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第三章 女王イリスの誕生
9話 「エリカと百合っぺ達と純情娘」
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独身隊員達によるイリス&エリカ争奪バトルロワイヤルが発生した龍騎士隊イリス。
「だから何であなた達が参加しているのよ?!」
何故だか知らんが参加表明している女性隊員達に対して混乱の極地になるエリカ。
「だって勝ったらエリカ参謀ゲットでしょ?!そりゃ参加しますよ!」
とっても百合百合しい女性隊員達、行動力が有る分とても達が悪いのだ。
百合っぺ達にはエリカをこちらの世界に引き摺り込まねばならぬ使命が有るのだ!
ちなみにこの世界のこの時代は同性愛者は割とよく居る。
戦乱期特有の現象とも言えよう。
イリスは徹頭徹尾正統派なノーマルなので諦めているがエリカなら「ワンチャン有るんじゃね?」とか百合っぺ達は考えている。
「なん・・・だと?・・・これが女子校出身の弊害か・・・」
知らず知らずの内に百合オーラを出してしまっていた自分に愕然とするエリカ。
誤解を招くと可哀想なので最初に断言しておくと「エリカはド・ノーマル」である。
イリスに対しては、親友としての親愛の情が強く出てくっついているだけなのだ。
今はどちらかと言うと親友と言うより姉妹の感覚になっている。
どっちが姉なのかは知らん。
イリスも同様でエリカに彼氏が出来たと聞いた時、「へー?エリカにも春が来たじゃん?良かったねー」と超アッサリしたモノだった。
この話しを聞いた時の百合っぺ達の落胆は凄いモノが有ったと言う。
何せ「イリス隊長とエリカ参謀ってそうなんじゃない?」とキャッキャッして妄想を膨らませていたのだから。
そんな中での争奪戦の開始だ。
こんなビッグウェーブに乗らない手は無い!エリカを再教育じゃあああ!!
と、百合っぺ達は意気込んでいるのだ!・・・マジでやべぇなコイツら。
こうして様々な思惑が入り乱れる中で龍騎士隊イリス最大の内乱勃発と・・・ならなかった。
騒ぎを聞き付けた軍務大臣のホワイト侯爵が激オコで待ったを掛けたのだ。
「隊の半数がダンジョン探索?ダメに決まっているでしょ?
事前に休暇申請している者の参加は認めるけど他の者は絶対にダメです!」
腕を組んで大騒ぎしている龍騎士達を威圧するホワイト侯爵、当たり前だっての。
こうしてダンジョン探索に参加可能な休暇申請済みの隊員は3名しか残らなったのだ。
ラーデンブルク軍の休暇申請は一カ月前と定められており例外は基本的に認められていない。
親が倒れたとか特別な理由が有る場合のみに認められる。
今回?こんなアホ過ぎるイベントに軍務省に休暇が認められる訳ねぇだろ!
しかし百合っぺ代表の女性隊員が残れたのは運命のイタズラだろう。
いや!執念とも言えよう。
「会長!私達の分まで奮戦よろしくお願いします!」
「任せて!」
「一体何人の会員が居るのよぉおおお?!そして何の会なのよぉおお?!」
ゴルド王国や魔族の連中より百合っぺ達に恐怖を感じているエリカだった。
「イリス隊長!お手を」
「いいえ!私のお手をお取り下さい!」
そんなエリカと百合っぺ達を尻目にイリス争奪戦に残った2人のエルフの男性隊員による戦いは既に始まっていた。
「ひ・・・・・ひゃああああああ?!?!」
「「ああ?!イリス隊長ーーー?!」」
今まで無かった突然のモテ期に混乱してイリスは顔を真っ赤にしてその場より逃亡した。
幸か不幸か残った2人の隊員は結構なイケメンエルフ青年だったのだ。
恋愛経験皆無のイリスには、2人のイケメン男性を同時に捌ける様なスキルは無い。
しかし今まで抑圧されたモノが解放されると恐ろしいパワーを発揮するモノである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
《ばばばばばばばばバカバルドルさぁーーーーん》
《人が仕事中にいきなり「バカ」とは何事じゃあ!》
仕事中にいきなり念話で「バカ」と言われて激オコの魔王バルドル。
急に男性に言い寄られて混乱したイリスは、ほとんど父親同然の魔王バルドルに相談する事にしたのだ。
師匠のクレアは恋愛系では全然アテにならない事が判明しており本当の両親は外務官としてヴィグル帝国へ赴任していて長期に渡り不在だったからだ。
頼みのエリカは百合っぺ達への対応でそれどころじゃない。
今まで何か問題があった時にイリスの両親が全く出て来なかったのは、そもそも外国官として国もとからずっと留守だったのだね。
決して今取って付けた設定ではありません、本当です信じて下さい。
イリス、涙目で状況説明中・・・
「ふーむ?なるほどのぅ・・・」
何だかんだで真面目に相談に乗ってくれる魔王バルドルである。
《どうしたら良いのか分からないの・・・》
「まぁ、お主がモテるのは必然であろう、ハイエルフには「魅了」の種族固定スキルが備わっておるからな」
《そうなの?!》
「・・・・・・・・・師匠のクレアやルナから説明を受けておらんのか?」
《全然》
「全く・・・ハイエルフの役割の「送り人」として死者の魂を魅了して無事に「死者の国」へと導く為に必要なスキルなのじゃ。
そして当然、「魅了」のスキルは生きている者にも影響力は有る」
イリスが初対面の者にも好かれる理由に「魅了」のスキルも関係している。
最も個人に魅力が無いと「魅了」スキルは効果が無いので単純にイリスの魅力が増幅されているだけなのだが。
《でも何で急に??》
「それは、お主が「恋愛」に対して本当の意味で興味が出たからじゃな。
もう大人になったと言う事じゃ、なので「魅了」のスキルも変質したのじゃ。
・・・と言うかコレ、クレアかルナが説明せんといかん話しなのじゃがのぅ」
クレアとルナを擁護すると2人はまだイリスが子供だと思っていておりイリスが男性に対して本当の意味で興味が出ていると思っていない。
《どうしたら良いのかな?》
「お主の心が読める訳では無いので返答が難しいが・・・
むう・・・その「ダンジョンデート」とやらに参加して様子を見る・・・
と言うのはどうじゃろうか?」
魔王バルドルも結婚はしているが娘が居る訳では無いので、なかなか返答に苦しんでいる様子だ。
要するに「イリスの思い次第」としか言えないのだ。
返答に困ったバルドルは、「ん?そうか!我が妻に聞いて見ようか?」と思い立つ。
《フレイさんに?》
魔王バルドルの妻であるフレイは「元人間」だ。
バルドルに惚れ込んで同じ時間を歩みたいとバルドルに「吸血」を願った情熱的な女性である。
イリスとも「イリスダンジョン」で何回も会っておりお互いに良く知っている仲だ。
女性同士の恋愛相談の相手としては最適だろう。
こうして相談相手をバルドルの妻のフレイにチェンジして3時間ほど話し込んだイリス。
何を話したかは「女同士の秘密」らしい。
孫持ちお爺ちゃんである我も若い女性同士の恋愛相談で一体何を話すかなど想像も出来ないのでマジこれ以上の追求は勘弁して下さい。
そしてフレイとの話し合いの結果・・・
「先ずは行動して見る事よね!」無事にイリスは復活したのだった。
「あー、元気なって良かったねー・・・イリス・・・」
元気になったイリスに対するエリカは百合っぺ達の執拗な攻勢に疲れ果てていた。
「エリカ?大丈夫?」
「大丈夫じゃない」
この数日間、風呂に入っていると突撃かまして来て身体を洗って来ようとするは、寝ていたらベッドに潜り込んで来ようとするはで散々だったのだ。
結局、やり過ぎ行き過ぎの暴走百合っぺ達はホワイト侯爵にしばかれたのだった。
そんな中で運命の「ダンジョン探索デート」が開催される日が来たのだった。
しかし何でデートがダンジョン探索なのか今だに意味不明だね!
「だから何であなた達が参加しているのよ?!」
何故だか知らんが参加表明している女性隊員達に対して混乱の極地になるエリカ。
「だって勝ったらエリカ参謀ゲットでしょ?!そりゃ参加しますよ!」
とっても百合百合しい女性隊員達、行動力が有る分とても達が悪いのだ。
百合っぺ達にはエリカをこちらの世界に引き摺り込まねばならぬ使命が有るのだ!
ちなみにこの世界のこの時代は同性愛者は割とよく居る。
戦乱期特有の現象とも言えよう。
イリスは徹頭徹尾正統派なノーマルなので諦めているがエリカなら「ワンチャン有るんじゃね?」とか百合っぺ達は考えている。
「なん・・・だと?・・・これが女子校出身の弊害か・・・」
知らず知らずの内に百合オーラを出してしまっていた自分に愕然とするエリカ。
誤解を招くと可哀想なので最初に断言しておくと「エリカはド・ノーマル」である。
イリスに対しては、親友としての親愛の情が強く出てくっついているだけなのだ。
今はどちらかと言うと親友と言うより姉妹の感覚になっている。
どっちが姉なのかは知らん。
イリスも同様でエリカに彼氏が出来たと聞いた時、「へー?エリカにも春が来たじゃん?良かったねー」と超アッサリしたモノだった。
この話しを聞いた時の百合っぺ達の落胆は凄いモノが有ったと言う。
何せ「イリス隊長とエリカ参謀ってそうなんじゃない?」とキャッキャッして妄想を膨らませていたのだから。
そんな中での争奪戦の開始だ。
こんなビッグウェーブに乗らない手は無い!エリカを再教育じゃあああ!!
と、百合っぺ達は意気込んでいるのだ!・・・マジでやべぇなコイツら。
こうして様々な思惑が入り乱れる中で龍騎士隊イリス最大の内乱勃発と・・・ならなかった。
騒ぎを聞き付けた軍務大臣のホワイト侯爵が激オコで待ったを掛けたのだ。
「隊の半数がダンジョン探索?ダメに決まっているでしょ?
事前に休暇申請している者の参加は認めるけど他の者は絶対にダメです!」
腕を組んで大騒ぎしている龍騎士達を威圧するホワイト侯爵、当たり前だっての。
こうしてダンジョン探索に参加可能な休暇申請済みの隊員は3名しか残らなったのだ。
ラーデンブルク軍の休暇申請は一カ月前と定められており例外は基本的に認められていない。
親が倒れたとか特別な理由が有る場合のみに認められる。
今回?こんなアホ過ぎるイベントに軍務省に休暇が認められる訳ねぇだろ!
しかし百合っぺ代表の女性隊員が残れたのは運命のイタズラだろう。
いや!執念とも言えよう。
「会長!私達の分まで奮戦よろしくお願いします!」
「任せて!」
「一体何人の会員が居るのよぉおおお?!そして何の会なのよぉおお?!」
ゴルド王国や魔族の連中より百合っぺ達に恐怖を感じているエリカだった。
「イリス隊長!お手を」
「いいえ!私のお手をお取り下さい!」
そんなエリカと百合っぺ達を尻目にイリス争奪戦に残った2人のエルフの男性隊員による戦いは既に始まっていた。
「ひ・・・・・ひゃああああああ?!?!」
「「ああ?!イリス隊長ーーー?!」」
今まで無かった突然のモテ期に混乱してイリスは顔を真っ赤にしてその場より逃亡した。
幸か不幸か残った2人の隊員は結構なイケメンエルフ青年だったのだ。
恋愛経験皆無のイリスには、2人のイケメン男性を同時に捌ける様なスキルは無い。
しかし今まで抑圧されたモノが解放されると恐ろしいパワーを発揮するモノである。
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《ばばばばばばばばバカバルドルさぁーーーーん》
《人が仕事中にいきなり「バカ」とは何事じゃあ!》
仕事中にいきなり念話で「バカ」と言われて激オコの魔王バルドル。
急に男性に言い寄られて混乱したイリスは、ほとんど父親同然の魔王バルドルに相談する事にしたのだ。
師匠のクレアは恋愛系では全然アテにならない事が判明しており本当の両親は外務官としてヴィグル帝国へ赴任していて長期に渡り不在だったからだ。
頼みのエリカは百合っぺ達への対応でそれどころじゃない。
今まで何か問題があった時にイリスの両親が全く出て来なかったのは、そもそも外国官として国もとからずっと留守だったのだね。
決して今取って付けた設定ではありません、本当です信じて下さい。
イリス、涙目で状況説明中・・・
「ふーむ?なるほどのぅ・・・」
何だかんだで真面目に相談に乗ってくれる魔王バルドルである。
《どうしたら良いのか分からないの・・・》
「まぁ、お主がモテるのは必然であろう、ハイエルフには「魅了」の種族固定スキルが備わっておるからな」
《そうなの?!》
「・・・・・・・・・師匠のクレアやルナから説明を受けておらんのか?」
《全然》
「全く・・・ハイエルフの役割の「送り人」として死者の魂を魅了して無事に「死者の国」へと導く為に必要なスキルなのじゃ。
そして当然、「魅了」のスキルは生きている者にも影響力は有る」
イリスが初対面の者にも好かれる理由に「魅了」のスキルも関係している。
最も個人に魅力が無いと「魅了」スキルは効果が無いので単純にイリスの魅力が増幅されているだけなのだが。
《でも何で急に??》
「それは、お主が「恋愛」に対して本当の意味で興味が出たからじゃな。
もう大人になったと言う事じゃ、なので「魅了」のスキルも変質したのじゃ。
・・・と言うかコレ、クレアかルナが説明せんといかん話しなのじゃがのぅ」
クレアとルナを擁護すると2人はまだイリスが子供だと思っていておりイリスが男性に対して本当の意味で興味が出ていると思っていない。
《どうしたら良いのかな?》
「お主の心が読める訳では無いので返答が難しいが・・・
むう・・・その「ダンジョンデート」とやらに参加して様子を見る・・・
と言うのはどうじゃろうか?」
魔王バルドルも結婚はしているが娘が居る訳では無いので、なかなか返答に苦しんでいる様子だ。
要するに「イリスの思い次第」としか言えないのだ。
返答に困ったバルドルは、「ん?そうか!我が妻に聞いて見ようか?」と思い立つ。
《フレイさんに?》
魔王バルドルの妻であるフレイは「元人間」だ。
バルドルに惚れ込んで同じ時間を歩みたいとバルドルに「吸血」を願った情熱的な女性である。
イリスとも「イリスダンジョン」で何回も会っておりお互いに良く知っている仲だ。
女性同士の恋愛相談の相手としては最適だろう。
こうして相談相手をバルドルの妻のフレイにチェンジして3時間ほど話し込んだイリス。
何を話したかは「女同士の秘密」らしい。
孫持ちお爺ちゃんである我も若い女性同士の恋愛相談で一体何を話すかなど想像も出来ないのでマジこれ以上の追求は勘弁して下さい。
そしてフレイとの話し合いの結果・・・
「先ずは行動して見る事よね!」無事にイリスは復活したのだった。
「あー、元気なって良かったねー・・・イリス・・・」
元気になったイリスに対するエリカは百合っぺ達の執拗な攻勢に疲れ果てていた。
「エリカ?大丈夫?」
「大丈夫じゃない」
この数日間、風呂に入っていると突撃かまして来て身体を洗って来ようとするは、寝ていたらベッドに潜り込んで来ようとするはで散々だったのだ。
結局、やり過ぎ行き過ぎの暴走百合っぺ達はホワイト侯爵にしばかれたのだった。
そんな中で運命の「ダンジョン探索デート」が開催される日が来たのだった。
しかし何でデートがダンジョン探索なのか今だに意味不明だね!
応援ありがとうございます!
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