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漫才『旬』
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各袖から2人が中央に歩いていく。
「どうも~」
「メガネを新調しましたよ!」
「かけてないやん!」
「ちょうど、家に置いてきて…」
「じゃあ、今はコンタクトなん?」
「いやいや、あっはっはっ…裸眼2.0やで。」
「あっ、伊達眼鏡の報告ならいらないです!『ネクタイ変えました』と一緒やからね。」
「そんな事より。」
「お前が言い出したんやで。」
「いやぁ、そろそろ旬がやってきましたね。」
「…どれの?」
「そう、旬なんですよ。マグロがね。」
「だいたい、いつもスーパーで見るやつ!」
「お前…お前!」
「何で俺が怒られてんねん。」
「本マグロは冬、メバチは秋から冬、もしくは春。キハダは夏から秋やねん。」
「ほな、ほぼほぼ一年中やないか!皆さん、一つ賢くなりましたね!」
「いつでも食べられるって素敵ね。」
「旬の話わい。」
「そうなんですよ、マグロと同じでね。旬がほぼ一年中あるものがあるんですよ。」
「あっ、他にもあるんや?」
「そうなんですよ。皆さんも、感じてると思うんですがね…くそぅ!花粉の野郎め!」
「…怒りすぎじゃない?あっ、花粉ってほぼ一年中なんや?」
「春のスギとヒノキ、秋のヨモギとブタクサですわ!」
「あぁ、そら大変やな。」
「なんや、お前。初物はまだか?」
「そんなお前…カツオみたいに言われても…そもそも花粉を旬って言うなよ。」
「一回経験してみぃ…喉が痒くなんねん。喉がやぞ?」
「良く聞くのは目が痒かったり、鼻水が止まらんかったり…ねぇ?」
「そんなん、お前。目は掻いたら良いし、鼻はかんだらええやないや。」
「薬には頼らないタイプの人間なんや?」
「喉はあかんねん、ずっとドンパッチの後みたいな状態なんやで?」
「今の若い子知らんて。」
「えっ、嘘やろ?ドンパッチ知らんの!?わたパチは知ってるやろ?」
「それも知らんて。あれやろ?ポッピングシャワーみたいなやつやろ?」
「サーティワンのな。えぇ!?子供の時、駄菓子屋で買わんかったんか…」
「今は皆、大体うまい棒とか…あと、なんやろ?ヤングドーナツとかちゃうの?」
「…流行りに乗っかりやがって。」
「別に…流行りとかではないけど…」
「花串カステラやろ!?俺達の時代は!」
「マイナー過ぎて分からん!花串カステラ?」
「お前なぁ…」
「何で、俺が常識ないみたいな反応やねん。皆さんも分からないですよね?ねぇ?」
「えっ、ほんまに知らんのか?皆さんも?」
「知らんよ、カステラみたいな感じなん?」
「分かった、ちゃんと説明するな…まず、鈴カステラを用意します。」
「あっ、カステラって鈴カステラなんや?」
「そして、ぺったんこにします!」
ジェスチャーで、手を上下に置き、凄い勢いで手の平を合わせ、パチンッという音をさせる。
「何してんねん!?」
「平べったいねん、鈴カステラのようなものが。」
「そんなペッちゃんこではないやろ!?実際の花串カステラは。見たことないからわからんけど…見てみい、エビ満月位、ぺっちゃんこやないか?」
「そして、竹串を刺します。おらぁ!」
「人でも殺しとんか!?その動き!っていうか、ペッちゃんこやけど、刺さるんか!?ホンマにあんのか?そんなお菓子。」
「そして、ちょっと距離あけて、4個刺します。」
「なんでぇ?団子みたいにくっつけたらええやん!?」
「これが花串カステラや。」
「ほんまか!?ホンマにそんなお菓子あるんか?…んっ?んんっ!」
ツッコミが喉に手をやる。
「どうしてん?」
「何か…喉にポッピングシャワーが弾けた感じが…ちょっと違和感…」
ボケがツッコミの両手を握り、左腕を後方へ放つ。
「ようこそ、花粉の世界へ。」
「きっしょい宝塚みたいな事すんな!」
「いやぁ、頑張った甲斐があったわ。」
「何もしてへんやんけ。ただ、最近の花粉量が多いからやろ?」
「いやいや、実はな、お前が夜中寝てる隙にな、枕元で祈っててん。」
数秒間沈黙。
「…不法侵入やん。」
「大丈夫、お前が集合ポストの中に家の鍵入れてて、その暗証番号が137なのは俺しか知らんから。」
「皆の前で言うてもうてるねん!」
「でもな、ずっーと、祈ってても全然お前花粉ならへんねん。」
両手を組み、祈る動きをする。
「うん、まぁ、そらそうやろ。話終わってないで?どうやって調べたん?俺の家のカギの場所。」
「んで、ある時街歩いてたら運命の出会いがあってん。それから、おまえの枕元で祈ったら一瞬やったわ。」
両手で何かを掴みながら、左右に振る男。
「何か、持ってるなぁ…それは、何が運命の出会いなん?」
「なんかな、神社にお参りしてたら。」
「おう。」
「葉っぱ付いてた枝落ちててん。」
「ん?んん?」
「で、神社の人に聞いたらな『持ち帰る?良いですが、良いんですか?』って。」
「…それ、なんの枝か分かるか?」
「何か、木編にチョンチョンチョンって。」
手で払いを三度繰り返す男。
「『杉』って読むねん!それは!ほな、お前のせいやないか!もうええわ!」
「「どうも、ありがとうございました!」」
「どうも~」
「メガネを新調しましたよ!」
「かけてないやん!」
「ちょうど、家に置いてきて…」
「じゃあ、今はコンタクトなん?」
「いやいや、あっはっはっ…裸眼2.0やで。」
「あっ、伊達眼鏡の報告ならいらないです!『ネクタイ変えました』と一緒やからね。」
「そんな事より。」
「お前が言い出したんやで。」
「いやぁ、そろそろ旬がやってきましたね。」
「…どれの?」
「そう、旬なんですよ。マグロがね。」
「だいたい、いつもスーパーで見るやつ!」
「お前…お前!」
「何で俺が怒られてんねん。」
「本マグロは冬、メバチは秋から冬、もしくは春。キハダは夏から秋やねん。」
「ほな、ほぼほぼ一年中やないか!皆さん、一つ賢くなりましたね!」
「いつでも食べられるって素敵ね。」
「旬の話わい。」
「そうなんですよ、マグロと同じでね。旬がほぼ一年中あるものがあるんですよ。」
「あっ、他にもあるんや?」
「そうなんですよ。皆さんも、感じてると思うんですがね…くそぅ!花粉の野郎め!」
「…怒りすぎじゃない?あっ、花粉ってほぼ一年中なんや?」
「春のスギとヒノキ、秋のヨモギとブタクサですわ!」
「あぁ、そら大変やな。」
「なんや、お前。初物はまだか?」
「そんなお前…カツオみたいに言われても…そもそも花粉を旬って言うなよ。」
「一回経験してみぃ…喉が痒くなんねん。喉がやぞ?」
「良く聞くのは目が痒かったり、鼻水が止まらんかったり…ねぇ?」
「そんなん、お前。目は掻いたら良いし、鼻はかんだらええやないや。」
「薬には頼らないタイプの人間なんや?」
「喉はあかんねん、ずっとドンパッチの後みたいな状態なんやで?」
「今の若い子知らんて。」
「えっ、嘘やろ?ドンパッチ知らんの!?わたパチは知ってるやろ?」
「それも知らんて。あれやろ?ポッピングシャワーみたいなやつやろ?」
「サーティワンのな。えぇ!?子供の時、駄菓子屋で買わんかったんか…」
「今は皆、大体うまい棒とか…あと、なんやろ?ヤングドーナツとかちゃうの?」
「…流行りに乗っかりやがって。」
「別に…流行りとかではないけど…」
「花串カステラやろ!?俺達の時代は!」
「マイナー過ぎて分からん!花串カステラ?」
「お前なぁ…」
「何で、俺が常識ないみたいな反応やねん。皆さんも分からないですよね?ねぇ?」
「えっ、ほんまに知らんのか?皆さんも?」
「知らんよ、カステラみたいな感じなん?」
「分かった、ちゃんと説明するな…まず、鈴カステラを用意します。」
「あっ、カステラって鈴カステラなんや?」
「そして、ぺったんこにします!」
ジェスチャーで、手を上下に置き、凄い勢いで手の平を合わせ、パチンッという音をさせる。
「何してんねん!?」
「平べったいねん、鈴カステラのようなものが。」
「そんなペッちゃんこではないやろ!?実際の花串カステラは。見たことないからわからんけど…見てみい、エビ満月位、ぺっちゃんこやないか?」
「そして、竹串を刺します。おらぁ!」
「人でも殺しとんか!?その動き!っていうか、ペッちゃんこやけど、刺さるんか!?ホンマにあんのか?そんなお菓子。」
「そして、ちょっと距離あけて、4個刺します。」
「なんでぇ?団子みたいにくっつけたらええやん!?」
「これが花串カステラや。」
「ほんまか!?ホンマにそんなお菓子あるんか?…んっ?んんっ!」
ツッコミが喉に手をやる。
「どうしてん?」
「何か…喉にポッピングシャワーが弾けた感じが…ちょっと違和感…」
ボケがツッコミの両手を握り、左腕を後方へ放つ。
「ようこそ、花粉の世界へ。」
「きっしょい宝塚みたいな事すんな!」
「いやぁ、頑張った甲斐があったわ。」
「何もしてへんやんけ。ただ、最近の花粉量が多いからやろ?」
「いやいや、実はな、お前が夜中寝てる隙にな、枕元で祈っててん。」
数秒間沈黙。
「…不法侵入やん。」
「大丈夫、お前が集合ポストの中に家の鍵入れてて、その暗証番号が137なのは俺しか知らんから。」
「皆の前で言うてもうてるねん!」
「でもな、ずっーと、祈ってても全然お前花粉ならへんねん。」
両手を組み、祈る動きをする。
「うん、まぁ、そらそうやろ。話終わってないで?どうやって調べたん?俺の家のカギの場所。」
「んで、ある時街歩いてたら運命の出会いがあってん。それから、おまえの枕元で祈ったら一瞬やったわ。」
両手で何かを掴みながら、左右に振る男。
「何か、持ってるなぁ…それは、何が運命の出会いなん?」
「なんかな、神社にお参りしてたら。」
「おう。」
「葉っぱ付いてた枝落ちててん。」
「ん?んん?」
「で、神社の人に聞いたらな『持ち帰る?良いですが、良いんですか?』って。」
「…それ、なんの枝か分かるか?」
「何か、木編にチョンチョンチョンって。」
手で払いを三度繰り返す男。
「『杉』って読むねん!それは!ほな、お前のせいやないか!もうええわ!」
「「どうも、ありがとうございました!」」
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