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五章~架かる橋にて~
最強
「フンフンフ~ン♪フフフ、フンフフンフフ~♪」
まるで、今から珈琲でも淹れるかのように、ゆったりとした足取りで、崖の端で蹲踞しながら下を覗き込む。
「やっぱり負けたか。あいつの人を舐めた態度が無ければな…まっ、完璧な人間は居ない、って事だな。それにしても。」
崖下のネズミと目を合わせる獅子神。
「良かったぞ!ネズミ、だっけ?凄いぞ。当意即妙の対応も見事だった!」
「てめぇ、余裕ぶりやがって!そんな、ギリギリの所に居て、龍さんに蹴られて落ちてきやがれ!」
「いやぁ…あと、たっぷり10秒は無理じゃないか?」
しゃがみながら首を後ろに向け、蹲ってる2人に目を向ける。
「ッッ!」
「あぁ、そんなに頑張っても無理無理。2人とも根性とか気合いでどうにかなるような場所を攻撃した訳じゃないから。」
「余裕ぶりやがって…」
ゆっくりと立ち上がり、息を整える龍。
続いて、卯もやっと動けるようになってきて、龍の傍に行く。
「どうする?龍さん。」
「攻めなきゃ勝てない…が、あいつの攻撃をもらわないようにしなきゃ話にならねぇ。その都度、こっちが防御してても、すり抜けて、息が出来なくなる箇所を突いてきやがる。」
「いつでも、倒せると思ってるよね…きっと。」
頷く龍。
「あぁ、だが、だからこそ俺達を舐めてる今の内に倒すぞ。卯、今でも【アレ】出来るか?」
「もちろんだよ。」
「なら、お前が上で俺が下だ。いくぞ!」
卯を先頭に駆け出した2人、その動きを見ながら獅子神がゆっくりと立ち上がり、崖の傍から離れた。
卯が獅子神の手前でジャンプをする。
その卯が跳んだ場所の下に、龍が手を組み踏み台を作った。
踏み台に足を乗せ、更に跳ぶ卯。
その動きを見ながら口を開く獅子神。
「なるほど、上からの攻撃だな。そして…」
「おらぁ!」
先程の意趣返しのつもりか、龍が右のローキックを2発、太ももではなく獅子神の膝目掛けて仕掛ける。
ローキックの打ち終わり、今度は卯が側頭部、左のこめかみを目掛けて右の爪先を振り下ろした。
左腕を上げ、ガードする獅子神。
「んっ!?」
上半身に意識がいったのを見て、龍が今度は左足を目一杯、獅子神の右の爪先へと踏みつける。
「逃がさねぇよ!」
そのまま、鳩尾へ三発打ち込んだ。
「おっ!」
「こっちも、逃がさないよ!」
受け止められた足と逆の方を軸にし、防御された腕を踏み台にして、卯がもう一度高く跳んだ。
『跳躍・流星』
獅子神の頭頂部、百会を左の爪先で叩き付け、そのまま顎を横から右足で振り抜き、そのまま右足を上げ、踵落としを左の鎖骨にめり込ませ、おまけに左の爪先を喉へ突き刺した。
しかし…
「さすがだ。意識を上にいかせて鳩尾を狙う。さらに鳩尾に入ったかと思ったら頭のてっぺんから急所を4発も当てるなんてな。」
よろめきもせず、頭を掻きながら獅子神が口を開く。
「な、なんで効いてねぇんだよ!?」
愕然とした表情の卯が叫ぶ。
「ん~…、本当に残念な話なんだけどな。」
ふふん、と鼻で笑い、まるで子供に対して、諭す様に語りかけた。
「【色龍】の中で、実は俺が最強なんだよ。確かに、お前達のコンビネーションは良かった。称賛に値するが、俺を倒す程ではなかったな。まぁ、気にするな。相手が悪かった。」
「そ、そんな…」
絶望を隠さない卯を横目に見ながら、龍が獅子神に向かって質問を投げ掛ける。
「という事はお前を倒せば終わるんだな?」
キョトンとした顔で、「終わる?何が?」と訪ねる獅子神。
その顔に違和感を感じながら更に言葉を繋ぐ。
「あの街を襲われた俺達と襲ったお前達の戦いがだよ。」
途端に壊れたラジオのように、大口を開ける獅子神。
「あぁ!あははははははは!」
その時に、龍は気付いてしまった。
この男は行動だけに違和感があった訳じゃない事を。
死んだ魚の様に、目に表情がないことを。
まるで、今から珈琲でも淹れるかのように、ゆったりとした足取りで、崖の端で蹲踞しながら下を覗き込む。
「やっぱり負けたか。あいつの人を舐めた態度が無ければな…まっ、完璧な人間は居ない、って事だな。それにしても。」
崖下のネズミと目を合わせる獅子神。
「良かったぞ!ネズミ、だっけ?凄いぞ。当意即妙の対応も見事だった!」
「てめぇ、余裕ぶりやがって!そんな、ギリギリの所に居て、龍さんに蹴られて落ちてきやがれ!」
「いやぁ…あと、たっぷり10秒は無理じゃないか?」
しゃがみながら首を後ろに向け、蹲ってる2人に目を向ける。
「ッッ!」
「あぁ、そんなに頑張っても無理無理。2人とも根性とか気合いでどうにかなるような場所を攻撃した訳じゃないから。」
「余裕ぶりやがって…」
ゆっくりと立ち上がり、息を整える龍。
続いて、卯もやっと動けるようになってきて、龍の傍に行く。
「どうする?龍さん。」
「攻めなきゃ勝てない…が、あいつの攻撃をもらわないようにしなきゃ話にならねぇ。その都度、こっちが防御してても、すり抜けて、息が出来なくなる箇所を突いてきやがる。」
「いつでも、倒せると思ってるよね…きっと。」
頷く龍。
「あぁ、だが、だからこそ俺達を舐めてる今の内に倒すぞ。卯、今でも【アレ】出来るか?」
「もちろんだよ。」
「なら、お前が上で俺が下だ。いくぞ!」
卯を先頭に駆け出した2人、その動きを見ながら獅子神がゆっくりと立ち上がり、崖の傍から離れた。
卯が獅子神の手前でジャンプをする。
その卯が跳んだ場所の下に、龍が手を組み踏み台を作った。
踏み台に足を乗せ、更に跳ぶ卯。
その動きを見ながら口を開く獅子神。
「なるほど、上からの攻撃だな。そして…」
「おらぁ!」
先程の意趣返しのつもりか、龍が右のローキックを2発、太ももではなく獅子神の膝目掛けて仕掛ける。
ローキックの打ち終わり、今度は卯が側頭部、左のこめかみを目掛けて右の爪先を振り下ろした。
左腕を上げ、ガードする獅子神。
「んっ!?」
上半身に意識がいったのを見て、龍が今度は左足を目一杯、獅子神の右の爪先へと踏みつける。
「逃がさねぇよ!」
そのまま、鳩尾へ三発打ち込んだ。
「おっ!」
「こっちも、逃がさないよ!」
受け止められた足と逆の方を軸にし、防御された腕を踏み台にして、卯がもう一度高く跳んだ。
『跳躍・流星』
獅子神の頭頂部、百会を左の爪先で叩き付け、そのまま顎を横から右足で振り抜き、そのまま右足を上げ、踵落としを左の鎖骨にめり込ませ、おまけに左の爪先を喉へ突き刺した。
しかし…
「さすがだ。意識を上にいかせて鳩尾を狙う。さらに鳩尾に入ったかと思ったら頭のてっぺんから急所を4発も当てるなんてな。」
よろめきもせず、頭を掻きながら獅子神が口を開く。
「な、なんで効いてねぇんだよ!?」
愕然とした表情の卯が叫ぶ。
「ん~…、本当に残念な話なんだけどな。」
ふふん、と鼻で笑い、まるで子供に対して、諭す様に語りかけた。
「【色龍】の中で、実は俺が最強なんだよ。確かに、お前達のコンビネーションは良かった。称賛に値するが、俺を倒す程ではなかったな。まぁ、気にするな。相手が悪かった。」
「そ、そんな…」
絶望を隠さない卯を横目に見ながら、龍が獅子神に向かって質問を投げ掛ける。
「という事はお前を倒せば終わるんだな?」
キョトンとした顔で、「終わる?何が?」と訪ねる獅子神。
その顔に違和感を感じながら更に言葉を繋ぐ。
「あの街を襲われた俺達と襲ったお前達の戦いがだよ。」
途端に壊れたラジオのように、大口を開ける獅子神。
「あぁ!あははははははは!」
その時に、龍は気付いてしまった。
この男は行動だけに違和感があった訳じゃない事を。
死んだ魚の様に、目に表情がないことを。
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