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しおりを挟むプロローグ
出会いは、四月の入社式。
――ううっ、緊張するなぁ……
新入社員として列席した桃井日菜子は、優秀そうな周囲の雰囲気に圧倒されていた。
日菜子がこの会社――家具・インテリアを扱う商社「彩美物産」に就職できたのは、予想外の出来事だった。
とある田舎の農家に生まれ、短大を卒業するまで実家暮らし。子供の頃から、将来は地元の企業に就職して結婚するのだろうと、漠然と考えていた。狭い世界で一生を終えることに悲観もしないくらい、自然なこととして受け入れていたのだ。
そんな日菜子が都会にある彩美物産の採用試験を受けたのは、お世話になった教授の勧めだった。試験は受けたけれど、はっきり言って観光気分。どうせ自分なんて受かるはずないと高をくくっていた。しかし、人生はどう転ぶかわからない。
大企業に内定をもらったとき、家族や周囲は大いに喜んだ。
当初、地元を離れることに乗り気ではなかった日菜子も、外野の盛り上がりに押されて次第にその気になっていった。
決め手となった出来事は他にもあったものの、思い切って飛び込んだ新天地。だが、生まれ育った場所とはまるで違う大都会に、今や日菜子は完全に萎縮しきっていた。
今朝、一人暮らしのアパートで真新しいスーツに身を包んだときには、結構イケてるかもと一瞬、勘違いした。だが、いざ入社式に臨んでみると、周りはみんな自分より素敵に見える。
――おばあちゃん、私にこんな大企業は、やっぱり場違いだったかも……
自分の選択は間違っていたのでは、と早くも後悔しているうちに、入社式が終わった。
本当にこの会社でやっていけるのかと自信喪失しかけた日菜子だが、入社式後に始まったオリエンテーションを受け、その考えは一変する。
やっていけるかどうかとかじゃない、なにがなんでもやっていく。そしていつか、〝彼〟の役に立てる社員になりたいと思った。
そう、日菜子は運命の人に出会ってしまったのだ。
「営業事業部の藤崎央人です。新入社員の皆さん、入社おめでとうございます」
さっきまでの緊張も忘れて、日菜子の目は壇上の人物に釘付けになる。
すらりとスーツを着こなす高身長に、端整な顔立ち。肌も綺麗でキラキラしていて、モデルや俳優と比べても遜色ない。年齢は三十歳らしく、大人の余裕たっぷりで圧倒的な存在感を放っていた。
――もんげぇぇぇ!
さすがは大手商社。従業員の顔面偏差値も、高い!
都会には豊かな自然がない代わりに、こんなにも華のある人がいるのかと日菜子は驚嘆した。
「今日は、未来ある後輩たちに私の体験談を話せと仰せつかりました。まあ、堅苦しい内容ではないので、リラックスして聞いてください」
親しみやすい口調に、新入社員たちの肩の力が自然と抜ける。
オリエンテーションの講師には、各部署の最も優秀な人材が選ばれているらしい。その中でも、央人は群を抜いて若かった。
しかし、例に違わず央人の業績もまた華々しく、海外企業とのプロジェクトにいくつも携わっているようだ。それらのエピソードについて、ユーモアを混じえて軽妙にトークしていく。
苦難から転じて成功するまでのプロセスをわかりやすく説明してくれたので、新入社員たちは皆、彼の話に聞き入った。人を惹きつける話術からも、央人のセンスや有能ぶりが窺える。
プロジェクターを使用していたため室内は薄暗かったが、彼だけは光り輝いていた。少なくとも、日菜子にはそう見えたのである。
――なんて素敵な人なんだろう!
かっこいいだけでなく仕事もできる。田舎娘のハートは、瞬時に射貫かれた。
「では、質問のある方は挙手をどうぞ」
話が終わる頃には、央人はすっかり新入社員たちの憧れの的になっていた。
皆、我先にと手を挙げ、色々な質問を投げかける。彼は、ひとつひとつに誠実にかつ丁寧に回答していく。
日菜子も夢中で右手を挙げていた。
いくつかの質疑応答が終わったところで、会場を見渡した央人とようやく目が合う。
「時間的にも、次が最後の質問かな? ――じゃあ、そこの彼女。どうぞ」
「は……はいっ!」
ラストにして巡ってきたチャンス。日菜子は渡されたマイクを握り締めながら大きく息を吸って発言した。
「毎日の業務や出張でお忙しいと思いますが、藤崎さんにとっての癒しはなんですか?」
「――は?」
室内が、水を打ったように静まりかえる。
「あ、あの、私は一般職で採用されたので、補佐役として総合職の方が快適に働けるよう努力したいなと思い、まして……」
慌てて補足したが、状況はまったく変わらない。
――私、さっそくやらかした……?
彩美物産には総合職と一般職の社員がおり、日菜子は後者として採用された。
総合職には超有名大学出身者が数多く在籍し、世界各地を飛び回り活躍している。
一方の一般職は、総合職の事務的な業務を補佐することがメイン。だから、央人たち総合職の社員のために努力したいと、日菜子なりに考えての質問だったのだが……
「癒し、ねぇ……」
どんな質問にも即座に返答していた央人が、考え込んでしまった。これまでで一番陳腐な質問は、かえって彼を悩ませたらしい。
「――そりゃあもちろん、プライベートの充実だよな?」
沈黙する央人を見かねたのか、隣にいた司会役の男性社員が代わりにマイクを握った。
「どんなに仕事にやり甲斐があっても、人間だから疲弊はする。そんなときには息抜きが必要だ。趣味に没頭するとか、愛しい恋人と語らう……とかね? ちなみに、こちらの藤崎くんは、先日婚約を発表したばかりです。はい、拍手ー!」
突然飛び出したおめでたい報告に、その場の空気がどよめき――女子たちは固まった。
パラパラと聞こえる拍手に交ざって、なにかが砕け散る音もあちこちから響いている気がする。
「圭吾……」
「でもご安心ください。我が社には藤崎くんの他にも素敵な社員がたくさんいます。社内恋愛にも寛容ですから、皆さんどうぞよろしくお願いします」
「圭吾、ふざけすぎ」
そう言って司会役をたしなめた央人の視線が、ふたたび日菜子へと向けられた。
突然婚約を暴露された央人は、バツの悪そうな――でも、幸せそうな顔をしている。
目と目が合ったのは、ほんの数秒。だが、その短い時間で日菜子はすべてを悟った。
――こんな素敵な人に、相手がいないわけがなかった……
自分と彼との間で、なにかが始まるわけもない。
「御婚約、おめでとうございます」
おずおずと祝いの言葉を伝えると、彼は照れくさそうにはにかむ。
「ありがとう。ちょっとびっくりしたけど、なかなか勇気のある質問だったと思うよ。その積極性を、今後も業務に活かしてください」
向けられた優しい笑みにさえ、日菜子の心はツキンと痛んだ。
それは、失恋と呼ぶには呆気ない、些細な出来事。
芽生えかけた恋心は、即座に摘み取られた。
それなのに――
彼は日菜子の心の中に住みつき、いつまでも消えることはなかった。
その後まさか、百回玉砕しても諦めきれないほど憧れて、一生に一度の恋をすることになるなんて。この時の日菜子はまだ知る由もない――
一 アタックは、慎重かつ大胆に
時は流れ、あれから二年――
「ただいま戻りました」
ランチタイムを迎えたオフィスは人もまばらで、外出先から帰社した日菜子に返事をする者もいない。ついでに、お昼に誘ってくれる同僚もいない。
わずかにショックを受けつつ、日菜子は自分のデスクに着く。
入社三年目にもかかわらずこんな状態なのは、人間関係が上手くいっていない――からではない。日菜子がこの部署に配属されて、まだ日が浅いからだ。
一般職は、めったなことがなければ異動も転勤もない。しかし希望を出せば絶対に通らないわけでもない。日菜子はこの二年間、元いた人事部で仕事に励みながら異動の希望を出し続けていた。
異動希望先は社内随一の忙しさなので、とにかく自分が貢献できる人材であること、そしてガッツがあることを猛アピールし続けたのである。
その努力が認められてようやく念願叶ったのは、つい先日のこと。
彩美物産営業事業部――ここが、日菜子の現在の職場である。
白を基調とした室内は、大きな窓が配置されていて開放的。明るい光が降り注ぐフロアの奥の一角に、管理職たちに与えられた個別の執務室があった。
半透明のアクリル板で仕切られた部屋の内部は見えにくくなっているが、シルエットで在席の有無は確認できる。
どうやら今、〝彼〟は一人で中にいるらしい。
――チャンス、到来。
日菜子は周囲を警戒しながらデスクの下の荷物入れをたぐり寄せ、深緑色のランチバッグを取り出す。
ついでに小さな手鏡で、身だしなみをチェックするのも忘れない。
前髪をささっと整え、薄くなったグロスは口を引き結んで伸ばす。束ねた髪に指を通し、スカートの皺もチェックした。
欲を言えば、ヒールの高い靴に履き替えて百五十二センチしかない身長をカバーしたい。しかしそこは、動きやすさ重視のローファーしか持っていないので我慢だ。
――ぐだぐだ悩んでも仕方ない。いざ、出陣じゃ!
コンプレックスである低い身長も、隠密行動には都合がいい。オフィスの隅をそっと歩いて、目的の場所までこっそりと移動する。執務室の扉を短く三回ノックすると、中から返事があった。
「失礼します」
一声かけてから、扉を開ける。
デスクでパソコンとにらめっこしていた人物は、仕事の手を止めて顔を上げた。
「桃井さん。おかえり」
無表情で仕事をしていた彼が、たちまち人当たりのいい笑みを浮かべる。たったそれだけのことで、日菜子のテンションは急上昇した。
「藤崎課長、ただいま戻りました」
二年前のオリエンテーションで日菜子を虜にした人物は、今では彩美物産の最年少課長となっている。
「急におつかいを頼んで悪かったね」
「いいえ! 課長の……いや、課長たちのお手伝いをするのが、私の仕事ですから」
「ありがとう。本当に助かった。桃井さんのお陰で間に合ったよ」
忙しい彼に代わって急ぎの書類を届けただけで、大したことはしていない。それなのに彼に笑顔を向けてもらえて、得をした気分である。
彼の役に立ちたい――それが営業事業部への日菜子の異動希望理由だった。
それに、今日このタイミングでおつかいを頼まれたのは、日菜子にとって絶好の機会をもらったも同然。「これ」を渡すチャンスを、ずっと窺っていたのだ。
手にしているランチバッグを、ぎゅっと握り締める。中身はもちろん、手作りのお弁当。彼のことを思いながら、彼のために作った力作だ。
「わざわざ報告ありがとう。遅くなったけど、ランチに行っておいで」
その言葉を聞き、話を切り出すタイミングをはかっていた日菜子の目が光る。
意を決して、抱えていたものを差し出す。
「あの……お弁当を作ってきたので、もしよければ受け取っていただけませんか?」
発した声は思いのほか震えていたが、なんとか言えた。
央人は日菜子の手元を見つめて、わずかに目を細める。
「お弁当? でも、それを俺がもらったら、君のランチがなくなるんじゃない?」
「いいえ! 今日は自分の分も、ちゃんと用意してきました!」
このやり取りは想定済み。なぜなら先日、そう言ってお断りされたからだ。
しかし今日はいけるはず。そう踏んでいた日菜子であったが、現実はそう甘くない。
「……なるほどね」
短い沈黙のあとで、央人は少しだけ口角を上げる。
ニヤリと意味深に笑った彼に、日菜子はまたしても敗北を悟った。
「それは是非ご相伴にあずかりたいところだけど、あいにく今日は先約があるんだ。残念だけど、またの機会にね」
にこりと笑って、ぴしゃりとシャットアウト。
日菜子はガックリ肩を落とした。
「そう、ですか……仕方がないですよね」
「いつもごめんね? 桃井さん」
口ではそう言ったけれど、クスクスと笑う央人の表情は涼しいもので、ちょっと意地悪だ。
日菜子がどんなに頭を捻ってアタックしたとしても、彼は簡単にかわすだろう。しかも、とびきりスマートに。
恨みがましく央人を睨むも、彼は日菜子の好きなあの笑顔を向けたままでいる。
――ああ、課長。その笑顔はズルイです……
断っておきながらもそんな笑顔を見せるから、まだ頑張れると思ってしまう。
初めて出会った日に、呆気なく摘み取られたはずの恋心は年々大きくなっている。
あのまま彼が結婚していたら、きちんと諦められたと思う。けれど今、日菜子に向けてひらひらと振られる彼の手に、結婚指輪はない。
入社式後のオリエンテーションからしばらくして、彼は婚約を解消した。
日菜子はそれ以来、こんなふうに毎回断られているにもかかわらず、彼に想いを寄せ続けている。小さなものも含めたら、何度アプローチしたか知れない。惨敗記録は、すでに百を超しているのではないだろうか。
今ではもう、簡単には引き返せないほど彼にハマっている――
「……しかし、ひなちゃんも懲りないね」
ランチタイムのピークを過ぎて、空席の目立ち始めた社員食堂。
本日の戦果の報告にため息を吐くのは、日菜子の同期・青柳佐保だ。
ウェーブのかかった長い髪に大きな瞳の佐保は、会社の顔である受付嬢として勤務している。
いつまでもあか抜けない日菜子とは、一見すると対照的な容姿。新人研修で同じ班にならなければ、きっと接点はなかっただろう。
けれどサバサバした性格の佐保とは、話してみたら意外と気が合った。お互いの悩みなどを話しているうちにすっかり打ち解けて、今では親友と呼べる間柄になっている。
「いい加減に諦めたら? 時間と労力と食材の無駄じゃない」
――歯に衣着せない佐保の意見が、時として憎い!
「一人分を作るのも二人分を作るのも、そんなに変わらないし。それに、料理は私の唯一の武器なんだから、アピールするのにこれを使わない手がある!?」
「でも、全然有効に作用してないじゃん」
「うぐっ」
央人にお弁当を差し入れするのは、今に始まったことではない。営業に異動してから毎日のようにお弁当を渡そうと試みている。今日のように渡せる機会がある時はまだいいほうで、そもそも央人がお昼に外出している日も多い。加えて、声をかけられた時でも、受け取ってもらえたことは一度もない。
「連敗記録は今日も更新。まあ、私は昼食代が浮いて助かるけどね」
無駄と言いながら、佐保はランチバッグを嬉しそうに受け取った。
残ったお弁当を引き受けるのは、佐保の日課となっている。今日も日菜子が来るまで昼食をとらず待っていたのは、このためだろう。
二人でそれぞれお弁当を広げ、さっそく食べ始める。
「今日は先約が入っていただけだもん。明日は、食べてくれるかもしれないじゃない」
央人に代わってお弁当を食べてくれる佐保には感謝しているが、あげられない日が来るかもしれないのだ。たとえば明日とか!
「そうやって断られるの何回目? ひなちゃんだけじゃなくて、他にも玉砕している人間は大勢いるって噂だよ」
「うぐぐっ」
央人が誰からのプレゼントであっても受け取らない、というのは社内では有名な話だ。
かつてバレンタインのときに苦労したことがあるらしく、今では差し入れの類をすべて断っていると聞く。
それでも、容姿や能力に取り柄がないと思っている日菜子には、料理の他に自己アピールの方法が思いつかない。
それに、断るにしてもあの態度である。
一応、『またの機会にね』と、含みのあることを言う。だから、一度や二度断られたくらいでは余計に諦めがつきにくい。いや、そんな数ではきかないほど、すでに断られているが。
「課長がフリーになって、もう二年か……誰かと付き合っているような話も聞かないから、みんな収めどころがないんだよね」
日菜子に同情するように、佐保が言う。
央人が婚約解消した当時、瞬く間に噂は社内を駆け巡った。しかもその後、とんとん拍子に彼が出世したので、女子社員たちの多くが色めき立ったものだ。
央人争奪戦はヒートアップしたが、彼が社内の誰かと付き合ったという話は聞いたことがない。社外に彼女がいるという話も聞かない。
そして今では、相当身持ちが固く、難攻不落の孤高の存在として女子社員たちの注目を集めている。そのうえ、彼と恋人になったら、一生大切にしてくれそうと評判がますます高まっていた。
「ライバルも多いし、脈もないし。実らない片想いなんて、もうやめたら?」
「それは無理」
佐保の提案を、日菜子は即座に却下した。
「やっと同じ部署に異動できたんだもん。これからだよ」
この二年間だって、なにもしてこなかったわけではない。人事部から営業事業部に異動するための努力を続けながら、他にも思いつく限りのことを試した。
日菜子はこれまでの努力の日々を、佐保に熱弁する。
まずは、定番の待ち伏せ。
仕事終わりの央人と偶然を装って出くわし、会話を弾ませて食事に誘うという完璧なシナリオを用意した。
しかし、めったに残業のない一般職と違い、央人の退社時間はいつも遅い。人事部の特権で、タイムカードの退勤時間から傾向と対策も割り出してみたが、同じことを考えるライバルはすでにいて、結局は近づくことさえできなかった。
そもそも帰宅途中の彼に会えたとして、会話を弾ませるなんてスキルが日菜子にあったのかも怪しいが、それは考えないでおく。
ならばと、今度は出社を狙った。
幸運にも日菜子と央人の家は同じ沿線で、電車で鉢合わせてもおかしくはない。こちらもタイムカードから傾向と対策を割り出すまではよかったのだが、詰めが甘かった。
まず、央人がどの車両に乗り込むのかがわからない。それでなくとも、都会の朝の通勤ラッシュに慣れていない日菜子では同じ車両内でも移動することなど不可能に等しく、ごく稀に央人の姿を見かけることはあったけれど、人の壁に行く手を阻まれ近づけなかった。
そんなこんなで、二年間にまともに口をきいた回数はゼロ……熱意だけは、買ってほしい。
「いやいや。それって、ただのストーカーだから」
「今は声もかけられるようになったし、待ち伏せなんてしないもん」
今はオフィスで毎日顔を合わせられる。異動初日に名前を呼ばれたときは、あまりの嬉しさで涙が出たほどだ。
「ねぇ、ひなちゃんの最終目標ってなに? 藤崎課長の恋人になること? それとも、結婚?」
「まさか。私はただ、あの人に自分の存在を認識してもらって、役に立ちたいだけ」
思っていることをそのまま言ったところ、佐保は目を丸くする。
身の程知らずな恋を続けている日菜子だって、恋人にしてもらえるだなんて、これっぽっちも思っていない。田舎から出てきたしがないOLの日菜子と、出世街道をひた走っている央人とでは釣り合いがとれないことは、自分が一番理解している。
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