異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜

芍薬甘草湯

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お夕飯

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 無事に労働力を手に入れた俺は部屋に戻り晩餐の為に着替える。
 マッシュの刺繍したハンカチもちゃんと持っていかないとな。

「エドガー様、晩餐のご用意が整いましたのでご案内いたします」

 昼とは違う部屋に連れて行かれた。
 席に着くと向かいには辺境爵様のご家族と思しきご婦人と女の子が。ゲオルグ様のご家族だろう。

「お初にお目にかかります、エドガーと申します。お会いできて光栄です」

「ご丁寧にありがとう。わたしはゲオルグの妻イザベラ。こちらは次女のエリーゼよ」

「ウェストール辺境爵の次女エリーゼ・ウェストールですわ。エドガー様はとっても賢いんですってね。仲良くしてくださると嬉しいですわ」

 やはりそうだったか。
 ここは表面上だけでも仲良くしとかなきゃな。

「エドガー様はおやめください、エリーゼ様。私などしがない村の民ですので」
「あら、お父様から伺いましたわ。村に現れたモンスターの群れを退ける指揮を取ったとか? 私と同い年なのにすごいですわ!!」

「いやいや、みんなが頑張ってくれただけで。私はあれこれ言っただけですし」
「まぁ、ご謙遜なさってるのね。お父様が先日からずっと絶賛してましたので是非お会いしたかったのですわ」

 え? そんなになの?
 まぁ、流刑者なのに特別扱い感はあるけどさ。

「ありがたく思っております」
「ポタートの新しい料理もお考えになったとか? すごいですわ!!」

 あー、それは今日の昼ね。しかも前世の料理だし、あれ。
 しかしすごい話しかけてくるなぁ。
 こっちとしては話題を振らなくていいから助かるけどさ。

「エリーゼ、その辺にしておきなさい。エドガーくんが困ってるわよ」
「え、いえ。そんな事は‥‥‥」
「あ、ごめんなさいですわ。つい興奮してお喋りが過ぎてしまうのですわ」

 そして辺境爵様がいらっしゃった。
「おお、みんな揃っておるな。すまんすまん。では始めようか」

 グラスを持って掲げる。

「モンスターの群れを退けた英雄達に! 乾杯!」
「「「カンパーイ!!」」」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「しかしこの揚げポタートは本当に美味しいですわね。ワタクシ病みつきになりそうですわ!」
「今日のお昼に食べて感動してたものね、エリーゼ?」
 エリーゼ様の発言にイザベラ様が反応する。

「でも塩味だけではいずれ飽きるでしょう。様々な調味料にも合いますのでいろいろお試しになってくださいね」

「ふむ、その口ぶりだと新しい調味料も知ってそうだな、エドガーよ?」
「あー、はい。存じております。作る機会と材料がなくてまだ試してはおりませんが‥‥‥」

「ふむ、次回来た時にまた教えてくれたら良かろう。そうそう、エドガーよ。お主を今回の件で正式に村の行政官として任命しようと思う」

 ぶぶーっ!!
 飲み物を噴き出してしまった。
 いや、なんでよ!?

 ハンカチで拭く。

「‥‥‥大変失礼致しました。申し訳ございません」
「ははっ! さすがのエドガーもこれは意外だったか?」

 辺境爵様のドヤ顔うぜぇ‥‥‥。
 『してやったり』って言ってないけど言ってるよね?

「しかし何故私が? 村長のテオさんもおりますのに‥‥‥」
「今、あの村を仕切ってるのは実質お前だろう? 構わん、村長はそのままでお前がその上の統治責任者として明日宣言を出す事にする」

「いや、しかし‥‥‥私は12歳ですよ?」
「あれだけの事をいろいろとやっておきながら年齢を盾に断るのは説得力がないだろ? テオドール村を要塞とすると大森林の開発も進めやすくなるし、あれほどの要塞となるとあの村長では統治は無理だろう」

 ティナが横に立ち耳打ちをする。
「ここはお受けした方がよろしいかと‥‥‥」


「‥‥‥わかりました。必要な人材は送っていただけますでしょうか?」
「おお、受けてくれるか。人材は好きに使うがいい。あの要塞の村を発展させてくれ。頼んだぞ」

「‥‥‥はい、謹んでお受け致します」

 こうして俺はテオドール村の統治責任者となる事が決まった。
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