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第二章 シルフェリアとの別れとイリスの覚悟
閑話 「ゾンビに堕ちた男」その5
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{フフフフフ・・・
サア僕達ヨ・・・アノ無礼ナ男ヲ貪リ陥シ尽クスガ良イ}
振り上げ手を振り降ろすネクロマンサー。
「あああああああああああああああああああああああああ」
「グジャアアアアアアアアアアアア」
ネクロマンサーの合図で一斉に私に襲い掛かって来るゾンビ達。
予想通り左右に展開して私の逃げ場を潰しに来た。
「誰が逃げると言った?」
私は左右に展開したゾンビ達を目もくれずに真正面突破に入る!
{愚カナ・・・フフフフ・・・タダノ自殺志願者ダッタカ・・・」
愚かなのはお前の方だ!
私は3体のゾンビの間のど真ん中を易々と走り抜ける。
{!!!何ヲシテイル?!}
絶好の機会を安易に逃したゾンビを叱責するネクロマンサー。
ネクロマンサー・・・お前は本当にゾンビの事を何も分かってはいない・・・
私は全てのゾンビの真正面からドンドンと突破してネクロマンサーに接近して行く。
{!?!?!馬鹿者!!掛カレーーー!}
「あああああああああああああああああああああ」
ネクロマンサーの声に反応したゾンビがメチャクチャに手を振り回すが私は既に走り抜けた後だ。
「ネクロマンサーあああ!!!!」
私は襲い来るゾンビ達を悉くかわして遂に「死霊使い」ネクロマンサーに肉薄する!
{ナンジャ?!コノ人間ハ?!何故ゾンビ共ノ攻撃ガ擦リモセヌ?!」
200体のゾンビの群れに単身で正面から突撃すれば、ただ囲まれて貪り喰われるだけに思えるだろうが「元ゾンビ」の私を舐めるなよ?!
ゾンビの致命的な死角はな!「真正面」なんだよ!
左右の動きには敏感に反応出来るが正面の動きにはなかなか反応出来ないモンなんだよ!
そんでネクロマンサーはそれを知らんだろう?!
いや誰にだって知る事は出来ない・・・
なにせこの事は「ゾンビにならないと分からない」からだ。
「このクソったれがぁ!!!ゾンビの気持ちを思い知れ!!ネクロマンサー!!」
私は怒声を吠えながら飛び上がってネクロマンサーの正中線に剣を振り下ろす!
スパーーーン!!
小気味良い音を立ててネクロマンサーが真っ二つに簡単に両断される!
だが知ってんだよ!それがお前の防御方法なんだろ!身体を魔力化して物理攻撃効果の無効化してんだろ?!
知ってんだよ!だから!!!
「ヒートブレイク!!!」ゴオオオオオオオオオオオ!!!
私は両断されたネクロマンサーの身体の中央に中級火炎魔法を発生させる!
どうだ!これで簡単には再生出来ねえだろうがぁ!!
{ギャアアアアアアアア?!熱イ!!貴様?!ナゼ我ノ弱点ヲ?!}
ネクロマンサーが「火炎魔法に弱い」って事は「前のご主人様」に魂を弄り回された時に私の魂に束縛の呪いと共に情報として直接刻まれて知ってるんだよ!
魔力化した身体には火炎魔法がダイレクトに伝わる、どうだ?!熱くて辛えだろ!
{ギアアアアア?!アツイアツイアツイアツイアツイアツイ!!}
ついでに言えば「ネクロマンサーは非力」だ!肉弾戦にメチャクチャ弱い!
ズドン!!{グウエエエ?!?!}私は前蹴りでネクロマンサーの腹を蹴る!
そして間髪入れずに剣を横に引き横撫で斬りでネクロマンサーの首を飛ばす!
ズバン!!私の剣撃で両断されているネクロマンサーの首が飛ぶ!
流れる様に飛んだ首をボールの様に蹴り飛ばして身体から遠く離す!
頭は両断されてるから左右に大きくだ!
これで視覚と思考を奪われたネクロマンサーの身体は棒立ちだ!
再生の暇など与えない!
「うおおおおおおお!!!」私はネクロマンサーの身体をめった斬りにする!
ズバン!スパーーーン!バシュ!!
この剣は滅多に手に入らない「ミスリル銀製」だ!数年に1本市場に出るかどうかの業物だ。
だが!武装商人を舐めんなよ!
貴重な品物を仕入れるのが商人の役目だ。
ミスリルソードはSランクの貴重品だが、私はちゃんと持ってんだよ!
ミスリル銀の破魔の効果で、斬り刻まれたネクロマンサーの身体から煙が吹き出る。
{ウギャアアアア?!ヤメ!ヤメロオオオオオ!!!オノレエエエ!!!}
「ふん!猛毒の霧かい?!甘いんだよ!」
ネクロマンサーの苦し紛れの攻撃だが、そんな攻撃は最初から想定していた私には通用しない!
私はすぐに用意していた「対猛毒用のマスク」、Sランクの魔道具を付けて攻撃を即座に再開する。
武装商人の真なる力は、「装備品のランクが異常に高い」事だ。
ズドン!!
猛毒の霧をものともせずに私はネクロマンサーの心臓にミスリルソードを突き刺す!
{ナゼダ?!ナゼダナゼダナゼダナゼダナゼダナゼダーーーーー??!!}
ネクロマンサーは自分の行動の全てを先読みする私に対して混乱と恐怖を感じる。
そしてネクロマンサーは・・・
「メンタル面でも弱い!」だからゾンビを使役しないと怖くてまともには戦えない。
身体を両断されて、燃やされて、首を飛ばされた、臆病者のネクロマンサーに打てる手はもう少ない。
ここが正念場だな・・・次に来るのはアレか?
{ゾンビ共ヨ!コヤツヲ殺セ!集中攻撃ダアアアアアア!!!}
予想通りに使役しているゾンビの全てを私に集中させる・・・だが!
「spiral charge!!!!」
ズドゴオオオオオオオオオオオンンンンン!!
クルーゼの「スパイラルチャージ」が私に集ろうとしたゾンビの群れの中心に炸裂してゾンビ達がバラバラになって吹き飛ぶ。
私の攻撃はクルーゼが到着するまでの時間稼ぎだ!
「勇者」が到着した以上はお前には勝ち目なんざねえんだよ!
「トマス!ゾンビは俺に任せろ!お前はそのクズ魔物にトドメを刺せ!」
ガガガガガガアアアンン!!!!
竜巻の様なクルーゼの攻撃が始まってゾンビ達は私に近寄る事すら出来ない。
{アアアアアアアーーーー?!?!}援軍到着にいよいよ恐慌状態に陥るネクロマンサー。
「おおう!」
私は「SSランク」の破魔の護符をネクロマンサーの身体に貼り付けて、
「ホーリー!!バーストーーー!!!」
バシューーーーーンンン!!!!
ネクロマンサーの身体に0距離での聖属性魔法のダイレクトアタックを加える!
{ギャワアアア!!!アアアアアアア??!!!ヒャギャアアアアアアアア!!!」
ネクロマンサーの精神体にも届く聖属性攻撃でネクロマンサーの存在値が大幅に低下する。
存在値が低下した事でネクロマンサーの髑髏の頭が物理化して可視化される。
これで終わりだ!ネクロマンサー!!!
「うおおおおおお!!!」
{ヒィイイイイ?!ヤメロオオオオオ!!!}
グシャア!!私は右半分のネクロマンサーの頭を靴の裏で踏み潰して、
ズドン!!ミスリルソードを投げて左半分の頭に剣を突き刺した・・・
すると、ビクン!!とゾンビ達は大きく身体を揺らしてから・・・
バキン!ビチャ!ビチャ!グチャア!と次々に足の骨が砕けて倒れて動かなくなった。
関節の軟骨が腐っているのにネクロマンサーからの魔力供給無しに立っていられる訳がない。
そしてネクロマンサーの身体と頭は塵になり風に飛ばされて消えて行く・・・
ネクロマンサーは精神体諸共完全に消滅したのだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「よお、トマス・・・仇相手に暴れてスッキリしたか?」
槍をヒュン!と一回転させて肩に担いだクルーゼが私に問いかけて来る。
スッキリ?・・・・・・・・確かにこれ以上無い仇討ちだよな。
でも・・・
「これはただの私怨だったからな・・・何か虚しい・・・」
「そうか?・・・まぁ、勝って良かったじゃねえか」
それから私達はゾンビだった遺体を全て魔法の炎で火葬した・・・
放っておくと毒によって大地が汚染されるからだ。
残念ながら集落の生存者はゼロ人だった・・・
この後の私は、ひたすら商団と家族の為に働き続けて・・・
無理が祟ったのか58歳の時に病気になり、ちょっと早い寿命を迎えて生涯を終えた・・・
3度目の転生門の前・・・そこにはワイトキングの姿は無かった・・・
その代わりに門には「儂は今、メチャクチャ忙しいので勝手に門を潜るが良い」と貼り紙が貼られていた。
「勝手にって言われてもなぁ・・・」
本当は「魂の浄化」の程度とか見て欲しかったのに・・・
仕方なく貼り紙に従って転生門を潜った私は4度目の人生を歩む事となったのだ。
サア僕達ヨ・・・アノ無礼ナ男ヲ貪リ陥シ尽クスガ良イ}
振り上げ手を振り降ろすネクロマンサー。
「あああああああああああああああああああああああああ」
「グジャアアアアアアアアアアアア」
ネクロマンサーの合図で一斉に私に襲い掛かって来るゾンビ達。
予想通り左右に展開して私の逃げ場を潰しに来た。
「誰が逃げると言った?」
私は左右に展開したゾンビ達を目もくれずに真正面突破に入る!
{愚カナ・・・フフフフ・・・タダノ自殺志願者ダッタカ・・・」
愚かなのはお前の方だ!
私は3体のゾンビの間のど真ん中を易々と走り抜ける。
{!!!何ヲシテイル?!}
絶好の機会を安易に逃したゾンビを叱責するネクロマンサー。
ネクロマンサー・・・お前は本当にゾンビの事を何も分かってはいない・・・
私は全てのゾンビの真正面からドンドンと突破してネクロマンサーに接近して行く。
{!?!?!馬鹿者!!掛カレーーー!}
「あああああああああああああああああああああ」
ネクロマンサーの声に反応したゾンビがメチャクチャに手を振り回すが私は既に走り抜けた後だ。
「ネクロマンサーあああ!!!!」
私は襲い来るゾンビ達を悉くかわして遂に「死霊使い」ネクロマンサーに肉薄する!
{ナンジャ?!コノ人間ハ?!何故ゾンビ共ノ攻撃ガ擦リモセヌ?!」
200体のゾンビの群れに単身で正面から突撃すれば、ただ囲まれて貪り喰われるだけに思えるだろうが「元ゾンビ」の私を舐めるなよ?!
ゾンビの致命的な死角はな!「真正面」なんだよ!
左右の動きには敏感に反応出来るが正面の動きにはなかなか反応出来ないモンなんだよ!
そんでネクロマンサーはそれを知らんだろう?!
いや誰にだって知る事は出来ない・・・
なにせこの事は「ゾンビにならないと分からない」からだ。
「このクソったれがぁ!!!ゾンビの気持ちを思い知れ!!ネクロマンサー!!」
私は怒声を吠えながら飛び上がってネクロマンサーの正中線に剣を振り下ろす!
スパーーーン!!
小気味良い音を立ててネクロマンサーが真っ二つに簡単に両断される!
だが知ってんだよ!それがお前の防御方法なんだろ!身体を魔力化して物理攻撃効果の無効化してんだろ?!
知ってんだよ!だから!!!
「ヒートブレイク!!!」ゴオオオオオオオオオオオ!!!
私は両断されたネクロマンサーの身体の中央に中級火炎魔法を発生させる!
どうだ!これで簡単には再生出来ねえだろうがぁ!!
{ギャアアアアアアアア?!熱イ!!貴様?!ナゼ我ノ弱点ヲ?!}
ネクロマンサーが「火炎魔法に弱い」って事は「前のご主人様」に魂を弄り回された時に私の魂に束縛の呪いと共に情報として直接刻まれて知ってるんだよ!
魔力化した身体には火炎魔法がダイレクトに伝わる、どうだ?!熱くて辛えだろ!
{ギアアアアア?!アツイアツイアツイアツイアツイアツイ!!}
ついでに言えば「ネクロマンサーは非力」だ!肉弾戦にメチャクチャ弱い!
ズドン!!{グウエエエ?!?!}私は前蹴りでネクロマンサーの腹を蹴る!
そして間髪入れずに剣を横に引き横撫で斬りでネクロマンサーの首を飛ばす!
ズバン!!私の剣撃で両断されているネクロマンサーの首が飛ぶ!
流れる様に飛んだ首をボールの様に蹴り飛ばして身体から遠く離す!
頭は両断されてるから左右に大きくだ!
これで視覚と思考を奪われたネクロマンサーの身体は棒立ちだ!
再生の暇など与えない!
「うおおおおおおお!!!」私はネクロマンサーの身体をめった斬りにする!
ズバン!スパーーーン!バシュ!!
この剣は滅多に手に入らない「ミスリル銀製」だ!数年に1本市場に出るかどうかの業物だ。
だが!武装商人を舐めんなよ!
貴重な品物を仕入れるのが商人の役目だ。
ミスリルソードはSランクの貴重品だが、私はちゃんと持ってんだよ!
ミスリル銀の破魔の効果で、斬り刻まれたネクロマンサーの身体から煙が吹き出る。
{ウギャアアアア?!ヤメ!ヤメロオオオオオ!!!オノレエエエ!!!}
「ふん!猛毒の霧かい?!甘いんだよ!」
ネクロマンサーの苦し紛れの攻撃だが、そんな攻撃は最初から想定していた私には通用しない!
私はすぐに用意していた「対猛毒用のマスク」、Sランクの魔道具を付けて攻撃を即座に再開する。
武装商人の真なる力は、「装備品のランクが異常に高い」事だ。
ズドン!!
猛毒の霧をものともせずに私はネクロマンサーの心臓にミスリルソードを突き刺す!
{ナゼダ?!ナゼダナゼダナゼダナゼダナゼダナゼダーーーーー??!!}
ネクロマンサーは自分の行動の全てを先読みする私に対して混乱と恐怖を感じる。
そしてネクロマンサーは・・・
「メンタル面でも弱い!」だからゾンビを使役しないと怖くてまともには戦えない。
身体を両断されて、燃やされて、首を飛ばされた、臆病者のネクロマンサーに打てる手はもう少ない。
ここが正念場だな・・・次に来るのはアレか?
{ゾンビ共ヨ!コヤツヲ殺セ!集中攻撃ダアアアアアア!!!}
予想通りに使役しているゾンビの全てを私に集中させる・・・だが!
「spiral charge!!!!」
ズドゴオオオオオオオオオオオンンンンン!!
クルーゼの「スパイラルチャージ」が私に集ろうとしたゾンビの群れの中心に炸裂してゾンビ達がバラバラになって吹き飛ぶ。
私の攻撃はクルーゼが到着するまでの時間稼ぎだ!
「勇者」が到着した以上はお前には勝ち目なんざねえんだよ!
「トマス!ゾンビは俺に任せろ!お前はそのクズ魔物にトドメを刺せ!」
ガガガガガガアアアンン!!!!
竜巻の様なクルーゼの攻撃が始まってゾンビ達は私に近寄る事すら出来ない。
{アアアアアアアーーーー?!?!}援軍到着にいよいよ恐慌状態に陥るネクロマンサー。
「おおう!」
私は「SSランク」の破魔の護符をネクロマンサーの身体に貼り付けて、
「ホーリー!!バーストーーー!!!」
バシューーーーーンンン!!!!
ネクロマンサーの身体に0距離での聖属性魔法のダイレクトアタックを加える!
{ギャワアアア!!!アアアアアアア??!!!ヒャギャアアアアアアアア!!!」
ネクロマンサーの精神体にも届く聖属性攻撃でネクロマンサーの存在値が大幅に低下する。
存在値が低下した事でネクロマンサーの髑髏の頭が物理化して可視化される。
これで終わりだ!ネクロマンサー!!!
「うおおおおおお!!!」
{ヒィイイイイ?!ヤメロオオオオオ!!!}
グシャア!!私は右半分のネクロマンサーの頭を靴の裏で踏み潰して、
ズドン!!ミスリルソードを投げて左半分の頭に剣を突き刺した・・・
すると、ビクン!!とゾンビ達は大きく身体を揺らしてから・・・
バキン!ビチャ!ビチャ!グチャア!と次々に足の骨が砕けて倒れて動かなくなった。
関節の軟骨が腐っているのにネクロマンサーからの魔力供給無しに立っていられる訳がない。
そしてネクロマンサーの身体と頭は塵になり風に飛ばされて消えて行く・・・
ネクロマンサーは精神体諸共完全に消滅したのだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「よお、トマス・・・仇相手に暴れてスッキリしたか?」
槍をヒュン!と一回転させて肩に担いだクルーゼが私に問いかけて来る。
スッキリ?・・・・・・・・確かにこれ以上無い仇討ちだよな。
でも・・・
「これはただの私怨だったからな・・・何か虚しい・・・」
「そうか?・・・まぁ、勝って良かったじゃねえか」
それから私達はゾンビだった遺体を全て魔法の炎で火葬した・・・
放っておくと毒によって大地が汚染されるからだ。
残念ながら集落の生存者はゼロ人だった・・・
この後の私は、ひたすら商団と家族の為に働き続けて・・・
無理が祟ったのか58歳の時に病気になり、ちょっと早い寿命を迎えて生涯を終えた・・・
3度目の転生門の前・・・そこにはワイトキングの姿は無かった・・・
その代わりに門には「儂は今、メチャクチャ忙しいので勝手に門を潜るが良い」と貼り紙が貼られていた。
「勝手にって言われてもなぁ・・・」
本当は「魂の浄化」の程度とか見て欲しかったのに・・・
仕方なく貼り紙に従って転生門を潜った私は4度目の人生を歩む事となったのだ。
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