龍騎士イリス☆ユグドラシルの霊樹の下で（イリスは現在ファッションモデルになってます）

第二章 シルフェリアとの別れとイリスの覚悟

44話 「大空中戦！」その3

「「はーい、おめでとう」」チュウ

「うわわわわわ」・・・・パタリ・・・また、１人の若い龍騎士が死亡した・・・

レンヌが勝手に思いついたキスのご褒美だったが快く応じて勝利者にキスをして行く優しい天舞龍リール。

師匠の海龍王アメリアが強烈なキス魔で産まれた時から毎日キスされまくったのでキスに対する抵抗が無いのだ

「「え？キス？うーん？良いよ？龍の姿と人の姿のどっちが良いかな？」」
そう勝利者に尋ねたリールだったが希望は見事に半々だった。

意外な事に竜より人の方が龍の姿でのキスを所望したのだ。
あっ！でも分かるかも、龍からのキスなんて、そうそうある事じゃないからね。

龍の姿のリールにキスされた１人に・・・
「ど・・・どうだった？」と仲間が尋ねると、
「柔らかい・・・極楽・・・」と呟いて夢うつつでフラフラしている龍騎士。
龍の口って柔らかいんだ・・・

ご褒美の会場は阿鼻叫喚だ、なにせサービス精神旺盛のリールは、ほっぺやおでこじゃなく、ちゃんと口にキスをしてくれるからだ。
この天舞龍リールさん魅惑の大サービスに勝利者の死体の山が出来たのは言うまでもない。

なぜ口にキスをするのは、副賞で自分の加護を与える為だ。
いや副賞の方が凄すぎる！実際にリールからのキスと加護に感激した2体の雷竜と1体の飛竜がショックの余り天龍への進化の眠りについてしまったのだ。

「「あらまあ！これは大変！捕まった人達はこの子達を天空城へ連れて行って下さい」」
情け容赦無く敗北先輩達を使いまくるレンヌだった。

油断していた先輩天龍達は大人しく竜達を天空城へと運んで行った。

このやり取りを横目で見て、まだ演習中の龍騎士達と竜達は思った・・・
「メチャクチャ羨ましい！！！」と・・・
自分も勝利者へ！と凄い闘志を燃やすのだった。

「「あれ？？俺達にご褒美は無し？」」

「「え？リール様って朝の挨拶で結構キスしてくれるよ？」」

「「マジかぁ・・・女って良いなぁ」」

龍の姿でのキスを希望者した者へのご褒美は終わり今度は人の姿での祝福のキスが始まる、

「はい、ブリックリンもこっち向いて？」
ブリックリンの顔を両手でクイと持ち上げるリール。

「ええええ？？俺はいいですよ！恥ずかしいですよ！」
人間の姿に戻っているブリックリンの顔は真っ赤になっている。
まだブリックリンは少年の姿なので、お姉さんとショタ・・・いや何でも無い。

「良いから良いから」チュウ

「うわー・・・これは確かにヤバい」
恥ずかしさの余り頭をクワンクワンさせているブリックリン。

こうして自分を捕まえた４人から順番にキスの祝福をして行くリール。
さすがにガストンは妻のシルフィーナの手前、ほっぺにキスして貰っていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え？！君達って結婚してたの？！
聞けば結婚自体は結構前にしていたらしい、ほおお？？それは知らんかった。
遅れながら、おめでとう、ガストンにシルフィーナ。

次はイリス・・・

「おはちほ！ひょうほうおはちほ！」（お待ちを！少々お待ちを！）

キスの前にガッシガシと必死になって歯を磨いているイリス・・・理由は察して下さい。
イリスもシルフェリアにキスされまくって育ったのでキスに抵抗は無い。

歯磨きイリスの前にシルフィーナにキスをするリール。
昔から結構、リールやアメリアからキスされてるシルフィーナは普通だった。

「シルフィーナ？お返しは？」

「それはさすがに恥ずかしいですわ！」と言いつつもリールにキスをするシルフィーナ。

「お待たせしました！リールさん！思い切りお願いします！」
歯磨きを終えて顔を洗い「んっ！」と、目を瞑り準備万端のイリス。

「え？思い切り？うん！分かったよ！思い切りね！」

ブチュウウウウウ！！宣言通りに思い切りリールにキスされたイリス。
「ん？んんんんんん？？？？」
思い切りキスされたので、思い切りリールの加護がイリスに流れ込んで来る。

すると！ペカーとイリスが光った？！
「イリスーーーー？！？！」突然光出したイリスにメチャクチャ驚くシルフィーナ。
光が収まるとイリスは世界初の「エクセル・ハイエルフ」に進化していた・・・
マジかよ？エルフって進化するんだ・・・

《ええええええ？？？》突然の謎進化を果たしたイリスにエリカもドン引きだ！
エリカは「真実の目」のスキル持ちなのでイリスの詳細なデータが分かるのだ。

「イリス殿はどうなったのですか？」エリカに乗るロイが尋ねると、
《イリスは・・・人を辞めてしまいました・・・》と、エリカが答える。

「人を辞めた？・・・え？どう言う事です？」

《正確には元々半精霊のハイエルフだったのに、更により精霊に近くなりました》

「えーとつまり？」

《多分・・・イリスは上位精霊に近い存在になりました》

「・・・・・・・・それって今までとあんまり変わってないのでは？」

《・・・・・・・・んん？そうだね、言われて見るとあんまり変わってないね？》

エクセル・ハイエルフ→優秀なハイエルフ・・・
単純に「イリス強くなったね！おめでとう！」程度だと思ってくれて良い。

しかし耐性もかなり強化されたので乗り物酔いが克服されたのだ。
もう乗り物酔いのせいで○☆○☆○☆○☆○をしなくて済む様になったのだ！
うん！これはデカい！デカ過ぎる！！
つーか、この矛盾した設定を是正する為にこの話しを無理矢理作っただろ？！

確かに龍騎士が乗り物に弱いのは致命的だもんね。

「ねえねえ？乗せてー」と、○☆○☆○☆○☆○女がやって来たら・・・
相手の方は「いやああああああ！！！○☆○☆○☆○☆○はやめてぇーー！！」
って感じだろうな。

そして今日なぜイリスがブリックリンに乗っていたかの理由も分かった。
エリカやシルフィーナが○☆○☆○☆○☆○××××は可哀想だもんね。

帳尻合わせの話しが綺麗にまとまったので模擬戦に戻ろう。

時間切れが近いので最終局面になっている。

《総員！突撃体制！》
エリカが総員に突撃を指示する。小手先の技が通用しないので実力勝負だ！

狙うはエリカの真実の目で選択した１番若い天龍だ！
ギン！ギラギラ！！

「「うわあああ？？標的は俺かよーーー？？」」
500騎全員にギラギラした目で狙われてる天龍がジリジリ後退して行く。

「「おお！それは良い選択だな。頑張れよ！後輩！」」

「「助けて下さいよぉ先輩！」」

「「訓練なんだから泣き言を言うな」」

「リール様からのキスの為に！！」の気迫が漂っている。
残り時間的に勝利者は後１人だろう、ジリジリと間を詰めて行く龍騎士達。

《突撃ーーーーー！！！》
ワアアアアアアアアーーーーー！！！キュウウウンンキュイイインン！！

全員が１人の天龍を目標に突撃して行く！
狙われた天龍も簡単に捕まると訓練にならないので必死に逃げる！

若いと言ってもさすが選ばれし龍戦士なだけあり、ヒュンヒュンヒュン！！と来る龍騎士の四方八方からの突撃を上手くかわす！
「「うおおおお？？？マジかあああ！！」」

「「おお！凄い凄い、こんだけの竜の一斉突撃は壮観だなぁ」」
のんびり後輩の奮闘を眺めている先輩天龍、しかし耳元で声がする。

《そうですねぇ、はい！捕まえましたよ～》

バサバサバサ、チョコンと先輩天龍の肩に止まる極小サイズのエリカ。
「「はーい、先輩は失格です」」審判レンヌの声が響く。

「「お前エリカか？！あーーー！ずっこいぞ？！鳥に擬態してたなぁ？！」」

《私もリールさんとキスして見たいんですよね～、ごめんなさいねぇ》

策士エリカ！油断していた先輩天龍を見逃さず、ちゃっかりとリールからのキスをゲットだぜ！

奮闘していた後輩天龍も数の暴力には勝てず・・・
「キュイイイーン♪♪♪♪」「やったぞーーー！！！」
「「あー・・・ここまでかぁ」ついに飛竜に捕らえられたのだった。

それを見て審判のレンヌが、
「「はーーい！時間切れです。終了ーーーー」と宣言する。
実はとっくに時間切れだったのだが、空気を読んで時間を引き延ばしていたのだ。

「はい、頑張ったね！おめでとう」チュッチュッチュウ
最後のサービスで長めにキスをするリール。

「ふわわわわわわ？？？」「キュ？キューーン？？」
最後のひと枠をゲットした2人はフラフラしながら倒れたのだった。

「リールさん！私も思い切りお願いします！」サクッと人化して準備万端のエリカ。

「うん？思い切りね？」スッと両手でエリカの顔を持つリール。

「あわわわわわわ？？？」土壇場で恥ずかしくなるエリカ、顔が真っ赤になる。

ブチュウウウウウ！！！！

「おおおお？？？」この世のモノとは思えない気持ち良さがエリカを包み込み・・・
ペカーとエリカも光った？！

「ふへぇ？？」何が起きたか分からないエリカ、気持ち良くて頭がホゲーとしてフラフラとリールの胸の中に倒れこむ。
「おや？」エリカを抱きしめながら不思議そうな声を出すリール。

光が収まりエリカはエクセル・グリフォンロードへと進化を果たしたのだった。
何だかんだと、大収穫を得た模擬戦になった龍騎士隊イリス。

何と今回進化を果たす天龍は、そのまま龍騎士隊イリスに在籍して良いと天龍王アメデから許可を得たのだ。

強そうだから！と龍の文字を使っていたが本当に「龍」騎士隊イリスになりつつあるのだ。