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第一章 エルフの少女
18話 「迷子なイリス」
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ニアミスによりシルフィーナとラザフォードとはぐれてしまったイリス。
しかしまだ慌てる時間じゃないシルフィーナとは精霊契約を結んでいるのだ。
思念波で連絡が取れる。
《シルフィーナ聞こえる?》
《ザザザ・・・ザザザザザザ》思念波にノイズが走る・・・
《あれ?シルフィーナ?》
《ザザザザザザーザザザ》
「ああ!!もしかしたら!」イリスはマジックバックから南の大陸の地図を取り出すと真剣な顔で地図を確認する。
「もしかしてここって「迷いの山」じゃない?」
「迷いの山」めっちゃ安易な名称だが子供にも危険が分かる様にとわざと簡単な名称にした経緯がある恐ろしい山だ。
自然の三つの魔力波動がぶつかり渦を巻いて魔力障害が起きているのだ。
この魔力障害のせいで魔法が上手く発動出来なくなっている。
加えて入り組んだ岩山が連なり入り込んだ者を迷わせる。
岩磁力のせいで磁場まで発生しているのでコンパスの類いも役に立たない。
つまり迷子になれば詰みである。
そしてここで迷子になってしまったイリス、これはヤバいかも?
「う~ん」と考え込むイリス。
「とりあえず現在地の把握に夜を待って星から計算するしかないね。
後はどこかに拠点を作って・・・」めっちゃ冷静な幼児だった!
幸い小さな鍾乳洞がたくさんある地域なので拠点作りには事欠かなかった。
自分が入れるギリギリの大きさの入り口がある小さな鍾乳洞を拠点に決めて中の安全を確認する・・・はい合格。
つまり幼女イリスより大きな外敵は侵入出来ない訳だ。
中には丁度ベットになりそうな台もあり湧水もある、早速検査キッドで水質検査をしてみる・・・「うん!綺麗な湧水、飲めるね」
何でそんなモン持ってるの?と言うと両親が本当に色々な物をマジックバックに詰め込んで渡してくれたからだ。
「お父さん、お母さん、ありがとう」
コップに水を入れて飲んでみると硬質な水質で美味しかった。
「水の確保に成功、次は食糧ね」
ゴソゴソとマジックバックを漁ると、あるわ、あるわ、色々な種類の大量の食糧が。
「見るまでも無く食糧確保に成功っと」
夜になるまで光源は・・・魔導ランプを付けてみる・・・魔力障害で作動せず。
じゃあ普通のランタン・・・普通に付いた。
「これで明かりも確保っと」
するとイリスはブルっと小さく震えて「お手洗い」と頬を赤らめて呟く。
トイレになりそうな場所が無いか鍾乳洞の奥へとランタンを持ち進む、
「あれ?案外広い?」狭いのは入り口だけで中は広くなって来た。
どうやら本当の入り口は別にありイリスが見つけたのは、ただの鐘乳石の切れ目だった様だ。
とりあえずトイレに使えそうな場所を見つけて用を済ませると最初の細い穴へ戻る。
めっちゃ探検したかったけど目下の目標は現在位置を調べる事だ。
「問題が片付いたら探検しよう」優先度を間違えないお利口なエルフだった。
夜になるまでマジックバックの中を確認していると・・・
「グルルル」と獣の鳴き声がした。
「ヤバいかな?!」咄嗟に短剣を構えて周囲を警戒していると声の主が現れた!
「うわああ!可愛い!」現れたのは一角うさぎの子供だった。
「グルルル」とイリスを威嚇する一角うさぎだが可愛いだけで迫力が全然無い。
「お腹空いてるの?」そう言って食べていたクッキーを差し出すと・・・
一角うさぎは威嚇をやめてイリスに近寄りクッキーの匂いを嗅ぐ。
「美味しいよ」
ほら、とイリスが促すとパックンチョする。
「キューン?」美味しかった様子でぴょんぴょんと跳ねて「もっと寄越せ」と催促する一角うさぎ。
小さな体でたくさん食べる一角うさぎ、食べ終わるとイリスの膝に乗る。
どうやら懐かれた様だ。
思わぬ同居うさぎにホッコリするイリス、背中を撫でると気持ち良さそうに鳴いてウトウトとし出して寝てしまった。
それを見て、「ふわー」あくびをするイリス。
幼女のイリスには今までの出来事はかなり体に堪えたのだ、そのまま座ったまま寝入るイリス。
「はう?!」イリスが起きたら親元へ帰ったのか一角うさぎは帰ったのかいない。
鍾乳洞から出ると外は真っ暗だ。
空を見ると少し曇ってモヤが掛かっているが星は見えている。
「よーしこれなら!」
イリスは紙とペンを取り出して計測を始めた。
カリカリカリカリ・・・ペンの音だけが闇夜に響く。
「よーし計測完了!どれどれ?」計測結果と地図を照合して見る。
計測と地図の照合結果を見て頭を抱えてしまうイリス。
落ちて川を流され魚と格闘している間にイリスは大燕と衝突した地点の近くまで流されていたのだ。
おそらくイリスの捜索をしてるだろうシルフィーナとラザフォードはイリスが自分達より遠くに飛ばされたと思っているはずだ。
つまり2人と違った意味でドンドンとはぐれて行ってるのだ。
そうなると打てる手は一つ。
自力で下山して魔力障害の無い所まで行きシルフィーナに思念波を使い連絡を取る。
これだけだ。
こうして南の大陸に入った初日から大冒険必至の山降りが始まるのだった。
しかしまだ慌てる時間じゃないシルフィーナとは精霊契約を結んでいるのだ。
思念波で連絡が取れる。
《シルフィーナ聞こえる?》
《ザザザ・・・ザザザザザザ》思念波にノイズが走る・・・
《あれ?シルフィーナ?》
《ザザザザザザーザザザ》
「ああ!!もしかしたら!」イリスはマジックバックから南の大陸の地図を取り出すと真剣な顔で地図を確認する。
「もしかしてここって「迷いの山」じゃない?」
「迷いの山」めっちゃ安易な名称だが子供にも危険が分かる様にとわざと簡単な名称にした経緯がある恐ろしい山だ。
自然の三つの魔力波動がぶつかり渦を巻いて魔力障害が起きているのだ。
この魔力障害のせいで魔法が上手く発動出来なくなっている。
加えて入り組んだ岩山が連なり入り込んだ者を迷わせる。
岩磁力のせいで磁場まで発生しているのでコンパスの類いも役に立たない。
つまり迷子になれば詰みである。
そしてここで迷子になってしまったイリス、これはヤバいかも?
「う~ん」と考え込むイリス。
「とりあえず現在地の把握に夜を待って星から計算するしかないね。
後はどこかに拠点を作って・・・」めっちゃ冷静な幼児だった!
幸い小さな鍾乳洞がたくさんある地域なので拠点作りには事欠かなかった。
自分が入れるギリギリの大きさの入り口がある小さな鍾乳洞を拠点に決めて中の安全を確認する・・・はい合格。
つまり幼女イリスより大きな外敵は侵入出来ない訳だ。
中には丁度ベットになりそうな台もあり湧水もある、早速検査キッドで水質検査をしてみる・・・「うん!綺麗な湧水、飲めるね」
何でそんなモン持ってるの?と言うと両親が本当に色々な物をマジックバックに詰め込んで渡してくれたからだ。
「お父さん、お母さん、ありがとう」
コップに水を入れて飲んでみると硬質な水質で美味しかった。
「水の確保に成功、次は食糧ね」
ゴソゴソとマジックバックを漁ると、あるわ、あるわ、色々な種類の大量の食糧が。
「見るまでも無く食糧確保に成功っと」
夜になるまで光源は・・・魔導ランプを付けてみる・・・魔力障害で作動せず。
じゃあ普通のランタン・・・普通に付いた。
「これで明かりも確保っと」
するとイリスはブルっと小さく震えて「お手洗い」と頬を赤らめて呟く。
トイレになりそうな場所が無いか鍾乳洞の奥へとランタンを持ち進む、
「あれ?案外広い?」狭いのは入り口だけで中は広くなって来た。
どうやら本当の入り口は別にありイリスが見つけたのは、ただの鐘乳石の切れ目だった様だ。
とりあえずトイレに使えそうな場所を見つけて用を済ませると最初の細い穴へ戻る。
めっちゃ探検したかったけど目下の目標は現在位置を調べる事だ。
「問題が片付いたら探検しよう」優先度を間違えないお利口なエルフだった。
夜になるまでマジックバックの中を確認していると・・・
「グルルル」と獣の鳴き声がした。
「ヤバいかな?!」咄嗟に短剣を構えて周囲を警戒していると声の主が現れた!
「うわああ!可愛い!」現れたのは一角うさぎの子供だった。
「グルルル」とイリスを威嚇する一角うさぎだが可愛いだけで迫力が全然無い。
「お腹空いてるの?」そう言って食べていたクッキーを差し出すと・・・
一角うさぎは威嚇をやめてイリスに近寄りクッキーの匂いを嗅ぐ。
「美味しいよ」
ほら、とイリスが促すとパックンチョする。
「キューン?」美味しかった様子でぴょんぴょんと跳ねて「もっと寄越せ」と催促する一角うさぎ。
小さな体でたくさん食べる一角うさぎ、食べ終わるとイリスの膝に乗る。
どうやら懐かれた様だ。
思わぬ同居うさぎにホッコリするイリス、背中を撫でると気持ち良さそうに鳴いてウトウトとし出して寝てしまった。
それを見て、「ふわー」あくびをするイリス。
幼女のイリスには今までの出来事はかなり体に堪えたのだ、そのまま座ったまま寝入るイリス。
「はう?!」イリスが起きたら親元へ帰ったのか一角うさぎは帰ったのかいない。
鍾乳洞から出ると外は真っ暗だ。
空を見ると少し曇ってモヤが掛かっているが星は見えている。
「よーしこれなら!」
イリスは紙とペンを取り出して計測を始めた。
カリカリカリカリ・・・ペンの音だけが闇夜に響く。
「よーし計測完了!どれどれ?」計測結果と地図を照合して見る。
計測と地図の照合結果を見て頭を抱えてしまうイリス。
落ちて川を流され魚と格闘している間にイリスは大燕と衝突した地点の近くまで流されていたのだ。
おそらくイリスの捜索をしてるだろうシルフィーナとラザフォードはイリスが自分達より遠くに飛ばされたと思っているはずだ。
つまり2人と違った意味でドンドンとはぐれて行ってるのだ。
そうなると打てる手は一つ。
自力で下山して魔力障害の無い所まで行きシルフィーナに思念波を使い連絡を取る。
これだけだ。
こうして南の大陸に入った初日から大冒険必至の山降りが始まるのだった。
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