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第一章 エルフの少女
24話 「兎人族の酒場で宴会」
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結局市場で5本の珍しい酒を手にしてウッキウキのシルフェリア。
その場で少し飲もうとしたら、
「今から行く酒場も珍しい限定品があるから・・・」
「限定のお酒?!」トトの言葉に食い付くシルフィーナ。
「本当にお酒好きなのねぇ」
黒龍ラザフォードは少し呆れ気味だった。
そんなラザフォードにイリスが、
「ラザフォードが前にいた世界ってどんなお酒があったの?」と聞いて見る。
別に隠す必要も無いので前世の地球の事は全て話しているラザフォード。
「う~ん、お酒に関して言えば前居た国よりこっちの世界の方が断然美味しいね。
何せ天然素材をふんだんに使ってるからねぇ」
「天然素材?」
「向こうは経済重視、効率重視で栽培した物を使ってある程度は似た物になっているの、奇を狙うと失敗する場合が多いから。
経済重視だから味が万人にウケる様にマイルドな物になってるわ」
「?それって良い事じゃないの?」
「良い事も多くあるけど個性は失われて行ってるわ、味気ないと言うのかな?」
「うー・・・難しくて良く分からない」
発展途上の世界に産まれたイリスには完成した後に来る虚無感は分からない様子だ。
少し難しい話しをしながら歩いていたらお目当ての酒場に到着した。
「いらっしゃーい!あれ?トト先生?珍しいね」
トトは街の人達から「薬師先生」と呼ばれてめっちゃ尊敬されている。
なにせトトの作った薬で命が助かった者が大勢いるからだ。
「今日はウチのお客様を連れて来たんだ。
お酒大好きだから「限定のお酒」を出してくれる?」
「先生に言われちゃ断れないな!よっし特別に俺の1番酒を出すぜ!」
ここの酒場は醸造から行っている超本格的な酒場だ。
1番酒と言うのはその年の醸造で最初に出来る樽の事だ。
縁起物なので普通は醸造主と身内だけで楽しむ物で滅多に飲める酒では無い。
「1番酒?!」シルフィーナはもう目が輝いて後光が・・・本当に光が出てる?!
「シルフィーナ!」ギュウ!「きゃん?!」イリスにお尻をつねられた。
まだ早い時間で客が居なかったので、幸いに後光は誰にも見られて無かった。
「俺が1番好きな林檎のブランデーだ!飲んでくれ」
ブランデーグラスに入った黄金色のお酒、シルフィーナは横から下から観察して香りを充分に堪能する。
「良い香りですわー!」
「そんなに喜んでくれるたぁ醸造主として嬉しいぜ。
そいつはキュッと一気に飲むのが1番だ、行ってくれ!」
キュッと一気に飲んだシルフィーナの動きが止まった・・・
3秒くらい固まって、「最高ですわ~」とウットリしながら呟く。
「じゃあ私も・・・」今度はラザフォードが一気に飲む・・・
「凄く美味しい・・・」その一言しか言えなかった。
「じゃあ私も・・・」今度はイリスが一気に飲んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「「「ええええええーーー?!」」」
店内が絶叫に包まれた!おいーー!幼児ーーー!
「これ本当に美味しいね!・・・あれ?皆んなどうしたの??」
不思議そうに首を傾げるイリス・・・いやだから幼児よ・・・お酒。
「いっ・・・イリス、体は大丈夫ですか?」流石にアタフタしているシルフィーナ。
「はい?大丈夫ですよ?」
「おっおおお酒なんか飲んで・・・」ラザフォードもかなり混乱している。
「お酒?私は前から家で飲んでますよ?」
「「「「えええええーーーーー??!!!」」」」
聞けばウッドエルフは幼児の頃から食前酒を飲むのだそうだ。
どちらかと言うと「薬酒」の意味合いが強い。
もちろん体質的に酒を受け付けられない者には絶対に飲まさないが。
特にイリスの場合は「酒豪」の隠れ固有スキルがあるので幼児の体でも適量なら問題どころか血行促進や新陳代謝に魔力上昇など体に有益な働きをするのだ。
長年培ったウッドエルフの知恵とも言えるのだ。
「どれくらい飲めば気持ち悪くなるか分かってますよ?
このお酒なら3杯までなら問題ないです」
「適量を知ってるなんてアタシより大人っぽい・・・色んな種族が居るねぇ」
トトは薬師なので「薬酒」効果を知ってるので素直に感心していた。
「こいつはたまげた。世界は広いなぁ」店主もビックリだ。
こんなハプニングがあったが食事は進んで行った。
食前酒なのでイリスはもう酒は飲んで無い、当たり前だろ幼児!
兎人族の名物「百豆のスープ」を飲んでいる。
「これ美味しいです!」文字通り百種類の豆を絶妙にミックスさせて煮込んだスープだ、各店や各家庭で微妙に味が変わるのだとか。
「アタシは毎日食べ飽きてるからねぇ」トトは川魚のソテーを食べている。
シルフィーナとラザフォードは・・・見るまでも無く色々なお酒を飲んでいる。
チャンポン良くナイネ。
酒場には仕事帰りの客がドンドンと来て賑やかになって来た。
色々は種族が酒の買い付けに街に来るので異種族のイリス達をもの珍し気に見る者は居ない。
酒飲みの種族の兎人族が泥酔するのは人生でも最大の恥になるので酔っ払って暴れる者も居ない、実に健全な酒場である。
「まぁ、裏路地にはならず者が集まるヤバい店もあるけどね」
どこにでもヤカラはいる物である。
夜8時にはイリスとトトは帰ったが店主を含めた酒好き集団が酒について朝まで語りあったのであった。
無論シルフィーナは参加してラザフォードは巻き込まれた。
その場で少し飲もうとしたら、
「今から行く酒場も珍しい限定品があるから・・・」
「限定のお酒?!」トトの言葉に食い付くシルフィーナ。
「本当にお酒好きなのねぇ」
黒龍ラザフォードは少し呆れ気味だった。
そんなラザフォードにイリスが、
「ラザフォードが前にいた世界ってどんなお酒があったの?」と聞いて見る。
別に隠す必要も無いので前世の地球の事は全て話しているラザフォード。
「う~ん、お酒に関して言えば前居た国よりこっちの世界の方が断然美味しいね。
何せ天然素材をふんだんに使ってるからねぇ」
「天然素材?」
「向こうは経済重視、効率重視で栽培した物を使ってある程度は似た物になっているの、奇を狙うと失敗する場合が多いから。
経済重視だから味が万人にウケる様にマイルドな物になってるわ」
「?それって良い事じゃないの?」
「良い事も多くあるけど個性は失われて行ってるわ、味気ないと言うのかな?」
「うー・・・難しくて良く分からない」
発展途上の世界に産まれたイリスには完成した後に来る虚無感は分からない様子だ。
少し難しい話しをしながら歩いていたらお目当ての酒場に到着した。
「いらっしゃーい!あれ?トト先生?珍しいね」
トトは街の人達から「薬師先生」と呼ばれてめっちゃ尊敬されている。
なにせトトの作った薬で命が助かった者が大勢いるからだ。
「今日はウチのお客様を連れて来たんだ。
お酒大好きだから「限定のお酒」を出してくれる?」
「先生に言われちゃ断れないな!よっし特別に俺の1番酒を出すぜ!」
ここの酒場は醸造から行っている超本格的な酒場だ。
1番酒と言うのはその年の醸造で最初に出来る樽の事だ。
縁起物なので普通は醸造主と身内だけで楽しむ物で滅多に飲める酒では無い。
「1番酒?!」シルフィーナはもう目が輝いて後光が・・・本当に光が出てる?!
「シルフィーナ!」ギュウ!「きゃん?!」イリスにお尻をつねられた。
まだ早い時間で客が居なかったので、幸いに後光は誰にも見られて無かった。
「俺が1番好きな林檎のブランデーだ!飲んでくれ」
ブランデーグラスに入った黄金色のお酒、シルフィーナは横から下から観察して香りを充分に堪能する。
「良い香りですわー!」
「そんなに喜んでくれるたぁ醸造主として嬉しいぜ。
そいつはキュッと一気に飲むのが1番だ、行ってくれ!」
キュッと一気に飲んだシルフィーナの動きが止まった・・・
3秒くらい固まって、「最高ですわ~」とウットリしながら呟く。
「じゃあ私も・・・」今度はラザフォードが一気に飲む・・・
「凄く美味しい・・・」その一言しか言えなかった。
「じゃあ私も・・・」今度はイリスが一気に飲んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「「「ええええええーーー?!」」」
店内が絶叫に包まれた!おいーー!幼児ーーー!
「これ本当に美味しいね!・・・あれ?皆んなどうしたの??」
不思議そうに首を傾げるイリス・・・いやだから幼児よ・・・お酒。
「いっ・・・イリス、体は大丈夫ですか?」流石にアタフタしているシルフィーナ。
「はい?大丈夫ですよ?」
「おっおおお酒なんか飲んで・・・」ラザフォードもかなり混乱している。
「お酒?私は前から家で飲んでますよ?」
「「「「えええええーーーーー??!!!」」」」
聞けばウッドエルフは幼児の頃から食前酒を飲むのだそうだ。
どちらかと言うと「薬酒」の意味合いが強い。
もちろん体質的に酒を受け付けられない者には絶対に飲まさないが。
特にイリスの場合は「酒豪」の隠れ固有スキルがあるので幼児の体でも適量なら問題どころか血行促進や新陳代謝に魔力上昇など体に有益な働きをするのだ。
長年培ったウッドエルフの知恵とも言えるのだ。
「どれくらい飲めば気持ち悪くなるか分かってますよ?
このお酒なら3杯までなら問題ないです」
「適量を知ってるなんてアタシより大人っぽい・・・色んな種族が居るねぇ」
トトは薬師なので「薬酒」効果を知ってるので素直に感心していた。
「こいつはたまげた。世界は広いなぁ」店主もビックリだ。
こんなハプニングがあったが食事は進んで行った。
食前酒なのでイリスはもう酒は飲んで無い、当たり前だろ幼児!
兎人族の名物「百豆のスープ」を飲んでいる。
「これ美味しいです!」文字通り百種類の豆を絶妙にミックスさせて煮込んだスープだ、各店や各家庭で微妙に味が変わるのだとか。
「アタシは毎日食べ飽きてるからねぇ」トトは川魚のソテーを食べている。
シルフィーナとラザフォードは・・・見るまでも無く色々なお酒を飲んでいる。
チャンポン良くナイネ。
酒場には仕事帰りの客がドンドンと来て賑やかになって来た。
色々は種族が酒の買い付けに街に来るので異種族のイリス達をもの珍し気に見る者は居ない。
酒飲みの種族の兎人族が泥酔するのは人生でも最大の恥になるので酔っ払って暴れる者も居ない、実に健全な酒場である。
「まぁ、裏路地にはならず者が集まるヤバい店もあるけどね」
どこにでもヤカラはいる物である。
夜8時にはイリスとトトは帰ったが店主を含めた酒好き集団が酒について朝まで語りあったのであった。
無論シルフィーナは参加してラザフォードは巻き込まれた。
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