお住まいの領都メッサーラを危険に晒すはずはない。
なんとしてもこの村に前線基地を作って、モンスター達を食い止めるはずだ。
「村長さん、この村の精密な地図を作ります。ドローさん、手伝って!! ティナは村人全員に備えるように伝えて! フルルは病み上がりだ、今日は休め!」
「そんな! フルルにも何かお手伝いを!!」
食い下がってきたフルルの肩を笑顔で叩く。
「大丈夫、明日からは猛特訓だから。俺は厳しいぞ? 休めるのは今日だけだからな?」
少しビビったフルル。
「わ、わかりました。じゃあ今日は休みます」
モンスターが群れを成す程大量発生するのは二つの月の満ち欠けと関係があるとか。
俺の計算だと次は10日後くらいかな。
ロキソに頼んだものが間に合えば良いけど‥‥‥場合によっては変更してもらうか。
「よし‥‥‥やるか!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まずは村の地図を作る。俺と村長がラフな地図を描いてドローがそれを見て精緻に描いていく。
各所を毎日見て回っていた甲斐があったと言うものだ。
この村は川が南北に二本流れている。北西方面におよそ1キロ程で大森林が始まる。
迎え撃つのなら北の川の手前がベストだろうな。モンスターと言えど川では進軍スピードが落ちる。
そこを銃や弓で狙い撃つのが一番だろう。
「あー、そうか。そうだよな‥‥‥」
俺の描いたラフ地図の方にいろいろと描き込んでいく。
「うん‥‥‥これでなんとかなりそうかな。あとはみんなの訓練と成長次第か。明日からはまた忙しくなりそうだな」
翌朝、ロキソ達の所へ。
「どうした、坊。ずいぶん早いうちから」
「ロキソ。昨日頼んだアレ、どの程度出来ている?」
ザブザブと顔を洗って拭き布で拭くロキソ。髭がすごいから拭き布がビシャビシャだ。
「ふう、ミスリルは加工に時間がかかるからの。まだ半分も出来とらんよ。追加注文か?」
「大森林のモンスターの群れの話は聞いただろう? そこでこう変えたいんだ。出来るかな?」
「ワシを誰じゃと思うとる。この間任せるって言うたよな? ワシも任しとけと言うた。何故信じぬのだ?」
俺は心から詫びた。何よりも大切なドワーフの職人としての誇りに傷をつけたのかと‥‥‥。
「‥‥‥済まなかった、ロキソ。絶対に間に合わせてくれよ、当日までには!! じゃ!!」
「‥‥‥おう! なんとか仕上げてみせるわ! ドワーフの誇りに賭けてな!!」
次はイブとザルト。
「あら、どうしたの? オバさんにも何か頼み事あるのー?」
「おう! イブとザルトに頼みがあってこんな時間に来たんだ!」
「‥‥‥うん!」
ザルトの目に火が宿ったのが見えた。
いけそうかな!?
「ザルト、この辺にこう城壁を作って貰いたいんだ。どうかな、任せても良いか?」
俺のラフ地図を渡して見せた。
さっきのロキソとのやり取りで学んだ。
「出来るか?」と聞くよりも「任せても良いか?」と聞く方がいい。
「‥‥‥うん!!」
ザルトがサムズアップして応えてくれた。
「ありがとう! 頼むぞ!! イブ、サポートしてくれ! よろしく!!」
「あいよー!! 任しときな!!」
ドワーフ達は頼れる、ありがたいな。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
次の場所に来た。
「セリス‥‥‥頼みがあって来た」
「エドガー、大体のことはティナから聞いている。アタシらはどう動くのが良い?」
俺は作戦の粗筋を伝えた。
「‥‥‥なるほど。エドガーがこの村では一番頭が切れるはずだ。お前がそう思ったのならそう指示してくれればいい。アタシらはその通りに動くさ」
セリスは完全に俺の事を信用してくれている。期待に応えなきゃな!
「ありがとう! この戦いではセリス達がかなり重要な役目になる。危険だが頼んだぞ!」
「!! そんな重要な役目任せてくれてありがとよ。無事に勝ったら浴びるほど飲もうな!」
「俺はまだ飲めないよ」
「そうだった! じゃあケーキでも食べような!」
「それは確かに‥‥‥、今のうちに領都に赴いて応援要請をしてきましょう」
さすがに流刑者の村と言えど領都に見捨てられる事はないだろう。ここで食い止められなかったら次は隣の辺境領都メッサーラなのだから。
マルディア王国の最西端の辺境領ウェストール。さらにその最西端の先っぽが流刑者の村テオドールだ。その先は未開の大森林しかない。
ちなみに実家のストライク五爵家は王都の貴族街の端の一際小さな一軒家だ。
ウェストール辺境爵はこの国では子供でも知っている武勇で知られた英雄だ。
長男、次男、長女と皆優秀で王都学院を皆首席で卒業しているザ・エリートだ。
そのウェストール辺境爵様が自分とご家族のお住まいの領都メッサーラを危険に晒すはずはない。
なんとしてもこの村に前線基地を作って、モンスター達を食い止めるはずだ。
「村長さん、この村の精密な地図を作ります。ドローさん、手伝って!! ティナは村人全員に備えるように伝えて! フルルは病み上がりだ、今日は休め!」
「そんな! フルルにも何かお手伝いを!!」
食い下がってきたフルルの肩を笑顔で叩く。
「大丈夫、明日からは猛特訓だから。俺は厳しいぞ? 休めるのは今日だけだからな?」
少しビビったフルル。
「わ、わかりました。じゃあ今日は休みます」
モンスターが群れを成す程大量発生するのは二つの月の満ち欠けと関係があるとか。
俺の計算だと次は10日後くらいかな。
ロキソに頼んだものが間に合えば良いけど‥‥‥場合によっては変更してもらうか。
「よし‥‥‥やるか!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まずは村の地図を作る。俺と村長がラフな地図を描いてドローがそれを見て精緻に描いていく。
各所を毎日見て回っていた甲斐があったと言うものだ。
この村は川が南北に二本流れている。北西方面におよそ1キロ程で大森林が始まる。
迎え撃つのなら北の川の手前がベストだろうな。モンスターと言えど川では進軍スピードが落ちる。
そこを銃や弓で狙い撃つのが一番だろう。
「あー、そうか。そうだよな‥‥‥」
俺の描いたラフ地図の方にいろいろと描き込んでいく。
「うん‥‥‥これでなんとかなりそうかな。あとはみんなの訓練と成長次第か。明日からはまた忙しくなりそうだな」
翌朝、ロキソ達の所へ。
「どうした、坊。ずいぶん早いうちから」
「ロキソ。昨日頼んだアレ、どの程度出来ている?」
ザブザブと顔を洗って拭き布で拭くロキソ。髭がすごいから拭き布がビシャビシャだ。
「ふう、ミスリルは加工に時間がかかるからの。まだ半分も出来とらんよ。追加注文か?」
「大森林のモンスターの群れの話は聞いただろう? そこでこう変えたいんだ。出来るかな?」
「ワシを誰じゃと思うとる。この間任せるって言うたよな? ワシも任しとけと言うた。何故信じぬのだ?」
俺は心から詫びた。何よりも大切なドワーフの職人としての誇りに傷をつけたのかと‥‥‥。
「‥‥‥済まなかった、ロキソ。絶対に間に合わせてくれよ、当日までには!! じゃ!!」
「‥‥‥おう! なんとか仕上げてみせるわ! ドワーフの誇りに賭けてな!!」
次はイブとザルト。
「あら、どうしたの? オバさんにも何か頼み事あるのー?」
「おう! イブとザルトに頼みがあってこんな時間に来たんだ!」
「‥‥‥うん!」
ザルトの目に火が宿ったのが見えた。
いけそうかな!?
「ザルト、この辺にこう城壁を作って貰いたいんだ。どうかな、任せても良いか?」
俺のラフ地図を渡して見せた。
さっきのロキソとのやり取りで学んだ。
「出来るか?」と聞くよりも「任せても良いか?」と聞く方がいい。
「‥‥‥うん!!」
ザルトがサムズアップして応えてくれた。
「ありがとう! 頼むぞ!! イブ、サポートしてくれ! よろしく!!」
「あいよー!! 任しときな!!」
ドワーフ達は頼れる、ありがたいな。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
次の場所に来た。
「セリス‥‥‥頼みがあって来た」
「エドガー、大体のことはティナから聞いている。アタシらはどう動くのが良い?」
俺は作戦の粗筋を伝えた。
「‥‥‥なるほど。エドガーがこの村では一番頭が切れるはずだ。お前がそう思ったのならそう指示してくれればいい。アタシらはその通りに動くさ」
セリスは完全に俺の事を信用してくれている。期待に応えなきゃな!
「ありがとう! この戦いではセリス達がかなり重要な役目になる。危険だが頼んだぞ!」
「!! そんな重要な役目任せてくれてありがとよ。無事に勝ったら浴びるほど飲もうな!」
「俺はまだ飲めないよ」
「そうだった! じゃあケーキでも食べような!」
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