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第一部 祝福の儀編
合格発表
しおりを挟むみんなには受ける前から合格だろうと言われていた。
でも蓋を開ければ筆記試験は良かったとして、鑑定検査はバグによる欠格項目あり。実技試験は遅れてしまったので減点は間違いなし。魔法の効果として建物を吹き飛ばすって減点というよりマイナス点をどう出し合うかみたいになっている。不安しかない。
会場の建物に関しては後日連絡すると言われただけでそれから何もないのでそれも不安だ。
発表は明日の朝だ。それまでは辺境伯邸で過ごすことになる。
「大丈夫よ、最後のは貴方のせいじゃないわ」
「でも、鑑定検査でも魔力とか変だったし、水神の祝福のところは文字化けしてたし‥‥‥」
ああ、憂鬱だ。
朝が来た。発表を見に行かなきゃ、落ちてたらまぁ冒険者登録すれば良いか、考えが一周して気持ちが楽になっていた。
大勢が待ち構える中、職員達が掲示板に結果を張っていく。番号でなくフルネームだ。魔法科ネロ、ネロ、ないな。お、マリアはあった。おめでとう。
うーん、無いな、落ちたか、よし、ギルドへ行くか。合格者は受付に向かうが不合格者は解散だ、帰ろうとするとマリアに止められる。
「ネロ、貴方どこ行くの?」
「いや、落ちたからギルドへ行こうかと」
「落ちて無いわよ、ホラ!」
マリアの指差した先には別紙で
『ネロ•ヴァッサー 特殊合格』と記載があった。発表別なのかよ、特殊合格ってなんだ?
ともかく合格受付に向かう。しばらく待った後受付で名前を言うと別室に通された。学院長室と書いてある。ノックすると
「どうぞ」
女の人の声か?ドアを開けた。
立派な机、立派な椅子に座っていた綺麗な人、この人が学院長先生なんだろう。建物壊した事を怒られるのかな、ドキドキ。
立ち上がって、握手を求めてきたので応えた。
「こんにちは、ネロ•ヴァッサーくんだね。はじめまして、学院長のマチルダ•エステルです。よろしく」
「ネロ•ヴァッサーです。よろしくお願いします。あの‥‥‥試験会場の屋根吹き飛ばしてすみませんでした」
「はは、あの件に関しては問題ないよ。魔法で結界を張ってあったのだがまさか破られるとはおもわなかったよ。結界破りは合格扱いになるんだ、決まりでね」
「あの特殊合格っていうのは?」
「筆記と実技と鑑定検査と全て優秀な成績の場合は『特待生』となるのだが、キミ鑑定検査の結果が変だったろう?」
「はい、表示がいろいろと」
「今回はそこも引っかかったので特殊合格とさせてもらったのだ。あの魔道具は簡易的なものだからな。再度鑑定検査をしてみよう。結果次第では『特待生』としよう」
特待生合格だと学費全額免除、特殊合格だと半額免除になる違いがあるそうだ。俺の場合は筆記と実技が特待生合格基準だったが鑑定検査がよくわからない結果だったのでこういう扱いになったようだ。なんにせよ特待生なら全額免除になるならそれに越した事はない。
「そしてキミはあのピーター•ヴァッサーの弟だろう?彼はあの世代でも特に優秀だったしな」
「兄をご存知ですか?」
「勿論、黒魔法なんて才能見たのも初めてだったしな」
「まぁ、目立ちますよね?」
「どれ、やってみよう。『鑑定』!」
あ、学院長鑑定使えるんだ。
「ふむ、ん⁉︎MP多いな⁉︎しかもなんで二つあるんだ⁉︎ステータスは普通‥‥じゃない⁉︎魔力28?25が人の上限だろう?なんなんだ、キミは。」
「さぁ、普通の魔法科の受験生ですけど」
「いや、普通じゃないぞ‼︎才能は水魔法と‥‥ぎゃー‼︎、神級?神級なのかキミは⁉︎」
「あ、はい。なんかそうみたいです」
「なんでそんなにクールなんだ?」
「このくだり、何度もやったので」
「ああ、そう」
「コホン、取り乱してすまない、キミは特待生で合格としよう。おめでとう」
「ありがとうございます」
「そこでだ、私は世界第一線の研究者でもあるのだが、キミ!私の研究に協力したまえ!」
「え、なんです?」
「未知の魔法の研究がテーマなんだがキミがいると捗りそうなのでな」
「えぇー?」
「バイト代も出すぞ」
「やります」
「現金だな」
「お金は大切ですので」
「じゃあ後日呼んだら来てくれよ」
「では失礼いたします」
とりあえず合格できた。
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お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
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(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
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